安西祐一郎
テンプレート:Infobox Engineer 安西 祐一郎(あんざい ゆういちろう、1946年(昭和21年)8月29日 - )は、日本の工学者(情報科学・認知科学)。学位は工学博士(慶應義塾大学・1974年)。慶應義塾大学理工学部名誉教授、慶應義塾大学理工学部長、慶應義塾大学大学院理工学研究科委員長、第17代慶應義塾長などを歴任した。
現在、独立行政法人日本学術振興会理事長、中央教育審議会(中教審)会長、学校法人慶應義塾学事顧問、新日本製鐵株式会社社外監査役。
目次
人物
慶應義塾大学理工学部名誉教授の安西修一郎は親族である。池田彌三郎とは遠戚関係にある。
慶應義塾大学理工学部体育会ラグビー部(KER)27期でOB会会長である。宇宙飛行士の星出彰彦とは、慶應義塾大学理工学部体育会ラグビー部(KER)の同窓である。幼稚舎出身の塾長としては、潮田江次に次ぐ二人目である。
教育再生懇談会(2009年11月に廃止)で座長を務めた。文部科学省学校教育の情報化懇談会座長も務め、小中学生が携帯やネットのリテラシーを学ぶことを奨励している。2009年4月末の慶應義塾長の選挙に三選目を目指して臨んだものの、当時商学部長を務めていた清家篤が次期塾長に選出されたため、2009年5月27日を以って塾長の座を退いた。
趣味はスポーツ(特にラグビー、スキー、テニス)、読書、クラシック音楽鑑賞。座右の銘は「一期一会」。子息は慶應義塾大学病院の医師。
NHK会長人事
NHKでは、19年ぶりに民間から起用された会長の福地茂雄が、高齢も一つの理由として2011年1月24日の任期満了後は再任を望まない意向を示していた。このためNHK経営委員会は後任の人選を進め、その過程で安西に次期会長就任を打診、安西はこれに内諾したことが2010年12月29日明らかになった。NHK経営委員会において承認が得られれば[1]、NHKでは2代続く民間出身の会長に就任することになっていた[2]。
しかし、安西が会長交際費の有無について照会を行ったことについて、経営委員会内部で安西に対する不信が生じ、2011年1月には経営委員会が打診を撤回[3]。安西はこれについて「単に説明を求めただけ」と釈明した上で、経営委員会に対する不信感をあらわにし「このような状況では会長職を受けてもNHKを良くすることは困難」として、1月11日に就任を拒絶することを表明した[4]。
独立行政法人日本学術振興会理事長・中央教育審議会会長
2011年9月16日、独立行政法人日本学術振興会理事長に内定。任期は、2011年10月1日から4年間。2014年、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会(中教審)会長に就任。
経歴
- 1959年 慶應義塾幼稚舎卒業
- 1962年 慶應義塾普通部卒業
- 1965年 慶應義塾高等学校卒業
- 1969年 慶應義塾大学工学部応用化学科卒業
- 1971年 同大学工学部管理工学科助手(〜1979年)
- 1974年 同大学大学院工学研究科博士課程修了(管理工学専攻)慶応大学 工学博士 論文は 「A study on integer programming algorithms and their applications」
- 1976年 カーネギーメロン大学博士研究員(〜1978年)
- 1979年 慶應義塾大学工学部管理工学科専任講師(〜1985年)
- 1981年 カーネギーメロン大学客員助教授(〜1982年)
- 1985年 北海道大学文学部行動科学科助教授
- 1988年 慶應義塾大学理工学部電気工学科(学科改組後、情報工学科)教授(〜2011年)
- 1989年 同大学大学院理工学研究科教授(計算機科学専攻)兼任
- 1991年 マギル大学客員教授
- 1993年 慶應義塾大学理工学部長・大学院理工学研究科委員長(〜2001年)
- 2001年 慶應義塾長(〜2009年)
- 2003年 社団法人日本私立大学連盟会長・日本私立大学団体連合会会長・全私学連合代表(協議会議長)
- 2005年 社団法人情報処理学会第23代会長(〜2007年)
- 2008年 環太平洋大学協会 (Association of Pacific Rim Universities; APRU)会長
- 2011年 独立行政法人日本学術振興会理事長
- 2014年 文部科学相の諮問機関である中央教育審議会会長。
受賞・受章
- 情報処理学会論文賞(昭和62年度) 「Connectionist Modelを用いた自然言語処理システム」(Vol.28, No.2)田村淳との共著
- 計測自動制御学会技術論文賞
- 『翻訳の世界』翻訳大賞 哲学・思想・芸術部門第一位
- 人工知能学会業績賞(2001年度)
- 2005年 フランス教育功労章コマンドゥール(芸術文化勲章)
- 2008年春 紫綬褒章(情報学)
社会的活動・主な役職
- 文部科学省参与
- 文部科学省中央教育審議会委員(第3期~第4期)、大学分科会会長、第8期会長
- 日本学術振興会21世紀COEプログラムプログラム委員会委員(平成18年度)
- 日本学術会議会員
- 教育振興基本計画部会副部会長
- 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構理事
- 環太平洋大学協会 (Association of Pacific Rim Universities; APRU)会長
- 教育再生懇談会座長
- 社団法人日本私立大学連盟会長
- 日本私立大学団体連合会会長
- 全私学連合代表(協議会議長)
- 同 グローバルCOEプログラムプログラム委員会副委員長
- 国立大学法人東北大学経営協議会委員
- 科学基礎論学会評議員
- 教育再生懇談会座長
- 新日本製鐵社外監査役
- ソニー社外取締役
- 第一三共社外取締役
学会
著書
- 『問題解決の心理学 ― 人間の時代への発想』(中公新書、1985年)
- 『知識と表象 — 人工知能と認知心理学への序説』(産業図書、1986年)
- 認知科学と人工知能 計算機科学/ソフトウェア技術講座 17 共立出版 1987.11
- 認識と学習 岩波講座ソフトウェア科学 16 岩波書店 1989.2
- 『未来を先導する大学 ― 慶應義塾長、世界の学長と語る』(慶應義塾大学出版会、2004)
- 教育が日本をひらく グローバル世紀への提言 慶應義塾大学出版会 2008.9
共編著
- 『機械の知 人間の知 ― 認知科学選書』(辻井潤一共著、東京大学出版会、1988年
- 『定性推論 ― 知識情報処理シリーズ』(溝口文雄・古川康一共編、共立出版、1989年
- ニューラルネットワークシミュレータSONNET 若松真共著 岩波書店 1990.7
- 情報の表現と論理 開一夫,石崎雅人共著 岩波書店 2003.12
翻訳
- 『心の社会』(マーヴィン・ミンスキー、産業図書、1990年、ISBN 4782800541)
- 『学者人生のモデル』(ハーバート・A・サイモン、安西徳子共訳、岩波書店、1998年)