ベルトーネ
ベルトーネ(Bertone)は、イタリア・トリノを本拠地とする自動車関連企業である。1912年にカロッツェリアとして創業し、自動車のデザインや試作を行うカロッツェリア・ベルトーネ(Carrozzeria Bertone)と、鉄道車両の設計や建築など自動車以外の部門に会社が分かれた。
ボディ制作部門のカロッツェリア・ベルトーネは多額の負債を抱えて2008年に事実上倒産、現在はカロッツェリア・ベルトーネ以外の部門を統合し、ベルトーネ・デザイン(Bertone Design)として再出発、車のデザインを含めたクルマ全体の設計活動を進めている。
概要
1960年代、創業者の息子で2代目のヌッチオ・ベルトーネの時代に、それまでの一品製作の工房から、デザイン提案と試作車製作、さらに少規模ながら量産メーカーへと発展した。ヌッチオの時代には、フランコ・スカリオーネ、ジョルジェット・ジウジアーロ、マルチェロ・ガンディーニという有力デザイナーが活躍した。
近況
1997年のヌッチオが死去後、製造部門の経営は悪化の一途となり、2005年をもって量産は終了[1]、2006年9月には休業状態に陥っていた。4つの主要建物と1,140人の従業員を擁するベルトーネ工場には年間70,000台の生産能力があるとされ、2009年中にフィアットが買収し、クライスラー車の生産工場に転換されることが明らかになっている[2]。また、グルリアスコ工場の設備・不動産に関しても、2009年中の売却が決定している[3]。
2009年8月、イタリア政府機関はフィアットによるベルトーネ買収を承認している。ただし、一連のベルトーネ再建案では、同社のデザイン部門は影響を受けないという[4]。
2013年7月、ベルトーネ・デザインで内外装をデザインしたボンバルディア社製の最新ユーロスターFRECCIAROSSA1000の試作車のプレス発表が行われ、ベルトーネ・デザインのCEOであるアルドチンゴラーニも立ち会った。