ナナフシ
テンプレート:生物分類表 ナナフシ(七節、竹節虫)は、節足動物門昆虫綱ナナフシ目に属する昆虫の総称。草食性の昆虫で、木の枝に擬態した姿が特徴的。「七節」の「七」は単に「たくさん」という程度の意味で、実際に体節を正しく7つもっているわけではない。また、「竹節虫」は中国語由来の表記である。
ナナフシ目の学名の "テンプレート:Sname" は「異様なもの」を意味する phasma と、高次の分類群を示す odea を合わせたもので[1]、学名についてはこの他に "テンプレート:Sname" とする場合もある。
形態・生態
細長い体で、その姿は葉や枝などの植物体に擬態している。また、硬い卵殻に覆われた卵も植物の種子に似ている[1]。体長は数cmから50cmを超えるものまでさまざま。
不完全変態[1]。基本的に両性生殖だが、テンプレート:仮リンクなどは単為生殖を行い、オスが非常に稀である。
翅や飛翔能力を失ったものが多い。退化の程度は様々で、雌雄とも完全な飛翔能力を有するものから、オスのみ飛翔能力を有するもの、雌雄とも完全に無翅のものまである。コノハムシのメスのように、上翅を有するものの飛翔能力は失われている例もある。
防御手段の一つとして、敵に襲われた際に脚を自ら切り離す自切を行う種が多い。失われた脚は、自切が若齡幼虫時に行われたものであれば、脱皮とともに再生していくが、成長段階の終わりに近い時期の自切ほど再生され難く、終齡幼虫・成虫での自切は再生されない。
分布
下位分類
テンプレート:国際化 世界には約2,500種のナナフシの仲間がいるとされている。ただ、ナナフシの分類は大幅な見直しが進められており、以下に記述されている日本国内種についても、これから整理される可能性があるため注意が必要である。
コブナナフシ亜科
- コブナナフシ テンプレート:Snamei (Bates, 1865)
ナナフシ亜科
- ナナフシモドキ テンプレート:Snamei (Brunner von Wattenwyl, 1907)
- 体長:オス57 - 62mm(非常に稀で数匹しか見つかっていない)、メス74 - 100mm。
- 分布:日本(本州、四国、九州)。
- テンプレート:Snamei (Thunberg, 1815)と混同する例が多いが、テンプレート:Snamei 属は触角が短く、テンプレート:Snamei 属は触角が長いことで区別できる。
- イシガキナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)[2]
- 分布:日本(石垣島、西表島)、台湾。
- テンプレート:Snamei と同種の可能性がある。
- ヤマトナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1911)[3]
- オオナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1911)[3]
- テンプレート:Snamei (Brunner von Wattenwyl, 1907)
- オキナワナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)[2]
- 分布:日本(奄美大島、沖縄本島、久米島、南大東島、宮古島、石垣島、西表島)。
- ミヤコナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)とナゴナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)[2]は同種[4]。
- テンプレート:Snamei (Brunner von Wattenwyl, 1907)
- 分布:日本。
トビナナフシ亜科
- ニホントビナナフシ テンプレート:Snamei (Rehn, 1904)
- 体長:オス36 - 40mm、メス46 - 56mm。
- 分布:日本(本州、九州、奄美大島、沖縄本島、久米島)。
- 本州の個体は単為生殖を行うが屋久島以南の個体は両性生殖。リュウキュウトビナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)は同種[5]。
- ヤスマツトビナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)[2]
- 分布:日本(本州、四国、九州)。
- 単為生殖を行い、オスは未知。
- シラキトビナナフシ テンプレート:Snamei (Ichikawa and Okada, 2008)[5]
- 分布:日本(北海道)。
- 単為生殖を行い、オスは未知。
ヒゲナナフシ亜科
- トゲナナフシ テンプレート:Snamei (de Haan, 1842)
- 体長:メス57 - 75mm。
- 分布:日本(本州、四国、九州)。
- トゲナナフシモドキ テンプレート:Snamei (Brunner von Wattenwyl, 1907)は同種[6]。
- エダナナフシ テンプレート:Snamei (Brunner von Wattenwyl, 1907)
- 体長:オス65 - 82mm、メス82 - 110mm。
- 分布:日本(本州、九州)、台湾。
- 体色は緑色型、茶褐色型、灰褐色型と様々である。日当たりの良い雑木林などで見られる。食性はサクラ、ノイバラ、カシ、コナラなど様々。都市近郊にも多く生息する普通種。ナナフシ テンプレート:Snamei (Thunberg, 1815)と テンプレート:Snamei (Rehn, 1904)は同種と考えられる。なお、ナナフシモドキを テンプレート:Snamei (Thunberg, 1815)と混同する例が多いが、テンプレート:Snamei 属は触角が短く、テンプレート:Snamei 属は触角が長いことで区別できる。
- ミヤコエダナナフシ テンプレート:Snamei (Shiraki, 1935)[2]
- 分布:日本(沖縄本島、宮古島、石垣島、西表島)。
- タイワントビナナフシ テンプレート:Snamei (Westwood, 1859)
脚注
参考文献
関連項目
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