フランクフルト国際空港
フランクフルト国際空港(フランクフルトこくさいくうこう、ドイツ語:Flughafen Frankfurt am Main)はドイツのフランクフルト・アム・マインにあるドイツ最大規模の空港である。空港コードはFRA/EDDF。
目次
概要
統計の新旧にもよるが、ヨーロッパでは、ロンドンのヒースロー空港に次ぎ、二番目または三番目に大きい空港である。世界における国際線の主要なハブ空港のひとつである。空港の運営はフラポート株式会社(Fraport AG)が行っている。
ドイツのフラッグ・キャリアであるルフトハンザドイツ航空がメインハブ空港として使用している。しかし当空港の受け入れ能力不足のため、ミュンヘンのフランツ・ヨーゼフ・シュトラウス国際空港にも輸送を振り分けている。
歴史
ライン=マイン空港およびライン=マイン空軍基地として1936年に開設された。第二次世界大戦中は、ベルリンのテンペルホーフ国際空港に次ぎ、ドイツ第2の空港として活躍した。戦後はベルリン空輸で西ドイツ政府の主要な輸送基地として使われた。
フランクフルト国際空港が国際的なハブ空港として使われるようになるのは、1972年に乗客用の新ターミナル(現在のターミナル1)が開設されてからである。
構造と機能
当空港には2つの旅客用ターミナルがあり、回廊、新交通システム、バスで連結されている。
ターミナル1
ターミナル1は1972年3月14日にオープン。A,B,Cの三つのコンコースがある。スターアライアンス各社はこのターミナル1に発着する。ルフトハンザはコンコースA、全日本空輸はコンコースBを使用している。
コンコース A
- アドリア航空
- Cirrus Airlines
- クロアチア航空
- LOTポーランド航空
- オーストリア航空
- エア・ドロミティ
- ルフトハンザドイツ航空
- ルクスエア
- スカンジナビア航空
- オーストリアン・アローズ
コンコース B
- エーゲ航空
- 全日本空輸
- エチオピア航空
- 中国国際航空 (Air China)
- エア・アルジェリア
- エア・カナダ
- モーリシャス航空
- モルドバ航空
- ナミビア航空
- キプロス航空
- エジプト航空
- エストニア航空
- クウェート航空 (Kuwait)
- リビア航空 (Tripoli)
- ルフトハンザドイツ航空
- ミドル・イースト航空
- オリンピック航空
- カタール航空
- ロイヤル・エア・モロッコ
- シンガポール航空
- 南アフリカ航空
- スリランカ航空
- シリア・アラブ航空 (Aleppo, Damascus)
- TAPポルトガル航空
- Tunisair (Monastir, Tunis)
- トルコ航空
- ユナイテッド航空
コンコース C
- エア・インディア
- アシアナ航空
- ブリュッセル航空
- エル・アル航空
- TAM航空
- イラン航空
- Air Serbia
- Air Malta
- ルフトハンザドイツ航空
- タイ国際航空
- USエアウェイズ
- LAN航空
- コンドル航空
ターミナル2
ターミナル2は1994年10月24日にオープン。D,Eの二つのコンコースがある。日本航空はコンコースDを使用している。
コンコース D
- エアリンガス
- アエロフロート
- アエロフロート-Don
- Air Astana (Almaty, Astana, Karaganda, Kustanay)
- エールフランス
- アリタリア
- Air Via (Burgas, Varna)
- Belavia (Minsk)
- Bestair
- Blue Wings
- B&H Airlines (Sarajevo)
- チャイナエアライン(中華航空)
- 中国東方航空
- CSAチェコ航空
- デルタ航空
- East Line Airlines
- Eritrean Airlines (Asmara)
- FlyLal (Palanga, Vilnius)
- フリーバード航空
- グルジア航空 (Tblisi)
- ガルフエア
- 日本航空
- Karthago Airlines
- KLMオランダ航空
- KLMシティホッパー (Amsterdam)
- 大韓航空
- Kuban Airlines (Krasnodar)
- マレーシア航空
- モンテネグロ航空
- Omskavia (Chelyabinsk, Omsk)
- パキスタン国際航空 (Islamabad, Karachi, Lahore) 運航停止
- Pegasus Airlines (Antalya)
- ロシア航空 (St. Petersburg)
- サウジアラビア航空
- Sky Airlines
- トランスアエロ航空 (Moscow-Domodedovo)
- TUIfly (Antalya, Catania, Chania, Ibiza, Karkyra, Kos, Lanzarote, Menorca, Palma de Mallorca, Patras, Rhodes, Tenerife-South, Thessaloniki, Thira)
- トルクメニスタン航空 (Ashgabat)
- ウクライナ国際航空
- ウズベキスタン航空
- ベトナム航空
- タロム航空
コンコース E
- エア・ベルリン
- エア・セイシェル
- エア・トランサット (Calgary, Edmonton, Halifax, Toronto-Pearson, Vancouver)
- Albanian Airlines (Tirana)
- アメリカン航空
- アルマヴィア
- ブリティッシュ・エアウェイズ
- BA CityFlyer (London-City)
- Bulgarian Air Charter (Burgas, Varna)
- キャセイパシフィック航空
- デルタ航空
- Cyprus Turkish Airlines (Ankara, Antalya)
- エミレーツ航空
- エティハド航空 (Abu Dhabi)
- フィンランド航空
- Hamburg International (Erbil)
- イベリア航空
- アイスランド航空
- Inter Airlines (Antalya, Istanbul-Atatürk)
- KrasAir (Omsk)
- Niki
- Nouvelair (Monastir)
- ペガサス航空
- ロイヤル・ヨルダン航空
- SATA International (Ponta Delgada)
- Saravia
- S7航空 (Moscow-Domodedovo, Novosibirsk, Omsk)
- イエメン航空
アクセス
フランクフルト市内と空港間は鉄道によって結ばれている。フランクフルト空港近距離駅と遠距離駅の2つが存在する。
フランクフルト空港近距離駅
フランクフルト空港近距離駅はターミナル1、コンコースBに位置する。フランクフルト中央駅までS-BahnS8(マインツ中央駅往き)、S9(マインツ-カステル駅往き)が利用可能である。15分おきに発射する。フランクフルト中央駅からは市内交通へ乗り換えが可能である。市内までの利用であればこちらが便利である。
フランクフルト空港遠距離駅
フランクフルト空港近距離駅に隣接して位置し両者は連絡通路で結ばれている。ケルン-ライン=マイン高速線の一部としてドイツ各地とICEやICで結ばれている。
利用状況
当空港からの発着先は、現在のところロンドンのヒースロー空港からの発着先より多い。しかし旅客の輸送量では依然としてヒースロー空港が優位にあり、当空港はこの点でパリのシャルル・ド・ゴール国際空港に並んでいる。2003年にフランクフルト国際空港を使用した旅客は48,351,664人に上るが、ヒースロー空港では63,487,136人、シャルル・ド・ゴール空港では48,220,436人である。
航空機の移動に関しては、同年当空港を発着した航空機は458,865機でヨーロッパ第3位である(シャルル・ド・ゴール空港で515,025機、ヒースロー空港で463,650機)。貨物輸送では、当空港の扱い量は1,548,014トンでヨーロッパ第2位である(シャルル・ド・ゴール空港で1,723,700トン、ヒースロー空港で1,300,420トン)。2001年の同時多発テロ以降、貨物取扱量や旅客数は一時減少したが現在は再び増加傾向である。この為、当空港の処理能力は限界に達しつつある。
年 | 旅客数 | 貨物取扱量(t) | 航空郵便取扱量(t) | 航空機発着回数 |
---|---|---|---|---|
2011 | 56,443,657 | 2,169,304 | 82,314 | 487,162 |
2010 | 53,013,771 | 2,231,348 | 76,445 | 464,432 |
2009 | 50,937,897 | 1,837,054 | 80,174 | 463,111 |
2008 | 53,472,915 | 2,133,293 | 90,346 | 485,783 |
2007 | 54,167,817 | 2,095,293 | 95,168 | 492,569 |
2006 | 52,821,778 | 2,057,175 | 96,889 | 489,406 |
2005 | 52,230,323 | 1,892,100 | 99,437 | 490,147 |
2003 | 48,351,664 | 1,548,014 | 126,726 | 458,865 |
2000 | 49,369,429 | 1,589,428 | 141,011 | 458,731 |
1990 | 29,631,427 | 1,176,055 | 152,317 | 324,387 |
1980 | 17,664,171 | 642,850 | 91,918 | 222,293 |
1970 | 9,401,842 | 327,323 | 59,353 | 195,802 |
1960 | 2,172,494 | 46,910 | 11,875 | 85,257 |
1950 | 195,330 | 3,652 | 1,616 | 13,076 |
出典
拡張
近年、利用者が増加傾向にあり、現状のままでは2020年に第1、第2ターミナルだけでは増加する乗客に対応できなくなると予想されていたため、新たに第3ターミナル建設が計画されている。第3ターミナルはフランクフルト国際空港の南側に位置し、最初に中央ターミナル施設と、24カ所の駐機スポットを備えた2つのピアが建設される予定。完成は2021年の予定で、1年間に1400万人の旅客に対応することができる。[1]
税関トラブル
当空港の構造上、ターミナル1Bに到着の場合、機内持込荷物と機内預入荷物のあわせて2回の税関への申告が必要な場合があり、申告を忘れたり正確な申告をせずに通関したことによって、多額の税または反則金の支払いを命じられるトラブルが多数発生している[2][3]。
脚注
- ↑ フランクフルト国際空港、第3ターミナルを建設へ Fly Team
- ↑ フランクフルト国際空港における税関トラブルに関する注意事項 在ルクセンブルク日本国大使館
- ↑ ドイツの国際空港における税関検査に関する注意事項 在ドイツ日本国大使館