山ねずみロッキーチャック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『山ねずみロッキーチャック』(やまねずみロッキーチャック)は、1973年1月7日-12月30日にフジテレビ系で放送されたテレビアニメ作品。ズイヨー映像制作。
アメリカの作家ソーントン・バージェス(Thornton Burgess)の子供向け連作動物小説を原作とする作品。ウッドチャックのジョニー・チャックをロッキーチャックと名前を変えて全ストーリーの主人公格に据え、統一ストーリーを描き出す形の再構成が施されている。英題は『Fables of the Green Forest』。
ストーリー
家族と離れ、緑が森に来た山ねずみのロッキーチャック(ロッキー)と、ロッキーのガールフレンドのポリー達の生活を描いた物語。ロッキーが冤罪で森を追い出されそうになったり、ビーバーのダム建設をめぐって水利権でもめたりとシリアスな話が多い。
声の出演
- ロッキーチャック - 山賀裕二
- ポリー - 増山江威子
- うさぎのピーター - 永井一郎
- かけすのサミー - 八代駿
- リスのチャタラー - 田の中勇
- きつねのレッド - 富山敬
- グラニーばあさん - 麻生美代子、公卿敬子
- くまのバスター - 富田耕生
- ふくろねずみのビリーおじさん - 千葉順二
- ビリーのおかみさん - 友近恵子
- じいさま蛙 - 加茂喜久、田村錦人
- ひき蛙のじいさま - 千葉耕市
- へびのグリーン - 中江真司
- かわうそのジョー - 山田康雄
- テンのハリー - 肝付兼太
- あらいぐまのボビー - はせさん治
- スカンクのジミー - 加藤修(現・加藤治)、山田康雄
- いじわるいたち - 滝口順平
- タカのしろあし - 辻村真人
- きつつきのノック - 肝付兼太、藤城裕士
- うずらのボブ - 矢田耕司
- ボブのかみさん - 瀬能礼子
- マイク - 丸山裕子
- うずらのこども - 吉田理保子
- ビーバーのパティー - 市川治
- じゃこうねずみのジェリー - 大竹宏
- やまあらしのプリックリー - 嶋俊介
- カモのクワックおくさん - 中西妙子
- カモのクワックパパ - 矢田耕司
- カラスのブラッキー - 峰恵研、山下敬介
- ものまね鳥(マネシツグミ)のモッカー - 大竹宏
- 小鳥のジェニー - 山岡葉子、松金よね子
- 小鳥のおじさん - 大竹宏
- のすりのおやじ - 福島靖夫
- コンドルおやじ - 大塚周夫
- コンドルおくさん - 沼波輝枝
- しじゅうからのトミー - 神谷明
- 野ねずみダニー - 野沢雅子
- アナグマのディガー - 池水通洋
- コヨーテおやじ - 原田一夫
- コヨーテぼうやの父 - 山田俊司
- コヨーテぼうやの母 - 牧野和子
- コヨーテぼうや - 友近恵子
- 青さぎのロングレッグ - 田村錦人
- タカのあかしっぽ - 辻村真人
- ロッキーパパ - 北村弘一
- ロッキーママ - 瀬能礼子
- キッキ(ロッキーの兄弟) - 山岡葉子
- クック(ロッキーの兄弟) - 友近恵子
- つばめのスキマー - 井上真樹夫
- おおやまねずみ - 北山年夫
- トム少年 - 友近恵子
- トムの父 - 北村弘一
- 猟師- 峰恵研
- そよ風のおねえさん(そよ風さん) - 吉田理保子、千々松幸子
- ナレーション - 麻生美代子
アニメ版スタッフ
- 原作 - ソーントン・バージェス(「動物ものがたり」より)
- 企画 - 瑞鷹エンタープライズ
- 制作 - フジテレビ、ズイヨー映像
- プロデューサー - 高橋茂人、西崎義展(クレジット表記無し)、中島順三
- 制作デスク - 佐藤昭司
- 監修 - 古賀忠道
- 構成 - 丹野雄二
- 監督 - 遠藤政治
- 音楽 - 宇野誠一郎
- 原画 - 谷口守泰
- 作画監督 - 岡迫亘弘、森やすじ
- 背景 - ムクオスタジオ、アトリエローク
- 美術監督 - 伊藤主計
- 撮影 - トランス・アーツ
- 撮影監督 - 黒木敬
- 編集 - 瀬山武司
- 現像 - 東洋現像所
- 音響効果 - 藤田信夫
- 録音 - 東北新社、東京スタジオセンター(熊谷良兵衛)
- 録音監督 - 田代敦巳
主題歌
EP
- オープニングテーマ - 緑の陽だまり
- 作詞 - 中山千夏 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - ミッチーとチャタラーズ
- エンディングテーマ - ロッキーとポリー
- 作詞 - 山元護久 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - ミッチーとチャタラーズ
- 「ミッチー」とは堀江美都子であり、チャタラーズは氏名不詳の男性3人組。『堀江美都子 歌のあゆみ1』の資料には、チャタラーズの3人組は「杉並児童合唱団OBの男の子三人に協力してもらって」という堀江美都子の談話が掲載されている。また、CD解説書に写真が掲載されている。
LP
収録曲
- 緑の陽だまり
- 毛
- けっけけっけ
- 何ていうのかな
- いい感じ
- 腹ヘリのタンゴ
- とろろん
- お願いおせーて
- つくづく
- あれ
- 涙
- よかった
- 作詞 - 中山千夏 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - ミッチーとチャタラーズ
- 「ロッキーとポリー」は収録されなかった。
- 1973年7月、日本コロムビアより発売。
CD
LPの収録曲12曲に加え、「ロッキーとポリー」、オープニングとエンディングのTV放送用音源を収録した全15曲。
1996年3月6日、東芝EMIから「懐かしのミュージック・クリップ」シリーズの1枚として発売(型番 TOCT-9357)。
各話リスト
|
|
映画
- 『山ねずみロッキーチャック』 1973年8月1日公開の東宝チャンピオンまつりで上映された。
- 『山ねずみロッキーチャック がんばれチャタラー』 1973年12月20日公開の東宝チャンピオンまつりで上映された。
書籍
映像ソフト
2011年11月5日と12月21日にDVD-BOXが発売された。全52話を26話ずつに分け、上巻と下巻に収録している。35ミリネガフィルムよりHDネガテレシネを行い、HDデジタルリマスターを作成したデジタルリマスター版である。これまで再放送、ビデオ化ではカットされていた「カルピスまんが劇場」の冠映像や、オープニング、本編、予告編、エンディングのすべてを収録した完全版となっている。
備考
- ロッキーら、擬人化された動物達は、ベストや帽子など何かしら衣服類を身に着けている。
- 赤白の横縞シャツを着たトム少年をはじめとした人間も登場するが、大抵は動物達の敵として描かれ、多くのエピソードでは顔が描かれていない。ただしトムは、いくつかのエピソードでワナにかかった森の動物をペットとしてかわいがったり、ハンターを非難したりする動物寄りのキャラクターとして描かれている。
- 森にはキツネのレッドとその祖母のグラニーばあさん、コヨーテのだんななど、肉食の動物も住んでいるが、シリーズ全体を通じて、動物同士の本気の捕食シーンは描かれていない。なお、主要キャラクターが卵を食べているシーンは頻繁に描かれ、かぶと虫や魚、蜂蜜の捕食シーンはごく普通に見られる。
- コミュニケーションに関しては、森の動物同士は基本的に共通言語を用いている。犬のバウザーや猫のブラックなど、牧場の人間に飼われている動物たちは、いわゆる動物語を話さない存在として描かれている。人間たちの言語は音声で表現されているが、その意味も、森の動物たちには理解できないものとして扱われている。
- 当初、主人公ロッキーとガールフレンドのポリーは一つの巣穴に同居しているものとして描かれていたが、途中からロッキーの家はひとり住まいの家として扱われるようになった。
- 同時期にTBS系列で放送されていたテレビドラマ「ありがとう」の第3シリーズに、ロッキーチャックソーセージのポスターが写り込んでいた。これは、当時ソーセージの商品化権をライセンスされていた高崎ハムとドラマ側がタイアップしていたためである。
- この作品は「カルピスまんが劇場」として放送されていた。本来、オープニング映像の前に5秒間の冠映像が挿入されていたが再放送、ビデオ化ではカットされている。
- ズイヨー映像(現:日本アニメーション)のアニメーション制作、第1作品目の作品になる。
- 放送開始日の1973年1月7日付けの「産経新聞」や「毎日新聞」には、21:30の『川端康成名作シリーズ 雪国』(関西テレビ制作『白雪劇場』)と共に、本作の広告が掲載されており、「じゃあネ、ムーミンちゃん。こんどはボクはりきるヨ。」と、前作『ムーミン』(第2作)からバトンを受けた様なキャッチフレーズが載せられていた。