ギャルゲー

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テンプレート:複数の問題 ギャルゲーとは、「ギャルゲーム」(Gal game)の略であり、主に魅力的な女性が登場することを売り物とするタイプのコンピュータゲームの俗称。類似の概念に美少女ゲーム萌えゲームがあるが、男性向け恋愛ゲームという意味でも使用される。

概要

ギャルゲー」はしばしば「エロゲーアダルトゲーム)」と同列のものとして扱われがちだが、大まかな違いとして、

ギャルゲー
パソコンゲームの場合「戦巫女」(アリスソフト)や「CLANNAD」(Key)のようにソフ倫の審査により「一般ソフト作品」として認定されたソフトを指すが、現在のところコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)による審査を受けて発売された実績がない(CEROに比べると便宜上の全年齢対象として認定する基準が緩いことや、全作品で同機構の審査を受けなければならないため)。
家庭用の場合はほとんどのメーカーがCEROへ審査を依頼し、その結果に基づいて対象年齢とコンテンツアイコンを表示している。2013年2月現在、アイコン「恋愛セクシャル」が表示される場合、ほとんどが「D 17才以上対象」の区分に指定されているが、「Z 18才以上のみ対象」とは異なり、有害図書指定の基準に抵触しない限り、購入の規制対象とはならない。ただし、ソフマップなど一部の店舗では、条例やレーティングに拘らず、18歳未満への販売を一律に自粛している場合もある。審査基準の見直しが行われる2008年頃までは、「C 15才以上対象」「B 12才以上対象」に指定されることも多かった。
CEROの審査基準では直接的な性描写を明示的に禁止しているため性表現を理由に「Z」区分とされることはまず無く、「Z」区分を受ける場合でも暴力表現を理由とする場合がほとんどである。
エロゲー
ハードコア・ポルノに相当する性描写を含むため、青少年保護育成条例およびコンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)コンテンツ・ソフト協同組合(CSA、旧・メディア倫理協会)によるレイティング審査の結果に基づき、規制の対象となっている(ソフ倫による指定ではR指定=15禁もあり、こちらも年齢の下限による購入の規制があることから、含めることが多い。CSA規定にもR-15は存在するがゲームにおける適用例はほとんど無い)。
ゲームやジャンルによっては性描写に加え、残虐な殺傷や犯罪(特に強姦強制わいせつなどの性犯罪、および犯罪(者)を肯定する表現など)などの描写が付随するものもある。
また「エロゲー」といった場合は「ギャルゲー」と違い攻略対象が女性である作品に限らず、男性同士の同性愛を描写する作品(ボーイズラブゲーム)なども含まれる。
攻略の対象となる人物はソフ倫の倫理規定(禁止事項 6項「年齢制限について」より)などにより、「性交渉を行う人物は全て18歳以上である」または「本ゲームにおいて18歳未満のキャラは登場しない」という趣旨のルールを敷いて強調[1]し、または年齢を特定できる描写をしないとされている。
そのため、攻略対象が学生である場合、年齢に関する言及を避けるよう「〜高校 → 〜学園〜大学[2]」「女子"高"生 → 女子"校"」とするなど、わざとあやふやな表現に置き換えられることが多い(フリーター教師看護師OLなどの職業に就いている設定の場合、ほぼ全員が18歳〜20代以上と認識されるため、あまり言及されない)。
但し、CSAの倫理規定では登場人物の年齢の制限がないため、CSAによる審査を受けたものについてはこの限りではない。

以上のような違いがあるが、一般的なギャルゲーの定義としては、後者のように購入の規制がなされない場合の方が多い。

ギャルゲーという区分

ギャルゲーと非ギャルゲーの差を明確に区別するのは、他の俗称ジャンルであるクソゲーなどと同様難しく、各プレイヤーの主観に拠る所が大だが、大まかな目安としてゲーム中に登場する女性キャラクターの有無によってゲームの内容・意味がある程度変化する事があげられる。しかし、キャラクター性を排除しても十分プレイに堪えうるようなゲーム性の高い作品も存在するため、やはりギャルゲーというジャンルは便宜上の区分として使われる事が多い。

なお、ギャルゲーの上位区分としてはキャラゲーが挙げられる。ギャルゲーはゲーム制作元のオリジナルキャラクターを使う事も少なくないが、キャラゲーは一般に流通している漫画アニメといった作品のキャラクターを使用している点が異なる。しかし、元々俗称による区分でもあるため、やはり、この境界は曖昧である。

ギャルゲーの歴史

最初にギャルゲーと呼称されたゲームは、1986年発売の「夢幻戦士ヴァリス」(日本テレネット)ではないかとされる。ヴァリスと同時期には「アテナ」(SNK)や「マドゥーラの翼」(サン電子)を始め主人公のキャラクターを子供向けのゲームとしては露出度の高い衣装(いわゆるビキニアーマーなど)を纏っている少女に設定したアクションゲームが見られるが、これらの作品は主人公を男性やロボットなどに置き換えても基本的なゲーム性が変化しないと思われるものがほとんどであった。また、この種のゲームは難度が異常に高かったり、ゲームバランスの悪いものも多く、1980年代後半においては「ギャルゲー」は「少女キャラクターの可愛らしさに寄りかかった、クソゲーの一種」と認識されるケースが多かった。

「ギャルゲー」と言う単語のゲーム雑誌で確認されている最古の使用例は『ファミコン通信1992年3月27日号の特集記事である。もっとも、この特集で取り上げられているのは「ヴァリス」を始め横スクロールのアクションゲームがメインであった。但し、パソコンゲームではこの特集とほぼ同時期に「プリンセスメーカー」(ガイナックス)や「卒業 〜Graduation〜」(ジャパンホームビデオ)に代表される育成シミュレーションが登場している。この両タイトルは後年、PCエンジンに移植され同ハード及び後継ハード・PC-FXの方向性を決定づけることとなった。

1993年にはインタラクティブコミック作品「ゆみみみっくすゲームアーツ)」、1994年には、男性向け一般恋愛シミュレーションゲームの先駆けとなる「ときめきメモリアル」(コナミ)が発売される。「ときメモ」は大きな話題を呼び、このジャンルが一定の地位を確立するきっかけとなった。これに伴い、魅力的な女性が登場するゲームは恋愛シミュレーションゲームであることが多くなったことから、ギャルゲーという用語はこのジャンルのゲームを指すものとして用いられるようになった。1998年の「センチメンタルグラフティ」(NECインターチャネル)なども同様の形式で作られ、人気を博した。

2012年現在の状況では、アドベンチャーゲームシミュレーションゲームのようなものが多いが、その他のジャンルでも「ギャルゲー」と呼ばれる作品は存在する。また「FFX-2」(スクウェア・エニックス)や「蒼い海のトリスティア」(工画堂スタジオ)のように露出度の高いキャラクターが目立つ作品も、ゲームの内容とは関係無く「ギャルゲー」と認識されることは多い。ギャルゲーファン以外からも支持されるようなストーリー性の高い作品がある一方で、あくまで「魅力的な女性が登場することが売り物」だけの、設定やストーリーに少々無理がある作品も存在する。

ギャルゲーとアダルトゲーム

1992年の「同級生」(エルフ)以降、アダルトゲームにおいても擬似恋愛を扱う作品が主流となったが、これらの作品は従来のアダルトゲームに比べ性描写が少なく、ゲームの中身の大部分は女性キャラクターとの恋愛関係に至るまでの過程を描いたものであった。このことは、これらのアダルトゲーム作品においては性描写を削除してもゲームバランスを大きく損なわないことを意味しており、このためアダルトゲーム原作のコンシューマーゲーム移植されるギャルゲーが増加することとなった。この傾向は性描写が完全に従となり読者の感動を主目的とする、いわゆる泣きゲーが勢力を増すにつれてさらに顕著なものとなっている。

また、社会情勢の変化に伴うCERO審査基準の改正や、ベクターが運営するアダルトゲーム中心の情報サイトが「Galge.com」(ギャルゲ・ドット・コム)の名称を使用するなど、冒頭にもあるようにギャルゲーとアダルトゲームの区別はますます曖昧なものになりつつある。

女性キャラの典型的属性

ハーレムものの漫画、アニメでは1人の男性キャラ(多くの場合、主人公のこと)に複数の女性キャラが特別な感情を抱く例がしばしば見られる。ギャルゲーにおけるヒロインの典型的属性はハーレムものの漫画、アニメのそれと類似している場合がある。漫画、アニメで利用されているストックキャラクターのパターンを、ゲームに応用している場合もあり、逆にゲームにおける典型的属性が漫画、アニメで使用されている場合もある。また、オタクなどといった購買力に余裕のあるユーザーにアピールする上で、著名なイラストレーター漫画家に、キャラクターデザインを依頼する傾向も見られる。

ギャルゲー雑誌(成年誌は除く)

刊行中
休廃刊

この他、単発ないし数号しか出なかったものには以下の各誌がある。「ギャルゲー」に対抗して「ヒロインゲーム」という呼称を定着させたい向きがあったことがうかがえるが、全く定着しなかったようである。

脚注

  1. このような描写はソフトのパッケージ裏面や広告で描かれるか、ソフトの起動後にメッセージとして表示されることが多い。
  2. 大学生の場合、飛び級が認められない限り18歳以上であることは明らかであるため、一部のタイトルで大学生であるという設定を敷いているのもある。

関連項目

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