パソコンゲーム
テンプレート:Pathnav テンプレート:コンピュータゲームのサイドバー テンプレート:出典の明記 パソコンゲーム(PCゲーム、パソゲー、テンプレート:Lang-en-short)とはパーソナルコンピューター(パソコン、PC)で動作するコンピューターゲームを指す[1]。
世界の状況
1995年のWindows95の発売以降、PCにおけるゲームと言えばWindows/DirectX向けが圧倒的で1990年代前半までは存在したMS-DOSとMacintosh間でのプラットフォームの違いがほぼなくなっている。2014年現在でもMac OS XやLinux向けにゲームは開発されているが、大手パブリッシャーから出ているゲームはWindowsからの移植がほとんどで、Windows以外のゲームを中心に手がけるパブリッシャーは非常に少数である[2]。
2005年頃からPCゲームを総合的に管理するプラットフォームがあらわれ始め、ゲームの販売、ダウンロード、セキュリティの管理、コミュニティの維持を一括して請け負っている[3]。ユーザーにとってはワンストップで様々なゲームを遊ぶことができ安価で簡便であり、ディベロッパーにとっては自前で店舗を用意したり、セキュリティを考慮したりしないですむので双方から大きな支持を得て急速に普及した。2014年現在では世界のPCゲームの販売のほとんどがこうしたプラットフォーム数社経由によるものである[4]。
2014年現在、世界的にはPCゲームの市場は拡大し続けており[5][6]、国(ロシア、東欧や南米)によっては家庭用ゲームをしのぐ程の支持を得ている。支持拡大の理由として家庭用ゲームの値段が高騰してきたことや、PCゲームのソフトが劇的に低価格化したことがある。21世紀では大抵の国においてパソコンはもはやどの家庭にも複数台が当たり前にある状況であり、あらためて家庭用ゲームを買う理由が希薄になりつつある。
2010年以降、パソコン上でしか遊ぶことの出来ないマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ (MOBA) というジャンルの急激な普及とそれを観戦(Twitch)して楽しむ人達の増大が、PCゲームの市場規模拡大を後押ししている[7]。
高速インターネットの普及で大容量のPCゲームが短時間(環境によっては数分)でダウンロードし遊べるという手軽さや、通信経由のため中間費用が一切かからないことによる低価格が市場を後押ししている[8]。2014年現在、大型タイトルの新規発売価格は概ね50ドル前後で家庭用ゲームとあまり変わらないが、1年程度経過すると大抵のものはセール時に15ドル前後まで低下し、遅くとも3年経つと通常価格が20ドル前後となりセール時5ドルを割り込むものが多い。いわゆるインディーズゲームでは新規発売時ですら10ドル以下のものが多い。また、2010年からは慈善団体等への寄付を前提とした破格の販売手法があらわれ、定価で100ドル以上する複数のゲームがひとまとめ1ドル以下で買えてしまう(購入者が好きなように値段を決められるシステム)事態に至っている。
日本の状況
1980年代にはNECやシャープをはじめとした多くのパソコンメーカーより8ビットのBASICマシンが発売されていた。記憶媒体、記憶容量、グラフィックの性能をフルに活用したゲームがソフトメーカーにより開発されそのアプリケーションに対する需要も一部ユーザーを通じて高く、パソコン黎明期から存在したジャンルである。PCゲーム専用の雑誌も当時は発行されており十分な市場を形成していた。
パソコンが16ビット化されるようになると高い処理能力と美麗な表現能力を効果的に用いるようになった。ホビー向けのパソコン市場では比較的後発参入であったX68000・FM TOWNSといった機種シリーズがゲームに向いた仕様を活かし売り上げを伸ばしていたが、後にビジネスを主戦場として、ゲームに不向きな仕様でも敢えて互換性重視だったNECのPC-9800シリーズがホビー市場においても一人勝ちする状態になっていった。家庭用ゲームは数万円程度の価格帯を維持しながら高性能化していく一方、ハード購入に多大な出費を要する(当時で20万円前後)パソコンを使ったゲームは家庭用ゲームで扱い辛いジャンルであるアダルトゲームを除いて衰退の一途をたどった。PCゲームに特化したソフトメーカーも撤退するか専用ゲーム機でのゲームソフト制作に転向する会社が相次いだ。
1980年代末から1990年代にかけて、PC/AT互換機やホビーパソコンにおいてパソコンの価格競争・性能競争が継続していたアメリカにおいては、家庭用ゲームとPCゲームの住み分けが確立していた。1990年代になって日本国内メーカーも独自アーキテクチャを捨ててDOS/VやWindowsを搭載したパソコンを日本でも販売するようになり、機種の違いでプレイすることが難しかった欧米産PCゲームである洋ゲーが国内メーカーのパソコンでもプレイできるようになった。
2000年以降も日本では依然として家庭用ゲームが大きな影響力と広範な支持を得ていたため、ゲーム販売の主戦場である10代20代向けのアクション物のプラットフォームで消費者がパソコンを選択することはほとんど無いし、人気作もパソコンでは発売されないものが多い。パソコンの低価格化やインターネットの普及に伴い、2000年代初頭にはオンラインゲーム大国と呼ばれる韓国のゲームが盛んに輸入されたが定着せず、2014年現在の日本ではほぼ消滅した。2000年代中盤まではオンラインゲームといえばパソコンしか選択肢が無い状態であり、オンラインゲームを楽しむためにパソコンをゲーム機として使う人が多かった。しかし2003年頃、欧米市場でXboxがインターネットの活用に初めて商業的に成功したことを皮切りに次々と家庭用ゲームがインターネットに対応したため、日本においてもパソコンはオンラインゲームでの優位性を失った。
2014年現在、世界的には過去にないほど活況を呈するPCゲームの市場ではあるが、日本では家庭用ゲーム(特に携帯型ゲーム)の圧倒的な存在感や英語を話さない国であることなどの理由によりその盛り上がりから完全に取り残されている。そのためニッチな領域にのみ活気が制限されており、PCゲームは洋ゲーもしくはアダルトゲームという認識が一般的である。
拡張性
家庭用ゲームと比較してパソコンならではの高い拡張性があり、いち早く最新技術に対応し様々なサービスを実現している。ただし、そうした最新技術の恩恵を受けるためにはユーザーの側もそれなりの出費を強いられるため、2014年現在ではディベロッパー側は過度な技術の先取りをほとんど行っていない。
一部のゲームではユーザー自身がゲームの拡張や修正を行い、それを配布することができる「MOD」と呼ばれる機能がある[9]。MODが盛んに作られた代表例は『DOOM』、『ハーフライフ』、『The Elder Scrolls V: Skyrim』、『グランド・セフト・オートIV』、『Amnesia: The Dark Descent』等があり、オリジナルの技術を土台としながらも全く異なるゲームに仕上がっているMODも数多い[10]。稀に優れたMODは製品として販売され成功する場合もある。2014年現在のPCゲーム市場で大きな勢力となっているMOBAももともとはMODである。メーカー側も製品の寿命を延ばすためにMODを積極的にサポートする場合が多い。
また、不具合修正やバランス修正などをインターネットを利用することにより、製品のリリース後も迅速に更新することができる(家庭用ゲームでもオンラインの修正はあるが、不具合の発見から修正まで時間と手間がかかり、場合によっては開発者に金銭の負担がかかる)。
違法コピー問題
家庭用ゲームでも同様の問題は抱えているが、パソコン上で動作させることが前提のPCゲームでは海賊版を容易に複製でき、インターネットで違法なアップロードも横行しているため、これが商業性のアキレス腱となっている。より悪質な場合、メーカーの予定する発売日より数日早いフライングで海賊版がアップロードされることもある。
ハードディスクにインストールした後で起動することを前提としているため、ソフトウェア媒体に特別なコピーガードを施す以外に方法がなく、強力なコピーガードを施したソフトも幾度となく登場しているが、発売後数週間でガードが外された海賊版がネット上で出回ることが多く、完全な抑止力として機能していない。またソフトウェアのコピーガードや著作権問題については、特に「法人の著作物」について問題とされることが多い。「個人で制作したオリジナル(インディーズなど)のゲームソフト」でも、ライティングソフトによってある程度コピーガードを施せる場合はあるが、セキュリティ上の強度が不十分であり、法的に権利を保護する手段が少ない。
場合によってはあまりにも複雑なコピーガードを導入するとロードの時間が長くなりすぎたり、コピーガードとディスクドライブとの相性問題が発生して環境によっては正規のソフトでも起動ができないという問題も起こっている。このため、正規のゲームを買った消費者がわざわざ海賊版を手に入れてプレイするという悪循環も起こっている。
コピーガードに次ぐ対策として、アクティベーションによる認証の導入もあり、たとえ元のディスクがコピーされても、ソフトウェアの「シリアル番号」と「インストールされたパソコンの情報」の組み合わせが認証できなければインストールできないよう保護することもできるが、PCゲームではあまり普及していない(コンピュータソフトウェア倫理機構に加盟するブランドのアダルトゲームなどで、部分的にしか導入されていない)。主な理由としては、アクティベーショニングを行うサーバー(認証サーバー)の運営に経費がかかりすぎたり、手間がかかりすぎること、ユーザーの手を煩わせてしまうことなどがある。
一方、2014年現在の世界の状況は、この海賊版問題については一応の解決をみており以前ほど深刻な問題とは考えられていない。解決に至った経緯は「PCゲームソフトの劇的な低価格化」と「PCゲームを総合的に管理するプラットフォームの普及」による。正規品の安さ(セール時において数ドル程度)が海賊版を使うリスクに勝ると大多数のユーザーに判断されたことや、Steam等のプラットフォームの普及によるアクティベーション認証がユーザーとディベロッパー双方の視点から簡便であったことで支持され、海賊版問題はPCゲーム市場においては依然として一定の割合で存在はするが無視できるほどに縮小した。
相性問題
家庭用ゲームではマイナーチェンジなどがあったとしても基本的に同一機種間の互換性が保障されているためゲームソフトを購入すれば即遊ぶことが可能だが、パソコンはさまざまなメーカーや機種が存在するため、装着されているハードウェアやデバイスドライバ、OSのバージョンやインストール状態により正常に動作しない問題がある。
パソコンは家庭用ゲームに比べハードウェア構成が統一されていないためゲームによっては高性能なグラフィックカードやサウンドカード、処理の早いCPUや潤沢なメモリを要求され、追加投資が必要となることがある。PCゲームの表現力の向上(グラフィックの3D化、音声の高音質サラウンド化など)やインターネット対応化によりこの問題がより顕著になってきた(パソコンのスペック毎に品質を調整するといった対応・対処をしているゲームもある)。この相性の問題をテストするため、体験版やベンチマークで動作の確認を求めるメーカーやウェブサイトもある。
黎明期の主なソフトメーカー
アダルトゲームのブランドは除外している。メーカーの一部は日本コンピュータゲーム協会(JCGA)を結成しており、また自社のソフトをCEROへ審査するよう依頼しているメーカーもある。
- アートディンク
- アスキー(現:アスキー・メディアワークス)
- ウィンキーソフト
- ウルフチーム
- エニックス(現:スクウェア・エニックス)
- GA夢
- キャリーラボ(ニデコムキャリー)
- クリスタルソフト
- グローディア
- ゲームアーツ
- 光栄マイコンシステム(現:コーエー→コーエーテクモゲームス)
- 工画堂スタジオ
- システムサコム
- システムソフト
- シンキングラビット
- スキャップトラスト
- スクウェア(現:スクウェア・エニックス)
- スタークラフト
- ゼネラルプロダクツ(現:ガイナックス)
- T&E SOFT
- データウエスト
- デービーソフト
- テクノソフト
- 電波新聞社
- 日本コンピュータシステム(NCS)
- 日本テレネット
- 日本ファルコム
- ハート電子産業(ハートソフト)
- ハドソン
- ハミングバードソフト
- BPS
- ファミリーソフト
- 風雅システム
- ブラザー工業武尊事務局(ソフトベンダーTAKERU)
- ブレイングレイ
- ボーステック
- ポニー(現:ポニーキャニオン)
- マイクロキャビン
- リバーヒルソフト
脚注
関連項目
- パーソナルコンピュータ史
- Category:Windows用ゲームソフト
- Category:MSX/MSX2用ソフト
- Microsoft Windows
- Microsoft DirectX
- NVIDIA GeForce
- Radeon
- OpenGL
- Steam
- MOD
- エレクトロニック・スポーツ
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ Pangea Software等
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- ↑ 特にカウンターストライクは、シングルプレー専用であったハーフライフというゲームそのものを変えてしまったMODとして、今でも「奇跡の1品」や「MODのありかたを変えた1品」という言われ方をする。