知床斜里駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年5月15日 (木) 19:16時点におけるTasetebills (トーク)による版
ファイル:Shari eki.jpg
1977年の斜里駅(当時)と周囲約500m×750m範囲。左が網走方面。右にこの写真の7年前に廃止された根北線の軌道跡が真っ直ぐ伸びている。右側下へカーブしてゆくのが本線釧路方面。駅舎は鉄筋コンクリート製に改築されているが、一方駅裏の転車台と車庫を持つ小さな機関区は、蒸気機関車時代の施設を殆んど残している。相対式ホーム2面3線と外側に4本の留置用、または仕分用の側線、そこから機関区へ伸びる入出庫線。さらにその外に保線車両用と思しき車庫と引込み線。写真外の駅裏網走方面にある木工場前へ、本線に併行して引込み線が引かれている。駅舎横の釧路側にある大きな屋根の取扱所を持つ切り欠き形の貨物ホームへは、釧路側より途中留置線を挟みながら2本の引込み線となって引き込まれている。 この後、貨物ホームの引込み線や、網走側の木工場の引込み線が撤去され、貨物ホームは埋められて駐車場になり、駅裏の貨物用側線は間引かれ、最終的には1本だけ留置もしくは退避用として残り、代わりに車庫が置かれた。転車台もかなり後まで残されていたが、こちらも現在は撤去されている。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成
知床斜里駅(しれとこしゃりえき)は、北海道斜里郡斜里町港町17にある北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線の駅である。駅番号はB72。電報略号はシヤ。かつては、根北線が接続していた。
世界遺産・知床の玄関口で、知床方面へ向かうバスが接続している。
駅構造
2面3線の島式ホームと単式ホームのある地上駅。2・3番のりばへは跨線橋で連絡する。
1 | ■釧網本線 | (下り) | 緑・摩周・釧路方面 | |
---|---|---|---|---|
2 | ■釧網本線 | (上り) | 網走・北見方面 | |
3 | ■釧網本線 | (下り) | 緑・摩周・釧路方面 | (臨時列車など一部) |
(上り) | 網走方面 |
社員配置駅、みどりの窓口(営業時間6時30分 - 18時00分)設置。夜間は営業上での無人駅扱いとなるが、運転扱いの駅員は終日配置され、車両の滞泊も行われる。自動券売機、売店、観光案内所が設置される。
- Shiretokoshari station02.jpg
待合室の様子
- Shiretokoshari station03.JPG
ホームの様子
- Shiretokoshari 01.jpg
2・3番ホーム。「流氷ノロッコ号」が停車中
駅名の由来
斜里は、アイヌ語の「シヤリ(ヨシの生えている湿地)」によるもの[1][2]。また、「サルン、ペッ」の意訳である「芦川」や、「サライ」が変化した「広々とした野原」など諸説ある[1]。
駅周辺
ファイル:Dōdō92,769.JPG
駅前風景
斜里町の中心駅で、斜里港・オホーツク海に近い。駅前にはバスターミナルとホテルがあり、北海道道沿いを中心に公共施設などが点在する。国道244号・国道334号からはやや距離がある。
- 北海道道92号斜里停車場線、北海道道769号斜里停車場美咲線
- 北海道道802号斜里港線
- 道の駅しゃり
- 斜里町役場
- 斜里警察署
- 斜里郵便局
- 斜里町農業協同組合(JA斜里町)
- 斜里第一漁業協同組合
- 網走信用金庫斜里支店
- 北洋銀行斜里支店
- 北海道銀行斜里支店
- 斜里町立図書館
- 斜里地区消防組合署
- 斜里町公民館「ゆめホール知床」
- 斜里町立知床博物館
- 北海道斜里高等学校
- 斜里川
歴史
- 1925年(大正14年)11月10日 - 国有鉄道の斜里駅として開業[3]。一般駅。
- 1929年(昭和4年)11月4日 - 野付牛(後に北見)機関庫斜里分庫設置。
- 1930年(昭和5年)6月1日 - 斜里機関分庫廃止。
- 1931年(昭和6年)9月20日 - 野付牛(後に北見)機関庫斜里分庫設置[4]。
- 1932年(昭和7年) - 殖民軌道斜里線が知布泊(ちぷとまり)駅まで開業。
- 1949年(昭和24年)12月1日 - 北見機関区斜里支区が釧路機関区斜里支区となる[5]。
- 1953年(昭和28年)頃 - 斜里線廃止。
- 1957年(昭和32年)11月10日 - 根北線が越川駅まで開業[6]。
- 1963年(昭和38年)4月1日 - 釧路機関区斜里支区廃止[7]。
- 1969年(昭和44年)2月1日 - 標茶機関区斜里派出所設置。
- 1970年(昭和45年)
- 1971年(昭和46年)7月16日 - 駅舎改築[9]。
- 1973年(昭和48年)10月18日 - コンテナ基地新設[10]。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 貨物・荷物取扱い廃止[11]。標茶機関区斜里支区が釧路機関区所属となる[11]。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 釧路機関区斜里支区を斜里派出所に変更[12]。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。
- 1998年(平成10年)4月11日 - 知床斜里駅に改称[13][14]。
- 2005年(平成17年)5月31日 - キヨスク閉店。その後地元業者による売店を設置。
- 2007年(平成19年) - 駅と町の観光センターとの複合駅舎に改築。順次供用開始[15]。
バス路線
ファイル:Shari bus Shari01.JPG
斜里バスターミナル
駅前の「斜里バスターミナル」に発着する。
隣の駅
脚注
参考文献
- グループ169.1『北海道 釧網本線』(1999年)
- 北海道旅客鉄道釧路支社『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』(2001年)
- 本久公洋『北海道鉄道駅大図鑑』 北海道新聞社(2008年) ISBN 978-4-89453-464-3
関連項目
外部リンク
- 知床斜里駅 - JR北海道釧路支社
- ↑ 1.0 1.1 『北海道鉄道駅大図鑑』 p. 306
- ↑ 『北海道 釧網本線』 p. 80
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 pp. 83 - 84
- ↑ 『鉄道省年報. 昭和6年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 90
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 94
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 97
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 102
- ↑ 9.0 9.1 『鉄道百年の歩み』 p. 103
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 105
- ↑ 11.0 11.1 『鉄道百年の歩み』 p. 113
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 116
- ↑ 『鉄道百年の歩み』 p. 133
- ↑ “知名度アップ狙い「知床斜里駅」出発”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1998年4月12日)
- ↑ テンプレート:Cite web