川端香男里
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川端 香男里(かわばた かおり、男性、1933年12月24日 - )は、日本のロシア文学者、東京大学文学部名誉教授。
経歴
東京生まれ。英文学者山本政喜の三男。元の姓は山本。美術史の若桑みどりは実妹である。東京都立新宿高等学校、東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻進学。1960年よりパリ大学に留学。1963年北海道大学文学部講師、1965年よりカレル大学、モスクワ大学に留学。1967年8月川端康成の養女政子と結婚、モスクワの日本大使館で式を挙げ、10月14日国際文化会館で披露宴をあげた。1971年東京大学教養学部講師、1973年新設された文学部ロシア語ロシア文学専修課程の助教授となり、のち教授。1994年定年退官後、中部大学国際関係学部教授、2000年川村学園女子大学教授、のち副学長、2009年定年退任。元・NHKラジオ「ロシア語講座 応用編」講師。
現在は、川端康成記念会理事長を務めている。
著書
単著
- 『ユートピアの幻想』(潮新書、1971年、講談社学術文庫 1993年)
- 『薔薇と十字架 ロシア文学の世界』(青土社 1981年)
- 『トルストイ』〈人類の知的遺産52〉(講談社 1982年)
- 『ロシア文学史』 〈岩波全書〉(岩波書店 1986年)
- 『ロシア その民族とこころ』(悠思社 1991年、講談社学術文庫 1998年)
編著
- 『現代ロシア幻想小説』(白水社 1971年)
- 『世界幻想文学大系(34)ロシア神秘小説集』(国書刊行会 1984年)
- 『ロシア文学史』(東京大学出版会 1986年)
- 『神秘主義 ヨーロッパ精神の底流』(せりか書房 1988年)
- 『大泉黒石 ロシア文学史』(講談社学術文庫 1989年)校訂・解説
共編著
- (川端康成・補編)『定本北條民雄全集』(東京創元社 新版1980年、創元ライブラリ 上下巻、1996年)
- (木村彰一)『ロシアの言語文化』(放送大学教育振興会 1985年)
- (佐藤経明・中村喜和ほか)『ロシア・ソ連を知る事典』(平凡社 1989年)
- 『新版 ロシアを知る事典』(平凡社、2004年)
- (金沢美知子)『ロシア文学』(放送大学教育振興会 1994年)
- (中村喜和・望月哲男)『講座スラブの世界(1)スラブの文化』(弘文堂 1996年)
- (日本放送協会)『NHKテレビテキスト 100分de名著 トルストイ 戦争と平和』(NHK出版 2013年6月放送)
訳書
- チェーホフ 『桜の園』(講談社:世界文学全集、1968年、新版1975年)
- アレクサンドル・プーシキン 『大尉の娘・戯曲 モーツァルトとサリエーリ・石の客』 (講談社:世界文学全集、1969年、新版1979年)
- E・ザミャーチン『われら』(講談社、1970年、講談社文庫、1975年/岩波文庫 1992年)
- ロナルド・ヒングリー『19世紀ロシアの作家と社会』(平凡社:世界大学選書 1971年/中公文庫 1984年)
- 『プーシキン全集(5) 評論・歴史・紀行』 米川哲夫共訳(河出書房新社、1973年)。他に訳は、第2・6巻に収録。
- アンドレイ・ベールイ 『魂の遍歴』〈20世紀のロシア小説〉(白水社、1973年)
- ボリス・ピリニャーク『機械と狼』 工藤正広共訳 (白水社、1973年/未知谷 2010年)
- ミハイル・バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』(せりか書房 1974年、新版1988年)
- ピエール・パスカル 『ドストエフスキイ』 〈作家と人間叢書〉(ヨルダン社、1975年)
- チェーホフ『ワーニャ伯父さん』 (講談社:世界文学全集、1975年)
- ベールイ『ペテルブルグ』(講談社:世界文学全集、1977年、講談社文芸文庫 上下巻 2000年)
- ベールイ『銀の鳩』 (講談社 1977年)
- ドストエフスキー『ドストエフスキー全集(17・18・19) 作家の日記』(新潮社 1979-80年)
- 『ミハイル・バフチン著作集(7) 叙事詩と小説』(訳者代表、新時代社 1982年)
- 『ロシア・アヴァンギャルド芸術 理論と批評 1902-34年』(J・E・ボウルト編、望月哲男・西中村浩共訳、岩波書店 1988年)
- カテリーナ・クラーク、マイケル・ホルクイスト『ミハイール・バフチーンの世界』 鈴木晶共訳(せりか書房 1990年)
- アーロン・グレーヴィチ『中世文化のカテゴリー』 栗原成郎共訳(岩波書店 1992年、新版1999年)
- カサノーヴァ 『「イコザメロン」 ユートピア旅行記叢書(14) 奇想と転倒のユートピア』(岩波書店 1997年)
- アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン 『大尉の娘』(未知谷 2013年)