苗穂駅
苗穂駅(なえぼえき)は、北海道札幌市中央区北3条東13丁目にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)・日本貨物鉄道(JR貨物)函館本線の駅である。駅番号はH02。電報略号はナホ。
函館本線のみの駅だが、線路名称上の千歳線の終点駅でもある。ただしJR北海道の基本計画上は、白石駅が終点で当駅を経由しない(しかし、千歳線の0キロポストは当駅構内にある)。
地名の由来は、アイヌ語の「ナイ・ポ」(小さな川)より。このあたりは豊平川の旧河道に当たる伏篭川の水源にあたり、多くの小川や泉が存在したためにつけられた地名である。
歴史
- 1909年(明治42年)
- 1910年(明治43年)5月16日:国有鉄道の駅として開業。一般駅
- 1915年(大正4年)4月1日:札幌工場を苗穂工場に改称。
- 1922年(大正11年)12月:札幌電気軌道苗穂線(1927年に市営化され札幌市電)が苗穂駅前に乗り入れ。
- 1926年(大正15年)8月21日:北海道鉄道(2代目)札幌線(後の千歳線)が乗り入れ。
- 1931年(昭和6年)7月25日:直流電化され、定山渓鉄道が東札幌駅を経由し乗り入れを開始。
- 1937年(昭和12年)3月10日:札幌機関庫を廃止し苗穂機関庫設置。
- 1943年(昭和18年)8月1日:北海道鉄道が戦時買収により国有化。
- 1950年(昭和25年)2月10日:札幌客貨車区設置。
- 1957年(昭和32年)8月12日:定山渓鉄道が自社新製気動車による札幌駅への乗り入れを開始。
- 1969年(昭和44年)11月1日:定山渓鉄道線廃線により、同社の乗り入れ運転廃止。
- 1971年(昭和46年)10月1日:札幌市電苗穂線の苗穂駅前停留所廃止。
- 1973年(昭和48年)
- 9月9日:千歳線の新線が開業し、苗穂駅 - 東札幌駅間廃止。ホーム配置を駅舎側より千歳上下、函館上下の配線を千歳・函館線札幌方面1面、函館線旭川・千歳線沼ノ端方面1面の現行配置となる。
- 10月1日:専用線発着を除く貨物の取扱いを廃止。
- 1975年(昭和50年)10月3日:苗穂工場で蒸気機関車検収が最後となる。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物の取扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる。
- 1994年(平成6年):桑園駅 - 札幌駅間の三線化に伴い、貨物線・札幌方面ホームを駅舎側に移設。旧ホーム跡に留置線2本設置。
- 1999年(平成11年):自動改札機設置。
- 2001年(平成13年)3月:貨物列車の運行終了。
- 2008年(平成20年)10月25日:ICカードKitaca使用開始。
駅構造
2面4線の島式ホームを有する地上駅。留置線が2線あり、主に札幌駅折り返し列車の待機場所として使われている。ホーム間の移動は跨線橋を使う。
構内の南側に駅舎がある。社員配置駅でみどりの窓口(営業時間:5時30分 - 24時00分)、自動改札機、キヨスクが置かれている。構内北側には、JR北海道苗穂工場や苗穂運転所、JR貨物苗穂車両所が広がる。
3 | テンプレート:Color函館本線 | (上り) | 札幌・手稲・小樽方面 |
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4 | テンプレート:Color千歳線 | (下り) | 札幌・手稲・小樽方面 |
5 | テンプレート:Color千歳線 | (上り) | 千歳・新千歳空港・苫小牧方面 |
6 | テンプレート:Color函館本線 | (下り) | 江別・岩見沢方面 |
貨物取扱
現在、JR貨物の駅は車扱貨物の臨時取扱駅となっている。貨物列車の発着は無く、貨物設備や専用線も当駅には接続していない。
最盛期の1970年には、26社28本の専用線が当駅から分岐していた。そのうち、駅西側にあった北海道ガス札幌工場へ続くものが最後まで使用されていた。同線は都市ガスの液化石油ガス(LPG)輸送に専用線は使用されていたが、天然ガスへの転換に伴い、2001年(平成13年)3月15日の本輪西駅発送分の到着をもって廃止された。これ以降の貨物列車の発着はない。
また、1986年(昭和61年)までは、駅東側にある日本セメント(現在の太平洋セメント)札幌サービスステーションや、駅北側にあったサッポロビール札幌工場へ続く専用線も存在していた。
駅周辺
北側は北海道旅客鉄道苗穂運転所と苗穂工場がある。南側は商店やマンションが林立している。
- 国道12号・国道275号
- 北海道中央バス・ジェイ・アール北海道バス・夕張鉄道「東橋」停留所
- 北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス「苗穂駅」停留所
- 中央警察署苗穂駅前交番
- 苗穂駅前郵便局
- サツラク農業協同組合
- JR北海道苗穂工場
- JR北海道苗穂運転所
- JR北海道研修センター
- JR貨物苗穂車両所
- 本龍寺(江戸時代に開山)
- 札幌村郷土記念館(幕臣・大友亀太郎役宅跡地。札幌市指定史跡)
- 大友公園(箱館奉行の御手作場跡地。かつて大友堀(創成川)が伏籠川に注いでいた場所)
- 北海道道273号花畔札幌線(旧元村街道)
- 札幌市水道局
- サッポロファクトリー
- 札幌市中央体育館
- 北海道日本ハムファイターズ室内練習場
- 札幌厚生病院
- 札幌市立苗穂小学校
- 北海道札幌東高等学校
- アリオ札幌
- サッポロビール博物館
- 苗穂駅前温泉蔵ノ湯
- 太平洋セメント札幌サービスステーション
- 苗穂分屯地
- カラマツトレイン札幌本店
- 豊平川
利用状況
- 北海道旅客鉄道
- 2013年度の1日平均の乗車人員は3,996人だった。
- 日本貨物鉄道
- 2000年度の到着貨物は35,372トン、発送貨物は0トンだった。以降の貨物取扱量は到着・発送ともに0トン。
駅移転・橋上駅舎化
以前からサッポロファクトリー・アリオ札幌とアクセスを便利にするために、当駅を現在の場所から約500メートルほど西に移転する計画があったが[1]、2013年9月11日にJR北海道から西に300メートル移転し、橋上駅舎化することが公表された[2]。供用開始は2018年(平成30年)度を予定している。
その他
- 札幌鉄道少年団の事務局が置かれている。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- テンプレート:Color函館本線(テンプレート:Color千歳線直通列車含む)
- テンプレート:Color快速「エアポート」・テンプレート:Color区間快速「いしかりライナー」
- 通過
- テンプレート:Color普通(札幌駅以西で区間快速となる列車含む)
- テンプレート:Color快速「エアポート」・テンプレート:Color区間快速「いしかりライナー」
かつて存在した路線
- 日本国有鉄道(国鉄)
- 千歳線(旧線)
- 苗穂駅 - 東札幌駅
- 札幌市電
- 苗穂線
- 東10丁目停留場 - 苗穂駅前停留場
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:千歳線旧線 (北広島 - 苗穂)- ↑ 札幌市役所作成「苗穂駅周辺地区のまちづくり」に掲載
- ↑ テンプレート:Cite press release