バブルガムフェロー
テンプレート:Infobox バブルガムフェローとは日本の競走馬である。おもな勝ち鞍は朝日杯3歳ステークス、天皇賞(秋)。1995年JRA賞最優秀3歳牡馬。引退後は種牡馬となっていた。名前の由来は「風船ガムを噛む奴」を英訳したもの。
戦績
3歳
美浦・藤沢和雄厩舎に入厩したバブルガムフェローは1995年10月、東京でデビューした。デビュー戦こそ3着に敗れたが、2戦目であっさりと勝ち上がった。その後、府中3歳ステークス(当時オープン特別)も勝ったバブルガムフェローは朝日杯3歳ステークスに挑んだ。
この朝日杯で1番人気に推されたバブルガムフェローは、最後の直線で先に抜け出したエイシンガイモンを捕らえて優勝、3連勝でGI初制覇を果たした。この朝日杯の勝利が決め手となり、バブルガムフェローはこの年、JRA賞最優秀3歳牡馬(旧称。現在のJRA賞最優秀2歳牡馬)に選ばれている。
4歳
翌1996年、クラシックの主役として、ダンスインザダークとともに期待されていたバブルガムフェローは初戦の皐月賞トライアルのスプリングステークスで1番人気に応えて快勝した。しかし、皐月賞の1週前に右後脚を骨折してしまい、春のクラシックである皐月賞と日本ダービーを断念することとなった。
骨折は全治6ヶ月と診断されていたが、予想以上に回復が早く、バブルガムフェローは夏に帰厩し、秋に備えた。秋になると、バブルガムフェローは距離適性を考慮して菊花賞ではなく、秋の天皇賞を目指すことになり、天皇賞の前哨戦にあたる毎日王冠で復帰した。毎日王冠で古馬相手に3着と善戦したバブルガムフェローは、秋の天皇賞でマヤノトップガン、サクラローレル、マーベラスサンデーの3強に挑むことになった。
しかし、主戦の岡部幸雄がブリーダーズカップ・クラシックに出走するタイキブリザードに騎乗するためにカナダへ遠征することになり、騎乗できなくなった。そのため、この秋の天皇賞では蛯名正義が騎乗することになった。
レースでは、バブルガムフェローは4コーナー3番手から直線鋭く伸び、追ってきた3強を抑えて優勝した。秋の天皇賞を4歳(現在の3歳)馬として制したのは、JRAでは史上初の快挙だった。また、鞍上の蛯名もこの天皇賞での勝利がJRAでのGI初勝利であった。
天皇賞後、バブルガムフェローは鞍上を岡部に戻して、ジャパンカップに出走したが、走る気を全く起こさずに13着と大敗し、この年を終えている。このジャパンカップ時の関係者の落胆ぶりは相当なもので、騎乗した岡部は「壊れた(故障した)のではないですか?」という記者の質問に対し、「壊れたのは、馬の頭だよ」と述べている。
5歳
翌1997年、休養から帰ってきたバブルガムフェローは鳴尾記念を快勝し、宝塚記念に出走した。宝塚記念では岡部がタイキブリザードに騎乗するため、鞍上は蛯名に戻っている。レースでは、ゴール前でマーベラスサンデーに豪快に差し切られ、2着に敗れた。
秋に入り、鞍上を岡部に戻して、毎日王冠を快勝したバブルガムフェローは連覇を狙って、秋の天皇賞に出走した。対抗馬と目されていたサクラローレルとマヤノトップガンは故障で既に引退、マーベラスサンデーも骨折で休養中、バブルガムフェローと同い年のロイヤルタッチは故障明け初戦、ジェニュインは既に前走で破っていることから、秋の天皇賞連覇は濃厚と見られていたバブルガムフェローは1.5倍の断然の1番人気に推された。
しかし、レースでは、エアグルーヴとの壮絶な叩きあいの末にクビ差競り負けて、2着に敗れた。鞍上の岡部はレース後に「馬が前を行く(大逃げした)サイレンススズカを早めに捕まえようとしてしまった」と嘆いた。
天皇賞後、バブルガムフェローはジャパンカップに出走したが、ピルサドスキー、エアグルーヴに及ばず3着に終わった。このジャパンカップを最後にバブルガムフェローは現役を引退し、種牡馬入りした。
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
着差 | 勝ち馬/(2着馬) | ||
1995. | 10. | 7 | 東京 | 3歳新馬 | 12 | 1 | 1 | 1.3(1人) | 3着 | 岡部幸雄 | 53 | 芝1800m(良) | 1.53.7(34.3) | 0.0 | アービルサンゴッド | |
10. | 29 | 東京 | 3歳新馬 | 9 | 1 | 1 | 1.2(1人) | テンプレート:Color | 岡部幸雄 | 53 | 芝1800m(良) | 1.49.3(36.8) | -0.2 | (トーシンアトラス) | ||
11. | 19 | 東京 | 府中3歳S | OP | 12 | 6 | 7 | 3.4(2人) | テンプレート:Color | 岡部幸雄 | 54 | 芝1800m(良) | 1.50.0(35.0) | -0.2 | (サクラスピードオー) | |
12. | 10 | 中山 | 朝日杯3歳S | テンプレート:Color | 12 | 4 | 4 | 2.6(1人) | テンプレート:Color | 岡部幸雄 | 54 | 芝1600m(良) | 1.34.2(35.7) | -0.1 | (エイシンガイモン) | |
1996. | 3. | 24 | 中山 | スプリングS | テンプレート:Color | 13 | 2 | 2 | 1.5(1人) | テンプレート:Color | 岡部幸雄 | 56 | 芝1800m(良) | 1.50.1(35.7) | -0.1 | (チアズサイレンス) |
10. | 6 | 東京 | 毎日王冠 | テンプレート:Color | 12 | 6 | 8 | 5.0(2人) | 3着 | 岡部幸雄 | 56 | 芝1800m(良) | 1.46.0(34.9) | 0.2 | アヌスミラビリス | |
10. | 27 | 東京 | 天皇賞(秋) | テンプレート:Color | 17 | 2 | 4 | 7.2(3人) | テンプレート:Color | 蛯名正義 | 56 | 芝2000m(良) | 1.58.7(34.5) | -0.1 | (マヤノトップガン) | |
11. | 24 | 東京 | ジャパンC | テンプレート:Color | 15 | 3 | 6 | 3.7(2人) | 13着 | 岡部幸雄 | 55 | 芝2400m(良) | 2.26.8(38.8) | 3.0 | シングスピール | |
1997. | 6. | 15 | 阪神 | 鳴尾記念 | テンプレート:Color | 15 | 6 | 10 | 3.3(2人) | テンプレート:Color | 岡部幸雄 | 59 | 芝2000m(良) | 2.01.4(35.6) | -0.3 | (トウカイタロー) |
7. | 6 | 阪神 | 宝塚記念 | テンプレート:Color | 12 | 5 | 6 | 3.5(3人) | 2着 | 蛯名正義 | 58 | 芝2200m(良) | 2.11.9(36.6) | 0.0 | マーベラスサンデー | |
10. | 5 | 東京 | 毎日王冠 | テンプレート:Color | 9 | 6 | 6 | 2.0(1人) | テンプレート:Color | 岡部幸雄 | 59 | 芝1800m(良) | 1.46.1(35.0) | -0.1 | (ツクバシンフォニー) | |
10. | 26 | 東京 | 天皇賞(秋) | テンプレート:Color | 16 | 4 | 7 | 1.5(1人) | 2着 | 岡部幸雄 | 58 | 芝2000m(良) | 1.59.0(35.1) | 0.0 | エアグルーヴ | |
11. | 23 | 東京 | ジャパンC | テンプレート:Color | 14 | 8 | 13 | 3.7(1人) | 3着 | 岡部幸雄 | 57 | 芝2400m(良) | 2.26.0(34.9) | 0.2 | ピルサドスキー |
種牡馬時代
引退後は2003年までは社台スタリオンステーションにて繋養され、2004年からはブリーダーズ・スタリオン・ステーションにて繋養されていた。 産駒傾向としては、パワータイプの中距離馬が多く、ダートで高い適性を示す馬が多い。また、オーストラリアにもシャトル種牡馬として行っており、重賞馬も複数輩出している。
1999年から2005年までは日本国内だけでも毎年150頭以上の繁殖牝馬を集めたが、リーディングサイアーランキングでは最高9位(2004年)に留まり、やや期待外れの種牡馬成績となっている。
2010年4月26日午後8時40分、供用先の北海道沙流郡日高町ブリーダーズ・スタリオン・ステーションで肺炎のため死亡した。
主な産駒
- 1999年産
- アッパレアッパレ(名古屋グランプリ)
- 2000年産
- Confectioner(クレイグリーステークス)
- Candy Vale(サンラインステークス)
- ミヤビペルセウス(新潟ジャンプステークス)
- ウイッシュウイング(ノースクイーンカップ)
- マジェスティック(後継種牡馬)
- 2001年産
- 2002年産
- ビエントヌエボー(高崎競馬二歳優駿)
- 2003年産
- 2004年産
- ハシリノキョショウ(九州ジュニアチャンピオン)
- 2005年産
- カキツバタフェロー(サラ・プリンセス特別、ライデンリーダー記念)
- 2006年産
- アーリーロブスト(京成杯)
- トシキャンディ(プロキオンステークス)
- 2007年産
- 2010年産
血統表
バブルガムフェローの血統サンデーサイレンス系(ヘイルトゥリーズン系)/Almahmoud 4×5=9.38% | |||
父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 アメリカ |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
母 *バブルカンパニー Bubble Company 1977 栗毛 |
Lyphard 1969 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Goofed | Court Martial | ||
Barra | |||
Prodice 1969 栗毛 |
Prominer | Beau Sabreur | |
Snob Hill | |||
Euridice | Tabriz | ||
Euroclydon F-No.1-b |
- 主な近親
- 祖母ProdiceはGI1勝(サンタラリ賞)
- 半兄には、亜リーディングサイアー(2回)を獲得したCandy Stripes(父Blushing Groom)、クリテリウムドサンクルーを制したIntimiste(父Arctic Tern)がいる。
- 近親には、母バブルカンパニーの全妹にイエローリボン招待ステークスなどGI3勝、後に繁殖牝馬として本邦に輸入されたサング(Sangue)。母バブルカンパニーを祖母に持つマニックサンデー(4歳牝馬特別)、ザッツザプレンティ(菊花賞)姉弟、母バブルカンパニーを4代母に持つディープブリランテ(東京優駿)がいる。
外部リンク
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