ベンチ

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ベンチ (bench) とは、古代より伝統的には、背もたれの無い腰掛け(腰を下ろすための台)の一種である。しかし現代では、横に長い椅子の形状をした腰掛けをも指す。

概要

昔ながらの背もたれ無しの腰掛け型や、長い椅子型のほか、上から見ると円形楕円形三角形のものや、その他様々な形状のものがある。個々の区画に区切ることがないため、肘掛けがないか、あっても両端部にのみ設置しているものが多い。また、背の部分がない椅子であることも多い。材質としては、石造りのものは古代から世界各地に存在した。現代の都市社会では、座面には木製合成樹脂製等が用いられ、脚部に金属が用いられるものが主流となっているが、コンクリート等で脚部が地面に固定されている据え付け型も少なくはない。

ベンチは、広場公園街路樹のある場所、待合室プラットホームなどといった、公共空間に設けられていることが多い。

定員については、一人掛けのものもあるが、基本的には2人以上座れるものが多い。しかし、鉄道車両のロングシートなど設計上の定員はあるものでも、設計が古い、荷物置き等に使われるなどで、実際にその定員を守ることが利用者のマナーに委ねられる事例がままある。

現代の都市社会において、公共施設に設置されるベンチにはリサイクル材が用いられることが多いと言えるかもしれない。少なくとも環境問題に比較的意識の高い現代のヨーロッパ日本などといった地域ではそうである。変わった事例としては、日本の京王電鉄が使用済みの定期乗車券パスネットカードを回収して再利用した「エコベンチ」[1](日本初の試みとして2000年[平成12年]に着手[1])がある。

スポーツにおいては、競技場内で選手やコーチなどが試合中に着席するために使用されている椅子、すなわち「プレーヤーズ・ベンチ」を指すが、その椅子を含めて競技者が控えるエリアをベンチと呼ぶことが多い。そのため、選手として出場登録されることを「ベンチ入り」、控えとして入ることを「ベンチスタート」と表現する。このエリアを指す場合、サッカーでは「テクニカル・エリア」、野球では「ダッグアウト」と呼ぶこともある。また、特に野球においては監督・コーチ陣など作戦を担当する者たちをベンチと称する場合があり、メジャーリーグベースボール (MLB) ではコーチングスタッフのうち監督に次ぐ地位の役職を「ベンチコーチ」(日本のヘッドコーチに該当)と呼んでいる。

なお、自動車の一部にはベンチに類似したその名も「ベンチシート」があるが、背ずりがあり、また自動車用の椅子でもあることから、安全装置としてシートベルトが設置されているため、乗客の位置が決まっている。そのため、座面が平面になっているという程度の意味合いに近い。

記録に残るベンチ

世界最長クラスのベンチは、国際的に一般にあまり知られてはいないと見えて、各物件の関係者や関心を持つ人が個別に「世界最長」を謳っている。事実に反して公式当事者が謳っている場合や、記録を他所に更新されたものが世界一の“看板”を下ろさない場合もあり、それらを元にした記事は観光情報サイトを含めてインターネット上では数多い。

ギネス世界記録による「世界一長いベンチ」は、日本の南砺市にある瑞泉寺前に設置された全長653.02m木製ベンチ[2][3][4][5]か、ブルガリア南西部の町パザルジクにある全長1,015mの木製ベンチ[6]のいずれかである。パザルジクのベンチのほうが瑞泉寺前のベンチより長いことや、瑞泉寺前のベンチになぜ「木製」という限定条件が付け足されているのかが疑問点としてあり、これに対する解答は見当たらない。また、イギリスのリトルハンプトンにある風変わりなベンチ(後述)も世界最長の可能性がある一つである。

長いベンチの一覧

ブルガリア南西部の町パザルジクにある全長1,015mの木製ベンチで、協力者2,020人の手を借りて設置された。製作費は12万レフ。ギネス世界記録公認か(詳細不明)。建築士ディミタール・ボイユクリエフ (Dimitar Boyukliev) の作。[6]
よじれたリボンのように複雑に湾曲する部分を含みながら直線的な所は長く伸びる、極めてユニークな造形でデザインされたマルチカラー・ベンチ(座面は木製、骨組みは金属製)で、2010年7月30日、イングランドウェスト・サセックス州の町テンプレート:仮リンクにある臨海地区の遊歩道沿いに設置された[7][8]。作られた時点では全長(総延長距離)324m[7][8]であったが、その後、何度も延伸されてゆき、621m[7]、655m[9]と記録を伸ばしている。「イギリス一長いベンチ」で[8]、「世界一長いベンチ」とも呼ばれているが、ギネス世界記録には見られない。なお、655mというのは湾曲に湾曲を重ねた総延長距離の数字かも知れず、普通に座れる平面的形状部分の長さではもっと短い可能性がある。長さを稼ぐための簡素な作りのベンチではない。
全長653.02mの木製ベンチで、「世界一長い木製ベンチ」としてギネス世界記録に登録されている[2][3]。木彫(木製彫刻)の国際大会である「国際木彫刻キャンプ」の2011年大会会場となった真宗大谷派井波別院 瑞泉寺(在・富山県南砺市)にて、2011年平成23年)8月28日、当寺を発祥地とする伝統工芸井波彫刻」による地域おこしの一環として、同寺の境内から門前の通りにほぼ一直線に長く伸びる[5]ベンチが設置され[10]、当日中にギネス世界記録に認定された[2][3][4]。「アジア一長いベンチ」、「日本一長いベンチ」でもある。使われた材は板およそ320枚[5]。このベンチはに見立てられ、寺から最も遠い側の先端には着彩された龍の木彫が据え付けられた[5]
ポーランド西部の町テンプレート:仮リンクスタジアムに設けられた全長613.13mの木製ベンチで、瑞泉寺前のベンチが登場する以前は「世界一長いベンチ」としてギネス世界記録に登録されていた[6][9]
ドイツ北部はシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の町テンプレート:仮リンクにある全長501.35mのベンチで、「世界一長いベンチ」と呼ばれている[11][9][12]
ファイル:Longest bench.jpg
サンセットヒルイン増穂のベンチ
石川県志賀町富来領家町(旧・富来町領家町)の増穂浦海岸沿いにある長いベンチ。全長460.9mで、かつて世界一長いベンチとしてギネス世界記録に登録されていた。
過去の記録をそのまま名乗って「世界一長いベンチ」と呼ばれることが多く、「富来町にある、世界一長いベンチ」「志賀町にある、世界一長いベンチ」などとも呼ばれる。石川県羽咋郡富来町領家町(現在の志賀町富来領家町)の増穂浦海岸沿い(「サンセットヒルイン増穂」はこの区域の名称)にて、1987年(昭和62年)3月29日に[13]同町が設置した全長460.9mの木製ベンチで[14][15]、かつて「世界一長いベンチ」としてギネス世界記録に登録されていた。■右列に画像あり。
北海道帯広市公園東町5丁目の緑ヶ丘公園にて、1981年(昭和56年)5月[16][17][18]、市民の手で設置された全長400mのベンチ[16][19][18]。富来町に記録を塗り替えられた際、世界一の称号を取り戻すために延伸すべきとの声も挙がったが、帯広市のベンチは市街地の公園に設置されたものであり、海岸沿いにあるためいくらでも延長できる富来町のベンチとの競争は不利であるとの市当局による判断があり、延伸は見送られた[20]
スイスの首都ジュネーヴの旧市街にあるトレイユ坂の上にある小公園[21]に設置されている全長126mのベンチで、かつて「世界一長いベンチ」としてギネス世界記録に登録されていた[21][22][23]

脚注

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参考文献

関連項目

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外部リンク

  • 1.0 1.1 テンプレート:Cite web
  • 2.0 2.1 2.2 Longest bench made from wood - Guinness World Records (official website).
  • 3.0 3.1 3.2 テンプレート:Cite web
  • 4.0 4.1 テンプレート:Cite web
  • 5.0 5.1 5.2 5.3 テンプレート:Cite web
  • 6.0 6.1 6.2 テンプレート:Cite web
  • 7.0 7.1 7.2 テンプレート:Cite web
  • 8.0 8.1 8.2 テンプレート:Cite web
  • 9.0 9.1 9.2 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
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  • 16.0 16.1 テンプレート:Cite web
  • 別資料では7月19日。
  • 18.0 18.1 テンプレート:Cite web
  • テンプレート:Cite web
  • 北海道新聞』 1994年7月21日 朝刊地方21面 帯広C版。
  • 21.0 21.1 テンプレート:Cite book
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