豊明市
目次
概要
1972年(昭和47年)8月1日、愛知県豊明町から市制施行し、県下30番目の市として誕生。
地形は台地と低地で形成されており、一帯の土地は北部の標高72mの二村山を最高に南に向かって緩やかに傾斜し、市平野部を形成している。[1]
1560年、織田信長が少数の軍で今川義元に勝利し、織田による天下統一の大きな切欠となった、桶狭間の合戦の戦地・桶狭間古戦場を有する。
1996年開場の愛知豊明花き地方卸売市場はアジア最大の鉢物取引量を誇り、地元商工会により「花の街とよあけ」を推進している。[2]
名古屋市のベッドタウンとしても機能し、東洋経済「住みよさランキング2014」では、愛知県下5位、全国38位にランクインしている。[3]
地理
隣接している自治体・行政区
町一覧
- 阿野町(あのちょう)
- 大久伝町(おおくてちょう)
- 沓掛町(くつかけちょう)
- 栄町(さかえちょう)
- 新栄町(しんさかえちょう)
- 新田町(しんでんちょう)
- 前後町(ぜんごちょう)
- 西川町(にしがわちょう)
- 二村台(ふたむらだい)
- 間米町(まごめちょう)
- 三崎町(みさきちょう)
河川
- 境川 - 刈谷市との境界線上を流れる。両岸は稲作地として利用されている。
- 若王子川 - 若王子池からほぼ直進し境川に注ぐ。
- 井堰川 - 勅使池を水源とし境川に注ぐ。
- 鹿追川 - 濁池を水源とし黒部川に注ぐ。
- 黒部川 - 市の中部を横断し正戸川に注ぐ。
- 正戸川 - 市の南部を縦断し大府市へ流れる。
- 皆瀬川 - 西池を水源とし、市の南部を横切り大府市へ抜ける。
- 大蔵川 - 大蔵池を水源とし皆瀬川に注ぐ。
市内を流れる川はすべて市内の池を水源とし、最終的に境川に流入する。
池
- 若王子池
- 勅使池 - 付近に勅使グラウンド・勅使会館(豊明文化広場)がある。周辺は勅使水辺公園として整備されている。
- 皿池
- 荒巻池
- 上池
- 荒巻池と上池の周辺は荒巻水辺公園として整備されている。
- 濁池
- 三崎池 - 市の中心部に位置し、三崎水辺公園として整備されさまざまな催物が行われる。
- 大蔵池 - 大蔵池公園として整備されている。同公園内には陶芸の館を有する。
- 大原池
- 椎池 - 椎池グラウンドがある。
- 三ツ池
- 琵琶ヶ池
- 西池
人口
テンプレート:人口統計 人口密度は愛知県下31市中9番目に高い。
歴史
桶狭間の古戦場跡のある町。市名になっている豊明の名は明治時代に前後町付近にあった豊倉屋という建物と元号の明治から採られた。豊明町誌によれば、宮中の年中行事の豊明節会から嘉字である「豊」と「明」の2文字を採って付けられたとなっている。
前後の地名は桶狭間の戦いのあと、織田方の雑兵が褒賞をもらうために自分が倒した敵方の兵士の首を切り取って、前と後に振り分け荷物のようにして肩に担いだという逸話に由来するというのが最も有名だが信憑性は薄い[4]。説としては他に以下のものがある。
- 『助郷(じょごう)』→『助郷(ぜごう)』→『前郷(ぜんごう)』→『前後(ぜんご)』と転訛した[4]。
- 新田開拓地名(「南北の新田が“前後して”開拓された」の意。幡豆郡前後村と同じ由来)[4]。
- 付近の坂を登るのに苦労したことから名づけられた前後坂名[4]。
前後駅北側に仙人塚という地名もあるが、古来合戦の戦死者を弔った場所とされ「戦人塚」といっていたものを「戦人」の字を嫌って、仙人塚と表記される。それを裏付けるかのように宅地開発の際当時の人骨が多数出土した。毎年6月に開催される桶狭間古戦場祭は、その「戦人塚」や、中京競馬場前駅近くの高徳院を中心に行われる。
沿革
- 1560年(永禄3年) - 桶狭間の戦い
- 江戸期 - 間米村, 落合村, 大脇村, 東阿野村, 沓掛村が成立。
- 延宝8年 - 間米村から五軒屋新田が分村。
- 明治初年 - 五軒屋新田が前後村に改称。
- 1875年(明治8年) - 落合村, 大脇村, 東阿野村が合併して栄村となる。
- 1878年(明治11年) - 間米村と前後村が合併して大沢村となる。
- 1883年(明治16年) - 栄村から東阿野村が分立。
- 1889年(明治22年)10月1日 - 町村制制定により愛知郡に沓掛村(おおむね旧東海道より北側)と豊明村(おおむね旧東海道より南側、以下旧豊明村)が成立。なお、沓掛の地名は鎌倉街道が使われていた時代からある。
- 豊明村 ← 栄村, 東阿野村, 大沢村, 沓掛新田
- 大沢村は明治11年当時の間米, 前後として、それ以外は栄, 東阿野, 沓掛新田として豊明村の大字に継承。
- 沓掛村 ← 沓掛村
- 豊明村 ← 栄村, 東阿野村, 大沢村, 沓掛新田
- 1906年(明治39年)5月10日 - 沓掛村と旧豊明村の合併により豊明村となる。当時の人口は約1,000人。
- 1923年(大正12年)4月1日 - 愛知電気鉄道(現名鉄名古屋本線)阿野駅, 前後駅開業。
- 1956年(昭和31年)9月1日 - 阿野駅が豊明駅に改称。
- 1957年(昭和32年)1月1日 - 町制施行し、豊明村から豊明町となる。当時の人口は約15,000人。
- 1972年(昭和47年)8月1日 - 豊明町が市制施行し、豊明市となる。当時の人口は約37,000人。
- 豊明町大字東阿野, 沓掛新田はそれぞれ阿野町, 新田町と改称。それ以外は接尾辞「町(ちょう)」を附して豊明市の大字に継承。
- 1972年(昭和47年) - 名古屋市緑区, 愛知郡東郷町と境界変更。
- 1973年(昭和48年) - 間米町, 新田町, 沓掛町の各一部が二村台となる。
- 1974年(昭和49年)
- 阿野町, 新田町, 沓掛町の各一部が三崎町となる。
- 新田町の一部が大久伝町となる。
- 1983年(昭和58年) - 愛知郡東郷町と境界変更。
- 1984年(昭和59年) - 栄町の一部が新栄町となる。
- 1988年(昭和63年) - 沓掛町, 二村台の各一部が西川町となる。
行政
友好自治体・提携都市
- テンプレート:Flagicon北設楽郡豊根村 (愛知県) - 1977年11月3日友好提携
- テンプレート:Flagicon木曽郡上松町 (長野県) - 2002年11月12日友好提携
- テンプレート:Flagicon シェパトン市 (オーストラリア・ビクトリア州) - 2003年10月22日友好提携
交通
道路
- 伊勢湾岸自動車道には、豊明ICがある。
- 市内を走る幹線道路 - 国道1号、国道23号(名四国道・知立バイパス)、愛知県道57号瀬戸大府東海線(主要地方道)
- 愛知県道57号の市内区間はほぼ4車線となっている。国道1号の市内区間はほとんどが2車線で、4車線化も困難であるため、市内のほぼ全線が4車線以上となっている国道23号が事実上国道1号のバイパスである。
- このほか、愛知県道56号名古屋岡崎線の新道(愛知県道220号阿野名古屋線として一部供用中)、平手豊明線、大根若王子線などの都市計画道路の建設計画がある。
- 一般県道
鉄道
バス
- 市内を走るすべての系統が急行停車駅の前後駅を起終点としている。2001年までは前後駅と豊明駅を結ぶ系統(現在の吉池団地循環系統)や日進駅へ向かう系統(現在の祐福寺経由赤池駅発着系統)も存在した。2000年までは前後駅から大府駅へ向かうバスも存在した。2011年3月27日より藤田保健衛生大学病院行きのバスの半数程度が地下鉄徳重・赤池駅方面へ延長となり、市内から地下鉄へのアクセスもしやすくなった。
- 豊明市公共施設巡回バス「ひまわりバス」
- 1号・2号(市役所〜藤田保健衛生大学病院〜桶狭間古戦場公園〜前後駅など)
- 3号(市役所〜豊明駅〜豊明高校〜藤田保健衛生大学病院など)
- 名古屋市営バス
- 徳重13号系統 地下鉄原〜地下鉄徳重〜藤田保健衛生大学病院
- 徳重13号系統 地下鉄徳重〜藤田保健衛生大学病院
- 鳴子16号系統 地下鉄鳴子北〜鳴子みどりヶ丘〜藤田保健衛生大学病院
- 緑巡回系統 藤田保健衛生大学病院〜緑市民病院〜大高駅前〜寅新田〜名鉄有松
- 徳重巡回系統 白土〜地下鉄徳重〜地下鉄神沢〜藤田保健衛生大学病院
- 2003年3月27日より、藤田保健衛生大学病院バス停に名古屋市営地下鉄桜通線野並駅(2011年3月27日からは鳴子北駅および徳重駅)・鶴舞線原駅・JR東海東海道本線大高駅前からの系統が乗り入れている。各系統とも本数は1時間に1・2本程度と少ないため、名鉄バスとの連絡は不便。
この他、東郷町巡回バス「じゅんかい君」が市内の薮田バス停を経由している。
教育機関
- 大学・短期大学
- 高等学校
- 中学校
- 小学校
- 豊明市立豊明小学校
- 豊明市立沓掛小学校
- 豊明市立中央小学校
- 豊明市立栄小学校
- 豊明市立大宮小学校
- 豊明市立双峰小学校
- 豊明市立三崎小学校
- 豊明市立舘小学校
- 豊明市立唐竹小学校
- その他
経済
企業
- ホシザキ電機(本社)
- 寿がきや食品(本社工場)
- エーエスペイント (本社)
- 豊明花き(本社)
- フジパン(豊明工場)
- 笹徳印刷(本社)
- 天野研磨工業所(大久伝工場)
- メイキコウ
- アルメック株式会社 豊明工場(旧星河金属株式会社豊明工場)
- 日本街路灯
- 観音製麺所
- アップルカーセールス(本社)
- 株式会社ビッグ(オートバックスのフランチャイズ企業)
- 丸仙工研
- 中立電機
商業施設
- アオキスーパー豊明店/前後店
- パルネス前後(Co-opあいち豊明店ほか各種テナント)
- ピアゴ豊明店
- フィール豊明店
- ハローフーヅ豊明店/沓掛店
- アミカ豊明店
- スギ薬局沓掛店/二村台店/前後店/パルネス前後店
諸施設
医療機関
市内に公立の病院はないが、藤田保健衛生大学病院が基幹災害医療センター(救命救急センターの指定を受けているものから選定し、平常時からの研修・訓練 等を通じて県下全域の災害医療体制の機能強化の役割を担う。)として愛知県から指定され、市内における拠点の総合病院となっている。
行政施設
郵便局
- 豊明郵便局
- 豊明吉池郵便局
- 豊明団地内郵便局
- 豊明新栄郵便局
- 豊明前後郵便局
- 藤田保健衛生大学病院内簡易郵便局
農協
- あいち尾東農業協同組合豊明支店
- あいち尾東農業協同組合沓掛支店
- あいち尾東農業協同組合阿野支店
- あいち尾東農業協同組合豊明栄支店
- あいち尾東農業協同組合大脇出張所(ATMのみ)
- あいち尾東農業協同組合豊明西部出張所(ATMのみ)
金融機関
- 愛知銀行豊明支店
- 名古屋銀行豊明支店
- 中京銀行豊明支店
- 三菱東京UFJ銀行豊明支店
- 碧海信用金庫豊明支店
- 碧海信用金庫豊明北支店
- 碧海信用金庫豊明南支店
- 西尾信用金庫豊明支店
- 岡崎信用金庫豊明支店
- 愛知信用金庫豊明支店
- 愛知信用金庫桶狭間支店
このほかに十六銀行刈谷支店の店舗外ATMがフジパン豊明工場前にある。
文化施設
- 豊明市文化会館
- 総合福祉会館
- 豊明勤労会館
- 福祉体育館
- 豊明市中央公民館
- 豊明市南部公民館
- 豊明市立図書館
寺社
沓掛町
- 徳田八幡社
- 山神社
- 住吉社
- 一之御前社
- 圓福寺
- 白山社
- 八龍社
- 昭信寺
- 長盛院
- 鹿嶋神社
- 慈光寺
- 正福寺
- 聖應禅寺
- 諏訪社
- 豊明神社
- 神明社
- 金刀比羅社
二村台
- 西川神明神社
大久伝町
- 大久伝八幡社
新田町
- 禅源寺
- 八剱社
- 八剱神社
- 寂光寺
間米町
- 八幡社
三崎町
- 高島八幡社
前後町
- 前後神明社
- 西雲寺
- 善光寺
阿野町
- 阿野八剱社
- 照栄寺
- 西蓮寺
新栄町
- 落合神明社
栄町
- 高徳院
- 舘秋葉神社
- 桶狭間神社
- 東海寺
- 乃木神社
- 修静院
- 曹源寺
- 宝福寺
- 大脇神社
- 桜ヶ丘神明社
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡・観光
- 阿野一里塚 - 旧東海道沿い、左右にあるのが特徴。国の史跡。
- 沓掛城址 - 現在は「沓掛城址公園」として整備されている。曲輪や空堀などの遺構が残る。
- 鎌倉街道 - 二村山を通る。
- 二村山 - 古くから歌に詠まれてきたなどの名勝地。山頂には展望台がある。
- 切られ地蔵尊 - 胴体が斜めに切られ上半身と下半身が別々になっている。
- 一之御前安産水 - 安産祈願の一之御前社が存在。市指定史跡。
- アジア最大の鉢物卸売市場(愛知豊明花卉卸売市場)
- 桶狭間古戦場伝説地 - 国の史跡。今川義元の墓がある(これにちなんで今川、織田両名のユーモラスなイラストが市のキャラクターとして用いられている)
- 戦人塚 - 桶狭間の合戦による戦死者約2,500名を供養した塚。国の史跡。
- 曹源寺 - 享保2年(1717年)に建てられた山門がある。市指定有形文化財。「知多四国八十八箇所霊場」の一番札所の寺である。
- 食虫植物ナガバノイシモチソウ自生地 - 珍しく赤系の花が咲く。県指定の天然記念物。毎年8月に一般公開をしている
- 中京競馬場
祭事・イベント
- 豊明春まつり(4月) - 三崎水辺公園の咲き誇る桜の下で、芸能発表・野点・写真撮影会・写生大会などが催される。
- 桶狭間古戦場まつり(6月) - 市民参加の武者行列と合戦再現劇がメーン
- 豊明夏まつり(8月) - ステージショーと地域主催の盆踊り大会が同一会場(文化会館駐車場)で行われ、夕涼みの市民でにぎわう。メインは1,000発の花火。会場近くの休耕田で打ち上げられる。
- 大脇の梯子獅子 (10月) - 高さ12mのやぐらの上で獅子舞を披露する。舞台の上でも獅子舞を披露する。県指定の無形民俗文化財
- 豊明まつり(11月) - 商業・農業・芸能発表など多彩なイベントが市内各地で開催。
- とよあけマラソン(11月) - 中京競馬場を発着点とするマラソン大会。全国各地からランナーがやって来る。時には著名人がゲストランナーとして招待される(間寛平、錦野旦など)。かつては1月に開催されていた。現在は休止中。
その他
- 市外局番は間米町敷田の一部(中京競馬場のみ)を除いて0562を使っている(尾張横須賀MA, 敷田の一部は名古屋MAの052)。
- 郵便番号は〒470-11xx。
- 火葬場は市内にはなく、知立市にある共同運営の逢妻浄苑か、名古屋市の八事斎場を使っている。
- ゴミ処理は東浦町の東部知多クリーンセンターで行う。
- 水道は市の大半で日進市の尾張東部浄水場から給水しているが、南部の一部地域は東海市の上野浄水場から給水している。
- テンプレート:要出典範囲。
マスコット・キャラクター
- のぶながくん・よしもとくん - 豊明市PRキャラクター。織田信長と今川義元がモチーフではあるが二人はとっても仲良しである。別名「豊明PR武将」。のぶながくんは 凛々しい兜につぶらな瞳、戦国武将でありながら刀は抜かないのがポリシー。よしもとくんは雅な烏帽子にキツネみたいな目、公家らしいマロまゆとドジョウ髭が特徴で、彼に頭を撫でられると、頭が良くなるという噂(?)。
- おけわんこ - 桶狭間古戦場保存会が制作した、桶狭間の戦いをPRするために誕生したマスコットキャラクター。【織田信長バージョン】と【今川義元バージョン】の2種類の姿を持つ点が珍しい。ゆるキャラ®グランプリの常連で、かつ常に上位(30位以下に下がっていない)にカウントされている。
豊明市出身の有名人
脚注
- ↑ 豊明市HP 豊明市とはどんなところ
- ↑ http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000073/73272/25-04.pdf 愛知県ホームページより
- ↑ http://toyokeizai.net/articles/-/40139?page=3 東洋経済オンライン「住みよさランキング2014」
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 テンプレート:Cite book
関連項目
- 折り梅 - 豊明市が舞台の映画。
- 愛知豊明母子4人殺人放火事件