駅そば
テンプレート:複数の問題 駅そば(えきそば)は、鉄道駅構内において蕎麦(そば)を提供する飲食店及びその蕎麦である。特に「立ち食いそば店」が日本の駅や駅前で多く見られる。
概要
列車で移動中に食事をする場合、駅そばは、駅弁や食堂車より安く食べられることから、まず長距離列車の停車駅で広まった。電車の普及により停車時間が短縮されるようになると、車内持込用の簡易容器も販売されるようになった。
一方、都市近郊からの電車通勤が拡大した高度成長期から、大都市ターミナル駅で駅そばが増え始めた。1960年代中頃の品川駅、荻窪駅、新宿駅がこのタイプの最初期と見られている。
以後、生活様式や食文化の変化に伴い、通勤駅を中心に普及してきたが、国鉄分割民営化以降、廃線により、支線の分岐駅としての役割が無くなった駅や、駅全体の老朽化やバリアフリー化に基づく駅構内の再開発工事、更に経営効率が最優先される近年では次々と姿を消している。
北海道の長万部駅では珍しい蕎麦の駅弁を昭和初期から販売しており、注文ごとに茹でるつけ麺で車内に持ち込みが可能である[2]。また、福島県の原ノ町駅には天ざるの駅弁が存在する。
屋号
鉄道事業者ごとに、関連会社によるチェーンを展開したり、共通の屋号を設けている例がある。また、駅弁店などが複数の駅で営業している場合も見られる。一方で、駅によって独自の屋号を持つことも多い。
- あじさい茶屋、大江戸そば、あずみ、小竹林:東日本旅客鉄道(JR東日本)・首都圏新都市鉄道
- ちかてつそば、めとろ庵:東京地下鉄(東京メトロ)
- 印旛そば : 京成電鉄
- えきめんや、えきめん茶屋:京浜急行電鉄
- 渋谷しぶそば:東京急行電鉄
- 狭山そば:西武鉄道
- 高幡そば:京王電鉄
- 箱根そば:小田急電鉄
- 汽笛亭 :東海旅客鉄道(JR東海)
- 麺家、かぐら、おあがりや:西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 麺座、秀吉(ひできち)(※):京阪電気鉄道
- 阿倍野庵、上六庵、鶴橋庵:近畿日本鉄道
- 南海そば:南海電気鉄道
- 阪急そば:阪急電鉄
- 阪神そば、戎屋うどん、六甲庵:阪神電気鉄道
- 山陽そば:山陽電気鉄道
- 高速そば:神戸高速鉄道
- めりけんや(うどん店):四国旅客鉄道(JR四国)
- 壽軒、東筑軒:九州旅客鉄道(JR九州)
- やりうどん:西日本鉄道(西鉄)
- 最強食堂:沖縄都市モノレール(店舗の経営は全くの別会社)
西日本、特に関西ではうどんがメニューの中心だが、屋号には「そば」を用いていることが多く、蕎麦の販売割合は4〜5割程度との調査結果がある[3]。要因のひとつとして「そばの方が早く食べられるイメージがある」との見解が示されている[3]。沖縄の「最強食堂」は駅構内ではなく駅前そば(しかも沖縄そば)であるが、参考のために記載。
(※)大阪帝拳の経営であるが、古くから京阪京橋駅構内で営業。