厚狭駅
厚狭駅(あさえき)は、山口県山陽小野田市大字厚狭字沖田にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅。
目次
概要
山陽新幹線と、在来線は当駅の所属線[1]である山陽本線、当駅を起点とする美祢線の3路線の接続駅となっている。山陽新幹線の駅は1999年に開業しており、山陽新幹線では最も新しい駅である。貨物取扱は1984年(昭和59年)以降行われていない。かつて、山口県内で貨物列車を牽引するディーゼル機関車の拠点である、幡生機関区厚狭派出が併設されていた。
宇部線・小野田線・美祢線の運行管理を行うCTCセンターである、広島総合指令所厚狭派出が併設され、宇部・小野田地区の列車運行の中枢となっている。なお、山口地域鉄道部の設立に伴い、山陽本線における下関地域鉄道部の管轄駅は当駅から下関側となった。
新幹線口の開設から2013年3月16日ダイヤ改正現在まで、山陽新幹線の駅で唯一『こだま』しか停車しない駅である。
駅構造
在来線は4面5線の地上駅。本来は4面7線のホームを持つが、5番線(6番線反対側、山陽上り待避線)、8番線(7番線反対側、山陽下り待避線)は線路の使用が停止され、前後のポイント撤去により本線から分離されている。通常、山陽本線下り列車(下関方面)は7番線、同上り列車(新山口方面)は6番線、美祢線列車は1番線、山陽本線列車の待避・折り返しは2番線(元々は美祢線の予備ホーム)で対処している。4番線はホームのない中線で、貨物列車が使用する場合がある。かつては1番線東側の切り欠き部に0番線が存在し美祢線に使用されていたが、現在では線路が撤去され、ホームにも柵が設置されていて立ち入り出来なくなっている。 ホーム間の連絡は跨線橋を使う。 山陽新幹線は内側に上下通過線を挟む2面2線の高架駅。高架橋の側壁が最低限しか削られておらず、大部分が残っている(後に開業した上越新幹線本庄早稲田駅にも同じことが言える)。ホームそのものは16両編成対応となっているが、駅開業時点では16両編成で停車する列車は上下各1本のみで、大半の列車は4・6両編成だった(現在は8両編成のみ)ため、屋根は6両分しかない(新幹線口の写真参照)。
駅舎は新幹線口(南口)と在来線口(北口)の2つ。両改札口と在来線各ホームは跨線橋で連絡している。
新幹線口(南口)は1999年の山陽新幹線開設時に設けられ、新幹線改札・乗り換え改札は自動改札機が設置されている。また、入口と改札階との間、改札階とホームとの間にはエレベータがある(利用時に駅員を呼び出す方式)。
在来線口(北口)の改札口から新幹線ホームへ向かう場合は、一旦在来線コンコースの跨線橋を通り抜け、新幹線口(南口)の乗り換え改札を通ることになる。そのため在来線口の改札口にはICカード簡易読取機が置かれているが、これは山陽新幹線のEX-IC利用客用で、ICOCAそのものはサービスエリア外である。
下関地域鉄道部管理の直営駅である。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
在来線ホーム | ||||
1 | テンプレート:Color美祢線 | - | 美祢・長門市方面 | |
テンプレート:Color山陽本線 | 下り | 下関方面 | 早朝の始発列車 | |
2 | テンプレート:Color山陽本線 | 上り | 新山口・防府方面 | 待避・始発列車 |
下り | 下関方面 | 始発列車 | ||
テンプレート:Color美祢線 | - | 美祢・長門市方面 | ごく一部のみ | |
3 | テンプレート:Color山陽本線 | 下り | 下関方面[2] | 一部列車 |
6 | テンプレート:Color山陽本線 | 上り | 新山口・防府方面 | |
7 | テンプレート:Color山陽本線 | 下り | 下関方面 | |
新幹線ホーム | ||||
11 | ■ 山陽新幹線 | 上り | 広島・新大阪方面 | |
12 | ■ 山陽新幹線 | 下り | 小倉・博多方面 |
1番線からは美祢線方面と山陽本線下り方面への発車が、2・3番線と4番線(ホームなし)からは山陽本線上下双方と美祢線方面への発車が可能。6・7番線は山陽本線の片方向発車のみの対応。夜間滞泊が設定されている。
利用状況
1日の平均乗車人員は以下の通りである[3]。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
1999 | 1,984 |
2000 | |
2001 | 1,968 |
2002 | 1,887 |
2003 | 1,840 |
2004 | 1,817 |
2005 | 1,783 |
2006 | 1,804 |
2007 | 1,810 |
2008 | 1,774 |
2009 | 1,681 |
2010 | 1,618 |
2011 | 1,658 |
2012 | 1,637 |
駅周辺
駅開設時からある北口は厚狭地区の中心市街地となっており、駅前に寝太郎の銅像が立つ。また、日本で初めて角膜移植を行うための献眼を讃えた碑がある。一方、南側は山陽新幹線停車前は改札や自由通路がなかったこともあり、市街化はされず基本的には田園風景が広がっていたが、新幹線駅開業後に土地区画整理事業が施行され、2009年度に完了した。駅の東側は厚狭川が流れている。
北口(在来線口)周辺
主な施設・企業
- 山陽小野田市 山陽総合事務所(旧・山陽町役場)
- 山陽小野田市厚狭公民館
- 山陽小野田市立厚狭図書館
- 山陽小野田市立厚狭小学校
- 山陽小野田市立厚狭中学校
- 山口県立厚狭高等学校(北校舎・南校舎)
- 厚狭税務署
- 厚狭自動車学校
- NTT厚狭電話交換所
- 山口県道228号厚狭停車場線
- 山口県道225号船木津布田線(旧・国道2号/国道9号)
金融機関
宿泊施設
- 厚狭ステーションホテル
- 二反田旅館
南口(新幹線口)周辺
主な施設・企業
- 山陽小野田市文化会館(旧・山陽町文化会館)
- 岡石丸運動広場
- 物見山総合公園
- 日本化薬厚狭工場
- 山口県道227号厚狭停車場郡線
- 国道2号/国道9号(厚狭・埴生バイパス)
路線バス
- 船木鉄道
- 美祢、小野田・宇部新川、埴生、船木
歴史
- 1900年(明治33年)12月3日 - 山陽鉄道が三田尻駅(現在の防府駅)から延伸し、その終着として開業。旅客及び貨物の取扱を開始。
- 1901年(明治34年)5月27日 - 山陽鉄道が馬関駅(現在の下関駅)まで延伸し、途中駅となる。
- 1905年(明治38年)9月13日 - 山陽鉄道が大嶺駅までの支線(現在の美祢線)を開業。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道が国有化され、国有鉄道の駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定。山陽本線の所属となり、大嶺方面への支線は大嶺線となる。
- 1924年(大正13年)3月23日 - 線路名称改定。大嶺線が美禰線(1963年より美祢線と表記)に改称される。
- 1984年(昭和59年)1月21日 - 貨物の取扱を廃止。駅北口の西側に有蓋車用の貨物ホームが設置されていた。
- 1987年(昭和62年)
- 1999年(平成11年)3月13日 - 山陽新幹線の停車駅となる。
- 2005年(平成17年)2月22日 - 山陽新幹線改札口に自動改札機導入。
- 2009年(平成21年)8月29日 - EX-IC導入に伴い、在来線改札口に簡易IC読取機を設置。
- 2010年(平成22年)7月15日 - 美祢線が大雨による災害で不通となる。21日から代行バス運転開始。
- 2011年(平成23年)9月26日 - この日の始発から美祢線全線の運転が再開。
宇部駅 - 厚狭駅間の旧貨物線
かつては山陽本線宇部駅 - 厚狭駅間は旅客用複線に加え、単線の貨物線が並走し計3線となっていた。この貨物線は小野田駅 - 厚狭駅間で旅客用複線を厚狭方面に向かい南側から北側へオーバークロスしていた。これは美祢線から宇部方面への貨物輸送が盛んであったためだが、現在この貨物線は廃止され、貨物列車は旅客線を走行する。このオーバークロスの遺構が現在でも残っている。この貨物線は宇部線から山陽本線下関方面に直通する旅客列車も使用していたため、貨物列車の他に旧型国電が走行する姿も見られた。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- テンプレート:Color山陽新幹線
- テンプレート:Color山陽本線
- テンプレート:Color美祢線
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:Navboxテンプレート:美祢線- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ JRおでかけネット 厚狭駅構内図
- ↑ 出典:山口県統計年鑑