河津秋敏
テンプレート:Infobox 人物 河津 秋敏(かわづ あきとし、1962年11月5日 - )は、日本のゲームクリエイター、ゲームプロデューサー。株式会社スクウェア・エニックス第2開発事業部長兼エグゼクティブプロデューサーで、かつては同社の取締役も任務していた。
来歴
熊本県立熊本高等学校卒業、東京工業大学理学部在学中にソニーから内定通知を受け入社予定だったが、事情によりやむを得ず中退[1]。のちの1985年、スクウェアのアルバイト採用試験に応募した際、前日に採用が締め切られていたことを告げられるも、結果として採用される[2](時田貴司と同期)。入社直後、マスターアップ間際の『ハイウェイスター』のデータ作成を手伝う。社員となり『ファイナルファンタジー』、『ファイナルファンタジーII』の開発に携わった[1]のち、当時の社長宮本雅史から新発売の携帯ゲーム機ゲームボーイのソフト開発を任される[3]。
宮本は当時爆発的な人気を誇っていた『テトリス』のようないわゆる「落ちものゲー」の開発を望んでいたという[4]。しかし河津は石井浩一と同じく、「ユーザーはRPGを望んでいる」と考えた。そこであえてRPGを開発しようと試み、『魔界塔士 Sa・Ga』を世に送り出し、スクウェア初のミリオンヒットを飛ばす。以降『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』を除く全ての『サガ』シリーズの開発に関わり、『サガ』の生みの親として広く知られる。
2002年ゲームデザイナーズ・スタジオの代表に就任。前任天堂社長山内溥の私設ファンド「ファンドキュー」からの資金提供を受けゲームキューブとゲームボーイアドバンスの連動ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』を開発した。2004年6月よりスクウェア・エニックスの取締役に就任。引き続き第2開発事業部長を兼務していた。
元々は『FFIII』のリメイク企画に大々的に関わっていたが、2005年8月以降から、病気療養中の松野泰己に代わり、エグゼクティブプロデューサーとして『ファイナルファンタジーXII』の製作統括の任にピンチヒッターとして当たっていた。現在は『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズの製作指揮と『ファイナルファンタジーXII』の製作統括の任から引き続いてイヴァリースアライアンス作品の製作統括を行っている。
2007年5月23日に取締役を退任、エグゼクティブ・プロデューサーとして、開発に専念する人事を発表した。
人物
- 高校時代はインベーダーゲームに熱中[5]、大学の頃からRPGフリークであり、TRPGやボードのシミュレーションゲームをよく触れ込んでいた。当時はまだ日本語訳が出ていない頃で、ルールブックを翻訳しながら遊んでいたという[2]。ゲームを製作する上で、当時愛読していた「剣と魔法」が登場するファンタジー小説の影響を受けていることはあると思う、とのことである[6]。
- 自身のゲーム全般に深く関わるため、名目上のクレジットと実際に行なった仕事は必ずしも一致しない。例えば『サガ フロンティア2』などはプロデューサーという事になっているが、シナリオも一人でほとんど全てを書いており、開発中に全体の完成像を知っているのは河津だけだった[7]。スタッフに先入観を持たせない彼の製作方針によるものだが、スケジュール的に負担が大きく、スタッフからの評判はあまり芳しくなかった[7]。
- 『アンリミテッド:サガ』制作発表Flashなどで、シリーズ紹介から『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』が除外されていることがある。これは『Sa・Ga3』発売当時、「『Sa・Ga2』が発売されたのだから『Sa・Ga3』を作らない選択は無かった」うえに、なおかつ「スーパーファミコン発売当時の時期なので新たなサガシリーズを作る必要もあった」状況で、『ロマサガ』と同時開発をすることになり、その際、社内から『ロマサガ』を担当するよう配属され、『Sa・Ga3』の開発に携われなかった[8]ことで、「河津の手がけた作品」というコンセプトのシリーズ紹介に入れることができなかったため。後にリメイク作品である『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』ではシリーズディレクターとして制作に関っている。
- 廉価版以前の『FFタクティクス』同梱のディスクである『サガ フロンティア』の体験版ディスクには河津自身によるメッセージの入ったファイルが存在している[9]。
- 2012年5月6日の自らのアカウントのtwitterで娘が生まれた事を報告した。
- 2012年9月26日の自らのアカウントのtwitterで、自民党の総裁選挙について「お腹痛い! の人が総裁になった。自民党の人は優しいな。自分の仕事だったら、「病気だから仕方ないよ。次、頑張ろう。」と声は掛けるが、同じ立場の仕事は二度とやらせませんよ。」と発言し、抗議の電話が殺到する騒ぎとなった[10]。
主な関連作品
- ファイナルファンタジー(ゲームデザイン、シナリオ)
- ファイナルファンタジーII(ゲームデザイン)
- 魔界塔士 Sa・Ga(ディレクター、シナリオ)
- Sa・Ga2 秘宝伝説(ディレクター、シナリオ)
- ロマンシング サ・ガ(ディレクター、シナリオ、システムデザイン、バトルデザイン)
- ロマンシング サ・ガ2(ディレクター、ゲームデザイン、シナリオ)
- ロマンシング サ・ガ3(ディレクター、ゲームデザイン、シナリオ)
- サガ フロンティア(ディレクター)
- サガ フロンティア2(プロデューサー、シナリオ)
- レーシングラグーン(プロデューサー)
- 聖剣伝説 LEGEND OF MANA(プロデューサー)
- はたらくチョコボ(プロデューサー)
- バウンサー(脚色)
- ワイルドカード(ディレクター、ゲームデザイン)
- ブルーウィングブリッツ(プロデューサー)
- FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜<アニメーション作品>(ベースコンセプトプランニング)
- アンリミテッド:サガ(製作総指揮)
- ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル(プロデューサー)
- ロマンシング サガ -ミンストレルソング-(製作総指揮)
- コード・エイジ コマンダーズ(エグゼクティブプロデューサー)
- ファイナルファンタジーXII(エグゼクティブプロデューサー)
- ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング(エグゼクティブプロデューサー)
- ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争(エグゼクティブプロデューサー)
- ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト(エグゼクティブプロデューサー)
- ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア(エグゼクティブプロデューサー)
- 小さな王様と約束の国 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル(エグゼクティブプロデューサー)
- ラスト レムナント(エグゼクティブプロデューサー)
- ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム(エグゼクティブプロデューサー)
- 光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル(エグゼクティブプロデューサー)
- サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY(エグゼクティブプロデューサー、総監修)
- ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー(プロデューサー、シナリオ)
- サガ3時空の覇者 Shadow or Light(シリーズディレクター)