ランフランコ・デットーリ
テンプレート:騎手 ランフランコ・デットーリ MBE(Lanfranco (Frankie) Dettori MBE、1970年12月15日 -)は、イタリア・ミラノ生まれの騎手。現役の騎手の中で世界トップクラスの騎乗技術を持つともいわれる。英語圏ではフランキー(Frankie)とも呼ばれる。
1994年から10年余りゴドルフィンの専属騎手を勤め、アラブ首長国連邦(UAE)とイギリスを主戦場としている。現在はゴドルフィンとの「専属」契約は打ち切られているが、ゴドルフィンの馬に騎乗する事はある。現在は、カタールの王族であるジョーアーン・ビン・ハマド・アール=サーニー(タミーム首長の弟)と主戦契約を結んでいる[1]。
概要
世界各国でG1レースに勝利した回数は191勝、日本のGIレースも4勝している。
父のジャンフランコ・デットーリもボルコンスキー、ウォローで英2000ギニーを連覇し、日本にも第2回と第3回のジャパンカップに2度来日した名騎手であった。また、母親はサーカス団にいたことがあり、馬の曲乗りを得意にしていた。このことに関して本人は「身体が柔らかいのは母親譲りだと思う」と発言している。
大レースに勝利した際に、馬の背で立ち上がりそこから飛び降りる通称「デットーリジャンプ(フライングディスマウント)」が有名で、日本でもデットーリと非常に仲の良い横山典弘が彼の真似をしている。
サイドビジネスとして、「フランキー・デットーリ・ピザ」や「フランキー・デットーリ・イタリアン・レストラン」を経営しており、ロンドン、上海に店舗を展開している。
日本での活躍
2005年にジャパンカップをアルカセットで勝ち、ジャパンカップ単独最多勝利騎手となった(2010年末現在では武豊が3勝目を挙げたため最多タイとなった)。しかもジャパンカップの3勝は全てがハナ差でのもので、接戦をものにしたその手腕を如実に示している。小島太調教師およびその実子の小島良太調教助手とは親交もあり[2]、来日時にはよく騎乗依頼を受けている。
社台グループ総帥の吉田照哉曰く「デットーリが騎乗すると、他の騎手より5馬身違う」とも(2002年のジャパンカップにおける「スーパー競馬」出演時のコメント)。そのジャパンカップをファルブラヴで勝利。しかも前日にはイーグルカフェに騎乗しジャパンカップダートに勝利。同馬はNHKマイルカップを勝利した後低迷し、一時期はマンハッタンカフェの帯同馬に過ぎない状態であった。当時、ジャパンカップでは日本馬が圧倒的に有利のため、有力外国馬でも優勝するどころか掲示板にすら載れない時も多い。そんな中、21世紀に入って外国調教馬を2度も優勝に導いていて、その2度ともが僅差での勝利で、なおかつ東京、中山とそれぞれ違う種類でのコースでの勝利であった。
2011年には、東京優駿でH.H.シェイク・モハメドの所有馬であるデボネアに騎乗するため、5月28日と29日のみで短期免許を取得[3]。身元引受調教師は中竹和也、身元引受馬主は猪熊広次である。
エピソード
- イタリア人騎手ながら、母国で騎乗することは少なく、1年の大半は世界中を飛び回っている。そのため、英語やフランス語は堪能で、日本語も少し話すことができる。
- 2000年6月に小型飛行機墜落事故に遭い重傷を負うが、2ヶ月後に復帰。
主な勝ち鞍
- 1990年
- クイーンエリザベス2世ステークス マークオブディスティンクション
- ローマ賞 Legal Case
- フィリーズマイル Shamshir
- 1991年
- サセックスステークス Second Set
- 1992年
- ローマ賞 Misil
- ゴールドカップ Drum Taps
- フェニックスステークス Pips Pride
- 1993年
- ゴールドカップ Drum Taps
- ジョッキークラブ大賞 Misil
- ナンソープステークス Lochsong
- 1994年
- オークス バランシーン
- アイリッシュダービー バランシーン
- ヨークシャーオークス Only Royale
- ブリーダーズカップ・マイル バラシア
- 1995年
- オークス ムーンシェル
- ナンソープステークス So Factual
- バーデン大賞 Germany
- E.P.テイラーステークス Timarida
- セントレジャーステークス Classic Cliche
- キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス ラムタラ
- 凱旋門賞 ラムタラ
- 1996年
- 2000ギニー マークオブエスティーム
- ジョッキークラブ大賞 Shantou
- セントレジャーステークス Shantou
- ローマ賞 Flemensfirth
- コロネーションカップ スウェイン
- クイーンエリザベス2世ステークス マークオブエスティーム
- クイーンエリザベス2世カップ Overbury
- インターナショナルステークス ホーリング
- ジャパンカップ シングスピール
- 1997年
- フィリーズマイル Glorosia
- ドイツ賞 Luso
- コロネーションカップ シングスピール
- インターナショナルステークス シングスピール
- 1998年
- 1000ギニー Cape Verdi
- ゴールドカップ カイフタラ
- ナンソープステークス Lochangel
- エクリプスステークス デイラミ
- キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス スウェイン
- 1999年
- 2000ギニー Island Sands
- キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス デイラミ
- デルビーイタリアーノ Mukhalif
- コロネーションカップ デイラミ
- フィリーズマイル Teggiano
- ヴィットーリオ・ディ・カープア賞 Muhtathir
- サセックスステークス Aljabr
- クイーンエリザベス2世ステークス ドバイミレニアム
- ジャック・ル・マロワ賞 ドバイミレニアム
- アイリッシュセントレジャー カイフタラ
- アイリッシュチャンピオンステークス デイラミ
- ブリーダーズカップ・ターフ デイラミ
- 2000年
- ドバイワールドカップ ドバイミレニアム
- アイリッシュ2000ギニー Bachir
- カナディアンインターナショナルステークス Mutafaweq
- フィリーズマイル Crystal Music
- ロッキンジステークス アルジャブル
- ターフクラシック招待ステークス ファンタスティックライト
- 香港カップ ファンタスティックライト
- 2001年
- 凱旋門賞 サキー
- ブリーダーズカップ・ターフ ファンタスティックライト
- インターナショナルステークス サキー
- アイリッシュオークス Lailani
- ナッソーステークス Lailani
- メイトロンステークス Independence
- コロネーションカップ Mutafaweq
- サセックスステークス Noverre
- ヴィットーリオ・ディ・カープア賞 Slickly
- ジョッキークラブ大賞 Kutub
- オイロパ賞 Kutub
- アイリッシュチャンピオンステークス ファンタスティックライト
- タタソールズゴールドカップ ファンタスティックライト
- プリンスオブウェールズステークス ファンタスティックライト
- 2002年
- 1000ギニー カジア
- ローマ賞 サンストラッチ
- ヴィットーリオ・ディ・カープア賞 Slickly
- オークス カジア
- シンガポールゴールドカップ Kutub
- シンガポール航空インターナショナルカップ グランデラ
- 凱旋門賞 マリエンバード
- ドイツ賞 マリエンバード
- バーデン大賞 マリエンバード
- ジャパンカップダート イーグルカフェ
- ジャパンカップ ファルブラヴ
- 2003年
- ドバイワールドカップ ムーンバラッド
- クイーンアンステークス Dubai Destination
- バーデン大賞 Mamool
- オイロパ賞 Mamool
- アイリッシュオークス Vintage Tipple
- ドバイシーマクラシック スラマニ
- 香港カップ ファルブラヴ
- 2004年
- ゴールドカップ Papineau
- ビヴァリーD・ステークス Crimson Palace
- クイーンアンステークス Refuse to Bend
- キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス ドワイエン
- ヴィットーリオ・ディ・カープア賞 Ancient World
- ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル ウィルコ
- カナディアンインターナショナルステークス スラマニ
- インターナショナルステークス スラマニ
- ナショナルステークス ドバウィ
- 香港マイル Firebreak
- 2005年
- アイリッシュ2000ギニー ドバウィ
- セントレジャーステークス スコーピオン
- ジョッキークラブ大賞 Cherry Mix
- ジョッケクルブ賞 シャマルダル
- ジャパンカップ アルカセット
- 2006年
- ドバイワールドカップ エレクトロキューショニスト
- ナッソーステークス ウィジャボード
- セントレジャーステークス Sixties Icon
- ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ ウィジャボード
- ブリーダーズカップ・ターフ レッドロックス
- レーシングポストトロフィー オーソライズド
- 2007年
- ドバイゴールデンシャヒーン Kelly's Landing
- ダービーステークス オーソライズド
- ジョッケクルブ賞 ローマン
- インターナショナルステークス オーソライズド
- クイーンアンステークス ラモンティ
- サセックスステークス ラモンティ
- クイーンエリザベス2世ステークス ラモンティ
- 香港カップ ラモンティ
- 2008年
- E.P.テイラーステークス Folk Opera
- ロッキンジステークス クレカドール
- セントレジャーステークス コンデュイット
- ブリーダーズカップ・クラシック レイヴンズパス
- ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ ドゥナティヴァム
- 2009年
- デルビーイタリアーノ Mastery
- ジョッキークラブ大賞 Schiaparelli
- ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ パウンスド
- クリテリウムドサンクルー パッションフォーゴールド
- 2010年
- ローマ賞 リオデラプラタ
- フィリーズマイル White Moonstone
- クイーンエリザベス2世ステークス ポエッツボイス
- レーシングポストトロフィー Casamento
- ヴィットーリオ・ディ・カープア賞 リオデラプラタ
- ブリーダーズカップ・ターフ Dangerous Midge
- 香港ヴァーズ Mastery
- 2011年
- ドバイシーマクラシック Rewilding
- 1000ギニー Blue Bunting
略歴
- 1985年 イギリス・ニューマーケットで、ルカ・クマーニ調教師に師事し見習騎手となる
- 1986年11月16日 イタリア・トリノ競馬場で初勝利
- 1987年6月 グッドウッド競馬場でイギリス初勝利
- 1989年 クマーニ厩舎の専属騎手として75勝を挙げ、イギリス最優秀見習騎手となる
- 1990年 141勝を記録し、レスター・ピゴット以来となる10代年間100勝を達成
- 1991年 東京競馬場で行われるジャパンカップ出場のため、初来日。
- 1992年3月15日 中山競馬場11Rの'92ファイナルカップをグレイトウェーブで勝利し、日本初勝利。
- 1994年 ゴドルフィンの専属騎手となり、233勝を挙げイギリス平地競走年間最多勝騎手となる
- 1995年 216勝を挙げ、2年連続イギリス年間最多勝騎手
- 1996年9月28日 アスコット競馬場で1日7レース全勝を達成、ジャパンカップでシングスピールに騎乗して勝利
- 2000年 6月1日に航空事故に遭い、大怪我を負うが奇跡的に回復し、8月5日には復帰し、緒戦を制する
- 2002年 ジャパンカップダートでイーグルカフェ、ジャパンカップでファルブラヴに騎乗しともに勝利し、日本競馬史上初の2日連続GI制覇達成
- 2005年 ジャパンカップでアルカセットに騎乗し勝利。2.22.1のレースレコード・芝2400m日本レコードでの勝利だった。
- 2007年 オーソライズドでエプソムダービー初制覇、翌日にはローマンでジョッケクルブ賞を制覇。史上4人目となる英仏ダービー連覇を達成
- 2008年 レイヴンズパスでブリーダーズカップクラシック初制覇