仙台貨物ターミナル駅
仙台貨物ターミナル駅(せんだいかもつターミナルえき)は、宮城県仙台市宮城野区宮城野にある、日本貨物鉄道(JR貨物)・東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。東北本線支線(通称、宮城野貨物線)上にある。
発送・到着地と駅名を一致させる必要があることから、JR貨物の営業上の駅名は2011年(平成23年)3月12日のダイヤ改正をもって宮城野駅(みやぎのえき)から仙台貨物ターミナル駅に改称された[1]。
JR東日本の駅にもなっているが営業開始以来旅客列車の設定はない。そのため戸籍上は一般駅であるが、実態は貨物駅となっている。また旧称の頃に正式名称は宮城野駅であるが、宮城野原駅との混同を避けるために宮城野貨物駅と呼ばれたこともある。運行管理上は現在も宮城野駅のまま改称されていないようである[1]。
駅構造
16.8haほどの敷地を持つ地上駅。南北に通る複線の宮城野貨物線(本線)の西側に構内が広がる。コンテナホームは合計8面、荷役線は13本ある。駅業務は仙台臨海鉄道宮城野事業所が受託する。
上下の本線に隣接する列車の着発線は3本。着発線の西隣には側線があり、コンテナホームに隣接する1線が荷役線となっている。このホームは島式であり、反対側にも1線荷役線がある。ホームの西側には、コンテナホーム3面(相対式2面・単式1面)と荷役線3本がある。西側の単式ホームの西隣には、かつて有蓋車用ホームとして使用され、現在は倉庫として使用される上屋が残る。これら3つのホームの北側には、仕分線・留置線群が置かれている。
仕分線・留置線群の西側にもコンテナホームが置かれる。ホームは島式3面(東側)と単式1面(西側)で構成され、荷役線は8本ある。なお、荷役線1線が舗装されホームの一部となっているため、その荷役線に隣接する線路も荷役線になっている。
着発線からは300メートルほどの長さを持つ引き上げ線が伸びる。着発線隣接のホームに接する2線の荷役線や一部の側線を除き、荷役線および仕分線・留置線はこの引き上げ線から分岐する。
構内は着発線を除いて電化されていない。そのため、構内の入換作業は仙台総合鉄道部に所属するDE10形ディーゼル機関車が担当している。
駅本屋は構内の南西端・宮城野2丁目交差点角に設置されている。営業窓口のJR貨物仙台営業支店も駅本屋に入居する。そのほか、駅構内には仙台総合鉄道部宮城野派出(乗務員基地)や東北保全技術センター、コンテナ検修庫、日本運輸倉庫運営の倉庫(第一営業所・第二営業所)などが設置されている。
取扱う貨物の種類
当駅は、コンテナ貨物と臨時の車扱貨物の取扱駅である。コンテナ貨物は、12フィート・20フィート・30フィートの鉄道コンテナと、20フィートの海上コンテナ(24トンまで)を取り扱う。
取扱品は、発送貨物では積合せ貨物、清涼飲料水、ビール、食料工業品など、到着貨物では積合せ貨物、紙、化学工業品、清涼飲料水、機械、野菜などが主なものである。また、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ており、これらが入ったコンテナの取扱いも可能。
利用状況
- 2004年度
- 発送貨物 - コンテナ貨物251,889トン、車扱貨物4,038トン
- 到着貨物 - コンテナ貨物610,384トン、車扱貨物9,304トン
貨物列車・トラック便
- 高速貨物列車
- 東仙台駅方面行きの下り列車が1日23本、長町駅方面行きの上り列車が1日25本停車する。そのうち下り11本と上り11本が当駅終着、下り9本と上り12本が当駅始発の列車である。
- 列車の行き先は、下りが札幌貨物ターミナル駅(2本)、盛岡貨物ターミナル駅(2本)、石巻港駅(3本)など、上りが郡山貨物ターミナル駅(2本)、隅田川駅(2本)、名古屋貨物ターミナル駅(1本)、福岡貨物ターミナル駅(1本)、安治川口駅(1本)などである。
- このほか、上りの臨時列車も設定されている。
- トラック便
- 山形オフレールステーションとの間に4往復、古川オフレールステーションとの間に1日2往復運行されている。
トラック集配エリア
主に仙台市周辺・宮城県南部(仙南地方)・福島県浜通り北部を集配エリアとする。また郵便事業新仙台支店(旧・新仙台郵便局)への郵便物も当駅より運ばれている。
歴史
仙台駅の客貨分離が計画され、宮城野原練兵場跡地に貨物駅を建設することが決定したのは1947年(昭和22年)のことである。駅は1958年(昭和33年)に着工され、3年後の1961年(昭和36年)6月1日に宮城野駅として開業した。
駅の開業と同時に仙台市中央卸売市場が宮城球場南側の敷地で営業を開始し、卸売市場までの貨物線と市場内の仙台市場駅(せんだいしじょうえき)も整備された。なお、仙台市場駅およびその貨物線は、卸売市場の移転に伴い1974年(昭和49年)に廃止されている。
- 1958年(昭和33年)4月16日 - 着工。
- 1961年(昭和36年)6月1日 - 宮城野貨物線・仙台市場線開通と同時に、仙台駅の貨物取扱業務の一部を移管して、宮城野駅開業。
- 1964年(昭和39年)10月1日 - 小荷物の取扱を開始、一般駅となる。
- 1974年(昭和49年)7月1日 - 仙台市場駅への貨物支線を廃止。
- 1979年(昭和54年)10月11日 - 小荷物の取扱を廃止(貨物駅に戻る)。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 戸籍上旅客営業を開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR貨物・JR東日本が継承。
- 2011年(平成23年)3月12日 - JR貨物が営業上の駅名を仙台貨物ターミナル駅に改称[1]。
駅周辺
駅の西側は運動公園と、東側は住宅地と接する。現在、貨物駅を仙台市郊外へ移転し、駅跡地を宮城県が取得して、広域防災拠点として整備する構想が検討されている。[2]。
- JR東日本宮城野原駅
- 宮城野原公園総合運動場
- 仙台市立東華中学校
- 聖和学園高等学校(薬師堂キャンパス、東北鉄道学園→JR東日本仙台研修センター跡地)
- 国立病院機構仙台医療センター
- 仙台宮城野郵便局
その他
- 東北新幹線が仙台に乗り入れる際、現行より直線的なルートである宮城野貨物線に沿って新幹線を建設し、宮城野駅を「新仙台駅」として新幹線駅にする計画もあった。しかしこの案だと在来線の乗り入れが仙石線(当時は地上線)の宮城野原駅のみとなり、東北本線・常磐線・仙山線の利用者は日中3-4本/時のみ運行の仙石線で捌かなければならず、さらには仙台駅での乗り換えも不便(当時の在来線は、仙石線とそれ以外では全く別の駅舎である)であることから、結局仙台駅に新幹線乗り入れが決定した。
- 昭和50年代前半の東北新幹線工事期間中、新幹線仙台駅工事に伴う深夜時間帯の間合確保のため、寝台特急・夜行急行列車の一部が、仙台駅を経由せず、宮城野貨物線経由で迂回運転されていたことがあった。また、迂回運転される列車で、迂回前に仙台駅停車だった列車は、長町駅停車として、長町~仙台間には連絡バスが運転されていた。
- 宮城野貨物線に旅客列車を設定し、当駅での旅客営業を行うという要望が地元では出ているが、仙台駅を経由できない構造であり、宮城野原駅との統合時にかかるコスト(連絡運輸のための地下通路を新設しなければならない)が費用対効果に見合わないため、実現する可能性は低い。
隣の駅
脚注
関連項目
テンプレート:Navbox- ↑ 1.0 1.1 1.2 「MONTHLYかもつ」2011年3月号 VOL.61(鉄道貨物協会)19ページ 引用エラー: 無効な
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タグ; name "ekimei"が異なる内容で複数回定義されています - ↑ 広域防災拠点構想で駅移転、基本合意へ 宮城県とJR貨物(河北新報 2014年3月13日)