マイラーズカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:競馬の競走 マイラーズカップ (Milers' Cup) は、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場1600メートルで施行する中央競馬重賞GII競走である。正賞は読売新聞社賞で、読売新聞社が優勝杯を提供しており、正式名称は「読売マイラーズカップ」と表記している。

概要

1970年に5歳(現4歳)以上の混合の別定の重賞競走、マイラーズカップとして創設、第1回は阪神競馬場の芝1600mで施行され、創設当初は安田記念ではなく天皇賞(春)の前哨戦の1競走として位置付けされていた。

1984年からはグレード制施行によりGIIに格付け及び中央競馬における短距離路線の充実化に伴い安田記念の前哨戦の1競走として定着することになる。

1996年からは地方所属の騎手が騎乗可能になり、2000年からは指定交流競走に指定、地方所属の競走馬も出走可能になった。2004年からは国際競走に指定されると同時に国際グレードでGIIに格付けされた。

2007年からは、2006年12月に阪神競馬場の外回りコースが新設された事により、第1コーナーポケットを発走地点とするコースから向正面を発走地点とする外回りコースに変更された。

2012年からはマイル路線のローテーション整備により、施行日・施行場をアンタレスステークスと交換し、京都競馬場での開催に変更された。

安田記念を目標とし、1400m以下を適正距離としないマイラーが始動する競走でもあり、ダービー卿チャレンジトロフィー京王杯スプリングカップと並び安田記念の前哨戦に位置付けされ、1984年に4着に敗れたハッピープログレスを始め安田記念の優勝馬が多く輩出したが、1994年の優勝馬ノースフライトを後に安田記念の優勝馬が出ることが無くなっていた。しかし2005年で3着に敗れたアサクサデンエンが11年ぶりに安田記念を制覇した。また2006年からは、この年に新設されたヴィクトリアマイルの前哨戦としての機能も持つこととなり、ダンスインザムードアパパネがここをステップにヴィクトリアマイルを制した。

現在の優勝レイの配色は、青色地に黄色文字となっている。なお、新聞社が社杯を提供する重賞競走は多々あり、読売新聞社以外の全国紙各社は東西で重賞の社杯提供を行っているが、読売新聞社は関西圏の当競走のみで関東圏では社杯を提供する重賞競走が現在は存在しない[注 1]

出走資格は、サラ系4歳(旧5歳)以上のJRA所属の競走馬、地方所属の競走馬(2頭まで)及び外国調教馬(9頭まで)。

負担重量は56kg、牝馬は2kg減を基本とし、

  • 施行日当日から1年前の開催週以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増
  • 施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
  • 施行日当日から1年前の開催週より過去のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増

以上の条件で斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

歴史

  • 1970年 - 阪神競馬場の芝1600mの5歳(現4歳)以上の賞金別定の重賞競走、マイラーズカップとして新設。
  • 1971年
  • 1972年 - ストライキの影響により京都競馬場の芝外回り1600mで順延開催。
  • 1974年
    • 読売新聞社より優勝杯の提供を受け、読売杯マイラーズカップに名称変更。
    • ストライキの影響により京都競馬場の芝外回り1600mで順延開催。
  • 1980年 - 競走名を現在の読売マイラーズカップに変更。
  • 1981年 - カツラノハイセイコ(1着)、オペックホース(4着)が出走し、中央競馬史上初となるダービー馬同士のマイル対決となった。
  • 1984年 - グレード制施行によりGIIに格付け。
  • 1988年 - 中尾正が調教師として2人目の連覇。
  • 1989年 - 混合競走に指定。
  • 1991年 - 阪神競馬場の改修工事により中京競馬場の芝1700mで施行。
  • 1992年
  • 1994年 - 京都競馬場の改修工事による振替開催により中京競馬場の芝1700mで施行。
  • 1995年 - 兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)による阪神競馬場の中止により京都競馬場の芝外回り1600mで施行。
  • 1996年 - この年から地方所属の騎手が騎乗可能となる。
  • 2000年
    • 指定交流競走に指定され、地方馬は2頭まで出走可能となる。
    • 開催時期を4月に変更。
    • この年から中山競馬場で行われる皐月賞の前日開催となる。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「5歳以上」から「4歳以上」に変更。
  • 2004年
  • 2005年
    • 外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
    • ローエングリンが当競走で史上3頭目の2度目の優勝。
  • 2006年 - 牝馬限定重賞競走優勝馬の負担重量を軽減。
  • 2007年 - この年より、3-4コーナーが外回りの新コースで施行。
  • 2009年 - 関西主場においての最終レースの発走時刻を16時40分に設定したことに伴い、当競走の競走番号が第11競走から第10競走に変更。
  • 2011年 - 4月16日施行予定が、皐月賞東日本大震災の影響により4月24日に順延されたことに伴い、4月17日にスライドし第11競走として開催。12年ぶりの日曜日施行となる。
  • 2012年
    • 施行場を京都競馬場の芝外回り1600mに変更。
    • 開催時期をアンタレスステークスと交換し、日曜日・第11競走施行に正式に変更。
    • 基本負担重量を57kg(牝馬は2kg減)から56kg(牝馬は2kg減)に変更。
    • シルポートが3頭目の連覇。
    • 小牧太が騎手として初の連覇。
    • 西園正都が調教師として4人目の連覇。
  • 2013年 - 8枠17番の馬が3連覇と珍しい記録となった。
  • 2014年 - この年から当競走の1着馬に安田記念への優先出走権が付与される。

歴代優勝馬

国際競走となった2004年以降は優勝馬の国旗を表記する。

回数 施行日 優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主テンプレート:要出典
第1回 1970年4月12日 トウメイ 牝4 1:39.6 簗田善則 坂田正行 近藤克夫
第2回 1971年4月11日 トウメイ 牝5 1:36.1 清水英次 坂田正行 近藤克夫
第3回 1972年4月29日 ロングワン 牡4 1:36.1 武邦彦 松田由太郎 中井長一
第4回 1973年4月15日 タイテエム 牡4 1:39.9 須貝彦三 橋田俊三 (有)名鯛興業
第5回 1974年[[5月4日|5月テンプレート:04日]] マチカネハチロー 牡4 1:35.9 福永洋一 清田十一 東豊産業(株)
第6回 1975年4月13日 キタノカチドキ 牡4 1:36.1 田島信行 服部正利 初田豊
第7回 1976年4月10日 シルバーランド 牡6 1:35.5 高橋成忠 佐藤勇 冨士田竹三
第8回 1977年[[4月9日|4月テンプレート:09日]] ゴールドイーグル 牡7 1:36.4 内田国夫 伊藤雄二 石坂達也
第9回 1978年[[4月8日|4月テンプレート:08日]] インターグロリア 牝4 1:35.2 福永洋一 柳田次男 松岡正雄
第10回 1979年[[4月7日|4月テンプレート:07日]] バンブトンコート 牡4 1:36.0 伊藤清章 伊藤修司 樋口正蔵
第11回 1980年[[4月5日|4月テンプレート:05日]] ニチドウアラシ 牡4 1:34.9 村本善之 坂田正行 山田敏夫
第12回 1981年[[3月8日|3月テンプレート:08日]] カツラノハイセイコ 牡5 1:37.5 河内洋 庄野穂積 桂土地(株)
第13回 1982年3月14日 カズシゲ 牡5 1:34.7 出口隆義 須貝彦三 萩英男
第14回 1983年3月13日 ロングヒエン 牡4 1:37.4 河内洋 小林稔 中井長一
第15回 1984年2月26日 ローラーキング 牡6 1:37.2 丸山勝秀 中村好夫 (株)ホースメン
第16回 1985年2月24日 ニホンピロウイナー 牡5 1:34.4 河内洋 服部正利 小林百太郎
第17回 1986年2月23日 ロングハヤブサ 牡5 1:36.1 南井克巳 小林稔 中井長一
第18回 1987年[[3月1日|3月テンプレート:01日]] コンサートマスター 牡5 1:35.0 松本達也 中尾正 廣嶋誠二
第19回 1988年2月28日 ミスターボーイ 牡6 1:34.6 村本善之 中尾正 小原巖
第20回 1989年2月26日 ミスティックスター 牡6 1:36.3 山田和広 坪正直 山本衛
第21回 1990年2月25日 メジロワース 牡5 1:36.6 松永幹夫 浅見国一 (有)メジロ牧場
第22回 1991年2月24日 ダイタクヘリオス 牡4 1:41.2 武豊 梅田康雄 中村雅一
第23回 1992年3月テンプレート:01日 ダイタクヘリオス 牡5 1:36.2 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一
第24回 1993年2月28日 ニシノフラワー 牝4 1:36.4 河内洋 松田正弘 西山正行 
第25回 1994年[[3月6日|3月テンプレート:06日]] ノースフライト 牝4 1:40.6 武豊 加藤敬二 (有)大北牧場
第26回 1995年[[3月5日|3月テンプレート:05日]] ビッグショウリ 牡4 1:35.4 塩村克己 中尾正 (有)ビッグ
第27回 1996年[[3月3日|3月テンプレート:03日]] ニホンピロプリンス 牡7 1:33.5 小林徹弥 目野哲也 小林百太郎
第28回 1997年[[3月2日|3月テンプレート:02日]] オースミタイクーン 牡6 1:35.0 武幸四郎 武邦彦 山路秀則
第29回 1998年3月テンプレート:08日 ビッグサンデー 牡4 1:33.9 蛯名正義 中尾正 (有)ビッグ
第30回 1999年[[3月7日|3月テンプレート:07日]] エガオヲミセテ 牝4 1:35.6 河内洋 音無秀孝 小田切有一
第31回 2000年4月15日 マイネルマックス 牡6 1:34.3 佐藤哲三 中村均 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第32回 2001年4月14日 ジョウテンブレーヴ 牡4 1:32.8 蛯名正義 相沢郁 田邉久男
第33回 2002年4月13日 ミレニアムバイオ 牡4 1:32.6 柴田善臣 領家政蔵 バイオ(株)
第34回 2003年4月19日 ローエングリン 牡4 1:31.9 後藤浩輝 伊藤正徳 (有)社台レースホース 
第35回 2004年4月17日 テンプレート:Flagicon マイソールサウンド 牡5 1:32.9 本田優 西浦勝一 佐野清
第36回 2005年4月16日 テンプレート:Flagicon ローエングリン 牡6 1:33.5 横山典弘 伊藤正徳 (有)社台レースホース
第37回 2006年4月15日 テンプレート:Flagicon ダイワメジャー 牡5 1:36.2 安藤勝己 上原博之 大城敬三
第38回 2007年4月14日 テンプレート:Flagicon コンゴウリキシオー 牡5 1:32.2 藤田伸二 山内研二 金岡久夫
第39回 2008年4月19日 テンプレート:Flagicon カンパニー 牡7 1:33.6 横山典弘 音無秀孝 近藤英子
第40回 2009年4月18日 テンプレート:Flagicon スーパーホーネット 牡6 1:33.9 藤岡佑介 矢作芳人 田島政光
第41回 2010年4月17日 テンプレート:Flagicon リーチザクラウン 牡4 1:32.9 安藤勝己 橋口弘次郎 臼田浩義
第42回 2011年4月17日 テンプレート:Flagicon シルポート 牡6 1:32.3 小牧太 西園正都 百万武夫
第43回 2012年4月22日 テンプレート:Flagicon シルポート 牡7 1:33.2 小牧太 西園正都 河崎五市
第44回 2013年4月21日 テンプレート:Flagicon グランプリボス 牡5 1:32.6 浜中俊 矢作芳人 (株)グランプリ
第45回 2014年4月27日 テンプレート:Flagicon ワールドエース 牡5 テンプレート:Color A.シュタルケ 池江泰寿 (有)サンデーレーシング

本競走からの天皇賞(春)優勝馬

創設年から1983年まで天皇賞(春)の前哨戦として施行され2頭が天皇賞(春)を制覇している。

回数 馬名 性齢 着順 備考
第4回 タイテエム 牡4 1着 -
第12回 カツラノハイセイコ 牡5 1着 第46回日本ダービー優勝

本競走からのヴィクトリアマイル優勝馬

2006年から同年に新設されたヴィクトリアマイルの前哨戦として施行され2頭がヴィクトリアマイルを制覇している。

回数 馬名 性齢 着順
第37回 ダンスインザムード 牝5 2着
第42回 アパパネ 牝4 4着

本競走からの安田記念優勝馬

1984年から安田記念の前哨戦として施行され5頭が安田記念を制覇している。

回数 馬名 性齢 着順 備考
第15回 ハッピープログレス 牡6 4着 第18回スプリンターズステークス(GIII)優勝
第16回 ニホンピロウイナー 牡5 1着 第2回マイルチャンピオンシップ優勝
第24回 ヤマニンゼファー 牡5 2着 第108回天皇賞(秋)優勝
第25回 ノースフライト 牝4 1着 第11回マイルチャンピオンシップ優勝
第36回 アサクサデンエン 牡6 3着 第50回京王杯スプリングカップ(GII)優勝

脚注・出典

テンプレート:脚注ヘルプ

注釈

テンプレート:Reflist

出典

テンプレート:Reflist

各回競走結果の出典

関連項目

外部リンク

テンプレート:中央競馬の重賞競走 テンプレート:読売新聞グループ本社
引用エラー: 「注」という名前のグループの <ref> タグがありますが、対応する <references group="注"/> タグが見つからない、または閉じる </ref> タグがありません