伊藤正徳 (競馬)
テンプレート:BLP unsourced テンプレート:騎手 伊藤 正徳(いとう まさのり、1948年10月22日 - )は日本中央競馬会の調教師、元騎手。父は元騎手(後に調教師)でトクマサで1936年の第5回東京優駿大競走(現在の日本ダービー)を制した伊藤正四郎(他に第1回菊花賞をテツモンで、第4回天皇賞(春)をスゲヌマで制した)、元調教師・騎手の伊藤雄二は義兄。
騎手時代
1964年に日本中央競馬会の長期騎手課程15期生として馬事公苑に入る。同期に岡部幸雄、柴田政人、福永洋一らがおり、優秀な成績を挙げた事から、のちに「馬事公苑花の15期生」と呼ばれる世代である。1966年に尾形藤吉厩舎所属の騎手見習いとなり、1968年に騎手としてデビュー。
1977年5月に行なわれた第44回東京優駿(日本ダービー)でラッキールーラに騎乗し優勝。同期の中で最初にダービージョッキーとなる。また、この勝利により2組目の親子2代のダービージョッキーとなった(最初は中島時一と中島啓之親子)。さらにダービー史上最外枠(7枠24番)での優勝を成し遂げた。
この他では1982年の第86回天皇賞(秋)をメジロティターンで、1973年の第23回安田記念をハクホオショウで制した(但し当時同競走はハンデキャップ競走)。
1987年2月に引退。通算成績は2037戦269勝。
調教師時代
1987年より調教師としての活動を開始。翌1988年に厩舎開業。同年5月15日の新潟競馬第8競走のエイコーフィバーで初勝利を挙げる。
1999年にエアジハードで安田記念、マイルチャンピオンシップを制す。他にはマイネルブリッジ(NHK杯など3勝)、ローエングリン(マイラーズカップなど4勝)など重賞は通算19勝。
1995年と1996年に優秀調教師賞を獲得。毎年20勝前後の勝利数を挙げるなど安定した成績を残している。騎手後藤浩輝は1992年から1995年まで伊藤正徳厩舎の所属騎手で師弟関係を持っていた。
1998年の秋華賞で、管理馬のエアデジャヴーが武豊騎手騎乗のファレノプシスに敗れた時、「今日はユタカの腕にやられたんだ。馬の仕上げでは負けてない」とのコメントを残す。 (※) 第4コーナーでファレノプシスの武が、巧みにエアデジャヴーの進路を一瞬消していた。
2005年、岡部幸雄騎手の引退セレモニーに同期代表として出席。「今はこんな体をしておりますが、元乗り役でございます」と言って会場を賑わせた。
2008年、エアデジャヴーを母に持つエアシェイディでアメリカジョッキークラブカップを制す。
翌年の2009年にはネヴァブションが制覇、2010年もコンビを組む横山典弘の好騎乗によりネヴァブションはアンバーシャダイ以来史上2頭目となるアメリカジョッキークラブカップ連覇を達成。
伊藤正徳も二本柳俊夫元調教師(1981年ホウヨウボーイ、1982、1983年アンバーシャダイ)以来史上2人目のアメリカジョッキークラブカップ3連覇となった。
騎手成績
1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
平地 | 276 | 232 | 214 | 2089 | .132 | .243 |
障害 | 6 | 5 | 2 | 25 | .240 | .440 |
計 | 282 | 237 | 216 | 2114 | .133 | .246 |
日付 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初騎乗 | 1968年3月2日 | - | コキンホース | - | - | 6着 |
初勝利 | 1968年8月24日 | - | フリートターフ | - | - | 1着 |
重賞初騎乗 | 1968年11月10日 | カブトヤマ記念 | クレバーミナド | 14頭 | 13 | 8着 |
重賞初勝利 | 1968年11月24日 | 東京障害特別(秋) | フリートターフ | 6頭 | 1 | 1着 |
GI級初騎乗 | 1970年11月28日 | 天皇賞(秋) | ハクエイホウ | 13頭 | 9 | 12着 |
GI級初勝利 | 1977年5月29日 | 東京優駿 | ラッキールーラ | 28頭 | 9 | 1着 |
主な騎乗馬
- フリートターフ(東京障害特別(秋))
- ヒガシライト(日本短波賞)
- ヤシマライデン(京成杯・東京4歳ステークス)
- ムツミマサル(アラブ王冠(秋))
- リキショウ(アラブ王冠(春))
- ハクホオショウ(安田記念)
- ウエスタンダッシュ(京成杯・金杯(東))
- ラッキールーラ(弥生賞・日本ダービー)
- タケノハッピー(クイーンステークス・ダービー卿CT)
- メジロティターン(セントライト記念・日経賞・天皇賞(秋))
- ヨロズハピネス(金杯(東))
調教師成績
日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初出走 | 1988年3月5日 | 2回東京3日8R | 5歳上400万下 | トーヨーテイオー | 14頭 | 5 | 11着 |
初勝利 | 1988年5月15日 | 1回新潟8日8R | 4歳上400万下 | エイコーフィバー | 13頭 | 11 | 1着 |
重賞初出走 | 1989年3月12日 | 2回中山6日11R | 中山記念 | アイアンシロー | 13頭 | 12 | 13着 |
重賞初勝利 | 1990年9月30日 | 4回中山8日11R | クイーンS | ウィナーズゴールド | 13頭 | 8 | 1着 |
GI初出走 | 1989年5月21日 | 3回東京2日10R | 優駿牝馬 | エバープロスパー | 24頭 | 8 | 9着 |
GI初勝利 | 1999年6月13日 | 3回東京8日11R | 安田記念 | エアジハード | 14頭 | 4 | 1着 |
主な管理馬
- エアジハード(安田記念、マイルチャンピオンシップ、富士ステークス)
- マイネルブリッジ(NHK杯、七夕賞、福島記念)
- ホッカイセレス(府中牝馬ステークス、中山牝馬ステークス)
- エアデジャヴー(クイーンステークス、優駿牝馬2着)
- ローエングリン(中山記念2勝、マイラーズカップ2勝)
- ネヴァブション(日経賞、アメリカジョッキークラブカップ2勝)
- エアシェイディ(アメリカジョッキークラブカップ)
主な厩舎所属者
※太字は門下生。括弧内は厩舎所属期間と所属中の職分。
備考
騎手時代に「おれでよければ」という曲でレコードを出した事もある。ジャケットに「大本命盤」と書いてあるが、これは同時期に田辺靖雄やアローナイツが同名の曲を出したので違いを示すために銘打った物である。
馬事公苑同期の岡部幸雄も著書の中で、「歌だけは彼に敵わない」と述べている。ちなみに弟子の後藤浩輝も「遥かな君に」でCDをリリースした。