富士ステークス

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テンプレート:競馬の競走 富士ステークス(ふじステークス)は、日本中央競馬会 (JRA) が東京競馬場1600メートルで施行する中央競馬重賞 (GIII) 競走である。競走名は富士山に由来。サウジアラビアリヤド馬事クラブから優勝杯が寄贈されているため、正式名称はサウジアラビアロイヤルカップ富士ステークスと表記される。当競走の交換競走として、リヤド馬事クラブキングアブドゥルアズィーズ競馬場でJRA'sカップを施行している。

当項目は統合された「サウジアラビアロイヤルカップ」も含めて記述する。

概要

1981年ジャパンカップ創設に伴い同競走に出走する外国招待馬および選出候補の地方競走馬が出走できる競走として東京競馬場の4歳(現3歳)馬以上による定量の国際招待のオープン特別競走・「オープン競走」の名称で創設されたのが始まりで、1984年に「富士ステークス」と名称がつけられた。

1987年にはジャパンカップ出走予定の牝馬のトリプティクが圧勝して本番での人気を獲得するなどしていたが、1992年以降に招待馬の出走はなくステップ競走としての意味合いは有名無実化し、定量戦(当時)だったこともあり同時期に行われるアルゼンチン共和国杯福島記念での重ハンデを嫌った一流半級の出走がメインとなった。

1997年よりジャパンカップと同一週の開催となり、距離も芝1400mに短縮され、ジャパンカップ出走馬の帯同馬向けの競走とともにスプリンターズステークスの前哨戦として位置付けられた。翌1998年国際競走・指定交流競走・別定の重賞競走(GIII)に格上げされる。2000年からはスプリンターズステークスの施行時期変更に伴い、施行時期が1ヶ月ほど繰り上がり、距離も芝1600mに変更されてマイルチャンピオンシップへの前哨戦として生まれ変わった。

2007年には東京競馬場・ダート1600mで施行されていたオープン特別競走「サウジアラビアロイヤルカップ」を統合する形で名称を「サウジアラビアロイヤルカップ富士ステークス」と改称している。

なお、地方所属馬に限られるが、上位2着までにマイルチャンピオンシップへの出走権(優先出走権ではない)が与えられるトライアル競走である。

出走資格はサラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属馬(外国産馬含む)、外国調教馬(9頭まで)、および所定の条件を満たした地方競馬所属馬(3頭まで)。

負担重量は、3歳54kg、4歳以上56kg、牝馬2kg減を基本とし、

  • 施行日当日から1年前の開催週以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は3kg増。
  • 施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増。
  • 施行日当日から1年前の開催週より過去のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増。
  • 施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GII競走またはGIII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増。
  • 施行日当日から1年前の開催週より過去の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増。

以上のように斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

歴史

富士ステークスの歴史

  • 1981年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による定量の混合のオープン特別競走として「オープン競走(国際招待)」が、東京競馬場・芝1800mで施行。
  • 1984年
    • 負担重量を別定に変更。
    • 名称を「富士ステークス(国際招待)」に変更。
  • 1985年
    • 負担重量を定量に戻す。
    • 混合競走から除外。
  • 1986年
    • 混合競走に再び指定。
    • 指定交流競走に指定。
  • 1993年 - 国際競走に指定。
  • 1997年
    • 負担重量を別定に戻す。
    • 施行距離を芝1400mに変更。

サウジアラビアロイヤルカップの歴史

  • 1999年 - サウジアラビアアブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ皇太子から寄贈杯を受け、東京ハイジャンプを「日本・サウジアラビア修好40周年記念東京ハイジャンプ(サウジアラビアロイヤルカップ)」として施行。
  • 2000年 - オアシスステークスを「サウジアラビアロイヤルカップ2000オアシスステークス」として施行。
  • 2001年 - オアシスステークスを「サウジアラビアロイヤルカップオアシスステークス」として施行。
  • 2003年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による別定の混合のオープン特別競走として「サウジアラビアロイヤルカップ」が、東京競馬場・ダート1600mで施行。
  • 2004年 - 負担重量をハンデキャップに変更。
  • 2007年 - 富士ステークスに統合。

重賞格付け後の歴史

  • 1998年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬による別定の国際競走・指定交流競走の重賞(GIII)競走として「富士ステークス」として昇格、東京競馬場・芝1400mで施行(地方馬は3頭まで、外国調教馬は4頭まで出走可能)。
  • 2000年 - 施行距離を芝1600mに変更。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
  • 2002年
    • 国際セリ名簿基準委員会により国際GIIIに格付け、それに伴い外国調教馬の出走枠を4頭から8頭に拡大。
    • 東京競馬場の改修工事による振替開催により、中山競馬場・芝外回り1600mで施行。
  • 2003年 - 外国調教馬の出走枠を9頭に拡大。
  • 2004年 - 武豊騎手として史上初の連覇。
  • 2006年 - 牝馬限定競走優勝馬の負担重量を軽減。
  • 2007年 - サウジアラビアリヤド馬事クラブより寄贈杯を受けて、「サウジアラビアロイヤルカップ富士ステークス」に名称変更。
  • 2008年 - 国枝栄調教師として史上初の連覇。
  • 2014年 - この年から当競走の1着馬にマイルチャンピオンシップへの優先出走権が付与される。

歴代優勝馬

富士ステークスのオープン特別

施行日 優勝馬・調教国 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主テンプレート:要出典
1981年[[11月8日|11月テンプレート:08日]] テンプレート:Flagiconタクラマカン 牡3 1:48.7 大崎昭一 松山康久 吉田善哉
1982年11月13日 テンプレート:Flagiconフロストキング 4 1:48.8 L.マフィー B.マーコ セオドア・スミス
1983年11月12日 テンプレート:Flagiconエイティトウショウ 牝5 1:51.2 中島啓之 奥平真治 トウショウ産業(株)
1984年11月11日 テンプレート:Flagiconアローボヘミアン 牡5 1:49.8 安田富男 梶与四松 伊達秀和
1985年11月10日 テンプレート:Flagiconトウショウサミット 牡5 1:48.6 柏崎正次 奥平真治 トウショウ産業(株)
1986年[[11月9日|11月テンプレート:09日]] テンプレート:Flagiconウェイバリースター 騸4 1:47.5 L.オサリバン D.オサリバン ウェイバリーパークスタッド
1987年11月15日 テンプレート:Flagiconトリプティク 牝5 1:46.9 A.クルーズ P.ビアンコーヌ アラン・クロア
1988年11月13日 テンプレート:Flagiconセーラムドライブ 牡6 1:46.9 C.アントレー R.ランディ ヴァージニア・クラフト・ペイスン・LLC
1989年11月12日 テンプレート:Flagiconオラクルアスカ 牡4 1:47.8 岡部幸雄 田村駿仁 (有)貞文
1990年11月11日 テンプレート:Flagiconモガミチャンピオン 牡5 1:47.9 小島太 境勝太郎 (株)最上ホースクラブ
1991年11月10日 テンプレート:Flagiconスタビライザー 牡3 1:47.4 柴田善臣 高橋英夫 (有)ホースマン
1992年11月15日 テンプレート:Flagiconシンコウラブリイ 牝3 1:47.6 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
1993年11月14日 テンプレート:Flagiconマチカネタンホイザ 牡4 1:48.2 田中勝春 伊藤雄二 細川益男
1994年11月13日 テンプレート:Flagiconサクラチトセオー 牡4 1:46.9 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
1995年11月12日 テンプレート:Flagiconフジヤマケンザン 牡7 1:47.5 蛯名正義 森秀行 藤本龍也
1996年11月10日 テンプレート:Flagiconシンコウキング 牡5 1:48.5 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
1997年11月22日 テンプレート:Flagiconビコーアルファー 牡7 1:22.8 M.ロバーツ 鹿戸幸治 (有)レジェンド

サウジアラビアロイヤルカップの優勝馬

施行日 優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主テンプレート:要出典
2003年[[5月11日|テンプレート:05月11日]] スターキングマン 牡4 1:36.6 村田一誠 森秀行 (有)ゴールドレーシング
2004年[[5月9日|テンプレート:05月テンプレート:09日]] エイシンハンプトン 牡4 1:35.7 武豊 藤原英昭 平井豊光
2005年[[5月8日|テンプレート:05月テンプレート:08日]] メイショウサライ 牡4 1:35.9 秋山真一郎 増本豊 松本好雄
2006年[[5月7日|テンプレート:05月テンプレート:07日]] ワイルドワンダー 牡4 1:35.7 後藤浩輝 久保田貴士 草間庸文

重賞格付け以後

回数 施行日 優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主テンプレート:要出典
第1回 1998年11月28日 テンプレート:Flagicon エアジハード 牡3 1:23.0 橋本広喜 伊藤正徳 (株)ラッキーフィールド
第2回 1999年11月27日 テンプレート:Flagicon レッドチリペッパー 牝3 1:21.4 横山典弘 松田博資 吉田和子
第3回 2000年10月21日 テンプレート:Flagicon ダイワカーリアン 牡7 1:33.9 田面木博公 二ノ宮敬宇 大和商事(株)
第4回 2001年10月20日 テンプレート:Flagicon クリスザブレイヴ 牡7 1:33.2 吉田豊 秋山雅一 (有)社台レースホース
第5回 2002年10月19日 テンプレート:Flagicon メイショウラムセス 牡4 1:32.3 柴田善臣 伊藤雄二 松本好雄
第6回 2003年10月25日 テンプレート:Flagicon ミレニアムバイオ 牡5 R1:32.0 武豊 領家政蔵 バイオ(株)
第7回 2004年10月23日 テンプレート:Flagicon アドマイヤマックス 牡5 1:33.2 武豊 橋田満 近藤利一
第8回 2005年10月22日 テンプレート:Flagicon ウインラディウス 牡7 1:32.9 田中勝春 藤沢和雄 (株)ウイン
第9回 2006年10月21日 テンプレート:Flagicon キネティクス 牡7 1:32.8 勝浦正樹 新川恵 (有)ノースヒルズマネジメント
第10回 2007年10月20日 テンプレート:Flagicon マイネルシーガル 牡3 1:33.3 後藤浩輝 国枝栄 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第11回 2008年10月25日 テンプレート:Flagicon サイレントプライド 牡5 1:32.7 横山典弘 国枝栄 (有)社台レースホース
第12回 2009年10月24日 テンプレート:Flagicon アブソリュート 牡5 1:33.3 田中勝春 宗像義忠 薗部博之
第13回 2010年10月23日 テンプレート:Flagicon ダノンヨーヨー 牡4 1:32.8 北村友一 音無秀孝 (株)ダノックス
第14回 2011年10月22日 テンプレート:Flagicon エイシンアポロン 牡4 1:35.0 田辺裕信 松永昌博 平井豊光
第15回 2012年10月20日 テンプレート:Flagicon クラレント 牡3 1:32.4 岩田康誠 橋口弘次郎 前田晋二
第16回 2013年10月19日 テンプレート:Flagicon ダノンシャーク 牡5 1:33.5 内田博幸 大久保龍志 (株)ダノックス

本競走からのマイルチャンピオンシップ優勝馬

2000年からマイルチャンピオンシップの前哨戦として施行され2頭が同年のマイルチャンピオンシップを制覇している。

回数 馬名 性齢 着順
第5回 トウカイポイント 騸6 5着
第14回 エイシンアポロン 牡4 1着

関連項目

外部リンク

テンプレート:中央競馬の重賞競走