広川太一郎

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テンプレート:ActorActress 広川 太一郎(ひろかわ たいちろう、1940年2月15日[1] - 2008年3月3日)は、日本の男性声優俳優ナレーターテレビ司会者ラジオDJである。本名:広川 諶次郎(ひろかわ しんじろう)。

ビートルズの映画ではジョン・レノン、また他にはトニー・カーティスロジャー・ムーアマイケル・ホイなどの吹き替え、『宇宙戦艦ヤマト』の古代守、『ムーミン』のスノーク、『名探偵ホームズ』のホームズなどで知られる。

東京府(現:東京都)出身。どこの事務所にも所属せず、生涯フリーランスを通した。

来歴・人物

父親は映画会社のカメラマンで、子供時代に映画に出演している。

東京都立文京高等学校日本大学芸術学部演劇学科卒業(落語研究会所属)。講師には柳家つばめがいて、大きな影響を受けた。大学卒業後に劇団やプロダクションには一切属さず、一貫してフリーで活動した。外国映画・テレビ番組の日本語版製作会社・東北新社のディレクターだった演劇学科の先輩小林守夫から声をかけられたことがきっかけとなり[2]1960年代より洋画や海外ドラマの吹き替えを行い、声優としての活動が中心となる。

洋画ではロジャー・ムーアトニー・カーティスなどを持ち役とする(ただし、両者の演技に対する広川の評価は相当辛口である)。アニメでは『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの古代守役や、広川自身が『モンティ・パイソン』でのエリック・アイドルの吹き替えと並んで納得できた仕事と自負する『ムーミン』のスノーク役などがある。

テレビ朝日おはようテレビ朝日』、フジテレビ競馬中継』の司会など数多くのテレビ番組の司会やラジオ番組のディスクジョッキーなどのタレント活動も行っていた。なかでもラジオ関東(現:RFラジオ日本)の深夜放送男たちの夜かな』は伝説的で、自身が私財をなげうち自らスポンサーとなって放送していた。女学生を中心に莫大な投書が寄せられシンナー中毒の女学生とその友人に話をする為、自ら更生施設に出向いたこともあったという。

1990年代後半からはナレーター業を仕事の中心に活動していた。

2008年2月下旬、英コメディー映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」のDVD版(2008年5月21日発売)のナレーションを収録したのが最後の仕事となった。

2008年3月3日、のため東京都渋谷区の病院にて死去[3][4]享年68。第2回声優アワードの冒頭で訃報が報告された。

実妹は元声優歌手広川あけみ。甥(妹の子)はコナミデジタルエンタテインメント所属の作曲家の藤森崇多[5]

後任・代役

演技

声のトーンの高低を変えるだけで低い時には渋い二枚目に、高い時にはマンガ的なキャラクターへと全く違った印象を与える巧みさを持つ[3]。特に後者について、コメディー作品における台本にない台詞を吹き替えに収めて作品の魅力を引き出す卓越した演技と「ようっとな」「いいんでないかい」「なんともはや」「…っちゃったりなんかして」「はた?」「恥ずらかしい」「きらーん♪」と駄洒落を交えた台詞などファンの間で「広川節」「広川太一郎調」と呼ばれる独特の語り口で知られる[4]。テレビアニメ『MEZZO -メゾ-』の黒川健一や特撮『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の臨獣ピッグ拳タブーでは台詞にこれらの演出があり、吹き替えファンへのサービス的なパロディネタがされている。特にゲキレンジャーに出演の際、広川がタブーの声を演じる事を知った番組アクション監督の石垣広文が「広川さんが(声を)やるなら俺がスーツの中に入るから殺陣師は別の人を立ててくれ」と言うほどスタッフ間でも話題になった[6]

クールな口調のナレーションからハイテンションなナレーションまでこなしており、特にCMナレーションを全盛期には月に30~40本も務め「広川太一郎の声を聞かない日はない」とも評されている[4]

キャノンボール』のテレビ吹き替えでは、マイケル・ホイロジャー・ムーアという似ても似つかぬ役を一人二役でこなした。 また、洋画の吹き替えでは同一の俳優を、羽佐間道夫と別音源で担当するケースも多かった。

しばしばアドリブと誤解される吹き替えでの独特のフレーズは、最初からシナリオ通りだったとTBSラジオにて発言。その軽妙洒脱な持ち味から一般に「アドリブの天才」「アドリブの達人」と評されることもあるが厳密には事前にもらった台本に自身が考えた駄洒落やフレーズをびっしりと書き込み、これを基に打ち合わせして収録するのだという。

とりわけ香港映画のコメディー『Mr.BOO!』シリーズがフジテレビで放送される際、担当したマイケル・ホイの台詞が「もたもたして古臭い。吹き替えで面白くしないと」とディレクターと相談してオリジナルにない台詞を連発、オリジナルより面白くなったと評判になった。2005年にユニバーサルから『Mr.BOO!』シリーズのDVDが発売された際に、一部作品を除いて吹き替え版が収録されている。

なお、普段はのべつ幕無しにギャグを発したりはしなかった。また、演出家の伊達康将は『007 美しき獲物たち』のリハーサルの際に「ヘンなアドリブは入れません」と自分から公言しており、広川は(『007シリーズ』のロジャー・ムーアの吹き替えを)最初からアドリブはしないと決めていたんだろうと当時の出来事を回想している[7]。同じく小山悟も自分から注文を出したわけではないものの、アドリブを控えてもらおうという自分の考えを理解して演じてくれたんだろうと語っている[8]

一年間のドラマ共演で役者としての広川を知る桐野丈二郎(当時子役・荒城開司)は、「真剣な眼の演技は強烈なインパクトがありました、そして言葉の選択には特に神経を使ってらっしゃり、本読みの時に演出家との意見交換は長かったです。でも稽古が終わるとダジャレ王になり、僕に面白い話をしてくれたり、ボウリングや食事に連れて行って下さいました。それもただの遊びでは無く、店内から外を行く人の会話の吹き替えを二人でしたり(面白かった)、広川流のポンポンアドリブで僕に話題を振って来られました。今思うと未熟な僕に教授して下さっていたんですね、僕の演技の師匠でした」と広川のことを語っている。

出演作品

テレビドラマ

映画

テレビアニメ

1965年

1966年

1967年

1968年

1969年

1970年

1971年

1972年

1973年

1974年

1975年

  • ラ・セーヌの星(ロベール・ド・フォルジュ/黒いチューリップ、ナレーター)

1978年

1979年

1981年

1984年

1993年

1998年

2004年

OVA

1971年

1995年

2001年

2004年

劇場アニメ

1977年

1978年

1980年

1983年

1988年

2002年

2004年

ゲーム

1997年

1999年

2000年

2004年

2005年

2006年

  • 3DO TWISTED(司会進行)

2007年

吹き替え

俳優

実写・海外ドラマ

海外アニメ

テレビ番組

特撮

劇中歌

CD

ドラマCD

ラジオ

CM

その他

脚注

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外部リンク

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  1. 『声優名鑑』、601頁、成美堂出版、1999年、ISBN 978-4415008783
  2. テンプレート:Cite web
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite web
  4. 4.0 4.1 4.2 テンプレート:Cite web
  5. 藤森のTwitterより。
  6. テンプレート:Cite web
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. 当時同社から発売されていた、「うんどうかい」、「ユラレール」、「ストントコースター」の3つの玩具を1本のテレビCMとまとめて放映していた。