蔚山広域市

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テンプレート:Mboxテンプレート:Redirect テンプレート:Infobox 蔚山広域市(ウルサンこういきし)は、大韓民国南東部に位置する広域市。市のスローガンは「Ulsan for you」。

地理

日本海に面し、釜山広域市から北へ70km離れている。韓国の広域市の中では一番面積が広い。区の部分は工業都市、郡の部分は農村も存在する典型的な都市・農村の複合都市になっている。

現代自動車のお膝元であり、自動車の生産高で大韓民国一位である。現代尾浦造船現代重工業など現代グループ企業城下町でもある。また海岸沿いに韓国最大の石油コンビナートが広がり、工業都市の様相を示している。

捕鯨基地としても有名であり、大韓民国で消費される鯨肉のほとんどが、蔚山で水揚げされたものである。

郊外の蔚州郡は山岳地帯から海まで広がり、1000メートル以上の高い山がある一方、海水浴場もあるなど起伏に富んでいる。

歴史

古代

三韓時代には辰韓に属して、西南部地域には于尸山国があった。中部地域には屈阿火村が形成されている。新羅時代には中部地域の屈阿火県と西部地域の居知火県、西南部地域の于火県、東北部地域の律浦県、南部地域の生西良郡があった。統一新羅時代の757年に屈阿火県が河曲県に、居知火県が巘陽県に、于火県が虞風県に、律浦県が東津県にそれぞれ改称された。

中世

高麗時代には940年に河曲、東津、虞風の3県を統合して興麗府(一名興礼府)に昇格した。995年に全国を499県に分割する地方行政区域改編を断行、興麗府を恭化県に格下げして別号を鶴城と称して、1018年に恭化県に巘陽県、機張県東莱県を統合して蔚州に改編、1143年に東莱県、機張県、彦陽県が分離している。李氏朝鮮時代には1413年蔚州を蔚山郡に直して初めて蔚山という称号が登場するようになった。

蔚山広域市北区塩浦洞に1426年から1509年まで塩浦倭館が設置され、中世の三浦倭館のひとつであった。蔚山旧市街から湾を隔てた南岸にあり、現代自動車工場敷地となっている。当時は蔚山旧市街に置かれた蔚山郡と慶尚左道兵馬節度使の管轄下にあった。1494年には約150人の日本人が住み、1509年の三浦の乱によって閉鎖された。

文禄の役で、1593年、現在の市の南部の海岸近くに加藤清正により西生浦倭城が築かれた。慶長の役で、1597年に現在の市の中心部に蔚山倭城浅野幸長らにより築かれる。築城まもなく、朝鮮・明連合軍がこの城を包囲した(蔚山城の戦い)。

近代

1598年には蔚山郡に彦陽県を統合して蔚山都護府に昇格した。1612年に彦陽県を再び分離した。1895年全国を23府と336郡に改編したのに伴って蔚山都護府を蔚山郡に、彦陽県を彦陽郡に改称した。

1910年からの日本統治時代には工業都市・捕鯨基地として繁栄し、1914年府·郡を整理·廃合する地方制度改編の時彦陽郡を蔚山郡に統合した。1931年には蔚山面(村)が蔚山邑(町)に昇格した。1937年には方魚津面が方魚津邑に昇格している。

現代

大韓民国成立後、1950年に勃発した朝鮮戦争の時、開戦から3ヵ月後の9月10日北朝鮮軍が蔚山付近まで迫った。

朝鮮戦争終結後も国内有数の工業都市として発展し、1962年には蔚山邑(のちの中区)、方魚津邑(のちの東区)、大峴面(のちの南区)、下廂面(のちの北区の南部)の全地域と青良面の斗旺里、凡西面の無去・茶雲里、農所面(のちの北区の西北部)の松亭・花峰里が蔚山特定工業地区に指定・公布された。

同年、上の地域が蔚山市に昇格、残り13個面は蔚州郡に改称された。1985年蔚山市に区制が実施されて中区と南区を設置し、1988年方魚津出張所が東区に昇格した。1991年蔚州郡を蔚山郡に改称した。1995年蔚山市·郡を蔚山市に統合し、蔚山郡を蔚州区に改編した。1997年蔚山広域市に昇格。北区が新設され、蔚州区が蔚州郡に復郡されて4区1郡体制になった。

2002年に行われた日韓共催のFIFAワールドカップの開催地となり、蔚山文殊サッカー競技場ブラジルトルコ戦(グループリーグ)、アメリカドイツ戦(準々決勝)など3試合を開催した。

  • 1962年6月1日 - 蔚山郡蔚山邑・方魚津邑・大峴面・下廂面および青良面・凡西面・農所面のそれぞれ一部が合併し、蔚山市が発足。
  • 1985年7月15日 - 中区南区設置。(2区)
  • 1988年1月1日 - 中区の一部(方魚津出張所)を東区として分離。(3区)
  • 1995年1月1日 - 蔚山市・蔚山郡が合併し、蔚山市が発足(4区14面)。
    • 蔚山郡の区域をもって、蔚州区を設置。
  • 1995年3月2日 - 農所面が農所邑に昇格(4区1邑13面)。
  • 1996年2月1日 (4区3邑11面)
    • 温山面が温山邑に昇格。
    • 彦陽面が彦陽邑に昇格。
  • 1997年7月15日 - 慶尚南道蔚山市が蔚山広域市に昇格。(4区1郡)
    • 蔚州区が郡制施行し、蔚州郡となる。
    • 中区の一部および蔚州郡農所邑・江東面が合併し、北区が発足。

漁業捕鯨が盛んな事で知られておりテンプレート:要出典鯨肉料理も多種多様。特にコレチゲ鯨肉チゲ)は、唐辛子味噌を使った滋味豊かな健康料理として有名である。

行政

市長

  • 第6代:金起炫김기현、任期:2014年7月1日〜現在)
歴代市長については蔚山広域市長を参照。

市議会

  • 定数:22議席(地域区19+比例代表3)地域区は小選挙区制
党派別議席数
合計 内訳
セヌリ党 新政治
民主連合
合計 22 21 1
内訳 地域区 19 19 0
比例代表 3 2 1
出典:제6회 전국동시지방선거 당선인 각종통계(第6回全国同時地方選挙当選人各種統計)韓国中央選挙管理委員会歴代選擧情報システム(2014年7月1日閲覧)

読みと各種表記は大韓民国の地方行政区画を参照。

気候

  • 最高気温極値は38.6℃(1983年8月3日)、最低気温極値は-16.7℃(1936年1月27日)である。
  • 2013年8月8日、40.4℃の最高気温を記録した[1]

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地域

教育

大学

専門大学

スポーツ

Kリーグの蔚山現代FC・韓国バスケットボールリーグの蔚山モービスは、どちらも現代自動車傘下である。2014年、蔚山文殊野球場が完成しプロ野球ロッテ・ジャイアンツが時々主催試合を開催する。

種目 チーム名 創立年度 ホーム競技場
Kリーグ 蔚山現代FC 1983年 蔚山文殊サッカー競技場
KBL 蔚山モービスフィバス 2001年 東川体育館

交通

航空

日本統治時代には内地からの直行航空便や、満州国との定期便があった(満州航空が運航)。大韓民国成立後、1970年に現・蔚山空港が設けられ、金浦国際空港との航空便(大韓航空アシアナ航空)が1時間に1本ほどの割合で運航されており、済州国際空港との路線も1日1往復設けられている。

鉄道

2010年11月1日に京釜高速線の東大邱駅釜山駅間が開通し、KTXは新線に新たに設けられた蔚山駅に発着する。KTXの蔚山駅は市街地より約20km内陸に位置しており、ソウル駅釜山駅を結ぶ列車の約半数が停車する。ソウルまで2時間20分・釜山まで21分。

従来蔚山駅を名乗っていた東海南部線の駅は、KTX蔚山駅開業と同時に太和江駅と改称した。ソウル特別市方面への直通列車は中央線清凉里駅行きの1日2往復のムグンファ号のみとなり、セマウル号は東大邱駅〜釜田駅間の運転に統一された。ムグンファ号も多くは同区間の運転だが、1日2往復のみ浦項駅発着が設定されている。

また、2015年開通を目指して東海南部線の釜田駅と太和江駅との区間の複線電鉄化が進行中である。2010年開業のKTX第2期線の蔚山駅(駅名変更)が蔚州郡三南面に設けられた。広域市のなかで唯一地下鉄がない蔚山でも軽電鉄が計画されている。

自動車

高速道路は京釜高速道路が市の西部を南北に貫通し、蔚山高速道路が京釜高速道路彦陽ジャンクションと連結している。2008年12月に釜山-蔚山高速道路が開通。

  • 蔚山高速バスターミナル
  • 蔚山市外バスターミナル

メディア

テレビ・ラジオ局

ラジオ局

姉妹都市

萩市との姉妹都市提携は、日韓国交正常化後で初となるものである。

友好都市

関連項目

脚注

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注釈

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参照

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外部リンク

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  1. テンプレート:Cite web