筑波技術短期大学
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テンプレート:大学 (廃止)学生募集は2005年度まで。2006年度より、筑波技術大学を設置。それに伴い、短期大学は学生募集を停止、2010年3月31日正式廃止[1]。
目次
概要
大学全体
建学の精神(校訓・理念・学是)
- 筑波技術短期大学の教育方針
- 自ら社会に適応しようとする自主性および柔軟性の育成
- 社会参加のための各種コミュニケーション能力の育成
- 基礎学力の向上、専門基礎教育の充実および専門的技術の向上
教育および研究
- 在学生指導はもとより、両障害者を新たに受け入れる国内外の大学等への支援方法の普及に尽力していた。
学風および特色
- 筑波技術短期大学は、聴覚・視覚に障害を持つ人のための3年制国立短期大学である。そのため、国公私立含め日本で唯一健常者は入学できない短大となっていた。
- 聴覚部においては、大学間交流協定に基づく学生交流プログラムが行われていた。
- 視覚部においては、「はり師」「きゅう師」とともに「あん摩マッサージ指圧師」の資格を目指す鍼灸学科が設置されていたこと、また設置当初からコンピュータについて学ぶ情報学科を設けていたことに特色がある。
沿革
略歴
- 筑波技術短期大学は、世界初の視覚障害者を対象とした学科を設置した短大である。聴覚障害者を対象とした学科としても世界で3番目に当たる。2005年10月1日付でに4年制大学に昇格し筑波技術大学となる。同時に短期大学は筑波技術短期大学部と改称し学生募集を停止。その短期大学部も学生の卒業とともに消滅した。
年表
- 1987年10月1日 筑波技術短期大学設置。
- 1990年4月 学生受け入れ開始。
- 1991年 以下、学生受け入れ開始。
- 2004年 国立大学法人となる。
- 2005年度をもって学生募集を終了。
- 2010年3月31日をもって正式廃止[1]。
基礎データ
所在地
- 天久保キャンパス(茨城県つくば市天久保4-3-15)
- 春日キャンパス(茨城県つくば市春日4-12-7)
教育および研究
組織
学科
聴覚部
- デザイン学科
- 機械工学科
- 建築工学科
- 電子情報学科
- 電子工学専攻
- 情報工学専攻
視覚部
- 鍼灸学科
- 理学療法学科
- 情報処理学科
※鍼灸学科の入学定員は20名、それ以外の学科・専攻の入学定員は10名ずつとなっていた[1]。
専攻科
- なし
別科
- なし
取得資格について
受験資格
- 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師:鍼灸学科
- 理学療法士:理学療法学科
附属機関
- 障害者高等教育センター
- 附属診療所
- 情報処理通信センター:1996年設置。
- 図書館
学生生活
部活動・クラブ活動・サークル活動
- 筑波技術短期大学では、キャンパス毎にそれぞれ独自のクラブ団体を有していた。
学園祭
- 筑波技術短期大学の学園祭は例年、10月に行われていた。
大学関係者と組織
大学関係者一覧
大学関係者
歴代学長
出身者
- 小林深雪(1973年 - )鍼灸学科 1995年3月卒業。長野パラリンピック バイアスロン金メダル。トリノパラリンピック バイアスロン(ロング)金メダル・(ショート)銀メダル。など視覚障害部門のバイアスロンで世界的トップアスリート。
施設
キャンパス
- 聴覚部は天久保地区に、視覚部は春日地区にキャンパスがあった。
天久保キャンパス
- 使用学科:デザイン学科・機械工学科・建築工学科・電子情報学科(電子工学専攻・情報工学専攻)
- 使用専攻科:なし
- 使用附属施設:教育方法開発センター
- 設備:管理棟・校舎棟・特殊実験棟・メディアセンター・大学会館・学生寄宿舎・体育館・プール・テニスコート・多目的グラウンドほか
- 当時、「筑波技術短大聴覚部」という名称のバス停留所があった[4]。
春日キャンパス
- 使用学科:鍼灸学科、理学療法学科、情報処理学科
- 使用専攻科:なし
- 使用附属施設:附属診療所・図書館・教育開発センター
- 設備:校舎・大学会館・体育館・プール・学生寄宿舎・グラウンド・エネルギーセンター・盲導犬舎ほか
学生食堂
- 筑波技術短期大学の学生食堂(学食)は、天久保キャンパスでは学生会館内に、春日キャンパスでは大学会館内に設置されていた。
寮
- 筑波技術短期大学には、天久保・春日の各キャンパスに全学生数分の学生寄宿舎が設けられていた。
対外関係
他大学との協定
アメリカ
- ロチェスター工科大学
- 国立聾工科大学
- ニューヨーク州立大学バッファロー校
オーストリア
大韓民国
中国
- 天津理工大学・聾工学院
ロシア
フィリピン
- デラサラ大学セントベニルデ校
日本
関係校
社会との関わり
- 公開講座が行われていた。
卒業後の進路について
就職について
技術職や資格を活かした専門職に就く人が多く、学科別の就職先は以下の通りである。
聴覚部
- デザイン学科:凸版印刷・コクヨほか[4]
- 機械工学科:東芝・大日本印刷ほか[4]
- 建築工学科:大成建設・清水建設・ダイワハウス・積水ハウス・大林組・NTTファシリティーズ・竹中工務店ほか[4]
- 電子情報学科
視覚部
- 鍼灸学科:盲学校の理療科教諭ほか[5]
- 理学療法学科:筑波メディカルセンター・東京都立広尾病院などの病院・診療所[5]
- 情報処理学科:富士通・イトーヨーカ堂ほか、茨城福祉工場や視覚障害者支援センターなど[5]
編入学・進学実績
聴覚部
視覚部
- 鍼灸学科:筑波大学科目履修生で必要単位修得後、学位授与機構を経て学士の学位を取得して筑波大学大学院へ進学した人もみられる[5]。
- 理学療法学科:
- 情報処理学科:流通経済大学・東京情報大学・専修大学ほか[5]
参考文献
- 『全国学校総覧』
- 『短大蛍雪』(全国短大&専修・各種学校受験年鑑シリーズ。旺文社)
- 『全国短期大学受験要覧』(廣潤社)
- 『全国短期大学案内』(教学社)
- 『全国短期大学受験案内』(晶文社)
- 『全国短期大学案内』(梧桐書院)
- 『短大蛍雪』(2000年5月臨時増刊。旺文社)
- 『平成12年度筑波技術短期大学案内-聴覚に障害のある人が学ぶ聴覚障害関係学科-』
- 『国立3年制 筑波筑波技術短期大学 平成12年度』