盲導犬

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盲導犬(もうどうけん)は、視覚障害者を安全に快適に誘導する身体障害者補助犬の中でもっとも広く知られた存在である。日本語名の由来は「盲人誘導犬」。

歴史

盲目の人の歩行補助に犬が使われた例、盲目の乞食や辻音楽師が犬に引かれて歩く姿は色々な絵に描かれており、その最も古い例はポンペイの発掘品の中に見られ、13世紀の中国の絵などその後数世紀にわたって同じような絵が発見されているが、それらはどれも長いロープで繋がれた犬が、視覚障がい者を引っ張っている、というものばかりであった。

確実な資料テンプレート:要出典では、1819年テンプレート:仮リンクというウィーンの神父が、犬の首輪に細長い棒をつけ盲導犬として正式に訓練したのが最初である。その後1916年に、ドイツ赤十字社のシュターリンとテンプレート:仮リンクのシュテファニッツが、第一次世界大戦中、戦盲者のために盲導犬を育成しようとオルデンブルクに学校を設立し、翌年に盲導犬が作出されて戦盲者の誘導に役立てた。1923年にはポツダムに国立の盲導犬学校が設立され、多数の盲導犬が誕生し戦盲者の社会復帰を促した。

警察犬の実用化を研究するためヨーロッパに滞在中であったアメリカ人テンプレート:仮リンク夫人は盲導犬の活躍に関心を抱き、スイスヴェヴェイにある盲導犬学校での研究の後、1929年ニュージャージー州テンプレート:仮リンク近くのホイッパニーに盲導犬育成の学校を設立した。これが現在、世界で最も歴史と実績のある協会“The Seeing Eye, Inc.”である。現在、アメリカ合衆国にはこの他にそれぞれが独立した組織として9つの育成施設がある。

英国では、1930年にThe Seeing Eye, Inc.より1人の指導者を招聘し、1931年に4頭の盲導犬が誕生した。その後、1934年にテンプレート:仮リンクが設立された。現在1つの本部の下に9つの訓練所がある。盲導犬はその他豪州オランダフランスイタリアフィンランド・スイス・ノルウェー南アフリカ共和国等でも育成されている。また、近年ではアメリカ合衆国などで、体質的に盲導犬を使用できない人たちのために、テンプレート:仮リンクも試験的に導入されているが、危険性が高いなど課題も多い。

日本での歴史

日本人が目にした最初の盲導犬は、1938年米国人のゴルドンが、オルティー V. フォーチュネートフィールズ(The Seeing Eye, Inc.卒)という名の盲導犬と共に観光旅行の途中、日本に立ち寄ったものである。その後1939年、浅田・磯部・荻田・相馬の四実業家が1頭ずつ、盲導犬としての科目を訓練した犬をドイツから輸入して陸軍に献納。日本シェパード犬協会(現 社団法人日本シェパード犬登録協会)の蟻川定俊が、ドイツ語の命令語を日本語に教え直した後、戦盲軍人が使用した。4頭の死亡後、盲導犬は絶えたまま敗戦を迎え、国中が生活に追われていたこともあって全く忘れられていた。

国産の盲導犬が誕生したのは1957年アイメイト協会創設者の塩屋賢一が、18歳で失明した盲学校教諭・河相洌河相達夫の子)より「この犬(チャンピイ)を訓練して街を歩けないか」と依頼された。既に1948年から独自に盲導犬の訓練研究を始めていた塩屋はチャンピイの訓練終了後、チャンピイを利用した歩き方(歩行指導)を河相に指導。ここに国産第一号の盲導犬が誕生した。

関連項目

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