石嶺聡子

石嶺聡子（いしみねさとこ、1975年 10月3日 - ）は、日本の女性歌手、シンガーソングライター。沖縄県那覇市出身。

来歴

1975年 10月3日、沖縄県那覇市に三人姉妹の三女として生まれる。ビートルズやカーペンターズ等の洋楽から、レベッカやユニコーン等の邦楽まで、様々な音楽が溢れる音楽好きの家庭に育つ。10歳頃からプロの歌手を夢見るようになる^[1]。

1992年 9月、首里高校2年生時に琉球放送代表として出場した「第16回長崎歌謡祭」でグランプリを獲得したのを機に、東芝EMIの篠木雅博プロデューサーにスカウトされる。高校卒業後、アメリカ・ロサンゼルスでボイストレーニングとダンスレッスンを受けた後、1994年 11月9日に『土曜日とペンと腕時計』でデビュー。

翌1995年 3月、「第5回NHK新人歌謡コンテスト」に出場し優勝。同年、映画『ひめゆりの塔』主題歌として喜納昌吉の代表曲『花』をカバー。新人歌謡コンテスト優勝者としてこの年の紅白歌合戦に『花』で出場し、CD売り上げが50万枚を越えるロングランヒット。さらに翌1996年3月、インドネシア・バリ島で開催された「第1回アジア音楽祭」で『Asian Dream』を歌いグランプリを獲得する。

しかし『花』が大ヒットしたものの、『花』のイメージが先行して悩み、その後は自身の理想の歌を追い求めていく（後述）。

1999年、想いを形にすべく作詞・作曲活動を始める。シンガーソングライターへの転向を図る。2000年 12月6日に約2年ぶりのシングル『マフユノハナビ』、翌2001年1月には約3年ぶりのアルバム『クロゼット』をリリース。等身大のポップな歌へと音楽を一新する。

2003年、東芝EMIとの契約を終了し、PRHYTHM（プリズム）に移籍する。シングルとアルバムを1枚ずつリリース。また松本英子ら女性歌手達と定期的にライブを行う。2004年にはデビュー10周年記念ライブを開催。

2006年 3月3日、ギタリストで編曲家の石崎光と入籍。それと同時にプリズムから離れてフリーでの活動を始める。以来、楽曲制作のほか、年に数回、音楽イベント等に出演し、2011年からは単独ライブを行う等、マイペースで活動している。

2013年 5月8日、7年間連れ添った石崎光との離婚を発表^[2]。

2013年 6月29日、10年ぶりとなる公式音源3曲を、iTunesにて配信限定でリリース^[3]。ヴォーカルのレコーディングは自宅で行われ^[4]、自身の名義でリリースされた。

人物

バラードからロック、R&B、アカペラや英語曲まで幅広く歌う。デビューから数年は歌うことに専念していたが、2000年頃からはギターによる弾き語りも行い、ギブソン製のアコースティック・ギターを愛用している。

歌手の神谷千尋は母方のいとこであり、沖縄民謡界の重鎮・神谷幸一は二人のおじに当たる。

趣味は、アロマテラピー、映画鑑賞、雑貨屋巡り、WiiやニンテンドーDS等のゲーム、テレビ（主にバラエティ番組）を観ること。

洋楽に造詣が深く、ビートルズ、キャロル・キング^[5]、ジョニ・ミッチェル、ダイアナ・ロス、ジャクソン5、エルヴィス・コステロ^[6]、マドンナ^[7]、エイミー・マン^[8]、シェリル・クロウ^[9]、ヴォンダ・シェパード、シャナイア・トゥエイン、ビョーク、サラ・マクラクラン、デズリー、トリーネ・レイン、アラニス・モリセット、フィオナ・アップル等々、普段は主に洋楽を好んで聴き、大きな影響を受けている。ライブではそれら洋楽曲をカバーするのが恒例。邦楽では、NOKKO、CHARA、奥田民生等が好き。シェリル・クロウやNOKKOは、可愛くて色気があってカッコイイ、自身の考える理想の女性像でもある。

「花」から理想の歌へ

映画や紅白で『花』を歌ったことで幅広い層のファンを獲得したが、一方では沖縄民謡歌手と思われるジレンマを経験（家に三線はなく父はギターを弾いていた。元々ロックや洋楽好き）^[10]。新たに曲を出したこともあり、ライブで『花』を歌わない時期もあった。

そもそも沖縄風の曲は『花』しか歌っていない。それも映画『ひめゆりの塔』の制作に伴う周囲からの要望で、沖縄出身だから歌っただけのことで、本人の意向ではなかった。ステージでの落ち着いた衣装や演出も、沖縄にこだわる周りの意に沿う、歌に合わせたものが多く疑問に思うが、そんな思いとは裏腹にイメージだけが一人歩きしていく^[10]。

世間から実年齢より上に見られて困惑し^[10]、歌うことが嫌になりそうな現実に苦悩する日々を送る^[11]。1999年から理想の歌を作るため作詞を始める^[10]。歌と向き合い詞を書いていく中、もっと年相応のカッコイイ音楽をやりたい、洋楽サウンドに乗せて素直な想いを無理なく自然体で表現出来ればと、次の姿を思い描いていく^[12]。

東芝EMIでの最後のアルバム『クロゼット』（2001年）で過半数の作詞を手掛ける。プリズムに移籍後、アルバム『ブルーミーバルーン』（2003年）では大半の作曲も手掛け、シンガーからシンガーソングライターへと転身を遂げた。以後も自作し、他のミュージシャンからの提供曲も含めて、楽曲を増やしている。

主なタイアップ

曲名	タイアップ
土曜日とペンと腕時計	TBS系『ブロードキャスター』エンディングテーマ
風を感じたい	グリコ「シリアルポッキー」CMソング
私がいる	安田生命CMソング、松竹配給映画『天使のウィンク日光猿軍団』主題歌
花	東宝配給映画『ひめゆりの塔』（1995年版）主題歌
長距離電話の朝	アステル沖縄CMソング（石嶺出演）
涙はいらない	NHK『ドラマ新銀河・元気をあげる〜救命救急医物語』主題歌
くもりのち晴れ	安田生命CMソング
Liberty Girl	毎日放送・TBS系『世界ウルルン滞在記』エンディングテーマ
Shine	日本テレビ系『知ってるつもり?!』エンディングテーマ
はじめてを探さなくちゃ	日本テレビ系『スーパーテレビ情報最前線』エンディングテーマ
摩天楼のヒーロー	安田生命CMソング
You don't know	TBS系『噂の!東京マガジン』エンディングテーマ
思い切り泣いてもいいよ	TBS系ドラマ『花王愛の劇場・勇気をだして』主題歌
バイバイ	東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『いのちの器』主題歌
マフユノハナビ	日本テレビ系『週刊ストーリーランド』エンディングテーマ
ひだまり	朝日放送・テレビ朝日系『速報!甲子園への道』テーマソング
羽根	ベルクラシックCMソング（石嶺出演）
おくりもの	ベルクラシックCMソング

2005年に『手と手』、『いつかのできごと』、初の英語曲『Libra』、2007年に『ノスタルジア』、2009年に『長生きしよう』、2010年に『hello』、2011年に『baby,you don't know』、2013年に『似た者同士』、『パレード』、2014年に『ビューティフル』をライブやCMで披露したが、リリースはされていない。

ディスコグラフィー

シングル

東芝EMI（現：EMI Records Japan）

土曜日とペンと腕時計 / 風を感じたい（1994年11月9日）
私がいる / ありがとう（1995年3月8日）
- 『私がいる』は尾崎亜美作詞・作曲。高校在学中から尾崎立ち会いのもと収録を重ねた。
花（1995年5月10日）
- 『花』は喜納昌吉のカバー。「平成7年第46回NHK紅白歌合戦」歌唱曲。
花 / 青空（1995年9月6日）
涙はいらない / めぐり逢い（1996年1月24日）
くもりのち晴れ / FLY TO YOU（1996年6月12日）
Liberty Girl / Shine（1996年10月16日）
- 『Shine』は阿木燿子作詞、宇崎竜童作曲。
はじめてを探さなくちゃ / 摩天楼のヒーロー（1997年5月8日）
- 両曲とも広瀬香美作詞・作曲。
You don't know / 私らしく（1997年10月8日）
- 『You don't know』は中島みゆき作詞・作曲。アルバム『わたしの子供になりなさい』でセルフカバー。
思い切り泣いてもいいよ / 愛してください（1998年2月6日）
思い切り泣いてもいいよ / 遠くてもそばにいる（1998年8月7日）
- 『思い切り泣いてもいいよ』はニューバージョン。
バイバイ / 君が教えてくれた（1998年10月28日）
- 『バイバイ』は拝郷メイコ作詞。拝郷芽衣子名義。
マフユノハナビ / 会いたくて会えなくて夢をみて / こころの音（2000年12月6日）
- 初のマキシシングル。『こころの音』は石嶺作詞。
天気雨 / 優しい声 / ひだまり（2001年6月16日）
- 『優しい声』は白井良明作曲。『ひだまり』は石嶺作詞・作曲。
花 / クルーン（2002年5月9日）
- 『クルーン』は石嶺作詞、熊谷幸子作曲。

PRHYTHM

うたたね / 届かない青 / 羽根（2003年9月25日）
- 3曲とも石嶺作詞、『うたたね』『届かない青』は石嶺作曲。

※『愛してください』『遠くてもそばにいる』『君が教えてくれた』『優しい声』『クルーン』は、アルバム未収録。

配信シングル

Satoko Ishimine（自身名義）

この世界を^[13] / ten-year-old^[14] / おくりもの^[15]（2013年6月29日）

オリジナル・アルバム

東芝EMI

INNOCENT（1995年5月10日）
- 風を感じたい / 私がいる / LOVE & DREAM / さよならは明日のはじまり / 土曜日とペンと腕時計 / 夢の続きはLove Song / もう一人の私 / 涙なんか流さない / ありがとう / 決心 / Say you love me / 花（アルバムバージョン）
  - 『夢の続きはLove Song』は尾崎亜美作詞・作曲。
  - 1997年3月にはアメリカでもリリースされた。
situation（1995年11月1日）
- 恋人 / 長距離電話の朝 / 青空 / 笑顔届きますか / 贅沢なカレンダー / 青空のX'mas Time
passion（1996年7月10日）
- FLY TO YOU / くもりのち晴れ / Fight / あの日を踊りたい / 夏の太陽 / MY LOVE / 涙はいらない / 20th Door / 欲しいよ / めぐり逢い / Asian Dream
  - 『Asian Dream』は「1996年第1回アジア音楽祭」グランプリ受賞曲。
GENERATION（1996年12月11日）
- Liberty Girl / Shine / 幸福ドミノ / Those were the days / Goodbye / Summernight Magic / 恋じゃ情けない / 友達? / そっと…じっと…きっと…ずっと / 秋の行方
  - 『幸福ドミノ』は阿木燿子作詞、宇崎竜童作曲。
  - 『Those were the days』『Goodbye』はメリー・ホプキンのカバー。『Summernight Magic』はトリーネ・レインのカバー。
  - イギリス・ロンドンのアビー・ロード・スタジオとリアル・ワールド・スタジオでレコーディングされた。
Imagination（1997年11月19日）
- 私らしく / あやまち / 神様に感謝して / 今しかない“ありがとう” / My Home Island / CONFESSION CONFUSION / リトル・ロマンス / まぼろしなんかじゃない / You don't know / IMAGINATION
  - 『神様に感謝して』は広瀬香美作曲。
クロゼット（2001年1月31日）
- 青いしずく / ローズマリー&タイム / マフユノハナビ / 水槽 / 窓の月 / voice / カケラ / ガラクタ / 会いたくて会えなくて夢をみて（アルバムバージョン） / story
  - 『青いしずく』『水槽』『story』は石嶺作詞、『窓の月』『voice』『ガラクタ』は共作詞。

PRHYTHM

ブルーミーバルーン（2003年12月25日）
- 飛行船 / 優しい人へ / 迷路 / うたたね / ベランダ / 東京日記 / 体温 / 羽根 / 届かない青 / 風船の空
  - 全曲石嶺作詞、『東京日記』『体温』『羽根』以外は石嶺作曲。

カバー・アルバム

徳間ジャパンコミュニケーションズ

洋灯~nostalgia for tomorrow~（2014年9月24日）

ベスト・アルバム

東芝EMI（2007年からEMIミュージック・ジャパン）

Best Collection（1997年8月8日）
- 私がいる（ニューバージョン） / 青空 / 風を感じたい / 土曜日とペンと腕時計 / 涙はいらない / めぐり逢い / 花（シングルバージョン） / くもりのち晴れ / Shine / 摩天楼のヒーロー / はじめてを探さなくちゃ（ニューバージョン） / THE LONGEST TIME
  - 『THE LONGEST TIME』はビリー・ジョエルのカバー。
Ballad Song Stories（2002年5月9日）
- 花 / Asian Dream / My Home Island / 思い切り泣いてもいいよ（ニューバージョン） / 神様に感謝して / 今しかない“ありがとう” / バイバイ / 水槽 / 窓の月 / こころの音 / 天気雨 / マフユノハナビ / あなたのそばに / 100年の想い
  - 『あなたのそばに』は熊谷幸子作曲。
  - 『100年の想い』は南大東島開拓100周年を記念して作られた曲。石嶺作曲、補作詞。1999年制作の初の自作曲。
NEW BEST 1500（2005年8月24日）
- 土曜日とペンと腕時計 / 私がいる（ニューバージョン） / 花（シングルバージョン） / 涙はいらない / くもりのち晴れ / Liberty Girl / はじめてを探さなくちゃ（ニューバージョン） / You don't know / 思い切り泣いてもいいよ（ニューバージョン） / バイバイ
CD&DVD THE BEST（2005年12月14日）
- 花（シングルバージョン） / 土曜日とペンと腕時計 / 私がいる（ニューバージョン） / 涙はいらない / くもりのち晴れ / 風を感じたい / めぐり逢い / はじめてを探さなくちゃ（ニューバージョン） / THE LONGEST TIME / 青空 / Liberty Girl / You don't Know / 思い切り泣いてもいいよ（ニューバージョン） / バイバイ / マフユノハナビ / 天気雨
  - 『バイバイ』『マフユノハナビ』『天気雨』『ひだまり』のミュージック・ビデオ収録のDVD付き。
ゴールデン☆ベスト（2011年5月11日）
- 花（シングルバージョン） / 土曜日とペンと腕時計 / 風を感じたい / 私がいる（ニューバージョン） / 涙はいらない / くもりのち晴れ / Liberty Girl / Shine / はじめてを探さなくちゃ（ニューバージョン） / 摩天楼のヒーロー / You don't Know / 思い切り泣いてもいいよ（ニューバージョン） / バイバイ / マフユノハナビ / 会いたくて会えなくて夢をみて / ひだまり