矢追純一
矢追 純一(やおい じゅんいち、1935年7月17日 - )は、日本のディレクター、テレビタレント、疑似科学作家。
来歴
1935年(昭和10年)満州国新京生まれ。電機学園高等学校(現:東京電機大学高等学校)を経て、中央大学法学部法律学科卒業。
1960年(昭和35年)日本テレビ入局。制作局在職中に『11PM』や『木曜スペシャル』で超常現象を扱ったドキュメンタリー風オカルト番組を数多く手掛け、自らも番組出演する名物ディレクターとして売り出された。
「キワモノ専門の呼び屋」康芳夫と結託して、『石原慎太郎の国際ネッシー探検隊』(1973年(昭和48年))、『超能力者ユリ・ゲラー』(1974年(昭和49年) - )、『オリバー君来日』(1976年(昭和51年))等の話題作を次々と仕掛け、時代の寵児となったが、スプーン曲げで追従した関口少年のトリックが見破られて[1]超能力ブームが一気に終息したため、1970年代末以降はUFOネタを主に扱うようになった。
系列局のアール・エフ・ラジオ日本に出向してディレクター兼ディスクジョッキーを務めた後、1986年(昭和61年)9月に退局。以降フリーのディレクターとして活動する傍ら、財団法人地球環境財団の設立発起人に名を連ね、広報兼常務理事を務めた(後に退任)。またバブル景気に乗じて、オーディオ機器製造会社イマジェックス[2][3]や、株式会社ジェイプランナーの社長、有限会社スペース・ラブ取締役などを歴任。著書多数。
非認定の株式会社イオンド大学日本校から「理学博士号を授与」され、2000年(平成12年)より教授・未知現象研究学部長[4]の肩書を用いていたが、同社が経営破綻した2007年(平成19年)以降本人のプロフィールから削除されている。
その後、石川県羽咋市のコスモアイル羽咋の名誉館長に就任した。 2011年(平成23年)、コスモアイル羽咋が実施した「UFO検定」を監修した[5]。
人物
- 上記のような企画物を数多く担当し、「怪奇ディレクター」「UFOディレクター」の愛称で知られた。
- 執筆の際に、頼 秀樹の筆名も併用する。またミステル・ヤオイとも呼ばれる[6]。
- 「UFOがホントに出現したら、NHKのニュースで放送しますよ」「UFOそのものをバッチリ撮りたいとか、そういう欲はありません」「日本人の視野の狭さを何とかしたいんだけど、空を見せようという番組作っても視聴率稼げないから」「UFOや超能力がインチキであるとかないとか言うことは、何ら意味がないんだよね」等と明言している[7]。
出演
テレビ番組
- NOWヒットパレード(日本テレビ、超能力コーナーの担当)
- おてんば宇宙人(日本テレビ、1981年) - OPでUFOを目撃する通行人役
- ザ・ワイド(日本テレビ)
- ザ・ベストハウス123(フジテレビ)
- サンデージャポン(TBSテレビ) - 準レギュラー(宇宙開発局キャップ)
- 人志松本の○○な話(フジテレビ、2011年4月8日)
- 緊急検証!宇宙人地球侵略史 〜振り返ればヤツ(宇宙人)がいた〜(ファミリー劇場、2013年10月14日)
映画
- ゴジラvsキングギドラ(1991年) - ゲストコメンテーター役
- 曲がれ!スプーン(2009年)
CM
インターネット
- 溜池Now(GyaO) - 第9回「エイリアンランキング」に出演
- 矢追純一アワー(GyaO) - 2009年1月21日~3月6日放送の番組
- UFO激写ゲーム(日テレ×GAME) - 携帯電話用アプリの監修
主著
- 『ナチスがUFOを造っていた』(ISBN 4277880835 / ISBN 4309490700) - 本書及び同名の番組で、カナダのネオナチ宣伝家エルンスト・ツンデルの主張をほぼそのまま紹介して問題になった。なお、ツンデルは後に人種差別的言動の廉でドイツに強制送還されている。
- 『カラスの死骸はなぜ見あたらないのか』(ISBN 4309491499) - 他の動物と異なりカラスの死骸が市中に見当たらないことに着目し、死骸が瞬間的に消滅(対消滅)する説を展開。と学会[8]で話題となった。
- 『人は死ぬ時なぜ体重が減るのか - 70グラムの魂が棲む“死後の世界”を覗く』(ISBN 430925120X)
脚注
- ↑ 週刊朝日で糾弾キャンペーンを打たれた
- ↑ 現存せず
- ↑ 東洋現像所 → イマジカ → コダックイマジェックス → コダックダイヤミック → ケイジェイイメージング(日本ジャンボー)とは無関係
- ↑ 科目講座紹介3 イオンド大学
- ↑ コスモアイル羽咋が初のUFO検定―矢追純一名誉館長が監修(金沢経済新聞)
- ↑ これは英語Mr.(ミスター)の擬似ドイツ語風誤読、もしくはドイツ語訛りの英語とする説がある。一例として、著書中で彼自身への呼びかけとして使用されている。この記述については何通りもの解釈が可能だが、真相は不明である。ちなみに、ドイツ語で英語のMr.にあたるのはHerr(ヘル)である(ドイツ語でMr.を英米人の名前に付すことはある)。彼の知識不足が原因であると推測し、それを揶揄する意図でこの言葉が用いられる例がある。もっとも、日本人同士でミスター○○と呼ぶことがあるように、ある種の親しみをこめてドイツ人同士がミステル○○と呼びかけるようなケースは、たとえばドイツ映画「ラン・ローラ・ラン」などにも見られる。
- ↑ 『スタジオボイス』 1982年9月号 本人インタビューより抜粋
- ↑ 『トンデモ本の逆襲』p34