塩原温泉郷
塩原温泉郷(しおばらおんせんきょう)は、栃木県那須塩原市(旧国下野国)塩原地区内の、箒川沿いの谷間を中心に点在する11の温泉の総称(温泉郷)。
概要
栃木県北部の活火山高原山と、大佐飛山地の山塊との間に挟まれた谷間を流れる箒川沿いの渓流を、東北新幹線那須塩原駅側から国道400号に沿って上ってゆくと、次々に温泉が湧出している。1000年以上の歴史を持つ古い温泉郷である。
古くから塩原十一湯と呼ばれ、この呼称は現在も用いられている。また1918年に田山花袋が出版した『温泉めぐり』において、塩原十一湯を温泉郷と評した。これが複数の温泉の総称として温泉郷という表現を用いた最初の事例であるとされている。
交通アクセス
各温泉により所要時間は異なるが、温泉郷の中心地である古町、畑下(はたおり)温泉への所要時間を記す。
- 鉄道利用の場合
- 高速バス
- 新宿駅より高速バス「那須・塩原号」で約3時間20分
- 塩原温泉郷内には「周遊バス」や「温泉街循環バス」がある。
郷内の温泉
各温泉がそれぞれ異なった泉質と効能を持っている。
大網温泉から上塩原温泉までは国道400号沿いに存在する。但し塩ノ湯のみは塩釜温泉から少し奥まった場所にある。上塩原温泉は野岩鉄道上三依塩原温泉口駅にも近い。新湯と元湯は国道から南側に離れた場所にあり、新湯は日塩もみじラインの料金所近くに、元湯は新湯付近から側道を谷底に4kmほど降りていった先にある。
明治以後も文人墨客に愛され、畑下温泉には尾崎紅葉が金色夜叉を執筆した旅館があり、紅葉が宿泊した部屋は『紅葉の間』として保存されている。
温泉街
温泉宿のほかに古くからの共同湯がたくさんあるのも塩原の特徴。さらに、岩の湯や不動の湯等の無人露天風呂がある。温泉街からは橋を渡った先にあり、橋のたもとに温泉を管理している人のための寸志を入れる箱がある。脱衣場・浴場とも男女の区別は無い。岩の湯は温泉街の対岸、不動の湯は山道を5分ほど歩いた先の小さな渓谷沿いにある。冬には雪見風呂が楽しめるが長靴等の装備が必要。
また、温泉郷内で使える湯巡手形が発行されている。
栃木県医師会塩原温泉病院ではリハビリテーションに温泉プールを利用している。
名所・観光スポット
那須野が原から塩原温泉郷へ向かう入り口に道の駅湯の香しおばら(アグリパル塩原)がある。この施設は那須温泉行の高速バス那須リゾートエクスプレス号と、塩原行の路線バスとを連絡する待合所、および冬期のタイヤチェーン着脱場も兼ねている。
そこから国道400号を塩原側に進むと塩原渓谷が始まり、道の駅より3km塩原側の地点に、塩原ダムにかかる320mの歩行者専用吊り橋のもみじ谷大吊橋があり、そこから回顧(みかえり)の吊り橋などを観光できるハイキングコースが整備されている。渓谷の周辺には大小無数の滝が点在し、塩原十名瀑として数えられる竜化の滝、回顧の滝、布滝などもこの周辺に位置している。新緑・紅葉などの時期は特に楽しめる。
その他点在する観光スポットについては、塩原商工会の観光ガイドが詳しい[1]。