横尾材木店

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株式会社横尾材木店(よこおざいもくてん、英称:YOKOO CORPORATION)は、不動産事業、住宅建築事業、新築分譲事業を行う日本の不動産会社。本社所在地は、埼玉県本庄市

概要

現在の主な事業内容は、分譲用地仕入れから戸建住宅リフォーム、また住宅販売まで多岐に渡っており、埼玉県内でも有数の「総合不動産サービス業」を行う企業である。近年は、分譲住宅事業を中心として事業を展開している。その名のとおり、創業当時は材木商を営んでおり、現在でも社名変更はおこなっていないため、ユニークな名前の建築業者としても知られている。また、1926年(大正15年)創業という長い歴史を持つため、不動産・建築業界では老舗企業に数えられている。埼玉県北部から群馬県、栃木県、茨城県に支店を展開、「Y-wood(ワイウッド)」という名でも知られている。

歴史

創業者である横尾清治は、新潟から埼玉県本庄市に移り、叔父が営んでいた材木商に奉公に入る。その後、材木商としての基礎を学び、1926年(大正15年)、同市内の中山道沿いに店舗を構え創業する。1963年(昭和38年)には株式会社として会社設立。2010年(平成22年)に、本庄市本庄に本社を移転。2012年(平成24年)に、株式会社ホームテックを100%完全子会社化。

技術思想

横尾材木店の住宅に関する最も特徴的な点の一つに、住宅のすべての柱・基礎などの構造躯体に四寸角(約12cm)の集成材を使っていることが挙げられる(通常の分譲住宅の場合は、ほとんどが四隅の隅柱のみにしか使われていない)。これは同社の掲げている「安心・安全」の住宅を構成している大きな要素とも言える。
また他にも、標準仕様として、基礎には「ベタ基礎・基礎パッキン工法」を使用(立上がり幅は15cm)、火打材にも木材を使用、床下にはプラ束を採用、外壁材には16mmのサイディングを使用、1階窓ガラスには防犯ペアガラスまたはLow-E複合ガラスを採用するなど、「見えない所を重視する、材木やさんの視点」を重視している。
この「見えないところに力を入れる」設計思想は、建売分譲業者というよりも、大手注文住宅業者に近いものである。しかし、横尾材木店の主要な顧客層である一時取得ユーザー(初めて家を買う若い世代)にとっては、洒落たデザイン、華やかな外観、小奇麗な内装などと比べると目に見えにくい部分でもあった。近年では、2005年耐震偽装問題などから、住宅の構造躯体に注目が集まり、横尾材木店の販売棟数にとっては、追い風の要素となった。

経営資金

分譲住宅事業を営むにあたっては、用地仕入・資材の購入・施工と、いずれの業務にあたっても多額の資金が必要となる。
2006年(平成18年)、みずほ銀行を主幹事とする6銀行(みずほ銀行埼玉りそな銀行武蔵野銀行群馬銀行足利銀行東和銀行)と総額10億円のコミットメントライン型(特定融資枠契約)のシンジケートローン契約を締結する。
シンジケートローンとは、複数の金融機関が協調してシンジケートを組成し、一つの融資契約書に基づいて同じ条件で融資する手法であり、1990年代以降脚光を浴びた同資金調達方法は、1999年(平成11年)には3兆円であったが、2005年(平成17年)には21兆円を超えている。
シンジケートローンを利用した資金調達は、埼玉県としては初の事例であり、分譲住宅事業を手がける企業としても、全国的に極めて稀なケースであった。
2007年(平成19年)には、埼玉りそな銀行を主幹事とする4銀行と総額10億円のシンジケートローン契約を締結している。

取引金融機関

群馬銀行東和銀行埼玉りそな銀行武蔵野銀行三井住友銀行みずほ銀行三菱東京UFJ銀行足利銀行埼玉縣信用金庫

営業拠点

各拠点の詳細は店舗案内を参照

登録番号

  • 【不動産免許】国土交通大臣(4)5750号
  • 【建設業】埼玉県知事許可(特-25)第67763号
  • 【一級建築士事務所】埼玉県知事登録(1)第10703号
  • 埼玉県・木材業者登録番号 本庄第0010号
  • 性能保証住宅登録機構 10014115
  • 日本住宅保証検査機構 A0100044
  • (社)全国宅地建物取引協会会員
  • (財)東日本不動産流通機構登録
  • ISO9001:2000認証登録番号 QMS001JP

キャッチコピー

「住まいのトータルアドバイザー・ワイウッドの横尾材木店」
2004年から、松崎しげるによるパワフルなラジオCMで有名となり、2012年現在で、NACK5FMぐんまTOKYO FMRADIO BERRYTBSラジオ文化放送の各局で放送している。2007年7月のRABJによるラジオCM好感度調査(首都圏)では、13位にランクインするという快挙を成し遂げている。2014年4月から文化放送で一部の時報CMを提供している。

主要商品

  • 建売分譲住宅
    • JASの家(「充実」「安心・安全」「信頼」)
  • 注文住宅
    • コンフォート(充実装備住宅)
    • エコロジー(オール電化住宅)
    • ライトコート(中庭のある家)
    • ハイコート(吹き抜けのある家+床暖房)
    • ピュアウッド(天然木を使用した健康住宅)
    • アクアロイヤル(水廻りを重視の家)
    • オープンカフェ(テラスのある家+ウッドフェンス)
  • マンション
    • 木のぬくもりを感じられるマンション

主な子会社・関連会社

  • 株式会社ワイズコーポレーション(建築管理業)
  • 株式会社ホームテック

エピソード

  1. 初代社長の夫人である横尾リョウは、10代の頃に初代内閣総理大臣である伊藤博文の家で奉公をしていたという。
  2. イメージキャラクターの松崎しげるが出演するラジオCMはかなりパワフルな内容であり、2007年7月のRABJによるラジオCM好感度調査(首都圏)で13位にランクインするという快挙を成し遂げている(国内を代表する大企業であるNTTドコモトヨタ自動車マクドナルドなどのCM好感度より上位に位置していることからも、そのインパクトの強さが分かる)。
  3. 2008年ゴルフ・バージョンのラジオCMでは、出演した松崎しげるが即興で、「ナイス・ウッド!」(ナイス・ショット)と言葉を残し、流行語となった。

沿革

  • 1926年大正15年) - 横尾清治が埼玉県本庄市東台で創業。
  • 1963年昭和38年) - 株式会社横尾材木店を設立。
  • 1964年(昭和39年) - 木場で修行をしていた横尾良孝を迎え、2代目社長時代に突入。
  • 1975年(昭和50年) - 横尾良孝の急死に伴い、社長不在となる。
  • 1979年(昭和54年) - 不動産売買・仲介部門を増設。建築請負業。
  • 1985年(昭和60年) - 横尾セツが社長に就任。
  • 1986年(昭和61年) - 建築工事業第21536号を取得。
  • 1998年平成10年) - 深谷店(埼玉県深谷市)・高崎店(群馬県高崎市)を開設。
  • 2000年(平成12年) - 本社を本庄市けや木に移転。伊勢崎店(群馬県伊勢崎市)を開設。
  • 2001年(平成13年) - 横尾守が社長に就任。熊谷店(埼玉県熊谷市)を開設。
  • 2004年(平成16年) - 埼玉中央店(埼玉県桶川市)を開設。
  • 2005年(平成17年) - 前橋店(群馬県前橋市)・太田店(群馬県太田市)を開設。
  • 2006年(平成18年) - 宇都宮店(栃木県宇都宮市)を開設。マネージメントセンター(埼玉県本庄市)を開設。みずほ銀行を主幹事とする6銀行とシンジケートローン契約を締結。
  • 2007年(平成19年) - 小山店(栃木県小山市)を開設。埼玉りそな銀行を主幹事とする4銀行とシンジケートローン契約を締結。
  • 2008年(平成20年)1月 - 古河店(茨城県古河市)を開設。
  • 2009年(平成21年)6月 - ISO9001:2000の認証を取得。
  • 2010年(平成22年)4月 - 創業85周年を記念し、限定85棟の注文住宅「year85」を発売。
  • 2010年(平成22年)5月 - 本社を本庄市本庄に移転(現在地)。
  • 2012年(平成24年)12月 - 株式会社ホームテックを100%完全子会社化。

参考文献

  • 『機を見て盛を見よ!! 100年成長企業への挑戦』横尾守著、東京:IN通信社、2007 254p テンプレート:ISBN

外部リンク