林真理子
テンプレート:Infobox 人物 テンプレート:Portal 林 真理子(はやし まりこ、1954年4月1日[1] - )は、日本の小説家、エッセイストである。本名、東郷 眞理子(とうごう まりこ)。有限会社林真理子企画事務所代表取締役。
目次
人物
山梨県山梨市出身。山梨県立日川高等学校を経て、日本大学藝術学部文芸学科を卒業。
コピーライターとして活動の後、1982年(昭和57年)に出版したエッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が、処女作にしてベストセラーとなった。さらに1986年(昭和61年)には、『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞を受賞し、小説家としての地位を確立した。林の功績は、 1980年代以降において、「ねたみ・そねみ・しっとを解放」したことであるとも評される[2]。
林は現在、直木賞の選考委員のほか、講談社エッセイ賞、吉川英治文学賞、中央公論文芸賞、毎日出版文化賞選考委員を務めている。
経歴
書店の娘として生まれ、幼少時から大量の本を読む。また、宗教学者・中沢新一は実家が近所で、林の本屋によく通っていたという。また高校時代には山梨放送のオーディションに合格し、DJを務めた事もある[3]。
大学卒業後、アルバイトをしながら宣伝会議のコピーライター養成講座を受講。1979年(昭和54年)、秋山道男が編集していた西友ストアのPR雑誌『熱中なんでもブック』(のちに『青春評判ブック』)の編集スタッフとなる。1981年(昭和56年)、西友ストア向け広告コピー「つくりながら、つくろいながら、くつろいでいる。」でTCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞を受賞。
1982年(昭和57年)、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を発表して、エッセイストとしてデビュー。同書はベストセラーになる。1986年(昭和61年)、前年に発表した『最終便に間に合えば』『京都まで』で第94回直木賞を受賞、作家として認められる。翌1987年(昭和62年)には、日米の交流を目的としたインターナショナル・ビジター・リーダーシップ・プログラムに参加した[4]。
1993年(平成5年)から、初めて文芸雑誌『文學界』に連作を書いた(『文学少女』)。1995年(平成7年)、『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞を受賞、1998年(平成10年)、『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞を受賞、2013年(平成25年)、『アスクレピオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞を受賞。
私生活
1990年(平成2年)、36歳でサラリーマンと見合いをして結婚。身内向けの披露宴はトゥール・ダルジャンを借り切って、披露パーティーは赤坂プリンス旧館で会費制で行った[5]。
親友である中野翠は、林が初め勤めていた企業PR誌 『熱中なんでもブック』編集部の同僚である[7]。
エピソード
著作
単著
1980年代
- ルンルンを買っておうちに帰ろう(主婦の友社 1982年11月 のち角川文庫)
- 夢見るころを過ぎても(主婦の友社 1983年7月 のち角川文庫)
- 幸せになろうね―働くおんなの意地とマコト けなげに上手にワーキング!(光文社カッパ・ビジネス 1983年7月 のち光文社文庫)
- 花より結婚きびダンゴ(CBS・ソニー出版 1983年10月 のち角川文庫)
- ルンルン症候群(角川書店 1983年12月 のち文庫)
- 星に願いを(講談社 1984年1月 のち文庫)
- 街角に投げキッス(角川書店 1984年1月 のち文庫)
- 林真理子スペシャル―ルンルンだけじゃ、ものたりなくて(角川書店 1984年)
- 真理子の夢は夜ひらく(角川書店 1984年9月 のち文庫)
- ブルーレディに赤い薔薇(小説 光文社カッパ・ブックス 1984年10月 のち文庫)
- 葡萄が目にしみる(小説 角川書店 1984年11月 のち文庫)
- ふたりよがり―対談集(文藝春秋 1984年12月)
- テレビしちゃった!(CBS・ソニー出版 1984年12月)
- 星影のステラ(小説 角川書店 1985年2月 のち文庫)
- 今夜も思い出し笑い(文藝春秋 1985年4月 のち文庫)
- テネシーワルツ(講談社 1985年5月 のち文庫)
- 林真理子二枚目コレクション(小学館 1985年7月)
- 紫色の場所(角川書店 1985年8月 のち文庫)
- 最終便に間に合えば(短編集 文藝春秋 1985年11月(直木賞)のち文庫)
- 食べるたびに、哀しくって…(角川書店 1985年 のち文庫)
- マリコ・その愛(光文社文庫―イキナリ文庫 1986年)
- 身も心も(角川書店 1986年3月 のち文庫)
- 真理子の青春日記&レター(角川文庫 1986年)
- 愛すればこそ…(文藝春秋 1986年 のち文庫)
- マリコ自身―イキナリ文庫(光文社文庫 1986年8月)
- 胡桃の家(小説 新潮社 1986年8月 のち文庫)
- 南青山物語―ルンルンパラダイス(主婦の友社 1986年8月 のち角川文庫)
- 美食倶楽部(文藝春秋 1986年9月 のち文庫)
- ファニーフェイスの死(小説 集英社 1987年4月 のち集英社文庫、中公文庫)
- 言わなきゃいいのに…(文藝春秋 1987年5月 のち文庫)
- 失恋カレンダー(角川文庫 1987年11月)
- 戦争特派員(ウォーコレスポンデント)(小説 文藝春秋 1987年 のち文庫)
- 茉莉花茶を飲む間に(小学館 1987年12月 のち角川文庫)
- こんなパリ、見たとこある?(文化出版局 1988年2月)
- マリコ・ストリート(マガジンハウス 1988年2月 のち角川文庫)
- どこかへ行きたい(角川文庫 1988年4月)
- 東京胸キュン物語(角川文庫 1988年4月)
- こんなはずでは…(文藝春秋 1988年5月 のち文庫)
- 満ちたりぬ月(主婦の友社 1988年11月 のち文春文庫)
- キス・キス・キス(角川書店 1988年)
- 短篇集―少々官能的に(文藝春秋 1988年12月 のち文庫)
- 旅は靴ずれ、夜は寝酒(角川文庫 1989年1月)
- 余計なこと、大事なこと(文藝春秋 1989年4月 のち文庫)
- 幕はおりたのだろうか(講談社 1989年4月 のち文庫)
- ローマの休日―小説ロマンチック洋画劇場(角川書店 1989年7月 のち文庫)
- 女のことわざ辞典(講談社 1989年8月 のち文庫)
- イミテーション・ゴールド(祥伝社 1989年11月 のち角川文庫)
- 昭和思い出し笑い(文藝春秋 1989年 のち文庫)
1990年代
- 本を読む女(新潮社 1990年5月 のち文庫)
- 美華(ミーハー)物語(角川文庫 1990年)
- ウフフのお話(文藝春秋 1990年6月 のち文庫)
- ミカドの淑女(小説 新潮社 1990年9月 のち文庫)
- マリコ・ジャーナル(角川文庫 1991年1月)
- そうだったのか…!(文藝春秋 1991年6月 のち文庫)
- ウエディング日記(角川文庫 1991年8月)
- 次に行く国、次にする恋(角川文庫 1992年1月)
- 悲しみがとまらない―恋愛ソング・ブック(角川書店 1992年3月 のち文庫)
- バルセロナの休日(角川書店 1992年4月 のち文庫)
- 原宿日記(朝日新聞社 1992年5月 のち文庫、角川文庫)
- おとなの事情(文藝春秋 1992年7月 のち文庫)
- トーキョー国盗り物語(小説 集英社 1992年7月 のち文庫)
- ドレスがいっぱい(童話 小学館 1992年8月)
- ワンス・ア・イヤー―私はいかに傷つき、いかに戦ったか(角川書店 1992年 のち文庫)
- 男と女のキビ団子(祥伝社 1992年10月)
- 着物の悦び―きもの七転び八起き(光文社 1992年 のち新潮文庫)
- 嫌いじゃないの(文藝春秋 1993年8月 のち文庫)
- さくら、さくら―おとなが恋して(講談社 1993年12月 のち文庫)
- 文学少女(連作 文藝春秋 1994年1月)
- 天鵞絨物語(光文社 1994年3月 のち新潮文庫、光文社文庫)
- ピンクのチョコレート(幻冬舎 1994年7月 のち角川文庫)
- 怪談―男と女の物語はいつも怖い(文藝春秋 1994年9月 のち文庫)
- 白蓮れんれん(伝記小説 中央公論社 1994年10月 のち文庫、集英社文庫)
- 林真理子のおしゃべりフライト(プレジデント社 1994年10月)
- 素晴らしき家族旅行(毎日新聞社 1994年11月 のち新潮文庫)
- そう悪くない(文藝春秋 1994年11月 のち文庫)
- 猫の時間(朝日新聞社 1995年3月 のち文庫)
- 女文士(小説 新潮社 1995年10月 のち文庫)
- 皆勤賞(文藝春秋 1996年2月 のち文庫)
- 東京デザート物語(集英社 1996年2月 のち文庫)
- 幸福御礼(朝日新聞社 1996年3月 のち文庫、角川文庫)
- 断崖、その冬の(小説 新潮社 1996年6月 のち文庫)
- 不機嫌な果実(小説 文藝春秋 1996年10月 のち文庫)
- 強運な女になる(中央公論社 1997年7月 のち文庫)
- 着物をめぐる物語(新潮社 1997年10月 のち文庫)
- みんなの秘密(連作小説 講談社 1997年12月(吉川英治文学賞)のち文庫)
- 踊って歌って大合戦(文藝春秋 1998年1月 のち文庫)
- 葡萄物語(角川書店 1998年4月 のち集英社文庫)
- 世紀末思い出し笑い(文藝春秋 1999年 のち文庫)
- コスメティック(小学館 1999年4月 のち文庫)
- ロストワールド(読売新聞社 1999年4月 のち角川文庫)
- 美女入門(マガジンハウス 1999年 のち角川文庫)
2000年代
- みんな誰かの愛しい女(文藝春秋 2000年1月 のち文庫)
- 死ぬほど好き(集英社 2000年3月)
- 一年ののち(アンソロジー小説集『東京小説』に収録 紀伊國屋書店 2000年4月)
- 花探し(新潮社 2000年4月 のち文庫)
- 美女入門 pt.2(マガジンハウス 2000年7月 のち角川文庫)
- ミスキャスト(講談社 2000年11月 のち文庫)
- 男と女とのことは、何があっても不思議はない(PHP研究所 2001年2月 のち角川文庫)
- ドラマティックなひと波乱(文藝春秋 2001年3月 のち文庫)
- 美女入門 pt.3( マガジンハウス 2001年9月 のち角川文庫)
- 紅一点主義(文藝春秋 2002年2月 のち文庫)
- 初夜(文藝春秋 2002年5月 のち文庫)
- 花(中央公論新社 2002年6月 のち文庫)
- 20代に読みたい名作(文藝春秋 2002年10月 「林真理子の名作読本」文庫)
- 聖家族のランチ(角川書店 2002年11月 のち文庫)
- 年下の女友だち(集英社 2003年1月 のち文庫)
- 旅路のはてまで男と女(文藝春秋 2003年3月 のち文庫)
- マリコの食卓(ぺんぎん書房 2003年6月)
- 死ぬほど好き(集英社 2003年7月)
- トーキョー偏差値(マガジンハウス 2003年 「美女のトーキョー偏差値」角川文庫)
- anego(小学館 2003年11月 のち文庫)
- ミルキー(講談社 2004年1月 のち文庫)
- 野ばら(文藝春秋 2004年3月 のち文庫)
- 知りたがりやの猫(新潮社 2004年11月 のち文庫)
- 夜ふけのなわとび(文藝春秋 2005年2月 のち文庫)
- 美女に幸あり(マガジンハウス 2005年3月 のち文庫)
- 林真理子の名作読本(文春文庫、2005年)
- アッコちゃんの時代(新潮社 2005年 のち文庫)
- ウーマンズ・アイランド(マガジンハウス 2006年1月 のち文庫)
- オーラの条件(文藝春秋 2006年3月 のち文庫)
- 秋の森の奇跡(小学館 2006年5月 のち文庫)
- 本朝金瓶梅(文藝春秋 2006年7月 のち文庫)
- 美女は何でも知っている(マガジンハウス 2006年9月 のち文庫)
- 私のスフレ(マガジンハウス 2007年1月)
- なわとび千夜一夜(文藝春秋 2007年3月 のち文庫)
- グラビアの夜(集英社 2007年5月 のち文庫)
- 「綺麗な人」と言われるようになったのは、四十歳を過ぎてからでした(光文社 2007年7月 のち文庫)
- 美か、さもなくば死を(マガジンハウス、2007年11月)
- はじめての文学 林真理子(文藝春秋 2007年10月)
- 本朝金瓶梅 お伊勢篇(文藝春秋 2007年11月 のち文庫)
- 美貌と処世(文藝春秋 2008年3月)
- 秘密(ポプラ文庫 2008年)
- Ruriko(角川書店 2008年)
- もっと塩味を!(中央公論新社 2008年8月)
- マリコ・レシピ original recipe book(マガジンハウス 2008年)
- 綺麗な生活(マガジンハウス 2008年)
- 生き方名言新書 1 林真理子(小学館 2008年)
- 東京(ポプラ文庫 2008年)
- 結婚(ポプラ文庫 2009年)
- 嫉妬(ポプラ文庫 2009年)
- 約束(ポプラ文庫 2009年)
- 美は惜しみなく奪う(マガジンハウス 2009年)
- 最初のオトコはたたき台(文藝春秋 2009年)
- 私のこと、好きだった?(光文社 2009年)
2010年代
- 下流の宴(毎日新聞社 2010年)
- 美女入門 pt.9 地獄の沙汰も美女次第(マガジンハウス 2010年)
- いいんだか悪いんだか (文藝春秋 2010年)
- 六条御息所 源氏がたり 一、光の章(小学館 2010年)
- 本朝金瓶梅 西国漫遊篇(文藝春秋 2010年)
- 秘密のスイーツ(一般書)(ポプラ社 2010年)
- 秘密のスイーツ(児童書)(ポプラ社 2010年)
- 六条御息所 源氏がたり 二 華の章(小学館 2011年)
- やんちゃな時代(文藝春秋 2011年)
連載など
- マイストーリー 私の物語(『朝日新聞』朝刊連載 2014年5月1日 - )
共著
- チャンネルの5番(山藤章二共著 講談社 1988年2月 のち文庫)
- 超恋愛(江原啓之 マガジンハウス 2007年12月)
- 誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ(山本淳子対談 小学館101新書 2008年10月)
翻訳
- Loving each other(レオ・ブスカリア/相原真理子共訳 講談社 1986年)
- マーガレット ラブ・ストーリー(マリアン・ウォーカー、講談社 1996年5月 のち文庫)
- P.S. アイラヴユー(セシリア・アハーン 小学館 2004年 のち文庫)
漫画原作
作詞
- 流通科学大学校歌「神戸の風は」
- 福島県立会津学鳳中学校・高等学校校歌「校歌〜空よ〜」
映像化作品
テレビドラマ
- 林真理子の星に願いを(1984年、TBS)原作:『星に願いを』
- 南青山物語(1986年、フジテレビ)原作:『南青山物語』
- 胡桃の家(1987年、TBS)原作:『胡桃の家』
- ビデオ・パーティー(1987年、TBS)原作:『ビデオパーティー』(『身も心も』に収録)
- しあわせ志願(1988年、NHK)原作:『真理子の青春日記&レター』『食べるたびに哀しくって』
- 林真理子の危険な女ともだち(1989年、テレビ朝日)原作:『満ちたりぬ月』
- 女キャスター物語(1990年、テレビ東京)原作:『幕はおりたのだろうか』
- 葡萄が目にしみる(1991年、フジテレビ)原作:『葡萄が目にしみる』
- ラブストーリーは突然に「素敵なボーイ・ミーツ・ガール」(1991年、フジテレビ)原作:『素敵なボーイ・ミーツ・ガール』
- ミカドの淑女(1992年、テレビ朝日)原作:『ミカドの淑女』
- トーキョー国盗り物語(1993年、NHK)原作:『トーキョー国盗り物語』
- 素晴らしき家族旅行(1996年、フジテレビ/1998年、テレビ東京)原作:『素晴らしき家族旅行』
- 恐い女シリーズ(1)女の怪談「土曜日の献立」ほか2編(1996年、フジテレビ)原作:『怪談―男と女の物語はいつも怖い』
- 不機嫌な果実(1997年、TBS)原作:『不機嫌な果実』
- 夢みる葡萄〜本を読む女〜(2003年、NHK)原作:『本を読む女』
- コスメティック(2003年、WOWOW)原作:『コスメティック』
- anego(2005年、日本テレビ)原作:『anego』
- ウーマンズ・アイランド〜彼女たちの選択〜(2006年、日本テレビ)原作:『ウーマンズ・アイランド』
- 下流の宴(2011年、NHK総合)原作:『下流の宴』
映画
テレビ出演
- ドラマスペシャル「赤川次郎のおやすみ、テディ・ベア」(1983年8月9日、TBS)
その他のメディア展開
- オーディオブック
脚注
関連項目
外部リンク
- 林真理子のあれもこれも日記 - 2009年(平成21年)2月に始まった公式ブログ