東京大学物語

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テンプレート:Sidebar with collapsible lists東京大学物語』(とうきょうだいがくものがたり)は、江川達也による日本漫画1992年から2001年にかけて、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載された。ドラマ化、映画化もされ、1500万部を超えるヒット漫画となった。江川の代表作の一つであり、最大のヒット作である。

概要

随所に見られる斬新な演出(延々と村上の心理描写が続けられたあとに決まって表示される「(この間0.-秒)」、村上の尋常ではない表情の変化など)が本作の特徴である。連載初期はオナニーなど性的なネタを絡めつつもプラトニックな恋愛が描かれていたが、単行本第5集以降、過激な性描写が顕著となっていった。一話が丸々セックスシーンのみというエピソードも存在した。

元々「恋愛論を語ること」が夢であったが、「恋愛論を語るなら『anan』誌上で」「ならばドラマ化されるほどの恋愛漫画を描く」「掲載作品が頻繁にドラマ化されている漫画雑誌は『ビッグコミックスピリッツ』」という図式で生まれたのが本作であると、江川はTV番組「アイデアの鍵貸します」で語っている。

連載初期からプラトンの思想「洞窟の比喩」をモチーフにしているという。主人公の憧れていた東京大学は影のような虚構に過ぎず、現実の象徴である遥が現れたことで翻弄させられる男を描いている。前半は意図的に読者が楽しめるようなストーリー展開をあえて用意して、徐々に作者が本当に言いたかった事実を表現している。その為、後半から人気がなくなったとも語っている[1]

ラストシーンは最初から決まっており、師匠であった本宮ひろ志の助言によるもの[2]

村上の通う高校は、北海道函館中部高等学校がモデルになっているといわれている。

あらすじ

函館向陽高校の3年生である村上直樹は、容姿端麗・頭脳明晰・運動神経抜群の三拍子そろった男。ある日村上は、友人である佐野に連れられて、同じ高校の女子テニス部の試合を見に行く。村上はその時試合をしていた水野遥に一目惚れして、翌日交際を申し込み、交際がスタートする。

登場人物

主人公

村上 直樹(むらかみ なおき)
本作の主人公。知能指数300の頭脳と、常人を超える性欲を持つ。イケメン。サッカーが得意。妄想癖が強く、しかも考えていることがすぐ顔に出る。日本一であるという理由で東京大学進学を志望する。プライドが非常に高く、どんな些細なことでも、誰にも負けたくない。東京大学文科一類を受験して不合格となるが、早稲田大学政治経済学部仮面浪人した後、後期入試で東京大学文科一類(法学部)へ進学した。
水野 遥(みずの はるか)
本編のヒロイン。誕生日は3月3日。村上とは対照的に純粋な性格を持ち、母親的愛情と巨乳で様々な男の心を癒す。テニスが得意。幼少の頃はその特異な性格を持つ(現代で言う天然ボケ不思議ちゃんである)ことからイジメを受けた過去を持つ。数々の男から盛んに求愛されるが、村上を愛し続ける。村上と同じ大学に進学を希望し、二次試験前期日程までの間は東京大学文科一類のみ受験。現役で合格し、村上より1年先に進学。後に休学する。

函館向陽高校時代

佐野 義昭(さの よしあき)
村上のサッカー仲間。多くの女性との経験を持ち、遥を狙う。早稲田大学にサッカー推薦で進学。浪人時代の村上に真紀をけしかける。
矢野 哲郎(やの てつろう)
函館向陽高校の数学教師。本当に人生に役に立つ学問は数学だけと考えている。
朝倉 晃一(あさくら こういち)
遥が村上と出会う以前に好きだった男。後に遥との交際を希望する。東京大学一本に絞るが不合格。高校卒業後、大道芸人になる。
鈴木 英里(すずき えり)
遥のクラスメート。誕生日は1月18日。村上に密かに想いを寄せる控えめな性格の、眼鏡をかけた女の子。趣味のビートルズの音楽鑑賞がきっかけで、村上と親しく話せるようになる。後に慶應義塾大学文学部進学。上京後は眼鏡をコンタクトに変えるなどしてイメージチェンジした。

上京後の遥の交友関係

池之幡 由貴(いけのはた ゆき)
遥の東京大学での同級生。学籍は東京大学文科三類。なんとなく東京大学に入ってしまった。何事にも冷めていて男を馬鹿にもしていた。東大入学式で会った ことがきっかけで大学生活が遥のペースに振り回され、遥が立ち上げた「大学を面白くする会」になんとなく入る。家庭教師をしている小学生の父親である吉野と肉体関係を結ぶようになり、後に吉野からSMを叩き込まれる。
岩田 夏弥(いわた)
顔がリアルな描写な学生。学籍は東京大学理科二類。東京大学新聞でマネージャーをやっている。遥と共に「大学を面白くする会」を立ち上げる。高校時代の池之幡に数学と化学の家庭教師をやっていた。注釈では「この物語はフィクションですが、岩田という人物は実在します」と書かれていた。 実在する人物であり、現在はTBS報道記者。
河野 正義(こうの まさよし)
遥の東京大学での同級生。学籍は東京大学文科一類。東京大学入学前はバスケをやって全国大会で優勝している。「大学を面白くする会」に入る。清廉潔白であり、良識派の弁護士を志望。
武田 賢太郎(たけだ けんたろう)
遥の東京大学での同級生。学籍は東京大学文科一類。全国模試で1番を取ったことがある。「大学を面白くする会」に入る。エリート統治論者であり、高級官僚を志望。
秋山(あきやま)
学籍は東京大学文科一類。情けなく下がった肩のラインと優しげな目が母性本能をくすぐる。「大学を面白くする会」に入る。
伊藤博文(いとう ひろふみ)
学籍は東京大学文科一類。コテコテの大阪弁にチンピラのような髪型、目も据わって頬に大きな傷がある。「大学を面白くする会」に入る。
野中 瞳(のなか ひとみ)
河野の中学の時からの同級生。河野が好きであるが、河野の相手が遥なら許せると思っている。

上京後の村上の交友関係

小泉 真紀(こいずみ まき)
村上と早稲田大学での同級生。学籍は早稲田大学政治経済学部。ニュースキャスター志望。村上と気が合うところがあり、一時期村上と付き合っていた。
谷口 瞳(たにぐち ひとみ)
村上が通う司法試験予備校の学生で東京大学の同級生。学籍は東京大学文科一類。しかし、ただ「男に敗けたくない」という歪んだ願望が原動力になっている。村上のことが気になっている。
高畠 隆(たかばたけ たかし)
村上が通う司法試験予備校の学生。学籍は明治大学。

吉野関連

山崎 守(やまざき まもる)
いろんなバイトをして暮らしているフリーター。高校に行っていない中卒。南と付き合っていた頃から異常な性的嗜好に目覚める。遥に一目惚れされ付き合うことになる。
桂木 南(かつらぎ みなみ)
慶應義塾大学院生。山崎と出会い、異常な性の世界に没入していく。以後、村上・吉野とも関係を持つ。
佐藤 郁雄
川島 弥生(かわしま やよい)
北里 和秀(きたざと かずひで)
村上のバイト先の予備校バイト講師。学籍は東京大学理学部。他のバイトとして水商売のホステスのスカウトもしている。
レイコ、のり子、涼子
北里が担当しているホステス。
吉野 博彰(よしの ひろあき)
やり手の実業家。高校中退で学歴は中卒と言っているが、実はアメリカの大学を16歳で卒業している。妻子がいるが、池之幡と肉体関係にある。息子は池之幡や遥が家庭教師をやっている。様々な罠を仕掛けて遥の処女を手中にせんと画策する。

テレビドラマ

テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 1994年10月10日より12月19日まで毎週月曜日20:00 - 20:54に、テレビ朝日系列の「月曜ドラマ・イン」枠で放送された。主演は稲垣吾郎瀬戸朝香

漫画の最初の部分にあたる高校時代の話であり、村上が東京大学を落ちてしまうところが最終回である。

キャスト

主要人物
函館向陽高等学校
水野家
村上家

スタッフ

放送日程

各話 放送日 サブタイトル 演出
第1話 1994年10月10日 運命の恋!最初のデートであげるもの 今井和久
第2話 1994年10月17日 愛を、確かめ合ってたの!!
第3話 1994年10月24日 もう、君に逢わない… 新城毅彦
第4話 1994年10月31日 はるか突然、倒れる! 今井和久
第5話 1994年11月テンプレート:07日 東大なんて、どうでもいい
第6話 1994年11月14日 クリスマス・イヴの秘め事 新城毅彦
第7話 1994年11月21日 わたしの体が目当てなの!?
第8話 1994年11月28日 受験前夜のあやまち… 今井和久
第9話 1994年12月テンプレート:05日 本当の別れ…君を傷つけて 新城毅彦
最終話 1994年12月19日 涙の合格発表…直樹と遥の愛の行方は 今井和久
平均視聴率 12.1%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

テンプレート:前後番組

テンプレート:月曜ドラマ・イン

アニメ

OVA作品(東京大学物語DX(デラックス)版)

映画

テンプレート:Infobox Film

2006年公開。R-15指定。原作者の江川達也が映画監督も兼務、制作はアダルトビデオメーカーソフト・オン・デマンド。なお同社より、同年10月19日にセルDVDが発売された。

主演はグラビアアイドル三津谷葉子だが、テンプレート:要出典範囲テンプレート:要出典範囲

キャスト(映画)

スタッフ(映画)

  • 監督 - 江川達也
  • 脚本 - 永田琴恵
  • 音楽 - MOKU
  • 主題歌 - TATE & MARKIE「promise」
  • 撮影 - 早坂伸
  • 監督補 - 西山太郎
  • 企画 - 平田恵介
  • 企画プロデュース - 上村俊介、佐谷秀美
  • プロデュース - 富田敏家
  • 制作協力 - フォーピース
  • 製作 - ソフト・オン・デマンド、スープレックス
  • 配給 - スープレックス、エム・エフボックス
  • 上映時間 - 105分

関連商品

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脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

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  1. NHK『100分de名著』「饗宴 第4回」作者の発言
  2. 著書『全身漫画家』より