小浜逸郎
小浜 逸郎(こはま いつお、1947年4月15日 - )は日本の評論家。国士舘大学客員教授。
来歴
神奈川県横浜市生まれ。横浜国立大学教育学部附属横浜中学校(現横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校)[1]、東京教育大学附属駒場高等学校(現筑波大学附属駒場高等学校)[2]を経て、横浜国立大学工学部建築学科卒業。
中学2年時に父親と死別。母親が副収入のために経営していた塾を、兄とともに一家3人で経営する[3]。大学卒業後、学習塾経営を続けるかたわら、同人誌『ておりあ』を主宰、評論活動を続ける。1981年、処女評論集『太宰治の場所』を出版。1985年に出版した『学校の現象学のために』以後は、家族論、学校論、ジェンダー論を世に問う。『男が裁くアグネス論争』『男はどこにいるのか』等の著作では、男尊女卑的な思考をはっきりと退けながらも、性差の存在自体は文化を豊かにするものであるとして、フェミニズム批判の論陣を張った。その後、差別問題、国家、死、知識人論などについても発言を行う。
テンプレート:誰範囲2一方で、テンプレート:誰範囲2。なお著書などにおいては、「批評家」の肩書きを用いることが多い。
2008年4月、当時横浜市長であった中田宏の任命により、横浜市教育委員に就任。2012年度まで務めた。新しい歴史教科書をつくる会の中学校歴史教科書(2009年3月検定合格自由社版)を支持し、2009年8月4日、この教科書の採択を推進した[4]。2011年8月4日の採択においても、同様に「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社の歴史および公民教科書を支持した[5]。
2001年10月より、知識人を講師として招く連続講座「人間学アカデミー」を主宰する。2010年の第9期まで開講されたが、第10期以降の開講は未定となっている。過去の講師は橋爪大三郎、呉智英、竹田青嗣、中島義道、小谷野敦、長谷川三千子、滝川一廣、佐伯啓思、苅谷剛彦、浅羽通明、武田邦彦、池田清彦、斎藤環など。
TV出演
タイトル 放送日 思想の真価を問う【1】知識人にとって価値とは何か 2013年2月2日 思想の真価を問う【2】戦後思想はなぜ劣弱なのか 2013年2月9日 情報社会は現代青年の生活の質を高度化させるのか 2014年2月15日 情報社会が現代青年の心理と行動にどんな影響を与えているか 2014年2月22日 情報社会で書物(古い情報媒体)はどうなってゆくのか 2014年3月1日 現代社会は高度情報社会によって解体に向かうのか 2014年3月15日
著作
- 『太宰治の場所』弓立社、1981年
- 『学校の現象学のために』大和書房、1985年
- 『方法としての子ども』大和書房、1987年 のちちくま学芸文庫
- 『可能性としての家族』大和書房、1988年
- 『男がさばくアグネス論争』大和書房、1989年
- 『男はどこにいるのか』草思社、1990年 のちちくま文庫
- 『時の黙示』学芸書林、1991年
- 『症状としての学校言説』JICC出版局、1991年
- 『人はなぜ結婚するのか』草思社、1992年 『結婚という決意』PHP
- 『家族を考える30日』JICC出版局、1993年
- 『ニッポン思想の首領たち』宝島社、1994年
- 『中年男性論』大和書房、1994年
- 『先生の現象学』世織書房、1995年
- 『正しく悩むための哲学 生きる自信を手にする14のヒント』PHP研究所、1995年 のち文庫
- 『オウムと全共闘』草思社、1995年
- 『人生と向き合うための思想・入門』草思社、1996年
- 『癒しとしての死の哲学』王国社、1996年 のち洋泉社MC新書
- 『大人への条件』ちくま新書、1997年
- 『子どもは親が教育しろ!』草思社、1997年
- 『14歳 日本の子どもの謎』イースト・プレス、1997年
- 『現代思想の困った人たち』王国社、1997年
- この国はなぜ寂しいのか 「ものさし」を失った日本人 PHP研究所 1998.2
- 『いまどきの思想、ここが問題。』大和書房、1998年
- 無意識はどこにあるのか 洋泉社、1998
- 『吉本隆明 思想の普遍性とは何か』筑摩書房、1999年
- 『これからの幸福論』時事通信社、1999年
- 『「弱者」とはだれか』PHP新書、1999年
- 『なぜ人を殺してはいけないのか-新しい倫理学のために』 洋泉社、新書y、2000年。のちPHP文庫
- 『「男」という不安』PHP新書、2001年
- 『人生を深く味わう読書』春秋社、2001年
- 『人はなぜ働かなくてはならないのか 新しい生の哲学のために』洋泉社、新書y、2002年
- 死の哲学 世織書房、2002
- 『頭はよくならない』洋泉社、新書y、2003年
- 『「恋する身体」の人間学』 ちくま新書、2003年
- 『なぜ私はここに「いる」のか 結婚・家族・国家の意味』PHP新書、2003年
- 『やっぱりバカが増えている』洋泉社、新書y、2003年
- 『エロス身体論』平凡社新書、2004年
- 『正しい大人化計画 若者が「難民」化する時代に』ちくま新書、2004年
- 『善悪ってなに?働くってどんなこと? 14歳からのライフ・レッスン』草思社、2005年
- 『人生のちょっとした難問』洋泉社、新書y、2005年
- 『「責任」はだれにあるのか』PHP新書、2005年、ISBN 4-569-64627-1
- 『死にたくないが、生きたくもない。』幻冬舎新書、2006年
- 『人はなぜ死ななければならないのか』洋泉社、新書y、2007年
- 『言葉はなぜ通じないのか』PHP新書、2007年
- 『「死刑」か「無期」かをあなたが決める 「裁判員制度」を拒否せよ!』大和書房、2009年
- 『子供問題 学校、家族、メディアに見る子供をめぐる矛盾』ポット出版、2009年
- 『大人問題 目標喪失した社会を正しく生きるために』ポット出版 2010年
- 『人はひとりで生きていけるか 「大衆個人主義」の時代』PHP研究所 2010年
- 『日本の七大思想家 丸山眞男/吉本隆明/時枝誠記/大森荘蔵/小林秀雄/和辻哲郎/福澤諭吉』幻冬舎新書、2012年
共著
- 『家族の時代 フィールドワーク・シリーズII』(小阪修平共編)、五月社、1985年
- 『家族の現在』(芹沢俊介、村瀬学、清水真砂子、最首悟共著)、大和書房、1986年
- 『力への思想』(竹田青嗣共著)、学芸書林、1994年
- 『幸福になれない理由(わけ)』(山田太一共著)、PHP研究所、1998年
- 『間違えるな日本人!』(林道義共著)、徳間書店、1999年
- 『中年男に恋はできるか』(佐藤幹夫共著)、洋泉社、2000年
- 『「弱者」という呪縛』(櫻田淳共著)、PHP研究所、2001年
- 『自由は人間を幸福にするか』(佐伯啓思、竹田青嗣、長谷川三千子共著)、ポット出版、2007年
訳書
脚注
- ↑ 小浜逸郎『頭はよくならない』 洋泉社(新書y)、2003年3月、105-107頁。
- ↑ 小浜逸郎『頭はよくならない』 洋泉社(新書y)、2003年3月、111頁。
- ↑ 小浜逸郎『頭はよくならない』 洋泉社(新書y)、2003年3月、110-111頁。
- ↑ 2009年8月5日付「神奈川新聞」
- ↑ 2011年08月05日,朝日新聞神奈川版
外部リンク
- 小浜逸郎・ことばの闘い - Gooブログ
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