宮島松大汽船
テンプレート:Mboxテンプレート:Infobox 宮島松大汽船株式会社(みやじままつだいきせん)は、広島電鉄グループのフェリー・旅客船会社。本社は広島県廿日市市宮島町。この項目では、松大汽船が運航する宮島航路及び、広島電鉄の前身の広島瓦斯電軌が直営していた「新宮島航路」についても合わせて説明する。
目次
概要
広島県廿日市市の宮島口桟橋と、同市厳島の宮島桟橋との間を運航する航路を運営する。並行路線としてJR西日本宮島フェリー宮島連絡船がある。
現在の会社の創業は、1939年(昭和14年)12月に「合資会社松大航運社」が設立。1957年(昭和32年)4月に「宮島松大観光船有限会社」に会社組織を変更。その時を松大汽船の設立にしている。
1958年(昭和33年)3月16日に広島電鉄の出資を受けて広電グループの会社になった。翌月4月より貸切による市内線・宮島線の直通運航を開始。翌年の1959年(昭和34年)4月には、広電グループの広島観光開発が運行する「宮島ロープウェー」が開業した。
2004年(平成16年)7月に株式会社組織に改組と同時に現在の社名「宮島松大汽船株式会社」に変更された。
また、この航路は宮島連絡船と共に広島県道43号厳島公園線の一部を形成している。
新宮島連絡船
広島電鉄は宮島松大汽船が出来る以前に、前身の広島瓦斯電軌時代に宮島航路を運営していた。
1925年(大正14年)7月15日から、新宮島桟橋(現在の西広島バイパス高架合流、地御前小学校、阿品東駅付近)から宮島桟橋行の航路新宮島連絡船を運行していた。開業にあたり、三菱造船所(現在の三菱重工業)で、第1宮島丸・第2宮島丸・第3宮島丸の3隻の汽船を建造した[1]。新宮島桟橋の近くには、火立岩があった。船賃は15銭で、40分間隔で運行していた。汽船が開業した当日に現在の広島電鉄宮島線は地御前駅まで開業。己斐駅(現在の広電西広島駅)から地御前駅間が27銭、地御前駅から新宮島桟橋までの連絡自動車代が9銭だった。翌年の1926年(大正15年)7月には新宮島駅まで宮島線は延伸された。1931年(昭和6年)2月1日に、宮島線は電車宮島駅(現在の広電宮島口駅)まで全通したが、同日に宮島航路は廃止になった。
新宮島桟橋は、路線廃止後もしばらくは火立岩と一緒にそのままの状態で残され、地域の住民の遊び場になっていた。1973年(昭和48年)の西広島バイパス建設に伴い、共に姿を消している。
沿革
- 広島瓦斯電軌時代
- 宮島松大汽船時代
運航形態
- 旅客便は、定期便に関しては宮島口桟橋-宮島桟橋間の航路を持ち、宮島口桟橋発は7時15分から20時30分まで、宮島桟橋発は7時から20時15分まで運行している。10分から15分間隔で運行し、休祝日などの多客時には臨時便を運行している。
- 旅客便とは別に、カーフェリー便が別桟橋から並行運航され、主に第二みやじまが担当する。カーフェリー運航終了後の夜間は、普通車までの車両に限り、旅客便での航送が可能となる。
- 但し多客時等には、昼間でも旅客便による普通車の航送が、ごく当たり前に行われている。
詳細は時刻表・料金案内を参照。
不定期便に関しても、厳島一周や、包ヶ浦・広島港・江田島・呉港などを発着する、フェリー8区間・高速船8区間を設定している。
詳細は観光プラン|宮島松大汽船を参照。
運賃・対応乗車カード
テンプレート:Main2 運賃は大人料金片道180円。子供料金は片道90円で、競合するJRの宮島連絡船と同額(JR宮島連絡線の切符で松大汽船には乗船できない。逆も同様)。往復切符も発行しており、基本的に片道の倍額だが、15人以上の往復の場合には団体料金が適用され、割引になる。また、学生団体割引もある。
その他、宮島航路と広島電鉄の路面電車(鉄道線を含む)全線乗り放題の一日乗車乗船券「1day Trip card」が発売されている。
また以前は、宮島航路と広島電鉄の電車に加え、広島観光開発が運行する「宮島ロープウェー」にも乗る事が出来る宮島フリーパス「2days Trip card」も販売されていたが、2013年3月31日に販売終了している。
1990年代にバスカードに対応。2011年3月末まで利用できた。2009年10月17日にICカード方式の乗車カードであるPASPYが対応(同日に宮島連絡船も対応)。また、PASPYと共通利用できるICOCAも利用できる。
航路・桟橋
本土側の宮島口桟橋と厳島(宮島)の宮島桟橋とを結ぶ宮島航路のみを運行する。以前は宮島口桟橋は大野町、宮島桟橋は宮島町にあったが、2005年の市町村合併で、両方とも廿日市市になった。
桟橋 | 備考 |
宮島桟橋 | JR西日本宮島フェリー 宮島連絡船宮島駅と同一施設 |
宮島口桟橋 | 広島電鉄 宮島線広電宮島口駅に隣接 JR西日本 山陽本線宮島口駅にも連絡 |
- Miyajima Sta.JPG
宮島桟橋
- Miyajimaguti Sanbashi Sta.JPG
宮島口桟橋
- Momijihonjin.JPG
桟橋に隣接する「宮島口もみじ本陣」(広電宮島ガーデン運営)
- 宮島連絡船桟橋.JPG
宮島口桟橋(広電・JR)
使用船舶
現在就航されている船舶
- フェリー4隻、高速艇1隻を所有している。フェリーは全て200t程度でフェリー宮島以外は両頭船になっている。
- 現有5隻は全て、神原造船(尾道市)で建造されたものである。
船名 | 用途 | 総トン数 | 就航日 | 備考 |
宮島 | 旅客船(フェリー) | 197.00t | 1995年4月 | |
厳島 | 旅客船(フェリー) | 197.00t | 1992年2月 | |
フェリー宮島 | 旅客船(フェリー) | 198.91t | 1980年6月 | |
第二みやじま | 旅客船(フェリー) | 198.99t | 1982年6月 | |
高速船ブルーシャトル | 高速船 | 19.00t | 1988年7月 |
- Matsudai Miyajima 2011.JPG
宮島
- Matsudai Itsukusima 2005.JPG
厳島
- FerryMiyajima7511.jpg
フェリー宮島
- Gthumb.svg
第二みやじま
- Gthumb.svg
高速船ブルーシャトル
過去就航されていた船舶
- 広島瓦斯電軌時代
- 第1宮島丸
- 第2宮島丸
- 第3宮島丸
- 宮島松大汽船時代
運送実績
2009年(平成21年)の運送実績は1,596,058人(船舶別宮島来場者数、「廿日市市統計書 2010年版」より)で、宮島連絡船(JR西日本宮島フェリー)の1,765,251人に次ぐ実績になっている。宮島来場者総数が3,464,546人なので、約46%のシェアである。2001年からの実績は、年によっては宮島連絡船を上回る年もあり、約50%のシェアになる年もある。詳細は、宮島駅#利用状況を確認の事。
参考書籍
- 平成22年度版東商信用録 中国版(東京商工リサーチ発行)1151ページ
- '97 広島電鉄 会社要覧(広島電鉄発行) 71,72,77ページ
- 広島電鉄開業80創立50年史(広島電鉄発行) 39,114,115ページ
- ふるさとの写真集(廿日市町教育委員会発行) 36ページ
- 廿日市市統計書 2006年版(廿日市市) 94ページ
- 廿日市市統計書 2010年版(廿日市市) 86ページ