女子王座決定戦競走

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
女子リーグ戦から転送)
移動先: 案内検索

テンプレート:競艇の競走 女子王座決定戦競走(じょしおうざけっていせんきょうそう)は、女性競艇選手を対象とした競艇GI競走の1つ。2014年からは「レディース チャンピオン(LADIES CHAMPIONSHIP)」という通称名称も用いられる[1]。 なお、本稿では最後に女子リーグ戦競走女子競艇選手の歴史競艇女子戦についても記述を付した。

概要

1983年(昭和58年)8月に住之江競艇場で23年ぶりに復活した「オール女子レース」は、その後各地の競艇場で実施されるようになり、人気も上昇していった。こうした中で、女子選手たちの目標となる競走として本競走が創設された。創設時から2009年度までは日本航空が協賛しており、名称も「JAL女子王座決定戦」とされていた。

女子選手限定の競走としては最高峰に位置づけられ、当該年度における女子競艇選手の頂点を決定する。優勝者には直後の総理大臣杯競走への優先出場権が与えられる。

出場資格

女子選手が対象となる。

選考期間は開催前年の6月1日から開催年の5月31日まで。

  • 優先出場
  • 選考期間内における勝率が上位の選手
    勝率が並んだ場合は着順点上位者から順に選出
    ※級別、年数等を問わず出場できる。
  • 選出除外
    • 選考期間内の出走回数100回未満の選手。※優先出場選手は免除
    • 選考期間内の事故率0.40以上の選手。
    • スタート事故による選出除外となる罰則期間が当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合。
    • 負傷・病気・出産等により出場を辞退した選手。
    • 褒賞懲戒規程による出場停止処分を受けた選手[2]

スタート事故の罰則

フライングや出遅れをした選手には、厳しい罰則が課せられている。 テンプレート:Main

歴史

  • 1987年 - 浜名湖競艇場にて一般戦として創設。12月3日から8日まで6日間開催。
  • 1988年
  • 1991年 - ピットでの並び順を現行ルール(1枠有利)に統一(従来はは各競艇場が選択していた)。
  • 2000年 - 格付けをGIに変更。
  • 2009年
    • 創設時から協賛していたJAL(日本航空)が本年度限りで冠スポンサーから撤退。
    • 出場資格が改定され、事故率0.40未満の要件を追加[3]
  • 2012年
    • 優先出場選手の選出除外規定を追加(選考期間内の事故率が0.40以上)。
    • 開催時期を8月に変更。
  • 2014年 - 格付けをプレミアムGIに変更予定。

女子王座決定戦の記録

最多優勝(3回)
山川美由紀
横西奏恵
鵜飼菜穂子
最多連続優勝(3連覇)
鵜飼菜穂子
完全優勝達成者
日高逸子
鵜飼菜穂子
最年少優勝
西村めぐみ(24歳3ヶ月)
最年長優勝
山川美由紀(45歳9ヶ月)

歴代優勝者

1987年 - 1999年

回数 開催年 優勝戦日 開催場 グレード 優勝者 当時
枠番 コース 決まり手 選手名 年齢 住所
第1回 1987年(昭和62年) 12月8日 浜名湖競艇場 一般戦 1枠 1コース 逃げ 鈴木弓子(2945) 27歳 愛知県
第2回 1989年(平成元年) 3月7日 多摩川競艇場 GII 6枠 2コース 恵まれ 日高逸子(3188) 27歳 福岡県
第3回 1990年(平成2年) 3月6日 6枠 1コース 逃げ 鵜飼菜穂子(2983) 30歳 愛知県
第4回 1991年(平成3年) 3月7日 蒲郡競艇場 2枠 2コース まくり 31歳
第5回 1992年(平成4年) 3月5日 戸田競艇場 1枠 1コース 逃げ 32歳
第6回 1993年(平成5年) 3月8日 多摩川競艇場 1枠 5コース まくり差し 佐藤正子(3154) 28歳 静岡県
第7回 1994年(平成6年) 3月8日 浜名湖競艇場 6枠 2コース 抜き 谷川里江(3302) 26歳 愛知県
第8回 1995年(平成7年) 3月10日 多摩川競艇場 6枠 5コース まくり差し 27歳
第9回 1996年(平成8年) 3月13日 戸田競艇場 6枠 2コース まくり 山川美由紀(3232) 29歳 香川県
第10回 1997年(平成9年) 3月5日 蒲郡競艇場 1枠 1コース 逃げ 渡邊博子(3114) 36歳 愛知県
第11回 1998年(平成10年) 3月8日 三国競艇場 1枠 4コース まくり 西村めぐみ(3704) 24歳 神奈川県
第12回 1999年(平成11年) 3月5日 尼崎競艇場 2枠 6コース まくり 横西奏恵(3774) 24歳 徳島県

2000年 - 2013年

回数 開催年 優勝戦日 開催場 優勝者 当時
枠番 コース 決まり手 優勝タイム 選手名 年齢 住所
第13回 2000年(平成12年) 3月5日 丸亀競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分47秒7 柳澤千春(3254) 33歳 埼玉県
第14回 2001年(平成13年) 3月4日 多摩川競艇場 4枠 4コース まくり 1分46秒1 山川美由紀(3232) 34歳 香川県
第15回 2002年(平成14年) 3月3日 徳山競艇場 2枠 1コース 逃げ 1分46秒4 岩崎芳美(3611) 29歳 徳島県
第16回 2003年(平成15年) 3月9日 芦屋競艇場 2枠 2コース まくり 1分45秒4 西村めぐみ(3704) 29歳 三重県
第17回 2004年(平成16年) 3月7日 多摩川競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分45秒0 海野ゆかり(3618) 30歳 広島県
第18回 2005年(平成17年) 3月6日 大村競艇場 4枠 4コース まくり 1分47秒2 日高逸子(3188) 43歳 福岡県
第19回 2006年(平成18年) 3月5日 浜名湖競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分46秒8 横西奏恵(3774) 31歳 徳島県
第20回 2007年(平成19年) 3月4日 徳山競艇場 4枠 4コース 抜き 1分54秒5 寺田千恵(3435) 37歳 岡山県
第21回 2008年(平成20年) 3月9日 津競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分46秒2 横西奏恵(3774) 33歳 徳島県
第22回 2009年(平成21年) 3月8日 尼崎競艇場 3枠 4コース まくり差し 1分48秒3 新田芳美(3470) 39歳 徳島県
第23回 2010年(平成22年) 3月7日 下関競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分48秒7 寺田千恵(3435) 40歳 岡山県
第24回 2011年(平成23年) 3月6日 三国競艇場 3枠 3コース まくり差し 1分46秒0 田口節子(4050) 30歳 岡山県
第25回 2012年(平成24年)春 3月4日 多摩川競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分45秒4 31歳
第26回 2012年(平成24年)夏 8月5日 若松競艇場 4枠 4コース まくり 1分49秒2 山川美由紀(3232) 45歳 香川県
第27回 2013年(平成25年) 8月11日 鳴門競艇場 4枠 4コース まくり 1分47秒1 金田幸子(4065) 33歳 岡山県

2014年以降

回数 開催年 優勝戦日 開催場 優勝者 当時
枠番 コース 決まり手 優勝タイム 選手名 年齢 支部
第28回 2014年(平成26年) 8月11日[4] 三国競艇場 1枠 1コース 逃げ 1分48秒2 水口由紀(3580) 41歳 滋賀支部
  • 背景が黄色や★印はナイター開催

今後の開催予定

オールレディース競走

テンプレート:競艇の競走 オールレディース競走(おーるれでぃーすきょうそう)は、女性競艇選手を対象とした競艇GⅢ競走の1つ。

概要

年間15戦前後が全国各地の競艇場で開催される[5]。一部開催しない競艇場もある。
リーグ戦優勝者は翌年の8月の女子王座決定戦競走の優先出場権利が与えられるため、女子王座決定戦競走の予選として位置づけられていたが、2014年に開催される女子王座決定戦の選考から、「オール女子」優勝者に優先出場権が与えられることとなった。

なお、2014年度からの競走格付けの見直し[6]の実施に伴い、女子リーグ戦の格付けを現在のGⅢから一般競走に降格させたうえで、リーグ戦名称の変更も予定している。また、これまで女子リーグ戦優勝者を対象としていた女子王座決定戦優先出場権の扱いは、女子リーグ戦に代わって一般競走からGⅢに昇格される「オールレディース競走」の優勝者に変更する。ただし2013年度は暫定的に、同年度の女子王座決定戦終了以後から同年度内の「オール女子」優勝者を2014年度の女子王座決定戦優先出場権保持者の扱いとみなす。

出場資格

女子選手[7]

歴史

2011年度より、女子リーグ戦競走の準優勝戦と優勝戦でスタート事故を起こすと、選出除外となる罰則が追加された[8]
2014年度より、オールレディース競走に変更され全ての女子にチャンスが与えられることになった。

女子競艇選手の歴史

競艇競艇選手の歴史をも概括しつつ、競艇女子選手の歴史をまとめた。
選手の敬称は省略。選手級別審査決定基準について、詳細な点数規定の変更は省略。
最新の状況については、競艇選手などを参照のこと。

昭和時代

  • 1952年(昭和27年)
    • 5月1日 - 初の競艇女子選手として則次千恵子(選手登録番号78)が登録。
  • 1953年(昭和28年)
  • 1954年(昭和29年)
    • 3月2日 - 芦屋競艇場にて、初の「オール女子レース」を開催。
    • 8月21日 - 大村競艇場にて、初の「オール女子ダービー戦」を開催。
  • 1955年(昭和30年)
    • 下関競艇場で行われた周年記念競走で、戸板君子(1133)が優勝。
  • 1960年(昭和35年)
  • 1967年(昭和42年)
    • 8月 - 現役女子選手・引退女子選手の相互親睦組織として「紅の水会」発足。
  • 1980年(昭和55年)
    • 4月 - 女子選手の定期養成を再開。第48期選手養成員として女子15名が本栖研修所に入所。
  • 1983年(昭和58年)
    • 3月 - 第52期選手養成訓練修了記念競走にて、石原加絵(3098)[9][10]が女子として初優勝。
    • 8月12日 - 住之江競艇場にて、23年ぶりとなる女子選手限定戦「全日本女子選手権大阪大会」(レディスカップ)を開催。優勝は服部恭子(3093)。
    • 9月 - 外国人女子選手の募集を開始。
  • 1987年(昭和62年)

平成時代

  • 1997年(平成9年)
  • 1999年(平成11年)
    • 2月21日 - 鳴門競艇場で開催された「第42回四国地区選手権」で山川美由紀(3232)が優勝し、42年ぶりに女子選手がGI競走で優勝。
  • 2000年(平成12年)
  • 2001年(平成13年)
  • 2002年(平成14年)
  • 2003年(平成15年)
  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)
  • 2007年(平成19年)
  • 2008年(平成20年)
  • 2009年(平成21年)
    • 12月14日 - 鵜飼菜穂子(2983)が丸亀競艇場第3レースにて通算1500勝達成。
  • 2010年(平成22年)
    • 1月16日 - 海野ゆかり(3618)が若松競艇場第11レースにて通算1000勝達成。
    • 4月18日 - 徳山競艇場で開催された「第11回競艇名人戦競走」で、日高逸子(3188)が女子選手として初めて優勝戦に進出。
  • 2011年(平成23年)
    • 女子戦の準優勝戦と優勝戦のスタート事故に罰則を導入。
    • 3月10日 - 尼崎競艇場で開催された「第38回笹川賞競走」に女子選手9名が選出。
    • 横西奏恵(3774)がファン投票4位(20,934票)で選出され、女子選手として初めてSG競走のドリーム戦に出場し1着となった[14][15]ほか、最終日の優勝戦にも進出。
  • 2012年(平成24年)
  • 2013年(平成25年)
    • 1月17日 - 尼崎競艇場で行われた「G1開設60周年記念近松賞」で、平山智加(4387)が優勝。男女混合戦のG1競走で女子選手の優勝は14年ぶり。
    • 2月15日 - 山川美由紀(3232)が若松競艇場の第10レースにおいて、女子選手として初めて2000勝達成[18]
    • 11月2日 - 下関競艇場において、レース前の練習中にコンクリート壁に激突で鈴木詔子(2988)が事故死[19]
    • 12月15日 - 1月、尼崎で歴史的快挙を成し遂げた平山智加がクイーンズクライマックスも優勝した。
  • 2014年(平成26年)
    • 4月9日 - 浜名湖競艇場で高橋淳美(3289)が通算1000勝達成[20]
    • 4月20日 - 唐津競艇場で開催された「第15回マスターズチャンピオン:名人戦競走」に女子2人目となる高橋淳美(3289)が優出。
    • 5月 - 福岡開催の第41回ボートレースオールスター(笹川賞競走)で12名の女子レーサーが出場しSG競走の女子出場選手としては史上最多記録となった。
    • 7月4日 - 下関競艇場で開催された「プレチャレンジカップ男女W優勝戦 テレボートカップ・JLC杯」の第1レースで、寺田千恵(3435)が通算1,500勝を達成。
    • 7月20日- 宮島競艇場で開催されたヴィーナスシリーズで、田口節子(4050)が通算1,000勝達成、女子14人目4000番台女子で初達成[21]

競艇女子戦

  • 女子戦は女子王座決定戦やオールレディースのほかに以下の4つの女子戦がある。

賞金女王決定戦競走

2012年(平成24年)度より開催されたプレミアムGIの女子戦で2014年からは名称をクイーンズクライマックス(Queens climax)に名を変えて開催する。 テンプレート:Main

レディースチャレンジカップ

2014年(平成26年)度より開催予定のGIIの女子戦。 テンプレート:Main

ヴィーナスシリーズ

ヴィーナスシリーズ(ヴぃーなすしりーず)は登録16年未満の女性選手だけで競走を行い、2014年に開催される女子王座決定戦の選考から外れた。[1]

常滑競艇場の「レディース笹川杯」(女子リーグで開催の年もある)や住之江競艇場の「アクアクイーンカップ」などのタイトル競走がある。

準優勝戦以上でスタート事故を起こすと一定期間すべての女子戦の斡旋が停止される。

なお、2014年度からの番組の改正により、オールレディースはヴィーナスシリーズ(一般戦に降格)と入れ換わった[6]

テンプレート:節stub

ダブル優勝戦(女子の部)

男子選手の競走と女子選手の競走を毎日半数ずつ実施。勝ち上がりもすべて男女別に行い、優勝戦も男子と女子の2競走が行われる。

代表例では多摩川競艇場で行われるダブル優勝「TVKカップ」などがある。女子戦では登録16年を超えても出場可能だが、女子戦斡旋停止期間中は斡旋されない。 テンプレート:節stub

脚註

  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite web
  2. 正式には「選手、審判員及び検査員褒賞懲戒規程に基づき出場停止処分を受けたため」である
  3. 2009年出場資格改定(BOAT RACE オフィシャルWeb 2009年4月7日)
  4. 台風で優勝戦(第6日目)が順延。
  5. BOAT RACE オフィシャル WEB 用語辞典 女子リーグ戦
  6. 6.0 6.1 < BOAT RACE通信 Vol.11>平成26年度よりグレード競走を見直し 新しい取り組みをスタート!(2013年7月2日 同7月9日閲覧)
  7. BOAT RACE オフィシャル WEB 用語辞典 女子リーグ戦
  8. 正式には「GIII競走開催要項第9条第1項に基づく出場資格の喪失期間」
  9. 1963年昭和38年)1月15日、岡山県岡山市生まれ。就実女子大学(現在の就実大学)を中退して、競艇選手となった。
  10. 石原加絵・著 『青春の水しぶき -- モーターボートに賭けた私』 山手書房(東京) 1984年11月
  11. おくやみ 木村厚子選手(競艇選手)が頚椎損傷および脳挫傷のため死去日刊スポーツ 2003年5月25日)
  12. 人身事故について(訃報) 
  13. 故木村厚子選手(埼玉)の告別式(競艇オフィシャルWeb 2003年5月28日)
  14. 第38回 笹川賞(尼崎) 出場選手発表!(BOAT RACE オフィシャルWeb 2011年3月10日)
  15. 3774横西奏恵選手の笹川賞ドリーム戦の結果
  16. 谷川里江選手が女子王座決定戦3日目に通算1,500勝達成BOAT RACEオフシャルWEB 2012年3月2日
  17. 柳澤 千春選手(香川)がボートレース浜名湖で1,000勝を達成! BOAT RACE OFFICAL WEB 2012年3月12日
  18. 登録第3232号 山川美由紀選手(香川) 2,000勝達成OFFCAL 2013年2月16日
  19. 登録第2988号鈴木詔子選手(東京)の死亡事故についてBOATRACEオフィシャルeb 2013年11月2日。
  20. 3289高橋淳美選手(大阪)がボートレース浜名湖で1,000勝を達成!
  21. 田口 節子 選手が通算1000勝を達成しましたオフィシャルWEB。

参考文献

外部リンク

その他

  • 競艇ヒロイン・ストーリー http://www.kyotei.or.jp/dik/who/heroin/index.html
  • オッズ・出走表・結果情報 http://www.kyotei.or.jp/dik/RACE/main.html(「モーターボートファン手帳」データ 2001年後期版 - 2005年前期版)
  • 選手期別成績ダウンロード(「モーターボートファン手帳」データ 2002年前期 - )

テンプレート:Navbox