光原百合
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光原 百合(みつはら ゆり、本名同じ、1964年5月6日 - )は、日本の小説家。尾道市立大学教授。絵本・詩・翻訳も手掛けている。
目次
来歴
広島県尾道市生まれ。1982年広島県立尾道東高等学校卒業。1987年大阪大学文学部英文科卒業。1996年同大学院博士後期課程単位取得満期退学(英語学専攻)。1980年代から「詩とメルヘン」に投稿を続けて童話や詩集を発表し、1990年代からは吉野桜子名義で推理小説の短編も発表していた。1998年、『時計を忘れて森へいこう』で推理小説界に公式デビューした。以降、寡作ではあるが日常の謎系の推理作品を発表し続け、2002年には短編小説「十八の夏」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した。その頃より演劇にも興味を持ち、『最後の願い』の舞台として小劇団をとりあげている。
尾道短期大学講師、同助教授、尾道大学芸術文化学部講師、尾道市立大学芸術文化学部教授[1]。英語を教えるほか、専門演習などで創作指導をしており、推理小説研究部の顧問として後進を指導している。
作品
小説
単行本
- 時計を忘れて森へいこう(1998年4月東京創元社 / 2006年6月、創元推理文庫)
- 遠い約束(2001年3月、創元推理文庫)
- 十八の夏(2002年8月双葉社 / 2004年6月、双葉文庫)※日本推理作家協会賞受賞作「十八の夏」を含む。
- 最後の願い(2005年2月、光文社 / 2007年10月、光文社文庫)
- 銀の犬(2006年7月、角川春樹事務所 / 2008年5月、ハルキ文庫)
- イオニアの風(2009年8月、中央公論新社)
- 扉守-潮ノ道の旅人(2009年11月、文藝春秋 / 2012年8月、文春文庫)
アンソロジー収録短編
「」内が光原百合の作品
- 本格推理6 悪意の天使たち(1995年5月 光文社文庫)「やさしい共犯」※吉野桜子名義
- 本格推理9 死角を旅する者たち(1996年12月 光文社文庫)「無欲な泥棒-関ミス連始末記」※吉野桜子名義
- 本格推理12 盤上の散歩者たち(1998年7月 光文社文庫)「消えた指輪」
- 紅迷宮 ミステリーアンソロジー (2002年6月、祥伝社文庫)「橋を渡るとき」
- 翠迷宮 ミステリーアンソロジー (2003年6月、祥伝社文庫)「わが麗しのきみよ……」
- 小説ルパン三世 オリジナル競作アンソロジー (2005年2月、FUTABA NOVELS / 2011年6月、双葉文庫)「1-1=1」
- 新・本格推理 特別編 不可能犯罪の饗宴(2009年3月 光文社文庫)「花散る夜に」
- 事件の痕跡(2007年12月、光文社 / 2012年4月、光文社文庫)「希望の形」
- 橋を渡るとき (現代ミステリー短編集)(2008年11月、岩崎書店)※「紅迷宮」、「時計を忘れて森へ行こう」、「十八の夏」からのセレクト
- ミステリ・オールスターズ(2010年9月 角川書店 / 2012年9月 角川文庫)「かえれないふたり 第二章 失われた記憶」※リレー小説
- エール! 2(2013年4月 実業之日本社文庫)「黄昏飛行」
- かみのらぼ Vol.1(2013年7月、尾道市立大学芸術文化学部)「王様の耳はロバの耳異聞」
絵本
- やさしいひつじかい(1992年10月、女子パウロ会 - 絵 佐々木洋子)
- 風の交響楽(シンフォニー(1996年3月、女子パウロ会)
- 空にかざった おくりもの(1998年5月、女子パウロ会)
- ほしのおくりもの クリスマスどうわ(1999年10月、女子パウロ会)
- 星月夜の夢語り(2004年5月文藝春秋 / 2007年10月、文春文庫)※掌編 (著者の定義ではメルヘン) 32編を本文とする絵本
- 虹のまちの思い出 (2011年5月、PHP研究所)※ ウィリアム・ギロックの叙情小曲集24曲ほか1曲(CDつき)を題材とする掌編25編を本文とする絵本
詩集
- 道 (1989年8月、女子パウロ会 - 黒井健共著)
- 木漏れ日はいのちのしずく(2008年11月、女子パウロ会)
その他
- ポップスで学ぶ英語 (2000年、溪水社)
翻訳
- あのほしについていこう (1995年5月、リンダ・パリー著 女子パウロ会)
- ノアのはこぶね (1996年、リンダ・パリー著 女子パウロ会)
- 祈りの泉 365のことば (1998年7月、女子パウロ会)
監修
- 尾道草紙5 (2010年3月、尾道大学創作民話の会)
映像化作品
- 十八の夏 (2006年7月17日 TBS)
海外への翻訳
中国大陸(簡体字)
- 十八之夏 (刊行予定、吉林出版集团有限责任公司)-十八の夏
台灣(正體字)
- 十八之夏 (2006、尖端出版社)-十八の夏