佐藤雅彦 (メディアクリエーター)

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佐藤 雅彦(さとう まさひこ、1954年3月28日 - )は日本のメディアクリエーター、東京芸術大学大学院映像研究科教授、慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授。静岡県沼津市(旧戸田村)出身。静岡県立沼津東高等学校東京大学教育学部卒業。

プロフィール

テンプレート:要出典範囲)父親は単身赴任のために少年時代は母と過ごすことが多かったという。小学校時代の遊びと言えば牛乳ビンのふた集めであった(もっとも一ヶ月ほどで終わったらしいが)。

大学では数学を専攻。1977年広告代理店大手の電通に入社。セールスプロモーション局に配属される。1987年にクリエーター選抜試験(いわゆる転局試験)に合格し、第4クリエーティブディレクション局に異動。CMプランナーとして、湖池屋の「ポリンキー」、「ドンタコス」や、NECの「バザールでござーる」など、様々なヒットCMやテレビ番組のコーナー企画などを手がける。

電通退社後は独立し、企画会社「TOPICS」を設立、広告以外の表現を始める。(PlayStationソフト『I.Q インテリジェントキューブ』など)特にNHK教育テレビおかあさんといっしょ』内の歌として、作詞・プロデュースをつとめた『だんご3兄弟』は、一時期は社会現象になるほど爆発的な人気を誇った。また1995年、NHKがロゴを変更した際、CIキャンペーンも手がけている(ロゴ自体は佐藤の案ではなく、アートディレクター中谷日出による)。

1999年より慶應義塾大学環境情報学部教授を務め、2006年より現職。「慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室」の活動として、NHK教育『ピタゴラスイッチ』などの監修に携わっている。東京ADC 会員。

評価

誰にでもわかる共通のトーンで、アイデアを表現する人物として評価を集める。NECの「バザールでござーる」や「だんご3兄弟」のように基本的に同じフレーズをリフレインで繰り返してゆくものが多く、子供にも単純かつ素朴で分かり易いつくりをモットーとしている。

またNHKの「ピタゴラスイッチ」のように、テレビで流れている映像の最中に、急に一見無関係無さそうに見える画像を挟み込む、いわゆるサブリミナル的手法[1]でも、そのセンスを評価されることが多い。

CM以外では「I.Q インテリジェントキューブ」のようにやや難解なものもあるが、企画については一貫してシンプルなものが多く、そのアイデアの多くは、同じく電通でCM企画に携わっていた内野真澄との共同により、誕生したものが多い。

主な企画作品

CM

新聞広告

テレビ

ゲーム

CD

映画

  • kino(監督・脚本)
  • HAPPO-EN(大原 崇嘉、関 友太郎、豊田 真之、平瀬 謙太朗と共同,2014)

映像

  • 日常にひそむ数理曲線(ベネッセ教育研究開発センター、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室)

アート

  • 計算の庭(森美術館 六本木クロッシング2007, NTT/ICC, 桐山孝司と共同)

展示

  • 「佐藤雅彦研究室展 課題とその解答」慶應義塾大学佐藤雅彦研究室(銀座グラフィックギャラリー, 2005年8月4日~8月29日)
  • 「勝手に広告」(銀座グラフィックギャラリー, 2006年10月5日~10月28日, 中村至男と共同)
  • 「ICCキッズ・プログラム 2008「君の身体を変換してみよ」展」東京芸術大学佐藤雅彦研究室(NTT/ICC)
  • 佐藤雅彦ディレクション「"これも自分と認めざるをえない"展」(21_21 DESIGN SIGHT, 2010)
  • 「指を置く」展 佐藤雅彦+齋藤達也(ギンザ・グラフィック・ギャラリー 及び dddギャラリー, 2014)

受賞歴

主な著書

著書

  • 『クリック―佐藤雅彦 超・短編集』(講談社 ISBN 978-4062089609 1998年3月)
  • 『プチ哲学』(マガジンハウス ISBN 978-4838712267 2000年6月)
  • 『キノの本 ビデオ付き テキストブック』(マドラ出版 ISBN 978-4944079162 2000年9月)
  • 『ねっとのおやつ』(マガジンハウス ISBN 978-4838713509 2002年7月)
    文庫版タイトル『四国はどこまで入れ替え可能か』(新潮社 ISBN 978-4101233413 2005年10月)。
    CDROM版(マガジンハウス ISBN 978-4838713516 2002年7月)。
  • 『毎月新聞』(毎日新聞社 ISBN 978-4620316185 2003年3月)
  • 『砂浜』(紀伊國屋書店 ISBN 978-4314009638 2004年7月)
  • 『トゥーチカと飴』(紀伊國屋書店 ISBN 978-4314009928 2005年8月)
  • 『子供の仕事』(紀伊國屋書店 ISBN 978-4314009935 2005年8月)
  • 『Fが通過します』(マガジンハウス ISBN 978-4838790098 2006年8月)
  • 『考えの整頓』(暮しの手帖社 ISBN 978-4766001716 2011年1月)

作品集

共著

  • 『バザールでござーるの小冒険』(東京書籍 ISBN 978-4487753772 1994年8月)
    佐藤雅彦、内野真澄水口克夫著。
  • 『バザールでござーるのバナナ裁判』(東京書籍 ISBN 978-4487754359 1995年10月)
    佐藤雅彦、内野真澄、水口克夫著。
  • 『だんご3兄弟のえほん―NHKおかあさんといっしょ』(日本放送出版協会 ISBN 978-4144071188 1995年5月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『だんご3兄弟ぱたぱたえほん』(日本放送出版協会 ISBN 978-4140360774 1999年6月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『だんご3兄弟シールえほん』(日本放送出版協会 ISBN 978-4063272420 1999年7月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『だんご3兄弟 あっという間劇場』(日本放送出版協会 ISBN 978-4140360798 1999年10月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『経済ってそういうことだったのか会議』(日本経済新聞社 ISBN 978-4532148249 2000年4月)
    佐藤雅彦、竹中平蔵著。
  • 『動け演算―16 flipbooks』(トランスアート ISBN 978-4924956773 2000年4月)
    佐藤 雅彦、佐藤雅彦研究室、沢水潤著。
  • 『だんご3兄弟あっという間劇場8本勝負―NHKおかあさんといっしょ』(日本放送出版協会 ISBN 978-4144071218 2000年6月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『だんご3兄弟あっという間劇場 (ごっつぁんです!)』(日本放送出版協会 ISBN 978-4144071225 2001年1月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『だんご3兄弟あっという間劇場 (出前3丁!)』(日本放送出版協会 ISBN 978-4144071232 2001年4月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『NHKピタゴラスイッチアルゴリズムたいそう―おまけおとうさんスイッチ』(日本放送出版協会 ISBN 978-4144071263 2003年2月)
    佐藤雅彦、内野真澄、いつもここから著。
  • 『任意の点P』(美術出版社 ISBN 978-4568502565 2003年4月)
    佐藤雅彦、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室著。
  • 日本のスイッチ』(毎日新聞社 ISBN 978-4620316765 2004年3月)
    佐藤雅彦、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室著。
  • 『イメージの読み書き』(美術出版社 ISBN 978-4568502787 2005年8月)
    佐藤雅彦、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室著。
  • 『勝手に広告』(マガジンハウス ISBN 978-4838716913 2006年9月)
    佐藤雅彦、中村至男著。
  • 『ぴったりはまるの本』(ポプラ社 ISBN 978-4591094709 2006年10月)
    佐藤雅彦、ユーフラテス著。
  • 『やまだ眼』(毎日新聞社 ISBN 978-4620317946 2007年2月)
    佐藤雅彦、山田一成(いつもここから)著。
  • 『差分』(美術出版社 ISBN 978-4568503654 2009年3月)
    佐藤雅彦、菅俊一、石川将也著。
  • 『もぐらバス』(偕成社 ISBN 978-4033318103 2010年4月)
    佐藤雅彦、内野真澄著。
  • 『属性』(求龍堂 ISBN 978-4763010292 2010年9月)
    佐藤雅彦、中島英樹著。
  • 『中を そうぞうしてみよ』(福音館書店 ISBN 978-4834026979 2012年3月)
    佐藤雅彦、ユーフラテス著。

脚注

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関連項目

外部リンク

  • 過去に佐藤が手掛けたCM企画で、代表的なモノに1988年にテレビ放映された、湖池屋「トップル」のCMで、アニメーションで王様が、だだっ子のように「お願いじゃ、お願いじゃ、お願いじゃ、ワシの一生のお願いじゃ。トップル買って、トップル買って、湖池屋トップル、サクサクじゃ」というセリフの後に、いきなり「コマーシャルはひかえめに」と、まるで公共放送のような画像が急に挟み込まれるCMがある。
  • 当時まだ東京進出して間もなかったダウンタウンがCMに登場するチンパンジーの声を担当していた。
  • この企画で制作されたCMは2種類あり、「オオサマガエルのミカエル編」「モグラのモグレロ編」の2シリーズが放映された。
  • 企画されたCMには、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で博士ドクを演じたことで知られる俳優、クリストファー・ロイドがCMに出演していた。
  • 1987年(昭和62年)に北原白秋作詞・山田耕筰作曲の童謡「ペチカ」の譜面を、新聞見開き2ページを使って、掲載し、冬に合わせてホットカルピスを、というイメージ広告を掲載した。