世界の料理ショー
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『世界の料理ショー』(せかいのりょうりショー、The Galloping Gourmet)は、1968年から1971年まで、カナダ放送協会(CBC)で放映されたテレビ番組。ジャンルは料理バラエティー。料理研究家のグラハム・カーが司会を務めた。
カナダ本国の他、海外37ヶ国でも放送された。アメリカでは1969年から1971年まで放送され、1970年、1971年のエミー賞にノミネートされている。
妻のトリーナ・カー(Treena Kerr)がプロデュースを担当し、カナダ・CBC傘下のオタワの局[1]で製作。
目次
番組内容
グラハムと、その妻で番組プロデューサーのトリーナ・カー(Treena Kerr)が世界各地の料理について現地で取材し、それの体験談を基に実際に同じものをスタジオで調理していく。グラハムがワイングラス片手に登場し、ユーモラスなトークと顔を見せないスタッフ、スティーブとの掛け合いが特徴である。出来上がった料理は番組の最後にスタジオ観覧者のうち1名を招きいれて試食するのが恒例だった。『ルーシー・ショー』や『奥さまは魔女』のように、スタジオ観覧者が笑うのも特徴だった。しかし1971年にカー夫妻が交通事故で大怪我を負い、テレビ出演が困難となったために番組は打ち切られた。
1990年代には、『新・世界の料理ショー』(原題:The Graham Kerr Show)が放送され、健康志向の時代にあわせ、低カロリーでおいしく作れるレシピを提案していた。この方針変更には、トリーナが循環器系疾患で倒れたため、従来の高脂肪・高カロリー・高コレステロール料理への自省の念をグラハムが持っていた、という事情もある。
現在アメリカではこれらの流れを汲む『The Gathering Place』が放送中である。
主なスタッフ・キャスト[2]
- 出演:グラハム・カー
- 制作:トリーナ・カー
- 監督:マリオン・ダン(Marion Dunn)
- 技術監督:ジェリー・ブシャール(Gerry Bouchard)
- 音楽:シャン・シャンパーニュ
- 制作・著作:International Television Ltd.およびFremantle of Canada Ltd.
- 放映:カナダ放送協会ほか
番組で紹介された料理
- ラム・カレー シンガポール風
- ポーク串焼き スペイン風ソース
- オッソ・ブーコ 仔牛煮込みミラノ風
- がちょう丸焼き デンマーク風
- マッシュルームスープ イタリア風
- フライドフィッシュとたらマリネ タヒチ風
- スプリングサンシャイン ポーク煮込みタスマニア風
- アップルフリッター スイス風
- 豆ベーコン煮込みオランダ風と豆入りオムレツ
- 子羊モツシチュー ニュージーランド風
- 若鶏クリームソース フランス風
- 牛肉マリネ焼き ドイツ風
- 鶏丸焼きパイナップルづめ オーストリア風
- パンプキンパイ マイアミ風
- メープルシロップチキン カナダ風
- ウサギとガチョウのパテ イングランド風
- キジの丸焼きカンバーランド・ソース イングランド風
- ラムもも肉キドニー詰め オーストラリア風
- ポーク・ギドニー詰め フランス風
- 帆立てのコキール パリ風
- ひな鶏ロースト フランス風
- マロンのデザート ベネチア風
- ビーフ辛味いため メキシコ風
- ローストポークパインソース ジャマイカ風
- ハムと玉子のゼリーパイ オーストラリア風
- カニのチーズ焼とスープ ニューオーリンズ風
- ビーフステーキ・ワインソース アカプルコ風
- 焼き蛤 イギリス風
- タルトタタン フランス風
- テンダーロインステーキ アムステルダム風
- エビのクリーム煮 ニューオーリンズ風
- チキンのバター焼き パリ風
- パインシャーベット バハマ風
- スズキのソテー メキシコ風
- 仔羊のロースト パリ風
- ポークと仔牛のパイ シドニー風
- 若鶏の辛煮 ジャマイカ風
- マトンのカレーシチュー ジャマイカ風
- ストロベリーアイスクリーム スイス風
- ロールビーフステーキ メキシコ風
- すずきのホイル焼 ニース風
- アイスクリームケーキ パリ風
- 仔牛と豚のワインシチュー チューリッヒ風
- ニジマスのフライ ニューオリンズ風
- ジャンボパイ ニース風
- フルーツデザート メキシコ風
- フィッシュサラダ アカプルコ風
- 小エビとカニのクレープ・カレーソース ニューヨーク風
- ローストビーフ ニューオリンズ風
- アーティチョークとカキのスープ ニューオリンズ風
- ビーフワイン煮 イギリス風
- 仔牛のロール焼き アムステルダム風
- テンダーロインステーキ アムステルダム風
- 卵とベーコンのトースト フランス風
- オードブル4種 スイス風
- うさぎのロースト カンヌ風
- カキのスープとレバソテー ニュージーランド風
- エビウォッカ煮 モスクワ風
- チキンのサンドイッチ モスクワ風
- フェトチーネのパスタ イタリア風
- フルーツアイスケーキ カンヌ風
など テンプレート:節スタブ
日本語版
テレビ放送
日本では『世界の料理ショー』は1974年4月28日から1978年12月29日まで、東京12チャンネル(現・テレビ東京)が放送したのを皮切りに、国内数局が再放送を含め断続的に放送した(東京12チャンネルでの本放送時のスポンサーはまるは大洋漁業(現・マルハニチロ水産))。日本語版の吹き替えは当初は浦野光や大野しげひさ、のち黒沢良が務めた。それまでの日本の料理番組にないスタイルであり、「料理バラエティ番組」という新しい概念を日本のテレビ界に持ち込む事になった。日本語版として現存・確認されているのは52回分である。
1990年代には『新・世界の料理ショー』がTOKYO MX、MBSテレビほかで放送され、吹き替えを池田勝が務めた。
2000年代初期にBSジャパンでも放送されたほか、2012年にはスカパー!・フーディーズTVでCS初放送された。
2012年11月5日から2013年1月28日まで、テレビ東京にて平日(月曜日〜金曜日)8:00 - 8:25枠で放送された(全52回)。本放送では番組前半の現地取材映像を中心に毎回数分のカットがなされている。
日本語版スタッフ
- 翻訳:井場洋子、小川裕子、岩佐幸子
- 脚色:石川雄一郎(『8時だョ!全員集合』『俺がハマーだ!』『小沢昭一の小沢昭一的こころ』なども手がけている)
- 演出:河村常平
- 調整:切金潤
- プロデューサー:中本達雄
- 日本語版制作:テレビ東京、東北新社
DVD
- 2009年3月25日、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントより「世界の料理ショー DVD-BOX」が発売された。
- 2010年9月22日、DVD-BOX収録のエピソードからそれぞれ4エピソードを収録した「世界の料理ショー【傑作選DVDレッド】」「世界の料理ショー【傑作選DVDブルー】」が全国のファミリーマートで独占先行販売された。
- 【傑作選DVDレッド】
- すずきのホイル焼 ニース風 / ローストポークパインソース ジャマイカ風 / ニジマスのフライ ニューオリンズ風 / アップルフリッター スイス風
- 【傑作選DVDブルー】
- 仔牛と豚のワインシチュー チューリッヒ風 / パインシャーベット バハマ風 / ポークの串焼き スペイン風ソース / タルトタタン フランス風
- 【傑作選DVDレッド】
オマージュ番組
2002年にNHKで『中国四千年料理ショー』という番組で金萬福がグラハムさながらに料理パフォーマンスを繰り広げ、声優を天の声(兵馬俑)を黒沢良、金萬福を池田勝の新旧吹き替えで繰り広げた。
パロディ
- 唐沢俊一の『世界の猟奇ショー』(幻冬舎文庫)においてネタにされている。唐沢の弟で漫画家の唐沢なをきは、『電脳なをさん2』の中で取り上げ、グラハムが最後に若い女性を客席から引っぱって、明らかにとんでもないものを試食させる場面を描いた(グラハムは何故か髪の毛が黄色に描かれている)。唐沢兄弟は、「唐沢商会」名義の『脳天気教養図鑑』の中でもグラハムを取り上げた。
- 『銀魂』内でもネタとしてショートコーナー風に取り上げられた。
- 『ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ』の中で、ベルダンディが出したとされる料理本の表紙のキッチンが、『料理ショー』のセットに酷似している。
- 2004年に週刊モーニングで掲載していた『大使閣下の料理人』の中にもグレアム・カーンという料理家で、TVホストで鳴らしたという明らかにグラハムをモデルにした人物が出てくる。