三菱化学メディア
テンプレート:Infobox 三菱化学メディア株式会社(みつびしかがくメディア)は、記録メディアの製造販売を行う三菱化学株式会社の子会社。後述の“Verbatim”(バーベイタム)をブランドとする。
概要
太陽誘電、日立マクセルらと並ぶ記録メディアの大手製造メーカーであり、CD-Rの製造時から、記録色素にアゾ色素を採用し、耐久性と保存性の高さで好評を博している。
最新のBlu-ray Discメディアのほか、DVD-RAMを除く記録型DVDメディア各種(DVD-RAMは販売はしているが、他社からOEM供給を受ける立場。これは同じ三菱グループの三菱電機が元々はDVD-RW陣営であったことが考えられる)、CD-RおよびCD-RW、MOの生産を手掛け、またDVDメディアの生産においては、記録色素の外販などを行っている。
日本(岡山県倉敷市の水島工場)でのBlu-rayメディアとMOの生産のほか、海外ではシンガポールに自社工場を構え、また台湾やインドの工場に、記録色素と製造ラインを持ち込みの上で、メディア生産を委託している。記録メディアの製造拠点を早くから海外に移したことでも広く知られている。しかし、近年は極端な円高の影響や、ブランド戦略の見直しなどにより、生産拠点を海外に移す動きもみられる。
Verbatim
「Verbatim」(バーベイタム)は、1969年にアメリカで生まれた記録メディアのブランドである。もともと独立した企業で旧三菱化成とは当初提携関係にあり、後に買収され海外子会社となっている。
日本では、提携当初の段階では「化成バーベイタム」という社名によりフロッピーディスクなどに広く使われていたが、態勢変更で今の会社が設立されたことで一旦姿を消した。しかし、Blu-ray対応録画機の普及も手伝い、世界戦略の見直しから2009年9月に日本再投入(ブランドとしては本格的な展開開始)[1]。当初はPCデータ用ディスクを皮切りにして自社(「MITSUBISHI」)ブランドからの切り替えを始めていった。そして、翌2010年9月1日出荷分以降は、全ての商品を「Verbatim」ブランドに“戻し”[2]、「MITSUBISHI」ブランドは完全に姿を消す事となった。
なおこれに前後して、急激な円高の進行などの影響を考慮し、生産体制の見直しも進められた。自社ブランド商品は内国産のものも多かったが、日本国内での製造継続を一部を除き断念し、大半を台湾やシンガポールへと移した。現在市場に出回っている日本国内産の商品は、ブランド切り替えもあって一部を除き在庫限りの商品である。[3][4]
日本での発売記念イベントとしてAKB48のメンバーの画像を4800枚ダウンロードできるという企画を行い話題になった。
沿革
1982年、当時の三菱化成工業が当時急速に普及し始めていた小型フロッピーディスクの製造・販売を目的とし、この分野で世界的に影響力を持っていた企業の一つであったところのテンプレート:Flagicon アメリカ合衆国・Verbatim(バーベイタム)社と合弁で「化成バーベイタム」を設立したのがこの企業の始まりである。
その後、1990年にバーベイタム社を買収で子会社化したことに加え、三菱グループの企業再編で三菱化成(三菱化成工業から社名変更)が三菱油化と統合し三菱グループにおける総合化学メーカーとなったことを受け、まず統合に先立ち化成バーベイタム社を解散しその事業受け皿として作られたのが今の会社である。
- 1982年(昭和57年)
- 米Verbatim社と三菱化成工業が合弁で前身となる「化成バーベイタム」を設立
- 1988年(昭和63年)
- 三菱化成工業、社名を「三菱化成」に変更
- 1990年(平成2年)
- 三菱化成、米Verbatim社を買収し子会社化
- 1994年(平成6年)
- 三菱化成と三菱油化が合併で経営統合
- これに先立ち化成バーベイタムを解散し、三菱化成メディア設立
- 日本国内での「Verbatim」ブランド使用を一旦終了
- 1999年(平成11年)
- DVD-RWを発売
- 2001年(平成13年)
- 世界で最初にDVD+RWを発売
- 2002年(平成14年)
- 世界で最初にDVD+Rを発売
- 2004年(平成16年)
- 世界で初めて片面二層DVD+R DL(ダブル・レイヤー)8.5GBディスク発売
- 2005年(平成17年)
- 世界で初めて片面二層DVD-R DL(デュアル・レイヤー)8.5GBディスク発売
- 2008年(平成20年)
- フロッピーディスクの原料となる磁気ディスクの生産及び次年3月でのフロッピーディスク販売終了を発表
- 2009年(平成21年)
- テンプレート:NED・FREECOMを買収[5]
- 「Verbatim」ブランドを日本に再投入
サッカー支援
三菱グループとしてはJリーグでは浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)を支援しているが、三菱化学メディアだけは2010年、「Verbatim」としてギラヴァンツ北九州を支援した。
これは、同球団が北九州市の黒崎地区に今も工場を構える旧三菱化成のサッカー部を母体にクラブ化したという事情があるためで、旧ニューウェーブ北九州がJリーグへ昇格したことを機に、再投入した「Verbatim」ブランドの浸透を図る狙いも兼ねて、ブランド名でチームスポンサーとなっていた。
しかし、当の地元北九州市内にある家電量販店などでは、在庫限りとなった自社ブランド商品も含めて、売場に占めるこの会社の商品の割合は全国の他地域同様さほど高くない。録画機メーカーであるパナソニックやシャープ[6]にソニー、ライバルメーカーであるTDK(現在はイメーション社が販売)に日立マクセル、JVCケンウッド系のビクターアドバンスメディアなどと激しいシェア争いを繰り広げている状態である。また、家電量販店がギラヴァンツのスポンサーに1社も入っていないこともまた、シェアの伸び悩みに繋がっている面もある[7]。
加えてリーグ過去最悪の成績でシーズンを終わったこともあり、三菱グループの方針との矛盾を解消するため、僅か1年でスポンサーを降りる結果となった。
関連項目
土田晃之 - Verbatim宣伝隊長
参考文献
- 技術革新の戦略と組織行動 / 小山和伸著 、東京 : 白桃書房 、1998 274p 22cm
脚注
- ↑ テンプレート:Citeweb
- ↑ テンプレート:Citeweb
- ↑ 記録メディアには法規定なのか業界の自主規則なのかどうかはわからないが、メディア規格に加えて、製造事業者名と原産国を表示しなければならないことになっている。日本国内産の場合は原産国が「日本」として表記される。ちなみに、近年Blu-rayメディア事業に参入したシャープは、原料産地の一つ中東で製品化までしている。
- ↑ 現在日本で生産しているのは録画用BD-REなどごく僅か。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ ディスク原盤自体はイメーションからのOEM。
- ↑ ベスト電器は現段階ではアビスパ福岡のスポンサーにもなっていない。北九州市内にも多くの系列店舗があるデオデオはサンフレッチェ広島に深くかかわっている。他の有力量販店は全部九州島外の企業。ちなみに、プロ野球では九州内に店舗を構える殆どの量販店が、九州では福岡ソフトバンクホークスのスポンサー・パートナーとなっている。
外部リンク
- 三菱化学メディア株式会社 公式サイト テンプレート:Ja icon
- Verbatimブランドサイト