リクルート
テンプレート:Infobox 株式会社リクルートホールディングス(テンプレート:Lang-en-short)は、広告を主体にした、出版およびインターネットにおける情報サービス、人材紹介、教育など多方面に事業を手掛ける企業である(2012年10月の分社化に伴い、上記主要事業は新設会社に継承され、株式会社リクルートホールディングスは持株会社として経営面を主に手掛ける)。
目次
沿革
- 1960年、江副浩正が、大学が発行する新聞の広告代理店「大学新聞広告社」として創業。
- 1963年4月、社名を「大学新聞広告社」から「株式会社日本リクルートメントセンター」に変更。
- 1963年8月、社名を「株式会社日本リクルートセンター」に変更。
- 1984年、社名を「株式会社リクルート」に変更。
- 1988年、リクルート事件発覚
- 事件後、会社としての信用失墜と共にバブル経済の崩壊に伴い、マンション・不動産事業の子会社リクルートコスモスや、金融子会社のファーストファイナンスなどの不良資産問題が顕在化。グループ全体が窮地に追い込まれていく。
- 1992年、江副浩正が保有株式を中内功に譲渡、事実上のダイエーグループ入り。それまでのシンボルマークだった「かもめ印」はリクルート本体から消える(リクルートコスモスでは2006年の社名変更まで使われ続けた)。
- 2003年3月に創業者の江副浩正に東京地裁で有罪の判決が確定。
- 2005年6月、リクルートコスモスを企業買収ファンド連合へ譲渡。
- 2006年、 ファーストファイナンスの解散手続き開始。
- 2006年1月(株)三洋ヒューマンネットワーク(現・リクルートファクトリーパートナーズ)、3月(株)ホームプロ、11月(株)ゆこゆこ をそれぞれ子会社化
- 2007年2月(株)ジョブダイレクトを子会社化
- 2007年12月(株)スタッフサービス・ホールディングスを子会社化
- 2009年3月 東京地裁にてリクルート社員の労災認定(リクルート過労死裁判) [1]
- 2012年10月1日 株式会社リクルートホールディングスに商号変更[2]。併せて、当社並びにグループ会社のコーポレートロゴ(リクルートロゴ)を変更[3]。
概要
さまざまな分野で情報サービスを提供している。社員全員が参加できる新事業コンペを早くから導入し、若手社員でも自由に事業を起こすことができる開放的な社風であるという。人材輩出企業としても有名で、あらゆる業界にリクルート出身者が存在。MR(=元リクルート)会は、リクルート出身者による互助組織としての活動を行っている。
出版する情報誌からフリーター、就職氷河期、ガテン系など多くの流行語が生まれている。
1988年の、戦後最大級の疑獄事件ともいわれたリクルート事件の後、創業者である江副が経営から退くと共に、大手スーパー・ダイエーの創業者・社長(当時)の中内功へ保有株式が譲渡され、ダイエーの系列下に入ったが、ダイエーグループの業績悪化などにより2000年頃に離脱している。ダイエーグループ入りの際、ダイエーは「もの言わぬ株主」に徹する代わりに負債の肩代わりはしない立場をとった(ただし、ダイエー本社から中内功を含む数名の役員が送り込まれた)。このため、リクルートはダイエーより来た高木邦夫の下、バブル期の不動産やノンバンク事業の失敗で94年3月期に約1兆4,000億円あった有利子負債を自力で完済した。以降はどの企業グループにも属さず、情報サービス業としての中立性を維持しながら事業展開している。
2004年度から、旧日本郵政公社から3回にわたる一括売却で424の物件を落札したのが、リクルートコスモス、および、商号を変更した株式会社コスモスイニシアを代表とする共同購入者。
2012年10月1日より当社は持株会社となり、事業は以下の新設会社に継承された[4]。
- リクルートキャリア - 社員募集領域(リクナビなど)
- リクルートジョブズ - 人材募集領域(タウンワークなど)
- リクルート住まいカンパニー - 住宅領域(SUUMOなど)
- リクルートマーケティングパートナーズ - 結婚、進学、自動車等領域(ゼクシィなど)
- リクルートライフスタイル - 日常消費領域(ホットペッパーなど)
- リクルートアドミニストレーション - アドミニストレーション機能
- リクルートコミュニケーションズ - 制作・宣伝・流通機能
- リクルートテクノロジーズ - IT・マーケティングテクノロジー開発機能
2008年3月期末現在の株主
括弧内は、所有株式の割合を示す。
- リクルート社員持株会 (20.8%)
- 大日本印刷株式会社 (5.0%)
- 東京電力株式会社 (5.0%)
- 凸版印刷株式会社 (5.0%)
- 株式会社電通(5.0%)
- 三井物産株式会社 (5.0%)
- 農林中央金庫(4.2%)
主なサービス
Webサイト
- リクナビ(大学生のための就職ポータルサイト)
- リクナビNEXT(社会人のための転職サイト)
- Tech総研(エンジニアのための「仕事・職場・転職」ポータルサイト)
- アントレnet(独立、開業、フランチャイズ情報サイト)
- フランチャイズ成功ナビ(フランチャイズ加盟情報サイト)
- ISIZE(各情報誌と連動したポータルサイト)
- SUUMO(旧・住宅情報ナビ、不動産検索サイト)
- フォレント.jp(賃貸物件検索サイト)
- ハウジングナビ(ハウスメーカー・工務店検索サイト、住宅商品・施工実例・設備商品検索サイト)
- Goodリフォーム.jp(リフォーム会社、施工実例検索サイト)
- カーセンサーnet(中古車検索サイト)
- 進学ネット(高校生向けの進学ポータルサイト)
- 受験サプリ(大学受験の応援サイト)
- ドコイク?(お店探しのポータルサイト)
- ここカラダ(医療情報ポータルサイト。三井物産との共同出資会社が運営)
- キーマンズネット(IT製品情報の比較検討サイト)
- B-ing.jp(転職情報サイト)
- ホットペッパーグルメ(全国の飲食店検索サイト)
- ホットペッパーBeauty(美容室/ネイルサロン・リラクゼーションサロンの検索・予約サイト)
- ホットペッパーきっかけレッスン(レッスンの発見・予約サイト)
- じゃらんnet(宿泊予約サイト)
- オー人事.net(事務派遣サイト)
- 働くナビ!(製造業務派遣サイト)
- エンジニアガイド(ITエンジニア派遣サイト)
- スタッフサービス・メディカル(看護職・医療職・介護職派遣サイト)
- カーセンサーエッジnet(輸入車・プレミアカー検索サイト)
- C-team(クラウドソーシングを使ったバナー作成サイト)
- はたらいく(地域密着型転職情報サイト)
- タウンワークネット(アルバイト求人情報サイト)
- フロム・エー ナビ(アルバイト情報サイト)
- ポンパレ(フラッシュマーケティング型チケット共同購入サイト)
- みんなの求人板(アルバイト情報サイト)
- Indeed (求人検索サイト)
停止・終了のサービス
情報誌
雑誌(市販)扱いのもの(フリーペーパーは除く)
- 月刊ハウジング(注文住宅・リフォーム情報誌)
- 都心に住む bySUUMO(東京都心部のマンション情報誌)
- じゃらん(国内旅行情報誌)
- アントレ(代理店・フランチャイズ情報誌)
- ケイコとマナブ(各種スキルアップ教育系情報誌)
- ゼクシィ(ブライダル情報誌)
- カーセンサー(中古車売買情報誌)
- カーセンサーエッジ(輸入車を始めとするプレミアムカー情報誌)
- eyeco(エコロジー情報誌)
- 赤すぐ(妊娠・出産・育児グッズの通販情報誌)
- 赤すぐキッズ(幼児向けグッズの通販情報誌)
- 妊すぐ(妊娠・出産グッズの通販情報誌)
廃刊された情報誌
- 職業系(求人情報誌)
- じゃマ~ル - 1996年創刊。個人広告を全国に発信する画期的な雑誌だったが、トラブルの増加とインターネットの普及に伴い、2000年に休刊
- エイビーロード - 海外旅行情報誌 ※2006年10月号(9月9日発売)をもって休刊し、Webに移管
- あるじゃん - ビギナー向けマネー情報誌 ※2007年4月より子会社のオールアバウトへ編集部門を移管(発行元はリクルート)
フリーペーパー
- タウンワーク(2000年に創刊された無料の地域密着型求人誌。毎週月曜日発行。全国89版)
- タウンワーク社員(正社員専門求人誌)
- とらばーゆCASUAL(女性向け求人誌)
- ホットペッパー(主に女性向けのクーポン付地域情報誌)
- R25(25歳以上の男性をターゲットにして2004年夏に創刊された総合週刊誌)
- L25(25歳以上の女性をターゲットにして2006年11月に創刊された総合週刊誌)
- SUUMOマガジン(旧・住宅情報タウンズ、地域型住宅情報誌)
- SUUMO新築マンション(旧・住宅情報マンションズ、地域型住宅情報誌)
廃刊されたフリーペーパー
- CAR SMILE(2006年から2007年にかけて関東地区限定で発行されていた中古車情報誌、終刊)
- フロム・エーZERO(アルバイト情報誌、関西・東海地区のみ,タウンワークに統合)
諸問題
- 2004年5月、リクルート出身者が在職時に所有していた自社の持ち株を同社に売却した際の売却益の集団脱税が朝日新聞他、新聞各紙で伝えられる。
- 2007年、アルバイトやパートタイマーなどの雇用形態で働く「フリーター」や仕事に就いていない「ニート」と呼ばれる若者を対象とした、経済産業省所管の就業支援事業『ジョブカフェ』において、同省からの孫請けで事業を行っていたリクルートなどの3社が、スタッフ1日当たりの人件費として50,000円〜120,000円もの極めて高額な賃金を計上していることが発覚した[5][6][7]。この問題は当時の野党議員が国会でも厳しく追及し、同社の“ニート利権”が問題視された[8]。
- 2009年3月、リクルート社員(当時29歳)が、くも膜下出血で死亡したのは過労が原因として、社員の両親が国に労災認定するよう求めた訴訟の判決が東京地裁であり、裁判では死亡と過労の因果関係を認め、国の不認定処分の取り消しを命じた。社員の死亡前半年の残業時間は毎月約25~83時間だった。裁判では残業時間について、「過少申告している可能性がある」と指摘。休日出勤していたことや、仕事を自宅に持ち帰っていたことなども総合的に考慮して過労死と結論付け、労災認定しなかった国の処分を違法とする判断を下した。
出身の著名人
- 政界
- 加藤公一 - 2000年6月より2012年まで民主党衆議院議員(4期)、元法務副大臣
- 辻清人 - 2012年12月より自由民主党衆議院議員(1期)
- 根本幸典 - 2012年12月より自由民主党衆議院議員(1期)
- 花咲宏基 - 2009年8月より2012年まで民主党衆議院議員(1期)
- 吉村美栄子 - 2009年2月より山形県知事(2期)
- 教育界
- コンサルティング関連
- 海老原嗣生 - コンサルタント、ニッチモ代表取締役。漫画『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』の主人公・海老沢康生のモデル
- 小笹芳央 - リンクアンドモチベーション代表取締役会長
- 高城幸司 - コンサルタント、セレブレイン代表取締役社長
- 常見陽平 - 人材コンサルタント
- 安田佳生 - 元ワイキューブ代表取締役社長
- IT・マーケティング関連
- 江幡哲也 - オールアバウト代表取締役社長
- 木下勝寿 - 北の達人コーポレーション代表取締役
- 杉本哲哉 - マクロミル代表取締役会長兼社長
- 高橋信太郎 - GMOアドパートナーズ代表取締役社長
- 経沢香保子 - トレンダーズ代表取締役
- 中村利江 - 夢の街創造委員会代表取締役社長
- 水野昌広 - メディックス代表取締役社長
- 出版関連
- いしいしんじ - 小説家
- 大石圭 - 作家
- 垣根涼介 - 小説家
- 福田峰夫 - 元角川書店代表取締役社長、元ジュピターテレコム代表取締役副社長
- 宮田珠己 - 旅行エッセイスト
- 山中登志子 - 編集者。ベストセラー『買ってはいけない』の企画・編集・執筆
- スポーツ関連
- 金哲彦 - 元陸上競技選手
- 島田亨 - インテリジェンス創業メンバー、元楽天野球団代表取締役社長
- 高塚猛 - 旧・福岡ダイエーホークス代表取締役社長兼オーナー代行
- 村井満 - 第5代Jリーグチェアマン
- その他
- 有馬晴海 - 政治評論家
- くらたまなぶ - リクルート時代に14の情報誌創刊に携わる
- KEN THE 390 - ヒップホップミュージシャン
- 斎藤由多加 - ゲームクリエイター。「シーマン」開発者
- 永谷亜矢子 - 東京ガールズコレクション仕掛け人
- 東野美紀 - ゲームミュージックの作曲家。
- 松永真理 - NTTドコモ「iモード」開発者
- 丸々もとお - 夜景評論家
- 三宅洋平 - ミュージシャン、政治活動家
関連企業
- スタッフサービス(人材派遣会社)2007年12月28日に連結子会社化
- リクルートマネジメントソリューションズ
- リクルートエージェント(転職人材斡旋)
- リクルートHRマーケティング
- リクルートメディアコミュニケーションズ
- リクルートスタッフィング(人材派遣会社)
- リクルートファクトリーパートナーズ(製造・設計請負会社)
- リクルートドクターズキャリア(医師・看護師転職支援サービス)
- リクルート北関東マーケティング
- ガーディアン・ガーデン(ギャラリー)
- ネクスウェイ(FAX同報サービス)
- リクルートR&Dスタッフィング
- ニジボックス (インターネット企業)
他
合弁会社
- メディアシェイカーズ - 株式会社電通との合弁会社
- アールスリーヘルスケア - 三井物産株式会社との合弁会社
- ホームプロ - 大阪ガス、NTT西日本、NTT東日本との合弁会社
- ブログウォッチャー - 株式会社電通との合弁会社
過去の関連会社
- メディアファクトリー 『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム・白き英雄 レシラム』でのDVD・ブルーレイ発売前、2011年11月15日付で、全株式を角川グループ(角川グループホールディングス)へ譲渡し、関連会社から外れた。
脚注
関連項目
- 木内孝胤(元衆議院議員。メリルリンチ日本証券時代に、マネージング・ディレクターとしてリクルートによるスタッフサービス買収に関与)
- コスモスイニシア(旧・リクルートコスモス)
- オービックシーガルズ(アメリカンフットボール「Xリーグ」のクラブチーム。旧・リクルートシーガルズ)