ミネルバ・マクゴナガル
ミネルバ・マクゴナガル(テンプレート:Lang-en-short)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の魔女である。
目次
概要
主人公ハリー・ポッターの在籍するホグワーツ魔法魔術学校の教師。母校の副校長として「変身術」を教えつつ、グリフィンドール寮の寮監も担当している。
登場巻
人物
名前
ファーストネームの「ミネルバ」は、彼女の曾祖母にちなんだ名前であり、ローマ神話に登場するミネルウァに由来する。
外見
ひっつめ髪と四角い眼鏡、タータン・チェックが特徴。
来歴
作品以前[1]
1925年10月4日、魔女の母イゾベル・マクゴナガル(旧姓ロス)とマグルの父ロバート・マクゴナガル・シニアの間に長女として生まれる。
イゾベルは優秀な魔女であったが、マグルの牧師であるロバートには自身が魔女であることを隠して結婚し、マグルの村で生活していた。ミネルバが魔法力を示し始めると、苦悩の末イゾベルはロバートに自身が魔女であることを告白。ロバートは妻を拒絶しなかったものの、周囲の村人に魔法を隠さなければいけない生活に苦悩するようになる。
その後、ミネルバの弟マルコム・マクゴナガル、及びロバート・マクゴナガル・ジュニアが誕生。ミネルバと母は弟の魔法も父から隠さねばならなくなる。
1936年10月4日、ミネルバの11歳の誕生日にホグワーツ魔法魔術学校の入学許可証が届く。その際、母は魔法を自由に使えるようになるミネルバに対し、誇りのみならず嫉妬の感情も抱く。
1937年9月1日、ホグワーツ魔法魔術学校に入学。グリフィンドール寮とレイブンクロー寮の間で5分半組み分けに悩むも、最終的にグリフィンドール寮に組み分けされた。
在学中は非常に優秀な成績を修め、特に変身術に才能を発揮し、学年で最も傑出した生徒と認識されていた。OWLとNEWTではトップの成績を修め、監督生と首席にも選ばれ、「変身現代」による最も将来有望な新人賞(原文:Transfiguration Today Most Promising Newcomer award)を受賞。また当時の変身術教授アルバス・ダンブルドアの手ほどきにより在学中に猫の動物もどきを習得。また、優れたクィディッチ選手としても活躍していたが、最終学年時にスリザリン寮との優勝決定戦で重傷を負う。このことから、クィディッチでスリザリン寮に対して猛烈な敵対心を抱くようになる。
1944年夏、ホグワーツを卒業する。魔法省魔法法執行部に就職が決まっていたが、就職までの夏の期間を実家で過ごす。この時、農場経営者の息子でマグルのドゥーガル・マクレガーと恋に落ちる。ミネルバは彼からのプロポーズを一旦受け入れたが、マクレガーが農家を継ぐことになっており、結婚したら母と同じくマグルの村で魔法を隠して生活することになることから、心変わりを理由に結婚を断る。
その後、魔法省に就職するが、反マグル主義の同僚になじめないこともあり、あまり仕事にやりがいを見出すことができなかった。
1956年、魔法省で2年間働いた後、昇進を断り退職。同年12月、かねてより求職していたホグワーツの変身術の教職につく。その後、母よりマクレガーの結婚を聞き、ショックを受けるが、ダンブルドアに慰めてもらったりしたことにより、以降ダンブルドアと信頼関係を築くようになる。
1970年代、不死鳥の騎士団に参加。
1981年10月31日、ヴォルデモートのポッター家襲撃によりポッター夫妻が死亡。翌11月1日、猫の姿でダーズリー家を偵察し、ハリーをダーズリー家に預けることに反対する。
1982年夏、マクレガーの死去により、かねてより求婚を受けていた魔法省時代の上司、エルフィンストーン・アーカートと結婚を決め、ホグズミードに購入した新居で夫と共に暮らすようになる。ただし、ミネルバが男女同権思想を持っていたため、結婚の際に姓を変えることはなかった。
1985年頃、夫が有毒食虫蔓に噛まれ死亡。ミネルバは住居をホグワーツに戻し、以降は仕事に専念するようになる。
作品中・終了後
1991年9月1日、ハリー・ポッターがホグワーツに入学。ハリーの飛行の才能を見出し、ニンバス2000を買い与える。
1992年、賢者の石を守るため、巨大チェスの仕掛けを作る。
1993年、「秘密の部屋」事件に際し、ダンブルドアが校長を停職になり、一時的に校長の代理を務める。同年9月、ハーマイオニーに全科目履修のため逆転時計を貸す。
1995年夏、ヴォルデモートの復活に伴い、活動を再開した不死鳥の騎士団の一員となる。マグルの服で活動を行っていた。
1996年6月、ドローレス・アンブリッジの策により闇祓いに重傷を負わされ、聖マンゴ魔法疾患傷害病院に入院するが、程なく退院する。
1997年6月、ホグワーツ城天文塔の戦いに参加。ダンブルドアの死により、再び校長代理を務める。9月1日にセブルス・スネイプが校長に就任したことにより、再び副校長に戻る。
1998年5月、分霊箱を探しに学校に戻ってきたハリーに遭遇。カロー兄妹を拘束し、ハリーがダンブルドアの命令で活動していると知ると、学校をヴォルデモートの手から守ることを決意。その後は最前線で指揮を取り、校長のスネイプを撃退、他の寮監に指示を出し、甲冑や石像に学校を守ることを命令。その後、生徒に避難の指示を出し、成人の学生は戦ってもいいことを許可した。停戦後はキングズリー、スラグホーンと共にヴォルデモートと戦った。
ヴォルデモートの死後、正式にホグワーツの校長に就任。ただし、高齢のため2017年時点では退職している。
性格
厳格・公正な人物で滅多に笑顔を見せないが、決して冷淡ではなく、情に厚い一面も見せる生徒想いの人物。
寮対抗クィディッチ試合に関しては、試合の直前になると急に宿題を出さなくなったり、グリフィンドールチームとの試合中にスリザリンチームが卑怯な行為をすると、生徒を静める立場でありながら生徒以上の罵声を浴びせたりするなど、自分の寮を贔屓する傾向がある(それでも彼女が贔屓をするのはこういった時期ぐらいであり、普段は一貫して規則を厳正に適用する厳しい先生である)。1巻では、ハリー・ポッターの飛行に関する才能を知って「1年生はチームに入れない」という規則を変更、彼をグリフィンドールチームに加えた上に、ニンバス2000を直々に与えている。ただし、寮の得点に関してはグリフィンドール生であっても一切容赦せず、グリフィンドールから合計150点という作中最大の大減点を行ったのもマクゴナガルである。
また皮肉屋でもあるようで、2巻ではギルデロイ・ロックハートに対し、彼が逃げ出すと承知の上で「秘密の部屋」の怪物退治を任せている。この他、シビル・トレローニーやドローレス・アンブリッジに対しても皮肉を言う場面がたびたび描かれる。
才能
在学中よりOWLやNEWTの試験でトップの成績を修めるなど、学年一の秀才であり、特に変身術には希有な才能を発揮し、在学中に賞を獲得したり動物もどきを習得したりするなど、非常に優れた魔法の才能を持っている。
なお、動物もどきについては、目の周りに眼鏡と同じ模様があるトラ猫に変身できる。20世紀中(ただし1993年以前)には7人しかいない、魔法省公認の動物もどきの一人であり作中では唯一の存在だが、同時に作中に出てきた動物もどきの中で唯一習得に至る動機を持っておらず、当人的には単純に変身術の幅広い研究の途中で習得したに過ぎない模様。この動物もどきの能力は、ダーズリー家の偵察などの不死鳥の騎士団の潜伏業務で使用されている。
守護霊の呪文を行使することもでき、第7巻ではメッセージを伝える守護霊を一度に3体出していた。なお守護霊は変身時の自分同様に目の周りに眼鏡と同じような模様のある猫。
第1巻では魔法のチェスの仕掛けを作るなど頭脳も明晰であり、また身体能力もあるようで、第7巻ではスネイプを撃退するなど決闘にも優れており、学生時代はクィディッチで活躍したことから飛行も得意と思われる。
ダンブルドアの存命中は、ダンブルドアを頼りにしてしまうことが多かったが、第7巻のホグワーツの戦いで指揮を取り、後に校長に就任するなど、統率能力もあると思われる。
人間関係
アルバス・ダンブルドアからの信頼は厚く、彼が校長を務めるホグワーツで副校長を務めていることからもそれが窺える。作中ではダンブルドアの不在に伴い校長職の代理を幾度か務めている(ハリー・ポッターと秘密の部屋2巻、6巻)。1970年代のヴォルデモート恐慌時代、及び5巻からは不死鳥の騎士団にも協力している。ミネルバも、ダンブルドアには多大な敬意と忠誠を示しており、第6巻でスネイプがダンブルドアを殺害したと知ったときは大きくショックを受けていた。
教師仲間との関係は概ね良好であり、特にフィリウス・フリットウィックやポモーナ・スプラウトと仲が良いようで、「教育令第二十六号」が発布されていた時期は、3人で話しているのが見慣れた光景になっていた。ただし、ルビウス・ハグリッドについては、うっかりしている面があることから、完全には信頼できていない様子。また、同僚を悪く言わないことを信条としているが、トレローニー及び彼女が担当している占星術を胡散臭い目で見ることもある。一方でアンブリッジとは極めて険悪な関係にあった。セブルス・スネイプに関しては、かつて死喰い人であったことから、内心疑念を抱きつつも、ダンブルドアの言を信じて、クィディッチで対抗意識を燃やすなどしていたが、味方だと信じていた。しかし6巻で彼がダンブルドアを殺害したと知って失望し、敵対することとなる。物語終了後はスネイプに対する誤解は解けたと思われる。7巻ではアーガス・フィルチの「生徒がベッドを抜け出している」という報告に「今はそうすべき時なのです、救いようのない馬鹿!」と罵倒することもあったが、普段の対応は定かではない(この時は切羽詰まった場面であったからであると思われる)。
生徒に対しては、厳格に接しつつも、情を持って接している様子が描かれている。ハリーに対しても、第1巻での夜中の外出、第5巻や第6巻でドラコ・マルフォイを攻撃した際などは厳しく叱っているが、その反面、第2巻ではハーマイオニーの見舞いに来た際に涙を流したり、第5巻でアンブリッジの罰則を受けることになった際に優しく諭したり、第7巻では死んだふりをしているハリーを見て絶望して真っ先に叫び声を上げるなど、ハリーたちに対する愛情が伺える。また、ドラコ・マルフォイやマリエッタ・エッジコムなど、敵対勢力に当たる生徒にも一定の愛情はある様子。
また、オーガスタ・ロングボトムとは親しく、ネビルのホグズミード許可証や成績についてのコメントを直接やりとりしている他、オーガスタの学生時代の成績を知っている事からも親しかった事が伺える。
映画・ゲーム
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を除く全作品に登場。マギー・スミスが演じていた。日本語版の吹き替えは谷育子が担当した。原作と異なり、眼鏡を掛けているシーンがあまり登場しなかった。
『死の秘宝 PART2』ではホグワーツ魔法魔術学校の戦いの時校内の石像に魔法をかけた後、「この呪文一度使ってみたかったんですよ」と茶目っ気のある一面も覗かせた。
ゲームでは弥永和子が日本語版の声を担当していた。
脚注
- ↑ 『ポッターモア』より
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