ホンダ・アコードツアラー

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アコードツアラー(Accord tourer)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたステーションワゴン型の乗用車である。

本項目では先代モデルのアコードワゴン(Accord wagon)についても述べる。

概要

初代モデルは1991年に登場し、日本国内で開発してアメリカで現地生産が行われていたが、2代目はホンダのアメリカ法人で開発・生産され、日本、欧州オセアニアなどで販売された。3代目以降はアメリカでのステーションワゴンタイプが廃止されたため、日本で開発・生産された。

構造的には3代目に設定されていたアコードエアロデッキとは異なり、5ドアのステーションワゴンとして開発された。セダンとBピラーより前側を共有し、後側がワゴン専用設計となる。室内もリアシートより前側はセダンとほぼ共通である。多くのステーションワゴンが収容力を重視して直立したテールゲートを採用する中、C、D両ピラーの中間付近からウエストラインに向けて斜めに傾斜したテールゲートのデザインが特徴的であった。このデザインはテールゲートのヒンジが車両後端から離れるため、テールゲートの舞い幅を小さくし、狭い場所での開け閉めが楽になるという利点もある。このデザインコンセプトは3代目まで維持されたが、現行の4代目では一般的な直立テールゲートに変更された。

なお、同社で生産されているオデッセイのベースとなっており、初代オデッセイ/アコード(ワゴンを含む)のAピラーより前方、エンジンルームおよびタイヤハウス周辺のフレームのみ、ほぼ共通の構造を採用している。

アコードワゴン

初代 CB9型(1991-1994年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 1991年に登場し、日本では4月4日に発売された。エンジンはF22A型のみで、4代目セダンをベースに日本国内およびホンダR&Dノースアメリカ(HRA)がデザイン・開発を、ホンダ・オブ・アメリカ・マニファクチャリング(HAM)が生産を担当した。Bピラーより前をセダンと共用するため、基本的なボディサイズは国内の5ナンバー枠に準じており、室内幅もセダンと同じであるが、ドアモールの厚さから全幅の差が付いている。

ちなみにアメリカでは「アコードワゴン」、日本では「アコード・U.Sワゴン」と称されたが、欧州およびオセアニアでは3代目のハッチバックである「アコードエアロデッキ」が好評だったため、名称が引き継がれた。

ステーションワゴンとしての基本装備はおさえられており、テールゲート部を低く抑え滑り止め加工をしたリヤバンパーや、外側にオフセットされたエキゾーストパイプなどを備える。後席の前倒によるフラットな荷室の拡大が可能であったが、前述の傾斜したテールゲートと、セダンと同じダブルウィッシュボーン形式のリヤサスペンションの荷室への張り出しが大きいことから、荷室の使い勝手がやや犠牲にされている。

日本向けには当初「2.2i」のみのモノグレード構成で運転席エアバッグサンルーフ、ブロンズガラス、アルミホイールフォグランプなどが標準装備だった。外装はダークグレー、ダークブルー、ワインレッドの3色、内装にはベージュカラーと、グレーベースのカラーが用意されていた。1992年2月にマイナーチェンジが行なわれ、「2.2i」にABSが標準装備された。同年6月サンルーフ、ABS、アルミホイール、フォグランプなどが省略された廉価版の「2.2i-R」が追加設定された。

日本国内でもスタイリッシュなステーションワゴンとして人気を呼び、約3年間での販売台数は3万8千台にのぼった。一時は数か月の納車待ちが発生した。

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2代目 CE1/CF2型(1994-1997年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 1994年2月23日に登場。当初、エンジンは初代と同じくF22B型のみだったが、後期型にはプレリュードに搭載されていたH22A型が追加される。このモデルもアメリカで開発・生産された3ナンバー専用ボディであったものの、アメリカ本国ではステーションワゴンからミニバンへと消費者の嗜好が変化し、売り上げは伸びなかった。反面、日本国内ではこのクラスのワゴンにしては比較的安価だった上、社外パーツも各社より豊富にリリースされたため、輸入車としては過去に例がないほどの異例の人気を博した。

発表当時は「Vi」と「VTL」との2グレード構成。全車に充電式キーレスエントリーが装備されていたが、米国仕様が電波式だったのに対し、日本仕様は電波法に抵触する懸念から赤外線式に改められた。

1995年9月に1回目のマイナーチェンジが行なわれた。フロントグリル変更(Hマーク内蔵型)やリヤサイドマーカーの標準化を実施し(これらの変更が前期型と中期型の判別ポイント)、全モデル運転席SRSエアバッグを標準装備した。バンパーの変更により全長が+10mmの4,780mmとなり、VTLからアルミホイールやクルーズコントロール、助手席SRSエアバッグなどを省いた中間グレードの「ViX」が追加された。以後、このViXがもっとも販売比率が高かった。

1996年3月、ボディーカラーにフロストホワイトが追加された。

1996年9月に2回目のマイナーチェンジが行なわれた。フロントグリルの格子がめっきからカラードになるとともに、ボディーカラーにソラリスシルバーが追加された。また、全モデル前席SRSエアバッグを標準装備し、ViXにはプライバシーガラスが標準装備となった。同時にDOHC VTECエンジンのH22A(ちなみにこのエンジンは日本で生産された)搭載の「SiR」がそれまでの最上級グレード「VTL」に代わり追加された(それにより、クルーズコントロールの設定車がなくなった)。SiRの専用装備として、フロント大径ブレーキや専用ヘッドライト(ブラックアウトされていて、アコードクーペに標準装備のものと同一)、専用アルミホイール、ブラックカラーの専用シートが設定された。 テンプレート:-

3代目 CF6/7/CH9/CL2型(1997-2002年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 1997年9月4日に登場。このモデルから日本国内での生産・専売となり、正式に「アコードワゴン」となった。またセダンには姉妹車トルネオが存在したが、トルネオにはワゴンが設定されなかった。

エンジンはF23A型のみであったが、1999年の「SiR」グレード追加にあたって、H23A型が追加された(どちらもハイオク仕様)。トランスミッションは、ATがゲート式4速ATにマニュアルモードが付いたSマチックのみ設定。HIDが標準装備だった。

スタイリングにおいてリアガラスが緩やかに傾斜しており、他のモデルよりラゲッジルームの積載容量は少ない。車体サイズも、5ナンバー枠の車体をフェンダー形状による増量で3ナンバー枠に拡大しているため、他のモデルより車体が小さい。型式はCF6/7(F23A 搭載車)、CH9(H23A FF)およびCL2(H23A 4WD)。なお、H23A搭載モデルは剛性向上の目的でハブとホイールが従来のPCD114.3/4穴から114.3/5穴に変更され、以降の代ではすべてこの規格を採用している。

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4代目 CM1/2/3型(2002-2008年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 アコードより1か月半ほど遅れて2002年11月28日に登場した。

エンジンはすべて新開発のK24A型となり、アコードセダンやオデッセイアブソルートに搭載されている200PSと、エリシオン(2.4L)やCR-Vに搭載されている超低排出ガス仕様の160PSの2種類のエンジンが搭載された。違いは排気口が両出しが前者(グレード:24T)、右側のみのものが後者(グレード:24E)である。

スタイリングを大幅に変更し、ハヤブサをモチーフに設計されたウイングルーフを採用し、先代の反省を生かし、後方部も傾斜式からごく普通の直立式になっている。さらにリアシートが可倒式となっており、カーゴスペースが増大した。型式はCM2/3である。

ステーションワゴン初の電動式リアテールゲートが採用された。また、ヘッドライトは鋭く、セダン同様ドアミラーウインカーを標準装備しており、リアコンビネーションランプは従来の台形風から丸型重視の横長のテールランプとなる。トランスミッションは全グレードSマチック付きで、先代のゲート式からストレート式になったが、先代の4速から5速になった。また、「24T」と「24T・エクスクルーシブパッケージ」にはオプション設定でHonda インテリジェント・ドライバーサポート・システムインテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロールレーンキープ・アシストシステム)が装備できる。

また、欧州では「アコードツアラー」として販売されており、日本には設定のない6速MT車やN22A型(i-DTEC)エンジンを搭載したモデルも設定されている。

2004年10月21日にグレード整理が行われ、「24E・エクスクルーシブパッケージ」が「24E・プレミアムパッケージ」に変更となり、新たに最廉価グレードとしてK20A型を搭載した「20A」(型式 CM1)がラインアップされた。

2005年11月24日にマイナーチェンジが行われた。「24T」シリーズはアコードセダン同様の「タイプS」となり、「24E」シリーズは「24EL」となった。

  • CM1 - 2.0L
  • CM2 - 2.4L(FF)
  • CM3 - 2.4L(4WD)

ニッポン放送ラジオカー3号として、アコードワゴンが使用されていた。車体は黄色に塗装され、ボンネットにはフジサンケイグループのロゴマークがつけられていた。

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アコードツアラー

初代 CW1/2型(2008-2013年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 5代目の欧州仕様(アコードツアラー)は、2007年9月11日から23日まで行われたフランクフルトモーターショーにコンセプトモデルが出展され[1]2008年2月11日に同年6月より販売されることが発表された[2]

日本では折からのステーションワゴンの販売低迷もあり、生産終了がささやかれていたが、セダンと同様でフルモデルチェンジが行なわれた。名称は、登場から4代目まで17年間使われてきた「アコードワゴン」から、欧州仕様と同じ「アコードツアラー」に変更された。ベースモデルであるアコード(セダン)は「アキュラ・TSX」としてすでに投入済みであり、ツアラーの方も2010年秋頃にアキュラブランドにて「TSXスポーツワゴン」として投入された。コンセプトは「ニッポンを面白い方へ連れて行け

この代では、室内幅を拡大するべくボディを先代比で80〜90mm拡幅した。また、専用の片側スポット溶接設備・工程を導入し、ルーフとピラーとの結合効率を向上させている。シャシーは低重心化を図ったほか、フロントピラーは4代目ホンダ・オデッセイと同様に高張力鋼材を多用した構造を採用し、太さを先代ワゴンから18%スリムにすることにより視界の向上を計った。

安全性の向上としては、サイドカーテンエアバッグなど6つのエアバッグや、車両挙動安定化制御システム(VSA)と協調し車両の挙動を安定させる操舵力アシスト機能(モーションアダプティブEPS)全グレードに標準装備している。併せて、自己保護性能と相手車両への攻撃性低減、歩行者傷害軽減を性能を従来より向上したボディを採用した。先代と同様に、高速道路での運転負荷を軽減する車速・車間制御機能(ACC:アダプティブ・クルーズ・コントロール、先代のIHCC)をオプション設定し、車線維持支援システム(LKAS)を一部グレードに標準装備した。

  • 2008年10月16日 - スペシャルサイトが公開された。
  • 2008年12月4日 - フルモデルチェンジが行なわれた(販売は翌12月5日)。エンジンは、8代目アコード同様 全車プレミアムガソリン(ハイオク)仕様のK24A型に統一し、グレード体系もアコードと同様となった。
  • 2011年2月24日 - マイナーチェンジが行なわれた。2.4L車は新たな専用装備を追加した「Type S」・「Type S・アドバンスパッケージ」に絞り、新たにレギュラーガソリン仕様のR20A型を搭載した「20TL」・「20TL・スマートスタイルパッケージ」を追加した。なお、新グレードの「20TL」は「平成22年度燃費基準+25%(「20TL・スマートスタイルパッケージ」は「平成22年度燃費基準+20%」)」を達成している。
  • 2012年4月3日 - 一部改良が行なわれた。「20TL・スマートスタイルパッケージ」に替わって、リンクアップフリー(装備された専用通信機器でのデータ通信料が無料)に対応したHondaインターナビ、フルセグテレビチューナー、本革巻ステアリングホイールなどを標準装備した「20TL・インターナビパッケージ」を追加するとともに、「Type S」にもリンクアップフリーを追加した。
  • 2013年3月 - 日本国内での販売が終了し、公式ウェブサイトも削除される。海外では引き続き販売される。

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搭載エンジン

取扱販売店

関連項目

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外部リンク

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