ホンダ・R型エンジン
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R型エンジン(Rがたエンジン)は、本田技研工業で製造されている中型車種用の直列4気筒ガソリンエンジンである。
機構
従来のD17A及びB20Bの後継エンジンにあたる、直列4気筒 SOHC 16バルブ クロスフロー エンジンである。回転方向は、当時の同社 他型式エンジンと同様に逆時計回り[1]である。
吸・排気バルブはそれぞれ2個ずつで、タイミングチェーンで駆動されるカムシャフトにより、ロッカーアームを介し開閉される。吸気バルブは、i-VTECによる「可変吸気量制御」が採用されており、ミラーサイクルとオットーサイクルの切り替えにより、高出力と低燃費の両立を実現している。ミラーサイクルは、低負荷走行時に吸気バルブの片側を遅閉じ[2]で行い、一度吸気した混合気をピストンの上昇行程で押し戻している。吸気バルブの遅閉じは通常より作用角の広いカムに切り替える事で実現している。
シリンダーブロックのボアピッチは、D型の84mmから88mmへと拡大されているが、細幅カムチェーンやオイルポンプ内蔵のチェーンケースなどにより、コンパクト化、軽量化に成功している。ピストンはオイルジェットで冷却され圧縮比が高められている。エキゾーストマニホールドが無く、エンジンと三元触媒との間隔を近づけ、冷間時でも早期から排気ガスの浄化を可能にし、軽量やコンパクト化にも貢献している。
歴史
- 2005年9月28日に発表された8代目シビックに、1,800ccのR18Aが初めて採用された。
- 2006年7月13日に発表された2代目ストリームに、R18Aに対し96.9mmまで超ロングストローク化、3ステージ可変管長インテークマニホールドとバランサーを採用した2,000ccのR20Aが採用された。
バリエーション
R16A
- 弁機構:SOHC i-VTEC チェーン駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,595cc
- 内径×行程:81.0mm×77.4mm
- 圧縮比:10.5
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(FD4 シビック)
- 最高出力:91kW(125PS)/6,300rpm
- 最大トルク:151Nm(15.6kgm)/4,300rpm
- シビック(FD4 シンガポール向け)
R18A
- 弁機構:SOHC i-VTEC チェーン駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,799cc
- 内径×行程:81.0mm×87.3mm
- 圧縮比:10.5
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(RN6 ストリーム)
- 最高出力:103kW(140PS)/6,300rpm
- 最大トルク:174Nm(17.7kgm)/4,300rpm
- ストリーム(RN6/7)
R20A
- 弁機構:SOHC i-VTEC チェーン駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,997cc
- 内径×行程:81.0mm×96.9mm
- 圧縮比:10.6
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(CU1 アコード)
- 最高出力:115kW(156PS)/6,300rpm
- 最大トルク:189Nm(19.3kgm)/4,300rpm
- ストリーム(RN8/9)
- アコード(CP1 アジア向けインスパイア)
- アコード(CU1)
- アコードツアラー(CW1)
- ステップワゴン(RK1/2/5/6)
- CR-V(RM1)
搭載されていた車種
R18A
R20A
- クロスロード(RT3/4)
- CR-V(RE2/5 EU向け)
脚注
- ↑ 出力取出軸端より見た時の回転方向。JIS B 8001による。なお、J型エンジン以前に開発された他型式エンジンは、時計回りであった。
- ↑ 開発段階ではバルブ早閉じも試みられたが、混合気の温度が断熱膨張で下がり、霧下したガソリンの凝縮により燃焼が悪化することから、遅閉じが採用されている。
関連項目
外部リンク
- 本田技研工業(オフィシャル)