チェッカー
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テンプレート:Otheruseslist ボードゲームのチェッカー(テンプレート:Lang-en-short)は、相手の駒を穫り合うゲーム。赤・黒12個ずつの丸い駒と、縦横8マスのチェスボードを用いる。ドラフツ(draughts)、西洋碁とも呼ばれる。
ルール
ゲームの目的
相手の駒をすべて穫るか、相手が動けない状態にすること。
イギリス式チェッカーの基本ルール
- チェスボードの黒マスだけを使う。
- 競技者双方は交互に、盤上にある自分の駒を一回ずつ動かす。
- 最初に自分が座っている側の3列に12個の駒を配置する。図参照
- 駒は常に斜めに動く。初期状態では各駒は斜め前の2方向に1マスずつしか動けない。
- 斜め前に相手の駒が存在し、かつそのマスのむこうのマスに駒が存在しない場合、自分の駒をむこうのマスに移動させ、飛び越えた相手の駒を穫る。穫られた駒は盤上から除かれる。
- なお、獲ることが可能な配置であれば、必ず獲らなくてはならない。複数の獲り方がある場合は任意に選択してよい。
- 2個以上の駒を一飛びで穫ることはできない。
- 相手の駒を穫った後もう一度穫ることが可能ならば、そのまま連続してもう一駒穫る。
- 一番奥の列に駒を進めることによって、「成る」ことができる。成った駒は「キング」と呼ばれ、以後斜め後ろを合わせた4方向に進むことができるようになる(使用している駒によっては裏返すと王冠などが描かれていることもあり、その場合にはそれでもってキングであることを示す。それ以外の場合は既に穫られた駒を上に重ね、キングであることを示す)。
- 以下のふたつの状況で勝敗が決定する。
- 相手の駒が全滅した場合、全滅させた側の勝利となる。
- 次に動かせる駒がなくなった場合、動かせなくなった側が敗北となる。
ルール上偶然の要素はなく、ゲーム理論では将棋や囲碁と同じく二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される。2007年にアルバータ大学のシェッファーを中心とした研究グループによって、プレイヤー双方が最善を尽くした場合、必ず引き分けに至ることが証明された[1][2]。
その他の様式
- スペイン・ドイツ・ロシアチェッカー
- キングは斜めに何マスでも動ける。ちょうど将棋の角行のような動き方。ただし穫り方はイギリス式と変わらないので、斜めに複数マス移動してそのまま飛び越えることはできない。
- 国際ドラフト(国際チェッカー)
- 縦横10マスの盤を用いる。駒を穫るときには後ろ向きに飛ぶこともできる。キングの動き方はスペイン・ドイツ・ロシア式と同様。オランダ、フランス、アフリカの一部、旧ソ連の一部で一般的。世界的な競技人口は最多。初期配置は4列20駒ずつ。
- トルコチェッカー
- 8マス盤を用いる。駒は縦か横に進む(したがって盤上すべてのマスを用いる)。キングは縦横に何マスでも動ける(将棋の飛車の動き)。初期配置は、2列16駒ずつ。
コンピュータチェッカー
世界初のコンピュータチェッカーは、アーサー・サミュエルが IBM 701 上で開発した Samuel Checkers-playing Program である。
1994年にコンピュータが世界チャンピオンに勝って以来(実際には当時の世界チャンピオンだったマリオン・ティンズリーが6局連続引き分けた後、体調を崩しての不戦敗。本人は翌年死亡した。)、さらなる研究が進められてきたが、上述のように、2007年にはプレイヤー双方が最善を尽くした場合必ず引き分けになる事が証明された。
その指し手のデータベースを有するコンピュータに対して、人間あるいは他のコンピュータが勝利する事は不可能である(余談になるが、前述のティンズリーは「私は勝てる。ソフトのプログラマーは人間だが、私のプログラマーは神だから」という言葉を残している)。