タキシード

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タキシード姿の男性

タキシードテンプレート:Lang-en-short)は、男性用の礼服の一つで、本来は夜間のみ着用される物である。同じく夜間用の礼服である燕尾服よりもやや略式なものとされる。イギリスではディナー・ジャケット(会食服)、その他の欧洲諸国ではスモーキング(smoking。喫煙服)と呼ばれる。

近年の日本では結婚式の新郎が着るフロックコート風の衣装を「タキシード」と呼ぶこともあるが、これは本来のタキシードとは異なる。

概要

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メスジャケットにキルトを合わせた衣装。近代スコットランド人の夜会服である。

タキシード又は同等の上着[注 1]を中心に構成される服装(ドレスコード)をブラック・タイと言い[注 2]、黒い蝶ネクタイを着用するのが決まりである。つまり、タキシード着用の際には黒い蝶ネクタイが正式である。用途が広く、国賓を招いた晩餐会から気軽なパーティーなどまで、広く着用されている。

欧米では、昼と夜の礼服が区別されており、タキシードは基本的に夜間に着用される。欧米では晩餐会や演劇等が催される時間が日本に比べて遅い場合が多く、平日でも勤務先から帰宅してから改めてそれらに出席することが多いとされるが、日本などの大都市のように通勤時間に1時間以上もかかり勤務先から直行すると、昼と夜を着替えて出席する事は帰宅の心配が不要の宮中晩餐会などに出席する場合以外は難しい、とする見解もある[1][2][3]

タキシードの歴史

  • 1870年代初頭、ドイツやフランスのカジノでショールカラー(へちま襟)の尾のない燕尾服を着ることが流行し、これらは、元来が自宅の部屋でくつろいで喫煙する際に着る喫煙服のデザインを取り入れたものだったため、スモーキングと呼ばれた。
  • 1876年、当時のイギリス皇太子エドワード7世がこのスモーキングのファッションを英国に取り入れ、ディナー・ジャケットを考案し、パーティーなどで着用するようになる。
  • 1886年ニューヨークのタキシード・パーク倶楽部の正装舞踏会で、全員が燕尾服を着ている中、グリスウォルド・ロリラードという人物が燕尾服に着替えるのを忘れ、真っ赤なスモーキングジャケットを着用したままパーティーに参加したことが米国における始まりであるといわれる(タキシード事件)。これは、彼がその年の夏に訪れたヨーロッパで見た流行のスタイルを取り入れて意図的にそのような格好で現れたのを、周りのアメリカ人たちが「着替え忘れた」と勘違いした、とする説もある。
  • 1890年代には色とりどりのスモーキングジャケットと燕尾服のズボン、シャツ、小物を組み合わせたファッションが若者の間で流行する。この当時からアメリカではタキシードという呼び名が定着した。
  • 1900年代には黒のジャケット、燕尾服用のズボン、ウィングカラーのシャツ、白ベスト、白蝶ネクタイというスタイルが礼装として米国市民権を獲得する。
  • 1910年代には当時カジュアルシャツであったヒダ胸シャツと組み合わせた着こなしが大流行する。
  • 1920年代には夜の正礼装である燕尾服に次ぐ礼服として世界中に認知される。
    • 黒蝶ネクタイと黒のカマーベストカマーバンドが用いられるようになり、ブラック・タイと呼ばれるようになる。
    • それまでショールカラーしかなかったジャケットに、燕尾服に似せたピークラベル(剣襟)のジャケットが新たに加わる。また、ダブルのジャケットも登場する。
  • 1930年代より白タキシードや色柄もののカマーバンド、蝶ネクタイなどが販売され、用いられるようになる。1920年代に登場したダブルのジャケットが流行する。
  • 1950年代にはピーコック革命の波に乗り、色柄物のタキシードやクロス・タイ、フリル、レース、色物のシャツなどが用いられるようになる。
    • ピーコック革命の後、タキシードは再び黒一色に戻る。
  • 1970年前後、上下白のタキシードにフリルシャツと言う組み合わせが花婿の衣装として流行する。
  • 1986年、タキシード100年、自由の女神100年、コカ・コーラ100年、オーストラリア建国100年などのイベントのさなか、タキシードに普通のネクタイを組み合わせた取材陣が数多く見られる。
    • 日本では光物のアクセサリーなどをつけたディスコスタイルのタキシードが着られる。
  • 1989年にはカリフォルニア・ブラックタイ、テキサス・ブラックタイと呼ばれる着方が現れる。

基本的な構成

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基本的な構成のタキシードの一例。但し写真のジャケットはピークドラペル、ダブルのタイプで、基本的なショールカラー、シングルの物とは異なる。

文化出版局の服飾辞典のタキシードの説明による一般的な装い。

脚注

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注記

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関連項目

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