靴下
靴下(くつした、テンプレート:Lang-en-short)は、足を覆う袋状の布のことである。特に薄く伸縮性のする布を用いたものは、ストッキングと呼ばれる。古称をメリヤス足袋といい、足袋もこれに近いが、一般には別個のものとして扱われる。
概要
靴下は、靴と素足の間の緩衝材としての役目のほか、足を暖かく保つ保温作用、汗を吸収して乾燥させ、通気性を確保することのほか、靴の外にでる皮膚の保護、靴と下半身の衣服との間を埋める衣服としての役割がある。
靴下の長さは様々であり、踝(くるぶし)のすぐ上を覆うものから膝上を覆うものまで様々な長さがある。さらに足首より短く、裸足に近いスニーカーソックスもあり、最近では若者を中心に流行している。靴下の先は通常分割されていないが、つま先が分割されている靴下もある[1]。具体例としてはつま先が5つに分かれて指が1本ずつ離れるようになっているタイプ(5本指ソックス)や、足袋と同様に親指部分のみ離れているタイプ(足袋ソックス)などである。
綿、アクリル、毛(ウール、カシミア)、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、麻、絹、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの素材から作られる。
礼装に用いるものは背広や弔事・夜では黒、慶事では黒や白黒の縞柄、ビジネスでは黒、濃紺、濃茶、チャコールグレーのハイソックスとなっている。
なお、靴と同様に専用の着脱具もある[1]。
靴下の種類
丈の長さに応じて
- サイハイソックス(太もも中央くらいまでの長さ)
- オーバーザニー(膝上程度の長さ)
- ハイソックス(膝下くらいまでの長さ)
- スリークォーターソックス(ふくらはぎくらいまでの長さ)
- ブーツソックス(ふくらはぎ中央くらいまでの長さ)
- クルーソックス(ロークルーソックスよりもやや長い)
- ロークルーソックス(最も一般的な靴下)
- アンクレット(足首くらいまでの長さの靴下)
- スニーカーソックス(長さがとても短いのが特徴の靴下)
ニーソックス、オーバーザニーについては、場面によって指すものが異なる。詳細は各項目を参照。
なお、日本意匠分類では短型(ふくらはぎ中程以下のもの)と長型(ふくらはぎを覆う丈があるもの)に分類されている[1]。
機能・形状に応じて
- ルーズソックス
- サポートソックス(脚部または土踏まず部分にゴム糸を使用した靴下)
- パイルソックス(足裏部分などにパイル編みを用いクッション性を高めた靴下)
- L字型(直角)ソックス(足の形状通りL字型の靴下)
- サンドソックス(ビーチバレーボールなど、砂浜で行われるスポーツで、足の保護の為に着用する靴下)
靴下の製造工程
ほぼすべての工程において検品が行われる。
編み立て
丸編み
シングルシリンダー機
K式ともいう。口ゴムの部分に、袋状の折り返しができる。カットボスという機能により、刺繍のような柄出しができる。
ダブルシリンダー機
W式ともいう。複数枚の靴下がチューブ状に長くつながった状態で排出される。スポーツソックスによく使用されるパイルソックスや、畦あるいは畝のような、凹凸の縦縞を持つリブソックスを製造できる。リンクスやジャカードといった機能により、幾何学的な柄出しができる。
平編み
5本指ソックスを製造できる。先縫いをしなくてもいいので、下記のタンブラー工程まで省略ができる。軍手・軍足の製造工程に同じ。
抜き
上記ダブルシリンダー機で編まれた複数枚のチューブ状の靴下を、1枚1枚に切り分ける工程。通常は手作業によるが、近年、編み機から排出される段階で1枚ずつ切り分けることのできるダブルシリンダー機も出てきている。
返し
靴下を裏返す。手作業、あるいは、専用の機械を使う。
先縫い
丸編み機から排出された段階では、爪先が閉じられていない。これを裏側から縫って袋状に仕立てる工程。専用の機械を使う。
ロッソ
オーバーミシンのような機械で、生地を大雑把に縫い合わせる。現在のほとんどの靴下がこの方式。イタリアのロッソ社が最初に機械を製造したため、工程の名称もロッソとなった。
かがり(リンキング)
編目のひとつひとつを掬い縫いする(かがる)。ロッソに比べ、熟練が要求され、工賃単価も格段に高い。
傷見
裏返しになった靴下を表に返す。検品の最重要工程。
タンブラー
省略可。あらかじめ靴下を大きめに編んでおき、それを柔軟剤とともに洗濯機に投入し、水を含ませた後、乾燥機を使って熱を掛けて縮ませる。縮柔ともいい、柔らかな風合いになる。洗濯機の工程において、柔軟剤のかわりに他の薬剤を投入することにより、防虫・抗菌・香り付けなどの加工を施す場合もある。
刺繍
省略可。ブランドのロゴなどを刺繍する。
セット
靴下を型板に差し込み、蒸気や電熱などにより、熱をかけ、形を整える。日本の市場に出す製品では省略できない。
ペアリング
2枚を合わせて1足にする。口ゴム部分とつま先を、パッカー(正式にはパッチャー)と呼ばれる金具・シール紙などで綴じ合わせ、脚部と足裏の間を折る。
装飾加工
省略可。ブランドのロゴ・サイズ・品質表示(使用糸)・製造者番号を明示する。
シール
転写
アイロンを使って、足底の土踏まず部分にプリントする。
口紙
口ゴム部分の上から紙を掛け、糸などで綴じ付ける。販売店の店頭で吊り下げるためのフックが付いていることも多い。
帯紙
縦置きしたときの中央あたりに、横方向に掛ける紙。
中紙
袋入れ
ギャラリー
- Socksvariousbrandsmix.JPG
スポーツソックスと称される一般的な靴下、白のロークルーソックスが多い
- Scannedsocks.jpg
靴下の縁や側面、爪先には色が付くことも多い
- Woolen socks on the floor.JPG
様々な柄や長さの靴下
- Argyle (PSF).png
アーガイル柄の靴下
- HandKnittedWhiteLaceSock.jpg
レースの靴下
- Flip-Flops socks.jpg
足袋ソックス
- Thigh-Highs.JPG
オーバーニーソックス
- Girls wearing seifuku in Tokyo.jpg
ハイソックスの一種である、紺ハイ
- Socks and PJ.JPG
スニーカーソックス
- Loosesocks-sobuline2011.jpg
ルーズソックス
文化
芸能
出典
関連項目
テンプレート:Fashion-stub テンプレート:インナーウェア テンプレート:靴下
テンプレート:被服- ↑ 1.0 1.1 1.2 意匠分類定義カード(B2) 特許庁