ジェイ・バス
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ジェイ・バス株式会社(J-BUS LTD.)は、日野自動車といすゞ自動車が合弁で設立した会社。日本国内向けバスの製造を行っている。本店は石川県小松市串町工業団地30番地(小松事業所内)、東京本部は神奈川県川崎市川崎区駅前本町3番1号。
社名は、日野・いすゞ両者の「Joint(結合)」を表す「J」、また日野(Hino)の「H」・いすゞ(Isuzu)の「I」を次ぐアルファベットの「J」に由来する[1]。
目次
株主
- 日野自動車 (50%)
- いすゞ自動車 (50%)
沿革
- 2002年10月1日 - 日野自動車・いすゞ自動車のバス部門の経営統合に伴う合併準備会社として設立。
- 2003年10月1日 - 日野車体工業(バス製造部門)・いすゞバス製造を子会社とする。
- 2004年10月1日 - 日野車体工業・いすゞバス製造を吸収合併。会社沿革ではこの日を「新生ジェイ・バス誕生の日」としている[1]。
事業所
生産拠点
事業所に関しては、吸収合併された旧日野車体工業と旧いすゞバス製造をそのまま引き継いでいるかたちになる。また、小松事業所は日野側が、宇都宮事業所はいすゞ側が引き続き統括を取っている。
サービス拠点
- 北海道
- 東北
- 関東
- 北関東サービス駐在所 栃木県宇都宮市中岡本町(宇都宮工場)
- 南関東サービス駐在所 神奈川県横浜市鶴見区市場大和町4丁目
- 中部
- 関西
- 中国・四国
- 九州・沖縄
生産車種
事業所同様、小松事業所の車種は日野側が、宇都宮事業所の車種はいすゞ側が開発を行っている。また、低公害車等の一部の例外を除き、2社に統合車種として供給が行われている。これらの銘柄は、それぞれ発売元の会社の銘柄がつき、日野車は日野+ジェイ・バス、いすゞ車はいすゞ+ジェイ・バスの銘板が付く。
多くの車種がジェイ・バス発足年の2004年頃のマイナーチェンジ車から統合車種化しているが、初期の大型路線バス・ブルーリボンIIや2007年中ごろまで発売されていた中型系のバス(10.5m車と中型バス)はOEM供給車として扱われていた。こちらの銘柄は車両については、いずれも供給元 + ジェイ・バスの銘板が付いている。窓ガラスは小松事業所では旭硝子(AGC)、宇都宮事業所では日本板硝子を採用している。
小松事業所(旧日野車体工業)
日野側が開発しているが、ハイブリッドバス・小型ノンステップバスについてはいすゞには供給されていない。
- 大型観光バス・大型高速路線バス・9m大型観光バス
- 中型観光バス
- 大型路線バス(ハイブリッド)
- 日野・ブルーリボンシティハイブリッド (HU)
- 小型ノンステップバス(コミュニティバス用途)
- 日野・ポンチョ (HX)
宇都宮事業所(旧いすゞバス製造)
いすゞ側が開発しているが、ハイブリッドバス・CNGノンステップバスについては日野には供給されていない。
- 大型路線バス
- いすゞ・エルガ (LV) / 日野・ブルーリボンII(KV・ハイブリッドバス、CNGノンステップバスを除く)
- 中型路線バス
- いすゞ・エルガミオ (LR) / 日野・レインボーII(KR・CNGノンステップバスを除く)
過去の生産車種
小松事業所
- 大型路線バス
- 日野・ブルーリボンシティ(除くハイブリッド) (HU)
- 10.5m車(中型幅の長尺車)
- いすゞ・エルガJ(HR・日野レインボーのいすゞ供給車種)
- 日野・レインボー (HR)
- マイクロバス・小型路線バス(ツーステップバス)
- 日野・リエッセ (RX) / いすゞ・ジャーニーJ (RX)
宇都宮事業所
関連項目
その他
- 小松事業所で生産するバスに使用されるプレス部品は、日野自動車グループでトラックボディーを生産するトランテックス(石川県白山市徳丸町670番地、旧日野車体工業金沢工場)から供給を受けている。
- 2007年1月23日に、大型観光バス不正車検で法人として書類送検されている。
- 英語表記は「J-Bus」だが、インターネットのドメイン名では「j-bus.co.jp」が工房(当然当社とは無関係)が運営する発車オ〜ライネットですでに使われているため、ハイフンのない「jbus.co.jp」となった。
- リコールの届出に関しては、統合車種になる前の車種(初期のブルーリボンIIなど)は開発元が届出を行っているが、統合車種に移行後の車種に関してはそれぞれの発売元が届出を行っている。
- 株主である日野自動車は、かつての「ヂーゼル自動車工業」(同じく株主であるいすゞ自動車の前身)から日野製造所が独立し、「日野重工業」として1942年に設立されたものである。