ゲーム天国
ゲーム天国(ゲームてんごく)シリーズは、業務用及び家庭用の縦スクロールタイプシューティングゲームである。発売元はジャレコで、同社が過去に発売したゲームの主人公たちが活躍する、セルフパロディーである。キャラクターデザインを漫画家のそうま竜也が担当している。
シリーズラインナップは、業務用およびセガサターン用の『ゲーム天国』とプレイステーション用『GUNばれ!ゲーム天国(がんばれ!ゲームてんごく)』の2本。
目次
ゲーム天国
『ゲーム天国』は、業務用及びセガサターン用の縦スクロールシューティングゲーム。業務用稼動開始、1995年。セガサターン版発売、1997年6月6日。セガサターン版には、オリジナルアニメと声優インタビューが収録された特典ビデオが同梱された極楽パックがある。
ゲームには複数のステージを連続的にプレイするノーマルモードと一定時間内の得点を競うタイムアタックモードがある。ゲームは8方向ジョイスティックで自機の移動を行い、ショットボタンで通常攻撃、ボンバーボタンでボンバー攻撃を行う。ショットボタンは押しっぱなしにすることでエネルギーを溜め、離すと強力な攻撃をすることが可能である。選んだ主人公によって攻撃の特性が大きく異なるため、キャラクターごとに難易度は大きく変化する。
セガサターン版では連射ボタンや被弾しそうになると自動的にボンバーを使用するオートボンバー機能が追加されている。また業務用の移植版の他にアレンジモードがあり、新規キャラクターとステージが追加され、ステージとステージの間にデフォルメキャラクターによる寸劇が展開する構成になっている。
ストーリー
世界征服をたくらむマッドサイエンティストであるジーニアス山田は、まず手始めにコンピュータゲームの世界を征服しようと、東京都世田谷区上用賀のゲームセンター「You&Me上用賀店」に設置されたゲーム機をのっとった。
ゲーセン店員の伊藤由紀は、この事態を開店時間までに解決するべく、手持ちの中古ゲーム基板を無理やり繋いで、ゲームの主人公たちに討伐を依頼した。
ステージ構成
- ゲーセンワールド
- ゲームセンターをモチーフにしたステージ。灰皿やゲーム機、両替機などが襲ってくる。
- クレーンワールド
- クレーンゲームをモチーフとしたステージ。ぬいぐるみやデフォルメマスコットなどが襲ってくる。
- シューティングワールド
- シューティングゲームをモチーフとしたステージ。宇宙空間を背景に、宇宙船やロボットなどが襲ってくる。
- カラオケワールド
- カラオケボックスをモチーフにした、サターン版のみのオリジナルステージ。カラオケで歌われた歌詞が、そのまま実体化して攻撃をかけてくる。
- 家庭用ワールド
- 家庭用ゲームをモチーフとした、サターン版オリジナルのステージ。各種家庭用ゲーム機やドラゴンクエストシリーズ風のキャラクターなどが襲ってくる。
- ドライビングワールド
- 大型筐体ゲームをモチーフにしたステージ。前半はサーキット、後半は空の上を舞台にし、レースカーや戦闘機、体感ゲーム筐体などが襲ってくる。
- レトロワールド
- 8ビット時代のレトロゲームをモチーフとしたステージ。レトロ風味のドット絵キャラクターが襲ってくる。
- ポリゴンワールド
- 3DCGとコンピュータ内部をモチーフにしたステージ。ワイヤーフレームやポリゴンで作られたキャラクターが襲ってくる。
テーマ曲
- オープニング「天使の羽根で」
- 作詞:石嶋由美子 作曲:生方則孝 歌:かないみか
- 挿入歌「ラブリースター」
- 作詞:石嶋由美子 作・編曲:生方則孝 歌:高橋美紀、こおろぎさとみ
- エンディング「カラ元気じゃないよ」
- 作詞:石嶋由美子 作・編曲:生方則孝 歌:西原久美子、かないみか
GUNばれ!ゲーム天国
『GUNばれ!ゲーム天国』は、プレイステーション用のシューティングゲーム。1998年3月19日発売。二人同時プレイをする場合は一人が自機を操作しもう一人はガンバレット用のガンコントローラーで援護射撃をするという、特異なプレイスタイルを持つところからこのタイトルが付いた。
新規キャラクターが追加され、ステージ内容も業務用やセガサターン版から大きく変化している。ステージ間にはオリジナルのラジオ番組が流れ、各ステージで稼いだ得点を消費してムービーなどを獲得するシステムに変わった。
テーマ曲(GUNばれ)
- オープニング「to Your Dream」
- 作詞:ANIE 作曲:荒川憲一 歌:西原久美子、かないみか、高橋美紀、こおろぎさとみ
- エンディング「Memorial Day」
- 作詞:ANIE 作曲:荒川憲一 歌:かないみか
- 挿入歌「わしが青春のムテキウイング」
- 作詞:寺西慶祐 作曲:八尋健生 歌:宮内タカユキ
- 挿入歌「a-thai-hau-die!!」
- 作詞:ANIE 作曲:荒川憲一 歌:高橋美紀、こおろぎさとみ
シリーズの登場人物(カッコ内は声の出演)
- 伊藤由紀(西原久美子)
- 本作の主人公。ゲームステージ「ユーアンドミー上用賀店」のアルバイト店員。アーケードゲームオタクで、自慢の中古基板コレクションを武器にジーニアス山田に立ち向かう。プレイ中にはゲームの種類選択やハイスコアネーム登録のナビゲーションなども行う。
- ジーニアス山田(千葉繁)
- 裸に白衣だけという異様な姿で、世界征服を企む自称超天才科学者。オタク娘の伊藤由紀を脳改造して自らの僕とすることに執着しており、全世界のコンピュータを支配することで己の野望を実現しようとしている。
- ジェイナス=スターマイン(関智一)
- 『エクセリオン』に登場する、「ファイターEX」のパイロット。見た目は格好良いが、重度のロリコンという致命的欠点がある。自機のファイターEXの通常攻撃は連射能力が高いが直線的で攻撃可能範囲は狭い。
- セリア(かないみか)
- 『プラスアルファ』に登場する、「プーペラ」のパイロット。本作登場人物の中ではもっとも常識的な考え方をする。ただ、歯に衣を着せないストレートな物言いが多い。自機のプーペラは通常攻撃が前方に幅広く広がるため、使い勝手が良い。別名:影の支配者という説もある。
- Z-DYNE Mk-II(業務用-千葉繁、家庭用-置鮎龍太郎)
- ぜっとだいんまーくつー。『フォーメーションZ』に登場する、可変戦闘機「イクスペル」の後継機。高性能AIを搭載した、生真面目な自立型の可変巨大ロボット。AIのおかげで流暢に喋ることができ、周囲の物事にも関心を示す。セガサターン版のインターミッションでは、モモコのせいで一時的にオカマ喋りになってしまうというエピソードがある。通常攻撃は自動追尾レーザーで、速射能力・追尾性能ともに良好である。
- モモコ(椎名へきる)
- 『モモコ120%』に登場する少女で、本作では超能力を持つ小学5年生。突拍子もない言動と行動で周囲を振り回す。通常攻撃は前方に加えて誘導弾が発射されるが、小学生なので追尾性能はあまり良くない。特筆すべきは威力絶大の「モモコボンバー」(正式名称は「超究極ハイパーボム」)で、炸裂させるとモモコの様々なコスプレ姿が画面いっぱいに表示される。また、チャージ攻撃がアーケード版とアレンジ版では大きく異なり、アーケードモードの「お星様アタック」は一度画面上部にあがった後、降るようになってからでないと効果が発揮しない上、小学生なので判定にムラがあるが威力は高い。ところがアレンジモードでの「モモコアタック」はモモコの分身が突撃するようになり、3 - 5回、残像のようにヒットするものの、威力も攻撃範囲も極端に下がりほぼ使い物にならなくなってしまった。『GUNばれ!ゲーム天国』内のアニメではその存在をなかったことにされている。GUNばれゲーム天国にも隠しキャラクターとして登場するが性能が劣化していたり、モモコボンバーを繰り出した際にコスプレが排除されていたり、モモコ人形なるアイテムが登場する。
- ぴぐ(業務用-?、家庭用-大塚明夫)
- 『ぶたさん』の主人公で、水玉パンツを穿いたブタ。ラブリーな見た目に似合わず言動や行動は軍人を髣髴とさせ非常に渋いという、非常にギャップのあるキャラクター。セガサターン版の説明書のキャラクター紹介によると、トンカツやチャーシュー等様々な料理に利用できることから彼は常に命を狙われており、そのため戦いの場に身をおくことを選んだとのこと。法螺を吹く癖があるらしい。通常攻撃は爆弾投げで爆風による効果範囲は広いが、速射性に劣る。
- みき(高橋美紀)
- 『フィールドコンバット』に登場する移動トーチカ「ジェネシス3」の乗員。かわいい顔をしているが実はかなり凶悪な性格。自機の攻撃能力は貧弱だが敵を自動追尾して攻撃するオプションがついており、ボンバーはこのオプションが自爆する。サターン版以降に登場。元ネタのフィールドコンバットのジェネシス3は、「洗脳されている兵士をキャプチャービームで捕獲し、洗脳を解いて味方として使用する」というものだが、みき・みさと姉妹のジェネシス3は「捕獲した敵を洗脳し、正義のためと称して自爆させる」という正反対の設定。
- みさと(こおろぎさとみ)
- みきの妹で、姉にいつも虐待されている。サターン版ではカラオケステージのボスとして登場し、以後ストーリーに合流する。サターン版以降に登場。カラオケステージのボス戦BGMである「ラブリー☆スター」はみさと(こおろぎ)とみき(高橋)によるデュエット曲だが、ボス戦ではみさとのソロバージョンが使用されている。みさとの台詞の「お姉ちゃん、酷ぉいっ!」は、サターンやプレイステーションのコンシューマー版がリリースされた90年代後半から2000年代初頭にかけての暫くの間、こおろぎさとみがイベントに出演する際にしばしば披露する持ちネタとなっていた。
- 加藤(鈴木真仁)
- 山田に脳改造されて無理やり助手にされた女子高生その1。サターン豪華版特典のアニメではバリヤー発生装置に改造されて悲惨な目に遭う。サターン版に登場。ちなみにこの場合の脳改造は洗脳とは異なるため、改造された本人の意思と記憶はそのままなのに体が勝手に山田のいうことを聞く状態になる。
- 中村(伊瀬久美子)
- 山田に脳改造されて無理やり助手にされた女子高生その2。サターン版の家庭用ゲームワールドでは中ボスとして登場しセーラー服姿とブルマー姿を披露する。サターン版に登場する他、ドラマCD版にも登場する。
- さくら(荒木香恵)
- モモコの妹で、常に空腹を抱える小学生。大人の事情[1]で姉に代わって参戦した。腹八分目以上になると封印が解かれ、さくらアタックという強力な攻撃ができる。プレイステーション版にのみ登場。姉と同じく「さくらボンバー」なるコスプレ画面ボム攻撃を持つ。
- クラリス(吉田小南美)
- 『シティコネクション』の主人公で、日本語が怪しい金髪美少女。愛用の小型自動車クラリスカーは、オイル缶を発射して攻撃する。プレイステーション版にのみ登場。
- みーとん(大塚芳忠)
- ぴぐの元同僚で三枚目な無菌豚。プレイステーション版にのみ登場。スレッジトンマー作戦において対豚地雷にひっかかって戦死したとされるが、何故か元気に生きている。
- ポーク(山寺宏一)
- ぴぐの元上官。プレイステーション版にのみ登場。ぴぐはかつて自分とみーとんを逃がす為に敵地に飛び込んで戦死したと思っていたが何故か生きており、かつての頃とは大きく変ってオカマ言葉で話すようになった。
- フランソワーズ山田(本多知恵子)
- ジーニアス山田の娘で、助手として無理やり手伝わされているが、本人は至って常識人。プレイステーション版にのみ登場。
- みーや(伊東みやこ)
- ジーニアス山田がタヌキと娘フランソワーズの細胞から作り出したペットで、一種のキメラ生物。知能が高く人語を解し、二面性を持ち非常に悪賢い。プレイステーション版にのみ登場。
アニメ
ゲーム天国(OVA)
セガサターン版「ゲーム天国・極楽パック」同梱VHS収録のOVA。
- 物語
- ゲーム世界を舞台に暴れ回る悪の超天才ジーニアス山田の常軌を逸したハチャメチャ攻撃の数々!そしてそれに立ち向かうゼットダインら懐かしのゲームヒーロー&ヒロイン達と・・・・何が何だか分からないうちに巻き込まれてしまったゲーセン店員由紀ちゃんの運命やいかに?
- 登場メカ
- ジーニアスF1
- ジーニアス山田達の乗るF1型のメカ。武器はバルカンと口から出る汚物攻撃。
- ムテキンダーZ
- 変態科学者ジーニアス山田がゲーム世界を支配する為に作った最終兵器ジーニアスロボで、ジーニアス似のかっこわるい姿をしている。すぐ壊れるが自己再生能力を持ち、更にもっと趣味の悪く気持ち悪い姿になったムテキンダーZ最終形態に変形もできる。武器は右腕が変形するチェーンソー、加藤を改造した武器にも使えるジーニアスバリア、全世界破滅スイッチ(リセットスイッチ)。
- 挿入歌
- 「戦え!わしだけのムテキンダーZ」
- 作詞 - 小板橋司 / 作曲 - 八尋健生 / 歌 - 宮内タカユキ / 台詞 - ジーニアス山田(千葉繁)
GUNばれ!ゲーム天国(ムービー)
『GUNばれ!ゲーム天国』ゲーム内ポイントで入手できるアニメムービー。前後編の全2作。ストーリーはそうま竜也自身が描いているコミック版と同内容。
- 物語
- 再びゲーム世界へとやってきた伊藤由紀。新キャラも登場するが自滅したりと全滅の危機に。最後の頼みは封印をとくしかないのだが・・・。
- 登場メカ
- ムテキウィング
- ジーニアス山田達が乗る飛行型メカ。メカを狂わせる妨害電波を出せるほか、ジーニアスバリアで守られている。
- スタッフ
- 監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・総作画監督 - そうま竜也
- 演出 - 西尾貴洋
- ムテキウイングデザイン - 宮武一貴
- 制作 - 童夢
ドラマCD
関連項目
- ジャレコ
- アイドル雀士スーチーパイ -同一スタッフの作品。めちゃ限定版のフリー対戦モードに本作のキャラクターが登場。
- アントニオ猪木VSジャレコ -本作の流れを汲むiモード用ゲーム
- コミック電撃大王 - そうま竜也自身によるプレイステーション版の漫画化作品が連載されていた。
脚注
外部リンク
テンプレート:Asbox- ↑ 『GUNばれゲーム天国』の内のアニメではモモコについて触れた際に由紀が「しー」と言っていた。