ケイバブック

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株式会社ケイバブック滋賀県栗東市手原にある競馬新聞、ならびに競馬関連図書を製作、販売する会社である。

テンプレート:基礎情報 新聞

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概要

  • 創業 1946年10月
  • 設立 1962年12月25日
  • 代表取締役社長 松井淳(編集及び発行印刷責任者も兼務)
  • 以前は会社名を松井総業(創業当初は十美社)と称し、競馬ブック(ケイバブック)はあくまでも同社が発行する定期刊行物の名称であったが、現在は正式な社名となった。なお松井総業は2013年現在は同じグループの研究ニュースの発行元となっている。
  • 創立当初は競輪の新聞も発行しており、大きな収入源となったが、昭和30年代には撤退した。

主な出版物

競馬ブック
競馬予想専門紙。中央競馬JRA)ならびに一部地方競馬を取り扱う。
中央競馬は関東版・関西版・ローカル版を発行していたが、2010年10月9日開催分から関東版と関西版を統合し東西全国版で発行(ローカル版はこれまでどおり)とし、東西主場全レースとローカルの特別競走を網羅した16頁立て(ローカル版は第3場の全レースと東西主場特別競走を収録)となる。関東の主要競馬新聞では唯一、馬柱が横組みである。
地方競馬ではばんえい競馬版(1978年認可[1])・ホッカイドウ競馬版を発行しているほか、2008年4月7日より従来の「競馬研究(現在の「研究ニュース」)」を引き継ぎ南関東版「競馬ブック」として発行を開始した。なお、地方競馬版も横組みである。また、現在ではホッカイドウ競馬における唯一の専門紙である。
週刊競馬ブック
競馬関連の情報を掲載した週刊誌である。1962年12月創刊、毎週月曜日発行。詳細は後述
競馬四季報
競走馬の生涯成績一覧を扱う季刊誌である。詳細は後述
レーシングファイル(休刊中)
中央競馬のレース成績一覧。

専門紙「競馬ブック」の紙面構成

以下は中央競馬版を基本としているため、地方競馬版(特にばんえい競馬)は若干異なる部分がある。

本文

  • 本誌の見解
    当該レースに対する総評的な予想。本命馬その他の印を付けた馬について簡単な理由を付けて紹介。
  • 厩舎コメント・ポイント
    水曜日・木曜日の追いきりでの取材時点での厩舎コメントを紹介し、その直後に、競馬ブックスタッフが当該馬に対する見解を付ける。GIレースの当日版は馬番順に、その他のレースでは本誌印◎○▲二重三角△無印(無印馬は馬番順)にコメントが掲載される。ポイントはGIレースの当日版は枠ごとにまとめて記載される。馬名の前には、厩舎の自信度を◎(強気)○(普通)△(弱気)で文字では掴みづらい感触を記号で表している。
  • 厩舎コメントからの買い目(特別競走のみ)
    上述の厩舎コメントからいい感触の馬を抜き出して紹介する。
  • 朝駆けナマナマ情報(特別競走のみ)
    新聞発行日(レース前日)の厩舎の直前の感触を紹介する。前述の厩舎コメントとの変化を、矢印記号で表現している。
  • 直前変わり身診断(特別競走のみ)
    新聞発行日(レース前日)の馬場運動の状況を紹介する。後述の調教データとの変化を、矢印記号で表現している。
  • 調教
    前走後今回の出走に至るまでの間の調教タイムを紹介している。また、今週の本追い切りで走ったコースでのベスト調教タイム、前走の本追い切りの調教タイム、前回2着以内に入ったときの調教タイムも併せて掲載しているので、それとの比較で今回の状態をはかることも可能。特別競走については、トラックマンのコメントが記載されている。
  • 双眼鏡の独り言(特別競走のうち一部)
    調教で特によかった馬を取り上げて紹介する。
  • その他不定期(紙面が余ったとき?)に「展開の有利な馬不利な馬」「決め手に勝る馬」など、特注馬を最後に紹介することもある。

レースごとのコラム

本紙予想

馬連・馬単・3連複・3連単の本誌予想買い目を掲載。馬連・馬単は本紙予想トラックマンよりも多めに買い目を示している。3連複は1頭軸流し、2頭軸流し、ボックスのいずれか、3連単はフォーメーション予想。

展開予想

一般競走
逃げ、先行、差し、追い込みに分類してその馬番を示し、ハイペース(H)、ミドルペース(M)、スローペース(S)になるかどうかの予想を記号で示すのみ。
特別競走
上記の他に3行ほど使って簡単な解説が付く。
メインレース
コース図を使用し、10行ほどの解説が付く。解説にはたいてい、レース展開の鍵を握る馬(たいていは本命馬)がいつどこで動き出し、最後の直線ではどうなるかの予想は記載されているが、それによってどの馬が有利になるかは記載されないことが多い。
新馬戦
展開予想が出来ないので、その代わり、好仕上がり、初戦向きな馬を数頭ピックアップしている。
トラックマンの買い目
馬単最大6点(折り返し含めれば最大12点)による予想。予想成績は翌週の週刊競馬ブックで決算される。
この1頭血統から推す(特別競走のみ)
血統面で注目できる馬を1頭紹介する。関西版の担当者は上記トラックマンの買い目に参加していないので半分ネタコラムになっているが、関東版の担当者は印も付けているので内容はあまりネタ臭くない。なお、関東版と関西版とでは基本的に同じ記事だが、GIレースの場合、このコラムのみが東西で異なる記事が掲載されている。
スタッフ予想とコンピュータファクター分析
能力表(馬柱のことだが、横組みのため柱とは呼べないのでこう称している)に印を打っている以外のトラックマンの印、馬の総賞金額(本賞金+ステークスマネー)、道悪巧拙(ダート戦の場合はダート巧拙)・距離適性・コース適性・前走・調教・実績(新馬戦の場合は実績・前走などの代わりにゲート・血統・仕上など、障害戦の場合は道悪巧拙の代わりに飛越巧拙に置き換わる)の評価、過去3走の中央競馬におけるスピード指数、これらの要素にレイティングなどを加味したコンピュータによるグラフ分析及び印・買い目が一まとめになった表。

週刊競馬ブック

テンプレート:基礎情報 雑誌

概要

  • 原則として毎週月曜日発売(但し、平日に中央競馬開催がある場合=台風などの天災で代替競馬が開催された場合、またはハッピーマンデー開催などは、その翌日)

内容

  • 各種データ等
    • カラー写真記事(重賞フォトパドック、前週の特別レース回顧)
    • 前週のレース成績一覧(中央競馬の全レースおよび地方競馬の一部レース)
    • 前週の種牡馬別勝馬一覧
    • リーディング・トレーナー&ジョッキー
    • リーディング・サイヤー
    • 条件別分類表(現役競走馬と出走条件一覧、一部割愛の場合あり)
    • レコード表(各競馬場のレコードタイム一覧、不定期掲載)
    • 競馬用語辞典(不定期掲載)

かつての連載

  • 以前は週刊競馬ブックにも関東版・関西版があり、巻末に新聞縮刷版が掲載されていたが、全国版になったときにファクシミリ新聞サービスが普及したこともあり縮刷版の掲載は廃止された。
  • 『競走馬の心技体』(楠瀬良平賀敦青木修によるリレーコラム、2011年1月23日号にて終了)
  • 青芝フックのやじ馬でどないじゃ!』
  • 『それからの中央のスター達』(例年1〜3月頃限定の連載。執筆者は、各地の地方競馬専門紙担当記者)

かつてのできごと

  • 2007年8月20日発売「8月25・26日号」は馬インフルエンザによる競馬開催可否の判断が未定だった(結局開催決定)ことから発売を取り止めた。なお、ライバルの週刊Gallopはページ数こそ削減されたが通常発行されている。
  • 2011年3月14日発売「3月19・20日号」は東日本大震災による競馬開催中止と、今後の開催日程も未定であることなどからやはり発売中止となった。この際はGallopも休刊している。

競馬四季報

テンプレート:基礎情報 雑誌 競馬四季報は1971年から「競馬四季報」(関東版)が株式会社サラブレッド血統センターより、続いて1979年に「関西競馬四季報」が株式会社ケイバブックよりそれぞれ創刊された。関東版は美浦所属馬中心、関西四季報は栗東所属馬中心にそれぞれの登録全競走馬の血統・競走成績を大挙収録するとともに、競馬に関する様々な写真グラフィックによる特集も収録されていた。関西四季報は創刊当初のごく一時期は春・秋の年2回であり「事実上二季報」であり、名実ともに四季報となったのは1984年からである。

その後1995年冬号から、「発行・株式会社サラブレッド血統センター、発売・株式会社ケイバブック」で発行・編集・表紙デザインを統一したが、引き続き関東・関西の2分冊の形式(題名は「競馬四季報・関東版or関西版」)であった。現在は全国の中央競馬全レースの馬券が購入できるようになったことや、地方競馬との交流レースが増えたことなどから2001年冬号以後「全国版」として1冊にまとめられている。毎年夏号にはペーパーオーナーゲームの参加者が募集される。春号には馬主向けの情報誌「スタリオンレヴュー」(非売)の最新年度版を希望読者(オンライン注文の場合は全員)に贈呈するキャンペーンもある。

発売される時期と主に取り上げる特集のテーマ

  • 冬号 1月下旬 特集:主に前年度秋季 GI 競走の名場面集
  • 春号 3月下旬 特集:目前に迫ったクラシック競走出走を目指す3歳馬の参考レースの特集
  • 夏号 6月下旬 特集:主に当年度春季 GI 競走の名場面集
  • 秋号 9月下旬 特集:フレッシュマンサイヤーズ 当年度デビューの新種牡馬、繁殖牝馬とその産駒についての特集

主な評論家・トラックマン

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中央競馬・関西

中央競馬・関東

  • 松本憲二(本紙、ラジオNIKKEI解説者)
  • 吉岡哲哉(BSイレブン競馬中継隔週日曜日パドック解説者、グリーンチャンネル解説者)
  • 林茂徳(本紙、グリーンチャンネルパドック解説者)
  • 吉田幹太(グリーンチャンネルパドック解説者)

ホッカイドウ競馬

ばんえい競馬

南関東競馬

過去に在籍し、予想を行っていた主な人物

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中央競馬・関西

中央競馬・関東

などがいる。

競馬ブック on Line

近年ではインターネットによる有料情報配信にも力を入れている。いずれも会員登録が必要。

PC
  • 競馬ブックweb
  • 競馬ブックwebライト
  • 競馬ブックネットclub
携帯電話ネットサービス

コマーシャル

KBS京都KEIBAワンダーランドうまDOKIで長年冠協賛しており、ケイバブックのCMを多数放送している。以下主なもの。

  • 「科学とフィーリングで捕らえた競馬ブック…」(ナレーター・若山弦蔵)と調教フィルムの映像と紙面に掲載された調教タイム記事をフレームインさせたもの
  • 栗東トレーニングセンターでの調教を取材するトラックマン(バックで流れるCMソングの作詞・作曲・歌はみなみらんぼう。レコード・CD化はされていない。このCMソングは、近年まで同社発行の『競馬四季報』のCM[注 1]にも使用されていた)
  • トレーニングセンターでの併せ馬とレース映像を絡ませて「父が走りぬいた距離を、母が駆け上った坂を、勝利を目指して君が走る…。週末のロマンは月曜日に始まります」と週刊誌のPRをするもの(ナレーター・城達也小野田英一)。このCMで使用している曲のタイトルは「Weekend Romance」(歌・Chuck Wansley)で、現在でも競馬ブックのサイトで聴くことが可能。
  • トウカイテイオーの雄姿を写しつつ「ゴールが見えてくる専門誌」をPRするもの
  • 松原のぶえの歌をバックにして過去の名勝負とその新聞を映し出し、「8ページ(後12ページ)の長編ロマン ゴールが見えてくる専門誌」とPRするもの
  • 携帯電話をイメージしたグラフィックを使った「競馬ブックオンライン」のPR

特記

関西を拠点としていることもあり、かつては、KBS京都以外でも関西以西のテレビ・ラジオ競馬中継において、競馬ブックの影響力は絶大であり、解説者は競馬ブックトラックマンでほぼ占められていたが、2000年代に入って徐々にこの状況が変化していった。

ラジオ関西MBSラジオの競馬中継(ラジオ関西 パーフェクト競馬!サンデー競馬中継 みんなの競馬)にも長年協賛してきたが、ラジオ関西については2009年度(2010年3月27日)の放送を最後に撤退し、解説者の出演も中止されることになった。

また、ラジオNIKKEI第1放送中央競馬実況中継に関しても2009年度(2010年3月28日)の放送を最後に撤退し、解説者の出演は日曜午後担当の松本憲二以外全員降板となった(但しCMは2013年に入ってから復活している)。

更に、フジテレビ系列の競馬中継でも、かつては大坪元雄を長年メイン解説者として起用した、関西テレビ制作の競馬中継、及びテレビ西日本制作の競馬中継においても、近年は解説者が競馬ブックトラックマンから競馬エイトトラックマンに切り替えられるようになった。現在、フジテレビ系列の競馬中継において、競馬ブックトラックマンが出演するのは、北海道文化放送制作の『ドラマチック競馬』に橋本篤史(2012年より)が出演するのみに留まっている。そのため、現在地上波テレビ全国中継に登場する競馬ブックトラックマンは橋本ただ一人となった[注 2]

上記のように、一時期は地上波テレビ・ラジオ中継では競馬ブックトラックマンの解説者起用が減少傾向にあったが、また近年は徐々に増加している。2011年1月5日よりスタートするBSイレブン制作の『BSイレブン競馬中継』にて、関東所属の吉岡哲哉と関西所属の松本晴夫、川田英太[注 3]がパドック解説者として参加することとなった。また、KBS京都主管の中継も2010年でワイド放送を打ち切り、土曜日15時台『うまDOKI』に移行することになり、ここにも栗東のケイバブックトラックマンがそのまま出演(牟田雅直、長岡利幸)することになった。更に2012年から開始した『競馬展望プラス』において、関西版には牟田雅直、山田理子、西村敬、坂井直樹の4名が週替わりで、関東版には山下健、安中貴史、赤塚俊彦の関東所属最年少トラックマンである3名が出演している。

脚注

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出典

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外部リンク

テンプレート:日本の競馬新聞
  1. テンプレート:Cite web
  2. 週刊競馬ブック2011年7月30日・31日号 p27 「栗東トレセン ウィークリーログ」。7月24日付で定年退職した旨の記載がされている。


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