カオスガンダム
テンプレート:Pathnav カオスガンダムは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の兵器の一機種。「カオス」はギリシア神話に登場する現初神であると同時に英語で「混沌」を意味する。
本項では、メディアミックス作品に登場する原型機であるプロトカオスについても解説する。
機体解説
テンプレート:機動兵器 ユニウス条約締結後、ザフトが開発した次世代試作MS群「セカンドステージシリーズ」の1機。型式番号の「X」は実験機体である事、「2」は航空機系統、「4」は開発ナンバー、「S」は「Second Stage(セカンドステージ)」を示す。宇宙での高機動戦闘を主眼に置いており、MA形態への可変機構と、多彩な武装を備えた強襲用の機体である。装甲には、ヴァリアブルフェイズシフト装甲が採用されており、デュートリオンビーム送電システムにより、戦闘継続時間の延長が可能である。
MA形態時は胴を折る様な形で変形し、MS形態時同様の人型をとる。これには、MA形態でも腕部を使用でき携行火器の使用に対して特に大きな制限がないというメリットがある。MA形態時は大出力のビーム砲「カリドゥス改」が使用可能であり、高い加速力と破壊力を活かした一撃離脱戦法を得意としている。また、ビームライフルやビームクロー等近・中近距離用の武装も使用可能で、敵の規模や距離に適した火器を自在に選択出来る。更に「機動兵装ポッド」によるオールレンジ攻撃は、MS・MA両形態で使用可能であり、攻撃方法の選択肢が広い。大気圏内での戦闘も可能であり、強力な推進力を活かした機動力を誇っている。
武装
- MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
- 頭部に4門内蔵されたCIWS。
- MMI-GAU25A 20mmCIWS
- 胸部に2門装備されているCIWS。
- MA-BAR721 高エネルギービームライフル
- 高速戦闘に適した専用ビームライフル。インパルスのMA-BAR72をMA形態での高速戦闘用に耐え得るように改良したもの[1]。
- MA-M941ヴァジュラ ビームサーベル
- アビスを除くセカンドステージシリーズに共通採用されたビームサーベル。カオスはMA形態時も腕部に制限が無いために、形態を問わず使用出来る。
- MGX-2235Bカリドゥス改 複相ビーム砲
- 背部センサーに蓋をされる形で内蔵されている高出力ビーム砲。使用時にはセンサー部がスライドし砲口を露出させる。アビスの胸部に内蔵されたMGX-2235カリドゥスを高速戦闘仕様に改修した装備。本機の兵装中最大級の威力を誇るが、設置箇所の関係から使用はMA形態時に限られる。カリドゥスはラテン語で「猛火」の意。
- EQFU-5X 機動兵装ポッド
- 大気圏内飛行を可能とする高推力スラスターを備えるドラグーンの発展兵器。使用の際には量子通信で相当量のエネルギーを消耗するものの[1]、最大の特徴としてパイロットが特別な空間認識能力を持たずとも使用出来るようになっている。
- 類系兵器のGDU-X5 突撃ビーム機動砲やスーパードラグーンといった新型が次々に台頭していった中にあって、いずれも大気圏内での自律浮遊能力を持たなかったのに対し、本機だけは可能だったが実際の使用回数は極僅かだった[2]。
- MA-81R ビーム突撃砲
- ポッド内蔵のビーム砲。発砲時は内部に格納された砲身が伸長する。
- AGM141ファイヤーフライ 誘導ミサイル
- ポッド内蔵の誘導型ミサイル。ブラストインパルスにも同型の装備が採用されている。
- MA-XM434 ビームクロー
- 両膝、爪先のクローから出力されるビームクロー。MA形態時の接近戦用兵装として使用する他、MS形態時は蹴撃に連動して使用される。イージスのビームサーベル発生装置と類似している。
- MMI-RG330 巡航機動防盾
- 左腕にマウントされる対ビームコーティング仕様の防御兵装。他のセカンドステージシリーズが装備するシールドと比べやや小型でMAでの高機動戦闘を考慮した設計となっており、「巡航機動」という名称となっているのはこの為である。他にも機関砲を内蔵しており、牽制やミサイル等の迎撃にも使用される。MA形態時も腕部にマウントされたままであり、シールドとしての防御と機関砲の射撃はMS・MA双方の形態で同様に使用できる。
- MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲
- 前大戦当時のザフト製ガンダムやゲイツの頭部に採用されたものと同じ対空迎撃用機関砲。シールド表側に2門装備されている。
劇中での活躍
ミネルバに配備される直前に、地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」によって、アビス、ガイアと共に軍事工廠アーモリーワンの第6番格納庫から強奪された。以後は奪取時のパイロットであるスティング・オークレーの搭乗機として、デブリ帯やユニウスセブン落下直前の地球軌道上、地上降下後の各地でミネルバ隊と激戦を繰り広げた。
インド洋とダータネルス海峡の戦闘において、アスラン・ザラが搭乗するセイバーと交戦する。クレタ島沖海戦では、再びセイバーと交戦するが、戦闘に介入して来たフリーダムに両腕を機動兵装ポッドごと両断されて墜落した。その後、ベルリン上空にて再びフリーダムと交戦するも、アークエンジェルと合流した元オーブ連合首長国黒海派遣艦隊所属のイケヤ、ゴウ、ニシザワが搭乗するムラサメ3機の連携攻撃を受けて被弾し、機体のバランスを失い落下するところをビームサーベルで胴体を両断され撃墜されたが、パイロットのスティングは生還している。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』において、アーモリーワンでの運用テスト期のエピソードが描かれ、そこではコートニー・ヒエロニムスがテストパイロットを務めた。
プロトカオス
MAの有効性を再検証するために試作したカオスのプロトタイプ。MA形態検証用の実験機であり、MSへの変形機構は有していない。MSとしての頭部や腕部は持っておらず、機首メインセンサーはモノアイ方式となっている。腕が存在するスペースには機動兵装ポッドのターミナルが設置され、合計4基のポッドを装備している。胴体部は巨大なリバーススラスターとなっており、直下にコクピットが存在するためにカオスに採用されたカリドゥス改複相ビーム砲は装備していない。本体部と兵装ポッドのスラスターを合わせた大推力により、圧倒的な高機動性をこの機体に与えている。
試作機は計6機製造され、パイロットはコートニー・ヒエロニムスが務める。あまりに過酷な高機動試験を行ったために全機が損壊し、3機は修復不可能と判断され構造解析後完全廃棄された。残りは修復後にモスボール処置を施されアーモリー・ワン内に保管されている。
アーモリーワンで起こった地球連合軍のファントムペインによるセカンドステージシリーズMS強奪事件の際には、1機にコートニーが搭乗し、実戦参加した。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 プラモデル 『1/100 カオスガンダム』 組立説明書。
- ↑ アニメ本編 「PHASE-16 インド洋の死闘」(ただし、HDリマスターでは該当箇所が修正されている) の他に、久織ちまき 『SEED DESTINY THE EDGE』 第2巻、77頁、岩瀬昌嗣 「SEED DESTINY 第2巻 『PHASE-06 インド洋の死闘』」 などでも見られた。