アビスガンダム
テンプレート:Pathnav アビスガンダムは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の兵器の一機種。「アビス」は英語で「深淵」を意味する。
機体解説
テンプレート:機動兵器 フォビドゥンブルーなど地球連合軍の水中戦用MSの対抗兵器として開発された、セカンドステージシリーズに属する機体。潜水艇型のモビルアーマー (MA) への変形機構を持つ。
それ以前のザフト製水陸両用MSにはグーン、ゾノが存在するが、これらの機体は基本的に水中のみでの運用を重視しており、揚陸作戦においての機動性に問題があったが、アビスの基本形は従来のMSと同じ人型であるため、陸上での機動性も確保されている。更に宇宙空間での活動も可能であり、水陸両用MSとしての汎用性はグーンやゾノを大きく上回る。
陸上での戦闘では、機動性を重視しない火力支援用として運用を想定し、多数のビーム砲や格闘専用にリーチの長い格闘兵装を備えている。また、デュートリオンビーム送電システムが採用されており、戦闘時間の延長が可能となっている。
武装
- MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
- 頭部ブレードアンテナ上部に装備された近接防御火器。主にミサイル等の迎撃に使用される。
- MMI-GAU25A 20mmCIWS
- セカンドシリーズ共通の近接防御火器。肩部に2門を内蔵する。
- MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
- 胸部内蔵の大出力ビーム砲。本機最強の装備であり、エネルギー変換効率の改善により前世代の核動力型MSにも劣らぬ出力を誇る。
- M107 バラエーナ改2連装ビーム砲
- 背部の可動式2連装ビーム砲塔。フリーダムに採用された「M100」の省電力化モデル。ビーム兵器であるため水中戦では使用出来ないが、浅水域からの対空攻撃に威力を発揮する。MA形態時は砲身が転回し、砲門が前方を向く形をとる。
- MX-RQB516 ビームランス
- ビーム刃と実体刃を複合装備させた槍状装備。機体の全高に匹敵するリーチを持ち、柄部分は対ビームコーティングがされており、ビームサーベルを受け止める事が可能となっている。水中で使用可能な格闘兵装として実体剣部を先端に備え、水中であっても地上と同様に槍としての使用を可能とする。MA形態時は実体剣部分が機体最前部に来る形で機体下部にマウントされる。本来、遠距離砲戦型のアビスが敵MSと接近戦になった場合、相手と広い間合いを取る事により戦闘を有利に進めるための装備である。
- 同様の装備として、ブラストインパルスのデファイアントビームジャベリンがある。
- MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷
- MA時の主兵装で両肩のシールドに内蔵されている。発射口は左右合わせて4門ある。
- MA-X223E 3連装ビーム砲
- 両肩シールド裏面に内蔵されたビーム砲。左右計6門のビーム砲を一斉発射する事で、広域に存在する目標に対し同時攻撃が出来る。カリドゥス、バラエーナ改と同時使用も可能となっている。
- M68 連装砲
- 両肩シールドに装備される武装で砲門数は計4。実弾兵器として炸裂式の砲弾を装填しており威力は高い。水中でも使用可能となっている。MA形態時には変形機構上、砲門が進行方向と逆の真後ろに来る。この事を利用し、劇中では後方の敵機に対して発射するというトリッキーな用い方もなされた。
- 両肩部シールド
- MA-X223E 3連装ビーム砲、M68 連装砲と共に、外装にヴァリアブルフェイズシフト装甲と対ビームコーティングを施した攻防一体の盾。MA形態時は、頭部を覆う形でユニットを密着させる事で水流抵抗減免のためのフェアリングとして機能すると同時に、前方及び側方の対ビーム防御を兼ねる。
- 尚、あくまでもアビスのパーツの一部という位置付けで、装備としての固有の名称はない。
劇中での活躍
アーモリーワンにおいて、地球連合軍ファントムペインにカオス、ガイアと共に強奪され、以降は奪取時のパイロットであったアウル・ニーダの搭乗機となり、強奪した2機と共にミネルバを追撃した。
地球上では、水中戦において無類の強さを発揮し、インド洋での戦闘では、ミネルバに随伴していた潜水母艦ニーラゴンゴを撃沈した。ダーダネルス海峡の戦闘では、損傷したミネルバに水中から迫ったが、戦闘に介入したフリーダムによりレールガンで推進器を破壊され、戦線を離脱した。クレタ島沖の戦闘ではシン・アスカ駆るブラストインパルスと交戦し、水中から飛び出した際に放った3連装ビーム砲によってブラストシルエットを大破させたが、ビームが命中した瞬間、ブラストシルエットを分離した事で直撃を免れていたため、その直後にインパルスが手にしていたビームジャベリンの投擲による反撃を受けアビスはコクピットを貫かれ撃墜し、海中で爆散。パイロットのアウルも戦死した。
デュートリオンビーム送電システムは一度も使うことなく終わった。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』において、アーモリーワンでの運用テスト期のエピソードが描かれ、そこではマーレ・ストロードがテストパイロットを務め、正式パイロットに選ばれていた。